下北沢でバーテンダーをしていたタクヤ。気がつくと進撃の世界にいた。彼はエレンの母を救うことができるのか、果たして帰ることができるのか。駄文で初投稿ですがよろしくお願いします。

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駄文ですがよろしくお願いします。
もしあれだったら進撃のタクヤ続くかもしれないです。
最近進撃にハマりました。これ以外にも書いてくかもです。
一応淫夢とか二次創作なので不快になるかもしれません、そう言った方はバックをお願いします。


壁の中のタクヤ

東京都下北沢、そこに一軒のバーがあった。

名前はバー平野。

閑古鳥が鳴り響く店内に、ただ一人の男がいた。

屈強な上半身、それと相対する様に痩せ細った下半身、そして大きめなサングラス。

その男の名はタクヤ。

このバーで店員をしている。

 

 

そんな彼には今悩みがある。

このお店に客が来ない、という悩みではない。

この店のオーナーで店長でもある、平野源五郎という男が行方不明なのだ。

「まだ見つからねぇか、、、、」

彼ははぁとため息を吐く。

 

警察にはまだ捜索届けを出してない。

それは彼の職業所以である。彼は実はゲイポルノ男優なのだ。この下北沢において、クッキー人が政治の実権を握ったことから、レズは上流階級とされ、ホモは下流階級、奴隷となった。

そのため、ホモの人権は保証されているとは言いがたく、まともに取り合ってくれない。

しかもこうしたゲイポルノ男優の行方不明は後をたたない。野獣先輩を始め多くのゲイポルノ男優が行方不明になってきた。そのため警察は、日に日に増していくゲイポルノ男優の捜索なんていちいちやってられるか!と匙を投げ、挙げ句の果てには冤罪事件まで起こしている。

 

それならばと、余計なことをしたくないタクヤは警察に頼らず、自力で探すことにしたのだ。とはいっても彼は、ギター練習や漫画の連載など数多の仕事をしているため、全く平野探しに着手していないのだが。

 

 

「一応ツイッター確認しとくか」

彼は徐に携帯を取り出して、ツイッターを開く。彼はSNSを通して平野を探そうというのだ。

「やっぱのってねぇよな、、、」

しかし平野源五郎の情報は載ってない。

「いやーキツイっす」

再びため息を吐くタクヤ。

 

 

 

 

「あ、そうだ(唐突)そろそろお店閉めなくちゃ」

タクヤは唐突にそんなことを思い出した。ふと、時計を見ると、時刻は114514分になったいた。

やべぇよやべぇよと思いながら、タクヤはカウンター席からドアは向こうへと出ようとする。

しかしその最中、タクヤはまた唐突にあることを思い出す。

「あ、やべ、今日床ワックスかけてたんだっけ!」

しかし思った時にはもう遅い。彼の体は空に舞い上がり、どしん!と床に転げ落ちた。

体を強くあったことにより、意識が朦朧とする。

「脊髄を強く打って体がピクピクしている、ちょーエロいぜ!」

そんなことを考えながら、意識が遠のく。しかしタクヤの視界には微かにウルトラマンが見えた

 

 

 

ような気がしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金髪におかっぱ頭の、アルミンという少年は学校からの帰り道、不思議なものを見つけた。近づいてみると、それはものではなく、ひとであることが分かった。

「一体なんだろうこの人」

そういうとアルミンはその人の体を揺さぶる。

「大丈夫ですか?しっかりしてください!」

そう声を掛けながらアルミンが揺さぶっていると、その男は意識を取り戻していった。

 

「ん?あれ、、、、君は?」

「あ、よかった!気がついたみたいですね!さっきまで倒れていたんですよ!」

「あ、ありがとナス!」

アルミンに対しお礼を言う。

しかし今度はあたりをキョロキョロと見回し始めた。

どうも様子がおかしいと感じたアルミンは一応名前を尋ねる。

「あの、自分の名前分かりますか?」

そうすると、その倒れている男性はこう答えた。

「悶絶少年専属調教師のタクヤと申します」

 

 

 

 

 

「なるほどタクヤさんはバーにいたんだけど、気がついたらここにいたんですね」

「理解が早くて助かりナス!そうなんすよ、参っちゃうすよ」

普段のタクヤは歳下であっても丁寧だ。それがたとえ小学生くらいの子であってもだ。アルミンはそんなタクヤを見て、おかしな恰好だけどまともそうな人だと思った。

 

 

タクヤはアルミンにこれまでのことを話した。自分がいたバーのこと、そこで転倒したこと、そして気がついたらまったくの未知らぬ場所にいること。

「え、でもここで倒れていたんですよ」

「いや、そうだけど俺が倒れたのは室内のはずだから、外じゃ無い。しかも外の景色もこんなドイツっぽくないし、、、、」

「えぇ、、、、」

 

