この素晴らしいWorldに祝福を!   作:Arkhalis

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ようやく3話です、前回から4ヶ月も空いてしまい申し訳ありません…

少しずつ書いてはいたんですがいざ完成させたらなんか違うなって思って最初から書き直したり、それに合わせて他の展開を考えてみたり、セールで買ったゲームに想像以上にハマって時間取られたりしてて遅れました
恐らく次回以降もこんなペースになってしまう可能性が高いですが、思っていたより読んでくださる方が沢山いてくださるようなので今後も頑張って書いていきます…


World3 二度目の始まり

日差しが眩しい…

先ほどまで白一色だった視界が少しずつ良くなり、辺りが見えるようになってきた。

もはや何度かもわからない別世界への移動は今回も無事に終わったようだ。

これから長い付き合いになるであろう新しい世界、その第一印象は…

 

「うそだろ…」

 

驚愕だった、思わず二度見したほどだ。

初めてLunar Events(ルナイベント)に遭遇したとき以上の衝撃だった。

 

なぜ驚いたのか、それは周囲にありえない光景が広がっていたからだ。

 

私の拠点の数倍はある巨大な街、そして数えきれないほどの人々。

なぜ数分前に来たばかりの世界が既に発展しているのかと思ってしまったが、そういえば今回はいつもと違い生成から時間が経過している世界へ来ているのだった。

…話が逸れた。この街や人々にも驚いたが、さっき私が驚いた理由はそれではない。

この二つ以上ににおかしいと断言できる、自身の正気を疑うほどのことがひとつあった。

それは…

 

「見間違い…じゃないみたいだな」

 

…北と南がこの世界にはあるのだ。

私は今まで数えきれないほどの世界を探索してきた。

どの世界も環境の位置や地形などにある程度の違いはあるものの必ず東と西、そして見えるだ(背景)けの北によって構成されていた。

…はずだったのだが、私の前にはその北と存在すら確認できなかった南がある。

 

恐らくここがアクアが言っていた世界なのだと思うが…こんな世界を見たのは初めてだ。

彼女の話を聞いたときから何か変だとは思っていたが、もしかしたら想像していた以上にすごい場所へ来てしまったのかもしれない。

 

「そういえば、アイツがいないな。いつもならその辺にいるのに…」

 

世界が広いことに気をとられていて気づくのが遅れたが、いつもならその辺にいるはずのGuide(ガイド)がいない。

ヤツは新しく生成された世界には必ず最初からいるはずなのだが。

何かこの世界の特殊性が影響しているのだろうか?

 

「まあいいや…とりあえずここから動こうか」

 

いきなり新しい世界からの洗礼をたっぷり受けたが、今はこんなことに驚いている場合ではなかった。とりあえずは何かしら行動を起こすことにしよう。

しかし何をしようか。確か今まで新しい世界へ来た時は最初に…

 

「確か、探索だったな。この様子なら期待できそうだ」

 

私は新しい世界へ来た時、まずは最初に地上の探索をしていた。

今回もそうしたいが、世界に北と南が増えたせいでいつものように端から端まで…なんて言うと凄まじい時間がかかりそうだ。

今日はとりあえず一方向だけに進み、世界の果てまで到達したら一度帰還してこの街を見て回ってみよう。

 

今回の探索はいつも以上に楽しそうだ、ここでは面白いものが沢山見つかりそうな気がする。

 

私は期待に胸を膨らませながら、背中の翼を広げて空へ飛び立った…

 

 

 

 

⛏️

 

 

 

 

「静かなもんだな…」

 

翼で飛んで街を離れ、すぐ近くの平原までやって来たのだが、モンスターが全くいない。

いつもならSlime(スライム)系のモンスターが数体くらい出てくる頃だが、実際に目の前にあるのは何もない平原だけだ。

これはさすがにおかしい。この世界はモンスターの出現率が異常なほどに低いか、あるいは何か特殊なことでもしないと出てこないのだろうか?

