麻帆良の小さな戦士たち【旧版】   作:ハクアルバ

20 / 24
今回からダンボール戦機の人物が登場します。


ep.20 レジェンドと謎の装甲娘

2054年

 

ブラックミゼルの討伐に成功し、今なおミゼレムの脅威から世界を守り続けている装甲娘たち。

 

レジェンドと呼ばれている川村アミ、花咲ラン、ジェシカ・カイオス、古城アスカの四人は現在、ミゼレムの討伐任務を終え、ダックシャトルの中で休息を取っていた。

 

 

「はぁー、今日も疲れたなー……」

「残存ミゼレムの完全消滅まであと少しよ。地方はどうしても人手が足りないから、私たちが頑張らないと」

「そうだよアスカ! 気合いで乗りきろうよ!」

「ランはいいよなー。体力あるから人一倍動けるし、オーバーセンスだってすんなり会得したし」

「すんなりじゃないもん! 結構苦労したんだからね!? アスカはもっと食べて、体力つけなきゃ! 昔はよく食べてたじゃん」

「俺はそのうちモデルの仕事があるから、脂肪増やす訳にはいかねーの」

 

「ラン、ちょっといい?」

「どしたのアミ?」

「ジオラマの中にミネルバ改を置きっぱなしにしたでしょ? 持ってきたわよ」

「ありがとー。当分遊んでないから、グリス差したりしてメンテナンスしてたんだ」

 

「あと、こんなのもあったんだけど」

「あっ! それもあたしの!」

「それ、確かユウヤが使ってた"ジャッジ"よね」

「アルテミスで暴走したやつか。なんでランが持ってんだ?」

「前にユウヤが来たときに置いてったんだ。「ラン君がLBCSを使いこなせるようになったから、僕の昔の体験談は役目を終えた。過去の自分、そしてジャッジとも決別する」って言ってさ」

「処分しないの? ユウヤはいらないって言ってたんでしょ?」

「う~ん…なんとなくだけど、これは処分しちゃいけない気がするんだ。"新しい持ち主を待ってる"って感じがして」

「なんだよそれ~」

 

「ユウヤかー。もう当分会ってないわね」

「バンやカズにも久々に会ってみたいよねー」

「ミゼレムの件が全部片付いたら慰安旅行しましょうよ。元シーカーのメンバーやアテナスのみんなも誘って」

「賛成!」

「バカンスかー。私はアロハロア島に行ったことないから、行ってみたいなー」

「そっか、アミはあの時日本で療養中だったよね」

「まあ、私たちもアルテミスや暗殺阻止で忙しかったから、バカンスを楽しめたわけじゃなかったんだけど」

「そうだったんだ。じゃあバカンス目的で行くのはみんな初めてってことね」

「おーし、バカンスに一日でも早く行けるように、ミゼレム退治頑張ろうぜ!」

 

 

 

ブーー!ブーー!

 

 

 

「うわっ! なんだ!?」

「アラートよ。メタモR、非常用回線を開いて!」

『了解だモ!』

 

「宇崎だ。おまえたち、大至急タイニーオービットまで来てくれるか?」

「拓也さん!? どうしたんですか?」

「所属不明のLBCSがタイニーオービットに侵入し、強化ダンボールの開発データを盗んだらしい」

「強化ダンボール……? 何のために?」

「はっきりとはわからんが、ミゼレムの仲間なら強化ダンボールのデータを悪用し、強固なバリアを作るかもしれん」

「そうなると討伐が面倒になりそうだね……」

「私たちが取り返します! そのLBCSってどんなやつですか?」

 

「イフリートだ」

「イフリート……コウヅキクレアのことかしら?」

「いや、コウヅキクレアとは別人らしい。奴の出す炎のせいでまだ誰も近づけてないんだ」

「そこで俺たちの出番ってわけか」

「ああ、奴はまだ社内にいる。逃げられる前におまえたちがイフリートと接触し、奴を拘束してくれ」

「「「「了解!」」」」

 

『目的地変更! タイニーオービットへ向かうモ!』

 

 

タイニーオービット

 

LBXの国内最大手メーカーであったが、ミゼレムの襲撃によりLBXの生産を停止。技術者はミゼレム対策として試作型LBCSの研究開発を進めていた。

 

現在、侵入者の放火により火災が発生。社員は避難を余儀なくされた。

 

 

「アスカ、まだいける?」

「なんとかな。さっきトマトジュース飲んで栄養補給したし」

「よーし、行くわよ!」

「「「「LBCSコネクト!」」」」

 

「LBCSなら、高温地帯でも問題ないわ。さっさとイフリートを見つけて捕まえるわよ」

「この辺めっちゃ焦げてんじゃん! 壁なんか高熱で熔けてるし!」

「イフリートの炎で強引に穴を開けたのね」

「無茶苦茶しやがって」

 

 

「これが強化ダンボールの開発データ……これで世界を変えられる……さて、次の目的地に飛ぶ準備をせねば」

 

 

「いたぞ、あいつだな!」

「イフリートの適合者がもう一人いるなんて聞いてないんだけど?」

「あんた何者!?」

 

「もう突入してきたか……私に近づくな。さもなくば、とんでもない目に遭うゾ」

 

「そうはいかないんだよな」

「強化ダンボールの開発データ、返してもらうわよ!」

 

 

「戦えば魔力を使う……もう飛ぶしかないな、仕方ない」

 

 

「あいつなんか光ってない?」

「必殺ファンクションか!? やらせるか!」

 

「来るな 来るな!」

 

「取り押さえるのよ!!」

 

 

 

 

 

「来るなぁーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、起きろ!」

 

 

To be continued




ユウヤがジャッジを置いていった件はでっちあげです。公式設定ではございません。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。