最初こそ信じられないアルミンであったが、タクヤの必死な口ぶりから、どうもこのおじさんは嘘をついていないのでは?と感じるようになった。

しかしタクヤの話が真実だとしても到底ありえないことであるとも思っていた。

それはタクヤの立場からしても同じだ。

気がついたら見知らぬ土地にいる。しかもその風景というのは明らかに日本のそれではない。ヨーロッパ、いやドイツともいうべきだろうか。それにこのアルミン少年の容姿から見ても明らかだった。

アルミンの容姿は白人っぽいなぁとタクヤは思った。

 

 

 

 

 

「もしかしてタクヤさんって、、、、壁の外の世界から来たんじゃないかな?」

「壁の外?」

タクヤが尋ねると、アルミン遠くのほうを指さした。見てみると、巨大な壁がタクヤたちの街を囲っているのが見える。

 

(え、なにそれは。)

 

タクヤは率直に思った。

 

 

 

「この壁は、僕たちを巨人から守ってくれているんだ、でもそのおかげで僕たちは外の世界に行くことができないけどね。あ、でも調査兵団はいけるか、立体機動装置もあるから巨人を倒せるしね」

「ん?ちょっと待ってくれるかな?全然理解が追いつかない」

アルミンの言ってることがさっぱりなタクヤはうーんうーんと項垂れる。

自分の状況も意味わからないのに、さっきから謎の単語が話の中が飛び出してきて、そして言ってることが意味不明すぎて、頭がパンクしそう、マヂ苦しい、という顔をしている。

その姿を見て、アルミンはタクヤが外の世界の人間、少なくともこの壁の中の人間ではないことを確信する。

(壁の外にいる巨人、そして僕たちを囲む大きな壁。こんなことこの壁の中に住んでいる人だったら誰でも知ってる常識だ!それをマヂで知らないってことは、もしかして本当に壁の外の人間なのかな?)

そう考えたアルミンは期待の眼差しをタクヤに向ける。もちろんタクヤはそれにきづいていないのだが。

 

 

 

 

「おーい、アルミン!」

どこからかアルミンという声が聞こえた。アルミンはその声の方に振り向くと、見知った男女二人の姿が見える。

「あ、エレンにミカサ!!」

二人ともアルミンにとって大切な友人だ。男の方はエレンといい、女の方はミカサという。

「ねぇねぇ二人とも!この人すごいよ!この人外の世界から来たんだよ!?」

「はあ?」

アルミンは興奮気味に二人に話しかける。しかしエレンとミカサはそんなアルミンに怪訝な顔を浮かべる。

「本当だよ!ねえタクヤさん!」

「えぇ、、、いや急にそんなことを言われても。まずその外の世界がよく分からないんですけど(名推理)」

「あ、そっか、、、、」

アルミンが食い気味に質問をするのだが、タクヤは困り顔でそう答えた。

「ていうかよ、アルミン大体この人が本当に外の世界の人ならさ、どうやってここまで来たんだよ?」

「あっ、、、、」

たしかにそれは盲点だったとアルミンは思った。

「いやいやでもさあ!もしかしたら自力で登っていってここに落ちてきたのかもしれないじゃん!」

「いやいやそれだと余計有り得ねーだろ!」

「ゔっ、、、、」

アルミンは必死で反論するが、それもエレンによって否定される。

 

 

 

「やっぱり外の世界っていうのはねーよ、、、」

「私もそう思う」

エレンの意見にミカサも同調する。

その二人の様子を見て、アルミンはがっくりする。しかしそれではこのタクヤに起こった摩訶不思議な出来事を証明することはできない。いや、もしくはタクヤは嘘を言っているのだろう、しかし先程の必死な姿を見たアルミンは彼が嘘を言っていないとそう感じた。

 

 

「しかしそれにしても、、、、」

そう言いながらミカサはタクヤをじっくりとみる。

そしてこう言い放った。

「このおじさんの格好が頭おかしい!」

「おじ↑さん↓だとふざけんじゃねぇよお前!お兄さんだろォ!?」

ミカサが言った言葉に呼応するようにタクヤが声を挙げる。

突然の出来事に三人は目を丸くする。

タクヤはミカサな言葉はアテフリだと思ったので、場を和ませようという思いでいったのだが、どうやら違うらしく、変な空気になってしまったようだ。そうギャグのつもりでいったのだ、怒ってるわけではないよ。

「あ、いゃ、えーと、言葉の綾っつーか」

ギャグとはいえ、子供に対して怒鳴りつけたような形になってしまったので、バツの悪そうにタクヤは弁明する。

しかしその姿がシュールであり、そして笑いのツボに入ったのかエレンは突然笑い出した。

「面白いなこの人!つかキレるポイントがおじさん呼ばわりに対してなのかよ!」

エレンが笑い出したためだろうか、釣られてアルミンとミカサが笑い始めた。

「お、おう、、、」

(なんか笑ってくれたようだ、場も和んだようだし、ネタの掴みはバッチリってことかな?)