少々気にはなるが、今の目的が探索である以上わざわざ出てくるのを待つ必要もないだろう。

そう思って先へ進もうとしたのだが…

 

「…! 何かいるのか…」

 

突然Cell Phone(けいたいでんわ)のモンスターレーダーに反応が出た。どこか近くにモンスターがいるらしい。

しかし相変わらず見渡せる範囲にモンスターはいない。

このレーダーの索敵範囲はそんなに広くないはずだが、一体どこの敵に反応しているのだろう。

 

敵を待つ気はなかったが、すぐ近くにいるというのなら話は別だ。せっかくだし探して戦ってみることにしよう。

はたしてこの世界ではじめて出会うモンスターは何だろうか、ここはForest《森林》だからGreen Slime(グリーンスライム)Blue Slime(ブルースライム)、もしくは意外なところでレアスライムのPinky(ピンキー)か。

 

「なんだあれは?」

 

敵の位置を探るために適当に動き回っていると、少し遠くに何かデカイ生物がいた。

あんさ大きさをしている以上恐らくモンスターだと思うのだが、あのようなモンスターなんていただろうか?

正体はよくわからないが、とりあえずあいつはまだ私に気づいていないらしい。

こういうときは気付かれる前に倒すのが一番だ。私はインベントリからあるアイテムを取り出した。

 

それは少々独特な形をした金属製のモノ。先端には弾を飛ばすための穴があり、上部には遠くを見るためのスコープ、下部には仕掛けを動かすための引き金が付いている。

 

…そう、これは銃。その中でもSniper Rifle(そげきじゅう)と呼ばれるもの。

呪われたDungeon(ダンジョン)に出没する生きる屍たちの一員、Skeleton Sniper(スケルトンスナイパー)から奪い取ったものだ。

 

「こいつを使うのは久しぶりだな…」

 

普段はさらに強い銃を使っているためあまり使っていないが、これは一撃の重さと射程だけなら普段使う銃より勝っている。今回のように遠くから先手で敵を仕留めたい状況にはピッタリだ。

 

…準備は整った。私は身に付けている装備、Vortex Armor(ボルテックス装備)の特殊能力を発動させ、透明化する。

こっそりモンスターを狙える位置まで移動し、スコープを覗いて正確に照準を合わせ…射撃した。

 

パンッ!という音と共に弾丸が飛んでいき、前方の巨大モンスター…King Slime(スライムキング)のような大きさを誇るFrog(カエル)のようなモンスターを撃ち抜いた。

 

どしん…と大きな音を立て、後頭部に弾を受けたカエルがその場に倒れた。

 

「やったのか…?」

 

早速ドロップ品を拾いに行こうと思ったが、よく考えてみると幽霊や精霊系のモンスターでもないというのに体がバラバラになっていないし、おまけに時間が経ってもヤツの死体が消えない。死んだモンスターは数秒後に消えるはずなのだが、もしやまだ生きているのだろうか?

一瞬そんなことを考え警戒していた私だったが、あるものによってそれは間違いだと気づいた。

 

「ん?これは…」

 

Cell Phoneのキルカウンターに"ジャイアントトード 1"と表示されている。

聞いたことのない名前だが、間違いなく目の前のこいつのことだろう。キルカウントが1になっている、ということはしっかり倒せていたらしい。

 

何はともあれ、新しい世界へ来て初めての戦いには勝つことができたようだ。

それでは気を取り直して報酬…もとい、カエルのドロップ品を頂くことにしよう。一体何を落としてくれただろうか、何か面白いものがあるといいのだが。

 

期待しながらカエルへ近づき、何故か相変わらず消滅しない死体をどかしてドロップ品を確認する。

すると、なんとそこには…

 

「……冗談だろ?」

 

…そこには何も落ちていなかった。ドロップ品はおろか、Coin(コイン)すらもなかった。

私は今まで数百という種類のモンスターと戦ってきたが、Coinすら落とさないモンスターなんてものは初めて……でもなかったか、Lunar Eventsのモンスターが何も落とさなかった気がする。

 

しかしヤツらは特殊なモンスターであるため何も落とさないこともまだ理解できる…が、恐らくは普通のモンスターであろうこのカエルが何も落とさないというのはさすがに異常だ。

 

「うーむ…気になるけど、まあ今はいいか…」

 

