目が覚めると跨られていた……という事は無かったのでちょっと安心。
まあ、両腕と左足には抱き着かれていたけどね。
腕を解いてスマホで時間を確認すると朝の6時だった。眠りについた時間も早かったしこんな物だろう。
脚の抱き着いているのも外してスマホの明かりを頼りに外に出ると、外は十分なくらいに明るくなっていた。
トイレをキレイにして、沸いていた大兎を狩り、板の間を出すスペースを確保する。
大兎を狩ってスペースを確保できたので、昨日と同じ場所に板の間をアイテムボックスから取り出して配置した。
串焼きの準備――今回は塩胡椒――をして、昨日から今日にかけて狩った大兎の魔石をガチャの魔石ポイントに変換していく。
1回限定使い魔ガチャ!
・希少な使い魔が入手できるチャンス!
・魔石ポイント1000を消費して1回実行する事が出来ます
※このガチャは1回限定で、使用後は別のガチャに変更されます。
所有魔石ポイント:1008
「やっと千ポイント貯まったか。これで使い魔ガチャをやる事が出来るな」
「まぁ、使い魔ですの?」
「私は猫ちゃんが良いな~」
「羨ましいですネ」
後には起きてきた3人が居た。
ビックリするから小屋から出て来た時に声を掛けて欲しかった――えっ、声掛けたって? 気が付かなかったよ、俺の方が悪いな、ゴメン。
ガチャをしてしまいたい気もするけど、3人とも起きて来たなら先に小屋をしまうとしよう。
小屋に生活魔法の清浄をかけてキレイにしてからアイテムボックスにしまう。
それから地火炉に炭を置いて火を着けて金網を乗せ、作って置いた串肉を焼き始める。
すると湧き水に顔を洗いに行っていた3人が小走りで戻って来た。
「ゆ~君、まだやってないよね~?」
どうやら見たくて急いで戻って来たようだ。
仕方が無いのでガチャの画面を見えるように変更して、ガチャを実行する。
美咲とソフィーはガチャの画面を始めて見るからか、目を輝かせて画面に見入っている。
いや、画面の中央で回っているカードが金色に光っているから、輝やいているように見えただけだな。
カードの回転がゆっくりになると、目の前の床に金色に光る魔法陣が現れた。
そして光の柱が立ち、その中に人型の何かが見える。
光が治まると、そこには和服――しかも花魁風――の女の子が居た。キツネ耳に同じ色の髪が背中の中ほどまで伸びている。うん、キツネの獣人かな?
背の高さは小学生の低学年くらいだろうか、だが背の高さのわりにスタイルが良い。大人を4分の3スケールに縮小した感じで、顔つきやスタイルからして子供では無さそうな気がする。
「妾は妖狐じゃ、
「ヨーコっていうのか、よろしくな」
《使い魔:ヨーコを取得しました》
《使い魔を取得したことによりスキル『使役』を獲得しました》
おっ。使役スキルも貰えるなんてお得だ。スキルレベルが上がれば使い魔を増やす事が出来るもんな。
「主様……妖狐は種族名で名前では無いのだが?」
「えっ!? てっきりキツネ獣人で名前がヨーコなのかと……じゃあ、別の名前の方が良いよな」
「もう遅いのじゃ。魂にヨーコという名が結びついてしまっておる」
あぁ、ヨーコを取得しましたって脳内アナウンスがあったもんな。なんてこったい。
「ゆ~君、どんまいだよ~。私は明日香っていうの~。ゆ~君将来のお嫁さんだよ、ヨーコチャンよろしくね~」
「おぉ、主様の番か! ならば付き合いは長くなるであろうからよろしゅうの」
「番ではなく群ですのよ。わたくしは美咲と申します、ヨーコさんよろしくお願いしますわね」
「ワタシはソフィーデース、よろしくネ」
「ほう、確かに雄1に雌3なら群れじゃの。美咲もソフィーもよろしゅうの」
はっ! あまりの事に思考が止まってしまった。しかも、その間に勝手に話が進んでしまっているし……
「まだだからな。それよりもヨーコはどんな事が出来るのか教えてくれないか?」
「うむ。まだ格が低いからの、妖術の狐火と錬金術くらいじゃ。後は閨房術かの。
格が上がれば使える妖術も増えるし、眷族も召喚できるようになるの。
九尾まで格が上がれば、上級魔族やドラゴンにも劣らなくなるのじゃ!」
それは凄い! がそこまで格を上げる事が出来るのだろうか?
というか、どうやったら格が上がるのかもわからんからな。後でゆっくり話をして聞かせて貰う事にしよう。
そして閨房術は聞かなかったことにする!
「なるほど、これからよろしくな。そう言えば、使い魔って食事するのか? ちょっと調べた時には不要みたいなことが書いてあったんだけど」
「使い魔というか迷宮内に居るものは食事は不要じゃの。かと言って食べれんわけでは無い。言わば嗜好品みたいなものじゃ」
「そっか、じゃあ大兎の肉だけど食べてみるか? みんなも朝ご飯にしよう」
みんなで地火炉の側に移動して肉を焼き、朝食をとる、
嗜好品みたいなものと言っていたし、塩胡椒付きでも平気かな。ダメならなにも付けてないのを焼いてあげよう。
「塩とか付いているけど平気か?」
「うむ。妖狐は古の時代は人と共に暮らしておったらしいからの、人の食するものは殆ど平気なはずじゃ」
それは良かった。焼けた串焼きを取ってあげると、嬉しそうに咀嚼して食べているので大丈夫だろう。
追加で焼きつつ、3人にも取って渡す。料理の判定がどこまでなのか分からないから、網から取る所まではしてあげている。
食事が終わった所でガチャがどうなったか見ていない事に気が付いた。
使い魔ガチャが別のに変わっている筈なんだよな。
魔道具入り低級素材ガチャ!
・様々な生産で使える低級素材が提供されます
・低確率で低ランクの魔道具が当選します
・魔石ポイント10を消費して1回実行する事が出来ます
・10連で1回おまけが付きます
所有魔石ポイント:8
う~ん、低確率で魔道具が当たるのか。だけど、消費ポイントが2倍になっているのか。
問題はこの低確率が何%なのかなんだよな。数%あるのか、それとも1%未満なのか……
たぶん0.1%とかそんな感じ