タクヤはその光景を見て一安心した。

 

 

 

 

 

アルミンとタクヤは二人にこれまでの経緯を説明する。

説明を聞いているうちに二人もタクヤの言うことは本当ではないかと疑いをもつようになった。本当は壁の外から来たのではないかと。

しかし確証はない。

最終的に、ここで倒れていたという点から、頭がバグを引き起こして、虚構と現実の区別がつかなくなったのではないかという結論に至った。

「まぁ、タクヤさんの言ってることも信じられないわけじゃないけどなー」

「えぇ、、、、」

もちろんタクヤは不服という表情を浮かべている。

しかし今現在置かれている状況をみると、マヂで頭のバグったのでは思っている。

 

実際はこの壁の中の住民なのだが、頭がバグってしまい、下北沢でバーテンダーとして働いていたという幻を今の今まで見ていたと。

もちろん今まで過ごしていた人生が幻だとは思いたくない。しかし今のこの状況を鑑みるとどうやってもうまく説明できない。

 

(いや一つあるな、異世界転移とか)

漫画家でもある彼は異世界転移を題材にしている漫画をたくさん知っている。もしかしたらその漫画のように異世界転移してしまったのではと。

(だがそれは漫画中での話、ありえねーよなぁ、、、)

 

 

 

 

「ところでさ、タクヤさんはこれからどうするの?」

エレンがタクヤに尋ねる。

「え?これからってどういうことだ?」

「いや、これからの暮らしのことだよ、自分の元住んでた場所とか覚えてるの?」

タクヤははっとなる。

ここにはバー平野がない。つまり寝床がない。

それに気づいたタクヤはがっくりとする。

 

その姿をみたエレンはタクヤを誘う。

「もしよかったらだけどさ、ウチ来る?」

「ちょ、エレン!?」

エレンがタクヤを誘おうとした瞬間、ミカサがびっくりしながら止めに入る。

「うちは四人家族なんだよ!それにこんなおじさん、、、無理でしょ」

「おじ↑さん↓だとふざけんじゃねぇよお前!お兄さんだろォ!?」

「いやだって、タクヤさんさっきまで倒れてたんだぜ?医者の倒父さんに診てもらったほうがいいと思ってさ」

「それは、、、そうだけど」

そういうと、ふとミカサはタクヤを見る。

タハハと気まずそうにタクヤは笑う。

 

 

ミカサが小さい時に両親は強盗に惨殺された。そんなミカサをエレンは助けてくれたし、身寄りのないミカサをエレンは、そして家族は受け入れてくれた。ミカサにとってエレンは命の恩人でもあり、そして大切な人であった。

ミカサは両親が殺されたこと、そこにエレンが助けてくれたこと、そして身寄りのないミカサをエレンたち家族が暖かく迎え入れてくれたことを思い出した。

そう、タクヤとミカサは年齢は違えど同じ立場なんだとミカサは思った。

そう思うとなんだか他人のような気がしないわけではない。それに彼の顔をよく見ると、なんだか東洋人の顔に見える。

(もしかして、彼は私と同じアッカーマン一族!?)

そう思ったミカサはタクヤに質問を投げかける。

「あのタクヤさんの苗字ってアッカーマンですか?」

ミカサはドキドキしながら聴くと、

「え?違うけど、、、」

タクヤは素で答えた。

 

 

どうやら違うようだ。

 

 

 

 

 

 

 

タクヤたちのいる街を囲うように聳え立つ巨大な壁。それを見上げるとなんとも言えない高揚感をタクヤは感じた。

「おっ、、すっげぇ」

感嘆な声をあげる。

エレンやアルミンを含め、この巨大な壁をまじまじと、そして目を輝かせながら見つめる人はいない。それは、生まれた時からあるものであり、当たり前のものであるからだ。

「なんというか、スピリチュアル的なものを感じるぜ、、、」

ある種の感動を覚えるタクヤ。しかしそれと同時になぜこの巨大な建物を作ったのか疑問が残る。

「なぁ、なんでこの街は壁に囲まれてるんだ?それから一体いつできたんだ?」

タクヤが尋ねると、アルミンが答える。

「いつできたかまでは分からないな、、、、でもねこの壁はね、僕たちを巨人から守ってくれる有難い存在なんだ」

「巨人?そういやさっきも同じこと言ってたな」

「巨人は恐ろしいんだ、この壁を超えて外の世界にいったものは大体食べられる」

ひぇっとタクヤは感じた。

 

