麻帆良の小さな戦士たち【旧版】   作:ハクアルバ

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ep.16 小さな戦士、人から人へ

翌日 昼休み

 

「アスナさん、昨日はありがとうございました」

「まったく世話のかかる先生なんだから。寝てるとこ起こされたし、コーヒーでもおごってもらおうかな?」

「は、はい!……あ、こんにちは。エヴァンジェリンさん、茶々丸さん……」

 

「ネギ先生、アスナさん。こんにちは」

「……フン、私はこんなぼーやに負けたのか」

 

「な、なによその態度! 負けたんだから先生の言うこと聞きなさいよ!」

「だからこうして学校に来てるだろ。ところでネギ先生、ひとつ言わせてもらう。昨日のLBCSの扱い方、褒められたものではないぞ。まさかあの土壇場でLBCSを解除するなんてな」

「それはあたしも思った。ホントに危なっかしいんだから!」

「そんなこと言われても、大技を撃つためにはしょうがなかったんですよ。僕は適合率54%しかないんですから…」

 

「なんだ、意外と高いじゃないか」

「え……?」

「男性のLBCS適合率はせいぜい10%程度だ。54%もあるなら、もしかしたら伸ばせるかもな。男だからといってLBCSが使えない訳ではない。おまえの父親はK・アーサーを完璧に使いこなしてたからな」

 

(そうか…あれはやっぱり父さんだったんだ……)

 

「でも奴は10年前に死んだ……私にかけた呪いも解かずにな」

「10年前? ちょっと待ってください! 僕、父さんに会ったんです!」

「……何だと?」

 

「6年前、僕の故郷が魔物に襲われた時、K・アーサーのLBCSで助けてくれたんです。このK・アーサーはその時父さんがくれた物なんです」

「そうだったんだ……」

「そんな……奴が……サウザンドマスターが生きてるだと?」

「実は僕も、あれが本当に父さんだったのか疑ってたんです。LBCSを使いこなせる男性なんてほとんどいませんから」

 

「フ……フハハハハ! そーか!奴が生きてたか! 殺しても死なんような奴だとは思ってたが!」

「なんか…うれしそうね」

「ええ。マスターのあんな顔は初めて見ました」

 

「父さんを探したいんですけど、このK・アーサー以外に手がかりが無いんです。CPUやメモリの中身も調べてもらったんですけど、記録は何もありませんでした……」

 

「京都だな」

「え?」

「京都に行ってみろ。どこかに奴が住んでた家があるはずだ。奴の死が嘘だというのなら、そこに何か手がかりがあるかもしれん」

「ネギ、修学旅行先は京都・奈良で決まりね」

「そうですね。自由行動の時間に探そうと思います」

 

「へー、京都行くんだー」

「あ、まき絵さん!」

「ねえねえ、このLBXもしかしてエヴァちゃんの? 昨日ぶつかった時に袋に入ってたんだけど」

「ああ、それか。私も昔LBXをやってたんだが、飽きた おまえにやる」

「いいの!? ありがとー! よーし、今度弟とバトルだー!」

「その前に練習でしょ? 慣れてないと難しいわよ」

「僕が教えてあげましょうか?」

「うん、おしえてー」

 

 

「……マスター、よかったのですか?」

「単純に私の興味だ。あいつがどう使いこなすのか見てみたくなったのさ」

「まき絵さんは適合率が高いですが、魔法使いではありません」

「そんなことわかってる! そうじゃなくてLBXプレイヤーとしてだな」

 

「エヴァちゃん、ほんとにもうやらないの?」

「もう一機持ってるんですよね?」

「飽きたと言っただろうが! このへんの奴らは弱いからつまらん!」




8話からほとんど原作通りに書いてきましたが、今回で一段落。

次回はオリジナルの話になります。

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