幼馴染と一緒に迷宮探索者になる   作:猫仔猫

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第28話

23XX年7月11日(日) 日本時間12:50

 

昼食を取り終えた俺たちは解放されている教室に集まっている。

 

「――と、先生から聞いた感じだと、刺激された衝動に成る確率が上がるっぽいんだよね」

「食事を抜いたり不満が強いと食欲に、性的刺激を感じてれば性欲、戦闘に物足りなさを感じりゃ破壊って事か」

「先生のあの格好にもそんな意味があったんだね~」

「いまさら言われてもねぇ……」

 

そこで昨日先生から聞いた事をみんなに話していた。そしてその反応がこれだ。

うん、今更ながら二日目の食事を抜かして、お腹を空かしたままにすれば良かったと少し後悔している所だ。

 

「で、ゆーは性的刺激を受けたの?」

「先生のビキニアーマーに、湖で水着姿になった男女、それに明日香・美咲・ソフィーと寝床が一緒だったしね。

食事は肉だけだったけど塩胡椒や醤油で味付けしたし、戦闘はあんまり積極的じゃないから、結果性的刺激が一番って事なんじゃないかな」

 

確率が上がるだけで確実ってわけじゃないけど、一番刺激が強かったのは性的刺激だったのは間違いないか。

あとみんなには言わなけど、先生の行動や言われたの罰の内容も影響しているかもな。

 

「明日香と美咲も性欲だし、話を聞くと納得よね」

「雪兎様と初めての添い寝でしたもの、そのまま初夜「はい、そこまで。分かってるから。言わなくて良いから」」

「えぇ~!?」

 

美咲の話を涼子が止めた。

少し不満気だがスルーして信也たちの話を聞こう。あっちは3人揃って食欲だったらしいし。

 

「信也たちは食事に不満だったのか?」

「持ち込める量に限りがあった上に、4階まで行ってたから兎を狩る時間が足りなくてな」

「階段付近は同じような人たちが多くて、戻ってきても近くに兎居なかったしね」

「狩れても焼く手段が無かったけど」

「「あぁ~」」

 

ひかりの言葉に何人かが頷いた。確かに生活魔法持ちか、着火具を持っていないと火を起こせないしな。

それに焼く為の薪も必要だ。狩りに行っていたなら準備できないだろうな。

 

「雛子と恵は性欲で、紅葉は破壊だったっけ?」

「ソロでゴブリンしてたからね……」

「私たちは夜に先生や側に居た子たちとエッチな話題で盛り上がっちゃったからかな」

「そう考えると、先生の具体的な体験談や仕草も狙ってやってたのかなー?」

 

先生何やってんの!? 絶対にわざとだよね。

この二人だけじゃなく、先生の側で夜を過ごした女子は性欲タイプが多そうだな。

 

「あ~あ、私だけ破壊衝動か」

「そっか、別になっちゃうんだっけ」

「残念」

 

限定探索者用の授業があるし、半日以上かかる10階層への挑戦は学校では禁止されるんだっけか。だから他の衝動タイプの人とパーティは組めないと。

卒業後は協会主催で10階層、15階層突破ツアーがあるらしいから、そうすれば十分稼げるらしいけど……

 

「うん、でもなっちゃったものは仕方ないしね」

「別れちゃうけど、委託の取引相手はそのままにしておくからさ」

「ありがとう。別パーティでも一緒する事は有ると思うし、卒業まではよろしくって事で」

 

2年や3年になっても5階層までは一緒する可能性はあるか。

そしてこの後説明会があるからと紅葉は教室から出て行った。その後ろ姿をみんなで見送る。仕方が無いとはいえ残念だ。

 

残った8人でこれからのパーティについて話す事になった。

 

「じゃあ後はパーティをどうするかだな」

「8人だと4:4?」

「あ、私たちは地方から来て卒業後は戻る子たちと組もうかなと思うんだ」

「地元に戻る子ってさー、ここで相手を見つける気無い子多いしねー」

 

ひかりが半分に分かれるかと聞いた所で、ポニテコンビが別のパーティを組むことを考えていると言ってきた。

確かに地方から来ている子で卒業後に地元に戻るなら、卒業時に解散する事を前提としたパーティの方が良いのか。

 

「そういう子集めてパーティ作るからさ、ユニオン組んでね?」

「じゃあ、私たちも他の子たちと話にいってくるねー。早い方が良いと思うしー」

 

二人は同じように教室に居る女子グループの方へ移動していった。

するとこの場に6人残る事になる。

 

「あ、じゃあこの6人でパーティかな?」

「ん~、ソフィーちゃんも絶対にゆ~君と組みたがると思うよ~?」

「トラブルがあったとはいえ、雪兎様を探して森の奥まで来ましたものね」

「アタシあんま話したこと無いんだけど、確か4人組だったよね?」

「そうですわね。とはいえ、今後も4人かは分かりかねますが」

「そっか、そうだよね」

「じゃ、とりあえず3:3で」

 

俺としてはこの6人で組んで、ソフィー達は別パーティでユニオンを組めばいいと思うのだが、そうはならなかったようだ。

この場で決めてしまう必要もないという事で、結果ひかりが言った3にんずつの暫定2パーティを作る事になった。

何でかと言うと――

 

「それじゃあ、パーティを組んでパーティ棟を借りに行きましょうか」

「数に限りがあるみたいだしな、確保はしておくべきだろ」

 

アイテムボックス持ちでないと装備品で部屋が狭くなるし、パーティ棟には複数人で入れるサイズの風呂があるから、性欲タイプでない人たちのパーティでも借りているそうだ。

寮は3点ユニットバスだからシャワーのみの人も多い。今朝は久しぶりにお風呂に入れて良かった。

 

パーティ棟は約100戸で、各学年で40くらい使っているとなると、1年生が使えるのは20くらい。

先輩方の少人数パーティでも使っていればもっと少なくなるし、迷宮科目担当の先生も借りているからな。使うなら早めに確保しておくのが良い。

 

 

 

迷宮でパーティを組んで事務課でパーティの申請を行い、同時にパーティ棟の申請を行う。

 

「月額3000ポイントで、月末に翌月分を払えない場合は使用が出来なくなります。

引き落としは代表者でも、均等割でも構いません。よろしいですか?」

 

事務の人にパーティ棟の説明を受けている。

月額3000ポイントという事は3万円か。6人パーティだと一人頭5千円、今は3人だから1万円。普通に安いよな?

 

「間取りは2LDKで風呂トイレ別。エアコン完備。冷蔵庫とキッチンの棚も備え付けられています。

テーブルやベッドなどは各自で準備してください、ポイントはかかりますがレンタルも可能です。

染みや汚れが酷い場合は買い取りになってしまいますけどね」

 

エアコンと冷蔵庫が有るだけでも十分だろう。

他の家具はレンタル可能で、汚れが酷い場合は買い取りになると。……あぁ、性欲タイプの人が居るとベッドのマットレスとか染みが凄そうだね。

 


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