しかしそれと同時にここは安全なんだとタクヤは安堵する。

「壁の中って言ってもさ、それじゃあ俺たちただの家畜じゃねぇか?」

「エレン!」

しかしエレンが不貞腐れる。ミカサはそれに諭すようにツッコミを入れる。エレンにとって壁の中で暮らすということは、束縛されているみたいでなんとも耐え難いものなのだ。

 

「だから俺は外に行きたい!調査兵団に入る!」

エレンがそう言うと、また聞き慣れない単語を耳にしたなとタクヤは思った。

調査兵団はいわばこの壁を超えて調査する兵隊である。先程の巨人に食べられる人たちは、これに該当する。

エレンが調査兵団に入ると言い出すとミカサは反論し、言いくるめようとする。しかしエレンもそれに対抗するので、ガキあるあるだなあとタクヤは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

壁の外の向こう側、三人の男がこの巨大な壁を見つめていた。

それぞれ奇怪な出立ちである。

男たちの名をそれぞれ田所、木村、三浦という。

 

「この変にでかい壁があるらしいすけど、壊しませんか?壊しましょうよ」

「いいぞこれー」

田所がそういうと、三浦も賛成する。

「あ、そうだ、おい木村、お前俺らが話してる時絶対壁のこと見てただろ」

すると突然三浦が木村に話しかける。

「え、いや、そんなこと、、、なんで見る必要なんかあるんですか」

「うそつけ、絶対見てたぞ」

田所は木村と三浦の話を呆れながらに見つめる。またこれかと。

この下りは何回目だと思っていた。

埒があかないため、田所は二人を遮って話し出す。

「とりあえず、バッチェぶっ壊しますよ〜」

そう言うと二人はコクンと頷いた。

そして三人は同時に自分の性器を触り出す。

「イキスギ!いくいく!ンアッー」

射◯すると同時に、みるみるうちに男達の体は巨大な体へと変わった。

普通のサイズから巨人へと変わったため、巨大なエネルギーが発生した。それがどれほどの影響を及ぼすのか。壁の中の大地に大きな地震としてもたらされた。

 

 

 

 

 

 

内地にいるタクヤをはじめとするメンバーは巨大な地震を感じとった。

なんだこれっと思っていると、しばらくすると地震は止まった。

「はっ、なんなんだ、地震ってやつか?」

エレンが言う。彼を含めこの街全員がこれほどの地震を体験したことはなかったこともあり、驚いていた。

やがて町中から騒ぎ声が聞こえ始める。先程の地震のことを話しているのだろうかとタクヤは思ったが、どうやら違うようだ。

建物の間を抜けた先の往来のほうに、人々が集まっている。一人の少女はある一点を指差して叫んでいる。

 

「行ってみよう」

エレンの一言で、全員が往来の方へ向かう。しかしアルミンは気になったのか、小走りで一足先にに往来へかけて行った。

一足先に見たアルミンは驚愕の表情を見せる。

「おいアルミン、一体なにが?」

エレンがアルミンに声をかける。

それと同時に、この場にいる全員が信じられない光景を目にする。

 

 

 

この壁を超える大きさの巨人が3体見える。

「う、うそだろ!」

これを見た住民たちの間で、あちこちから悲鳴とも呼べる声が聞こえる。

タクヤも思わず固まる。

「じゃけん、ぶっ壊しますねぇ」

一体の巨人が声をかけると、それに呼応するかのようにもう2体も壁を壊し始める。

壁の壊し方はいたってシンプルだ。

壁にキックをする、それだけ。

だがそのシンプルさゆえにとんでもない。

壁をキックしたことにより、破片が飛び散り、街のいたるところに雪のように降ってきたのだ。

 

 

 

「うわあああ」

「たすけてー!!」

壁が破壊されたことにより、街はパニックとなった。全員が巨人とは反対方向へと逃げ出す。

ただ一人を除いて。

「エレン!」

ミカサが走り出すエレンに叫ぶ。

「壁の破片が飛んでった先に母さんが!」

エレンはそう言うと一目散に走り出す。ミカサもエレンが心配なのかエレンの後を追う。

アルミンはそんな二人を見ながら固まっていた。想像を絶するこの状況に頭が追いつかず、体が動かないのだ。プルプルと震わせながら、タクヤのほうを見る。タクヤ自身も震えていた。

(ウッソだろ、お前)

これはホテルの前で震える所謂武者振るいとは違う。タクヤもそう感じていた。しかしふと不安そうなアルミンを見ると、震えは一気に吹き飛んだ。タクヤは大人である自分がしっかりとしなくてはと思い、アルミンに向けてこう言った。

「俺はあの二人を連れて帰る!アルミンは一人で逃げるな?」

アルミンは一瞬僕もと思ったが、口にすることは出来なかった。

アルミンは静かにタクヤに頷くと、一目さんに駆け出した。

それをある程度に見届けてから、タクヤは改めてミカサとエレンのほうへ駆け出した。

 

 

 

 

エレンとミカサは壊れた家の中にいる母を発見し、必死に助けようとしていた。しかし子供である彼らはなかなか助けることができない。

大きな柱がカルラを挟み込み、しかも彼女は足を骨折していてどうにも逃げ出すことができない。

 

「エレン、ミカサを連れて逃げなさい!」

カルラは助けに来たエレンとミカサに逃げるように促すが、逃げる気配はない。

「逃げたいよ俺も早く!だから一緒に逃げよう!」

エレンとミカサは必死に柱を持ち上げようとするが重くて動かせない。

「どうして母さんの言うことが聞けないの!最後くらい言うことを聞いてよ!」

カルラは必死に叫ぶ。だがそれでもエレンとミカサは止めようとしない。なんとしてでも母を助ける、その意思がエレンたちを動かし続けていた。

しかし一刻の猶予を争う。エレンたちがいる間に、一つの巨人がドシンドシンと足跡を立てながら近づいていた。

「俺も仲間に入れてくれよ〜」

メガネをかけたサラリーマンスーツを着ている巨人だ。まだ距離はあるものの、明らかに自分たちをターゲットにしている。そしていずれは追いつかれることを感じとった。

死への恐怖により、

「あっ、、、」

この場にいる三人が思わず言葉を失った。

 

 

「エレン、ミカサ早く逃げなさい!!」

カルラが叫ぼうともエレンとミカサは手を止めようとしない。

(このままじゃ三人とも)

カルラの頭の中をそうよぎった。

 

絶体絶命だと感じたとき、カルラの視界に一人の男が入った。

 

頭がデカく網目状のシャツを身に纏った鍛え抜かれた体、そして貧弱な下半身。どこからどう見ても変な格好をした変質者風の男が目の前に立っていた。

 

「おまたせ」

そう言うとタクヤはニカッと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タクヤさん!!」

エレンとミカサは声をかけた。カルラは、どうやら彼がエレンとミカサの知り合いのようだと察した。そして目の前の巨人もそうだが、別の意味で心配になった。

「今助けてやるからなぁ〜」

そう言うとタクヤは二人が持ち上げられなかった柱を軽々と持ち上げる。それに驚きつつも、二人はカルラをなんとか引き摺り出すことに成功した。

「エレン!ミカサ!」

「母さん!!」

「、、、っ」

三人は涙を流しながら必死に抱擁する。一時は死を覚悟したカルラだったが、こうして生きられることができ、大粒の涙を流す。

エレンやミカサも無事にカルラを助けることができ、同じく泣きながら抱擁した。

この親子愛にタクヤも思わず涙ぐむ。

(助かってよかった、、、、)

しばらく抱きつづけると、カルラはタクヤのほうに目をやり、深々とお辞儀をする。とはいっても足が使えないため、お辞儀みたいなかたちではあるが。

「ありがとうございます、この度はなんといったらよいか」

「ありがとうタクヤさん!」

「ありがとう」

カルラが礼を言ったのに続いて、エレンとミカサも礼を言う。

「お礼なんか必要ねぇんだよ!それより早く逃げないと!」

そう言うとタクヤは遠くに目をやる。

壁が壊れたことにより、外にいた巨人が次々と溢れ出る。

その中の一体、メガネをかけたスーツの巨人がドシンドシンと足跡を立てながら近づいてくる。先ほどよりさらに近づいており、もはや一刻の猶予もない状況だ。

「おれも仲間に入れてくれよー」

そう言いながら、さらに近づいてくる。

 

 

 

 

タクヤは何か覚悟を決めたのか、三人の方に向き、話しかける。

「エレン、ミカサ、お母さんを連れて逃げれるか?」

「う、うん」

「俺が囮になる、お前たちはその間に逃げろ。」

「そんな!タクヤさん!」

「どのみち全員は助からねえ!だから逃げるんだ」

「そんなっ、、、」

「せっかく助けたんだ、その命無駄にしないでくれよっ、、、」

「エレン!あの人の言う通りにしなさい。」

「でもっ、、、」

そう言うとエレンはタクヤの方を見る。

 

「安心しろよ、エレン。俺が死ぬわけないだろ?死ぬ寸前まであいつを痛めつけてやるんだからな」

タクヤは笑っていた。

 

 

 

「タクヤさん、すみません私たちにはなにも」

カルラが申し訳なさそうに呟く。

「いいんですよ、奥さん。その代わり長生きしてくださいね」

そう言われたカルラは深々とお辞儀をする。

「さぁ早く逃げろ!」

タクヤがそう言うと、エレンとミカサはカルラを抱えた。エレンはタクヤに背を向け、

「必ず生きて帰ってこいよ」

と言った。

「つべこべ言わずに行けホイ」

タクヤがそう言うと三人は進み出した。

 

「エレン、お母さんはな、大切にしろよ」

タクヤは三人を顧みずに、背中で語った。

タクヤ自身自分の母からネグレクトを受けていた。だがそんなタクヤでも母を大切にする思いはあったし、実際に行動していた。

だからだろうかエレンやミカサの必死で母を助け出そうとする姿勢がタクヤの心を打った。

普段のタクヤであれば、あったばかりの少年を助けることはしないだろう。だが助けた。

 

ガラにもねぇよなあとタクヤは頭をぽりぽりとかきつつ、巨人に向き合う。

「お前らばかり楽しい思いしてんなよ」

巨人が雄叫びのようなものを挙げる。

「だまれ!殺されてかお前!なんだその偉そうなすわわ!!」

そう言うとタクヤは、巨人に突っ込む。

しかしやはりただの人間。

タクヤは巨人に踏み潰されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーってーーーーーらって

 

う、、、うるさい

静かにしてくれ

 

タクヤは暗い闇の中にいた。タクヤ自身仰向けの状態で、ふわふわと浮いているように感じた。

辺り一面なにも見えない状態だが、不思議と居心地が良い。

(マジエロいぜ、じゃなかったマジ気持ちいい)

タクヤは不思議といつまでもここにいたいと思った。

(気持ち良すぎて眠くなるぜ)

ついうとうとと、眠気が襲う。しかしいざ寝ようとすると、決まって耳鳴りのようなもので、タクヤは眠気から覚めてしまう。まるで彼を寝させないように。

不快感を露わにするタクヤだったが、ふと耳鳴りの方に耳を傾けていると、どこかで聞いたことのある歌が聞こえた。

 

 

ーーーウルトラマンが拉致されてーーー

 

 

(!?)

タクヤは思わず驚く、この歌詞はかつてタクヤ本人が書いた怪文書と一致していたからである。

(どうなってやがんだ、、、?)

不思議な感覚のタクヤ。ふと気がつくと仰向けの状態から体を起こしていた。それと同時に耳鳴りの音がしだいに大きくなる。

 

(まだ俺にはやることがある気がする。)

タクヤはふとそう思った。

それに呼応するかのように耳鳴りは次第に激しさを増していく。

 

 

ーーーウルトラマンが拉致されてーーー

ーーー腹筋ボコボコにパンチ食らってーーー

ーーー胸のランプが点滅すると あと3分で力尽き果てる ーーー

ーーーその時のウルトラマンの苦しむ姿にドキドキするってーーー

 

 

 

 

 

「ヒーロー凌辱だぜ! 」

タクヤはその耳鳴りと同時に叫んだ。

すると辺り一面、いや、タクヤの体真っ白い光につつまれた。

 

 

 

 

 

 

 

駐屯兵団のハンネスは急いでエレンのうちへと向かった。

「くそっ、急がねえと、、、!」

 

その少し前に彼は、ミカサとエレン、カルラと出会った。

「頼むよ、ハンネスさん!!まだ一人!タクヤさんが!」

「お願いしますハンネスさん!」

「」コクッコクッ

「た、タクヤさん?」

最初は無事に三人生き残ったことに安堵していた。しかしその束の間、三人からタクヤと呼ばれる見知らぬ男性の名を言われ、首を傾げる。

(聞いたことが無い名前だ)

しばらく考えていたハンネスだが、エレンとミカサに体を必死に揺らされて、ふと我に帰る。

「わ、わかった必ず助け出す!」

そう言うとハンネスは急いで飛び出す。

(今は何者か関係ねぇ!!一人でも多くの住民を助け出す!)

ハンネスはそう決心しながら、エレンのうちへと向かった。

 

 

 

「うおおお、なんだこれは!?」

タクヤは水溜りに映った自分の姿に驚く。

その姿はまるでウルトラマン。しかも自分の体が通常よりも大きくなり、先程の巨人を見下ろす形となった。

 

「なんだか分からねぇが今なら勝てる気がする、、、」

そう言うとタクヤは徐にに鞭を取り出す。どうやら彼の愛具である鞭も大きくなってるようだ。

「死ぬ寸前まで痛めつけてやるからなぁ?」

タクヤは巨人に向けてニコリと笑った。

 

 

 

 

 

 

ハンネスいや、町中のみんながその光景に唖然とする。

突然赤と白に覆われた巨人が出没したのだ。自分たちを囲う大きな壁やさきほどの三体の巨人より大きくは無いが、それでも街中にいる10メートル巨人よりはるかに大きい。

その巨人がなにやら変な動きをしてるな、と遠くで見ている多くの人はそう思った。

しかし近くで見ている人はこの巨人がなにをしているのかがわかった。

 

 

ハンネスはこの巨人の近くにいた。

「エレンの家に来たはいいが、なんだこの巨人は!?」

ハンネスが見た光景は壮絶だった。

「全然ユルケツじゃんお前!!そんなユルイんかよ!?」

そう言いながら巨人は鞭でメガネサラリーマン巨人を引っ叩いていた。

「あぁぁぁぁい゛たぁいぃぃぃぃぃぃ!!痛いぃぃぃぃぃ!!痛い痛い痛いぃたっぁ」

対する巨人のほうも悲鳴を上げていた。しかししばらくすると体力が尽きたのか、体が消えてしまった。

「よーし、次いくぞー」

巨人が消えてしまったためか、今度は別の巨人へターゲットをずらす。

(まだまだたくさんいるな、、、どんどんさばかねぇと、、、)

タクヤはそう考えながら、次々との巨人を見つけては鞭ではたき続ける。

 

その鞭捌きはなんというか、、、

その光景を見た人は、みんな一堂に綺麗だと思った。

 

通常は、立体機動装置をつけたものでさえ、満足に巨人を狩ることができないのに、タクヤは次々と巨人を狩っていた。

それを見ていた群衆たちも、初めはタクヤに恐怖こそしていたものの、救世主だといわんばかりに大きな歓声を上げた。

「うおおおお、がんばれえええ」

「巨人たちをたおしてくれえええ」

「まけるなああああ」

「神様ああああ」

 

最初は悲鳴だったはずが応援に変わり、タクヤは思わず困惑する。

(えぇ、、、これが一転攻勢ってやつか?)

しかしタクヤも悪い気はしなかった。

自分を応援してくれている、中には自分を神様だと言ってくれている人がいるのだ、これは期待に応えなくては、とタクヤは思った。

ドンドン巨人を消滅していくと、やがて最後の一体を発見した。

 

 

「おじさんやめちくり~(挑発)」

巨人がそう言うと、タクヤは思わずキレる。

「おじさんだと!?ふざけんじゃねーよ!お兄さんだろ!!」

そういうとタクヤは巨人に鞭を打つ。

「わかったわかったわかったよもう!」

なにが分かったのか、タクヤは思った。

そのまま鞭を打ち続けていくと、

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛も゛う゛や゛だ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

とその巨人は断末魔をあげて消えた。

「うん、おいしい!」

自分の鞭捌きにタクヤは思わず感嘆の声を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

壁の外から田所木村三浦は驚いていた。まさか巨人が全滅させられるとは思っていなかったのである。

「先輩まずいっすよ!!」

「どうすっかなー?俺もなー」

「と、とりあえず家帰ってサッパリしましょうよ」

田所が提案をすると木村が頷く。

「お、そうだな」

三浦も賛成する。

そして三人は元のサイズへと戻り、立教大学へと戻った。

 

 

「ちっ、あの巨人たち急に消えやがった」

タクヤは唇を噛む。この事件の原因となったあの巨人たちに鞭打ちをしたいと思っていたのだが、できなくなってしまい、落胆する。

 

やがてしばらくすると、胸のカラータイマーが鳴り響く。

「うお、どうすんだこれ!」

思わず慌てる。通常のウルトラマンであれば、胸のカラータイマーが鳴けば空に飛ぶしかない。タクヤは必死でジャンプするも飛べない。タクヤはとてつもなく焦る。しまいにいたってはシュワちゃんの名前を叫ぶ。

「おーい!これじゃゼットンエンドだぜ!」

やがてしばらくするとタクヤの意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

タクヤの意識が途絶えたことで、変身は解かれ元のサイズに戻った。

自分たちを救った巨人が突然消えたことで群衆は騒然としたが、街中の巨人が消えたことにより、やがて大きな歓声となった。

助かったという意見もあれば、ありがとうという声もあがる。いずれにせよ、今生きていられる喜びを皆んなで分かち合った。

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

タクヤが目覚めた先に写っていたものは、病院のベッドの上だった。

なぜここにいるのか混乱するタクヤ。

やがてこれまでのことを思い出した。

「そうだ確か俺はあの時、、、」

胸のカラータイマーがなって気を失った、しかし今は病院にいる。どうやら誰かが助けてくれたってことか。ヒーロー陵辱されなくて良かったぜ、とタクヤは安堵した。

 

しばらくすると、病院のドアがノックされ、人が入ってきた。

タクヤはその人を見た瞬間驚きの声を挙げる。

「ひ、平野店長!?」

「ふぉふぉふぉ!元気そうじゃのう、タクヤ!!」

なんと入ってきた人物は、タクヤが探していた人物、平野源五郎だった。

 

 

 

 

「な、なぜ平野店長がここに!?」

「それは、お前が倒れたと、聞いてのう、、、」

そう言うと平野は笑う。タクヤはというと、やっと平野に会えたと言うのに、今までのことと重なり混乱していた。

「いろいろと積もる話があるんじゃがのう、ま、とにかくタクヤ。よく生きてこれたな!!」

「っ、、、」

自分は確かにあの時死ぬと思っていた。しかし今こうしていきている。なんとか死なずにしかも平野に会えたことで喜びに震える。

 

 

タクヤと平野が室内でしばらく談笑していると衝撃の事実がわかった。

それはタクヤと平野どちらも突然この世界に飛ばされたことだ。やはり下北沢からの異世界転移だとタクヤは確信する。

 

「そういえば店長は今の今までなにをしてたんスカ?」

「ふむ、わしは今は調査兵団で副団長をしている」

それを聞いたタクヤはやっぱりすごいっすねぇと言った。

しかし平野は押しつけられたんだよと謙遜した。

 

しばらく時間を忘れて話し込んでいると、もういいだろとばかりに平野は切り返す。

「少し疲れたじゃろう、まだ休んでいろ」

「そうさせてもらいます」

平野はそう言うと、先を立とうとする。しかしタクヤは呼び止める。

そうだこれを聞くのを忘れていたとタクヤは思った。

 

 

「店長、元の世界に帰る方法ってあるんですか?」

タクヤがそう聞くと、平野は首を横に振る。

タクヤが思わずガッカリすると、平野は口を開く。

「しかし無いわけでは無いとわしは思っている。特にこの世界でいう壁の外にはなにかしらのヒントがあると思っている。」

「ヒントっすか?」

「あぁ。だからわしは外へ行くことができる、調査兵団に入った!!」

そう言うと平野は手を心臓に掲げる。

その姿は惚れ惚れするくらい素晴らしいものだった。

それにタクヤに火がついたのか、こう言った。

「店長、俺も、、、調査兵団に入りたいです!」

タクヤがそう言うと平野はコクリと頷く。

「うむ!ぜひ入ってくれ!タクヤのウルトラマンになる能力はきっと役に立つはずじゃからのう!」

 

 

 

 

 

 

 

こうして俺は調査兵団に入った。

あのエレンアルミンミカサたちとの出会いから一年が立ち、今は兵士長?っていう役職についている。正直俺には荷が重いと感じていた。学校すら出ていないし、ただ巨人の力を持っただけだし、おまけに店長からのコネもあるし。正直最初は疎まれていただろう。

 

しかし最近はようやく認められていると感じるようになった。

「兵長?ボーとしてますか?大丈夫ですか?」

「大丈夫だって安心しろよー」

コイツの名前はペトラっていう俺の部下っつーか秘書っつーか、お世話係みたいな感じだ。かなりかわいい女の子で俺がホモじゃなくて、ノンケだったら彼女に惚れてただろうなと思うくらいカワイイ。」

「ちょ!!なに言ってるんですか兵長!?」

どうやら聞こえていたらしい。口に出ていたか。どこから聞こえていたのだろうか。ホモとかノンケとか聞かれてたらやべーなと思いつつ、ふとペトラの方を見ると、ほんのりと顔が赤い。

これはちょっとキレてるのか。やべーと思いつつ、頭を下げると、ペトラは必死で否定した。

気を遣ってるのだろうか、俺はありがたいと思いつつ、足を進める。

 

今日は待ちに待った壁外調査だ。一歩一歩確かに進んでいると感じた。

まだまだ全然外の世界に帰れるヒント見つかったねーけど、今日も精一杯生きてる!

まだまだ俺の冒険は続くってことかな?あーはやく下北沢にカエリテー!!

 




ありがとうございました。
進撃と淫夢が大好きなので良かったです。


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