カエルに気をとられて忘れかけていたが、今は探索の途中だ。

考えていても何も出てこなさそうだし、とりあえずはとにかく先に進むことにしよう。

 

 

 

 

⛏️

 

 

 

 

「一体どうなってるんだ…?」

 

カエルとの戦いから数時間が経過した。そろそろこの世界へ来て半日といったところだろうか。

あの戦い以降モンスターに出会うこともなく、黙々と探索を続けていたのだが、私の中では先へ進むへつれて疑問がどんどん増えていった。

 

まず一つ目は環境が全く変わらないことだ。

私はここへ来るまでに平原を飛び、深い森を抜け、山岳を越えてきた。

聞いただけだと様々な環境を通ったように思えるが、これらは全て|Forestバイオームに分類されるものだ。

これだけ移動したのだからJungle(ジャングル)Snow(雪原)Sand(砂漠)などが見つかってもおかしくないはずなのだが、今のところそれらしきものは一切ない。

 

続く二つ目は時間だ。

先ほど半日と言ったが、実のところ本当は全く時間が経過していない。それはなぜか?

…答えはこの世界の時間が進む速度が遅いからだ。

Cell Phoneの時計が変になっていて気づいたのだが、この世界はいつもの世界と一日の長さが違うらしい。

あの世界は24時間で一日だった、この世界もそこは同じのようだがこっちはあの世界より時間の経過が遅く、あちらでの一時間がこの世界では一分になるようだ。

 

Cell Phoneは常に正確な時間を表示する。元の世界にいた時、とあるアイテムの効果で時間が加速してしまったことがあったのだが、なんとCell Phoneは一瞬で加速した時間に適応しちゃんとした時間を表示していた。

恐らく今回はその逆で遅くなった時間に適応し、正しい時間を表示しているのだろう。

 

最後に三つ目だが…世界の果てが全く見えてこないことだ。

もしこの世界がLarge(広い)世界だとしても余裕で世界の果てまでたどり着ける距離を移動したはずなのだが、今のところ世界の果てはおろかOcean()すら見えてこない。

こんなことを考えている間も私は先に進み続けているが、どこを見てもあるのは相変わらず森や平原ばかりだ。

まさかとは思うが、この世界は終わりがないとでもいうのだろうか?

 

「ありえるな…」

 

数時間前の私なら即座に否定しただろう。…だが今の私はこの世界で様々なものを見過ぎてしまった。

幻であった北と南、未知のモンスター、いつもと違う時間の流れ…あの世界では絶対に見れないものたちだが、この世界ではどれも当たり前のように存在している。

ここまでやられてしまった後では世界の果てがないというのもありえない話ではないように思える。

 

「ちょっと順番を変えるか…」

 

まずはこの世界の端を目指す予定だったが、このままではいつ終わるかわからない。

ここは計画を変えて、元々探索を終わらせてからする予定だったあの街の探索でもしてみることにしよう。

 

私はCell Phoneのテレポートを発動し、光と共にその場から姿を消した…




今更感がありますが書籍版を購入したため、次回から書籍版ベースになります。
また後書き解説に関するアンケートを用意したので、もしよろしければ回答していただけると助かります。
以下今回の解説です


Lunar Events(ルナイベント)
Terrariaにおける最後のイベント。他のゲームでもよくあるラスボス前の連戦。
めちゃくちゃ強い敵が大量に出てきて何度も死ぬことになる。ここで苦労して手に入れた素材で新たな武器を作ってそのままラスボス戦…というのが最終盤の流れ。

Guide(ガイド)
ワールドを生成したとき最初からいるNPC。ゲームの進め方やクラフトのレシピなどを教えてくれる。
何故か公式からの扱いが酷く、彼を生け贄にして召喚するボスがいたりアプデPVでアイテムの実験台にされていたりする。
そして公式の影響を受けたプレイヤーたちからも弄られ要員として重宝されている。今日もどこかで犠牲になっていることだろう。

Cell Phone(けいたいでんわ)
大量のアイテムを組み合わせて作成できる究極の情報表示アイテム。
所持していると現在時刻、周囲の敵の数、敵を倒した数…etcなどなど、様々な情報を見ることができるようになる。
さらにリスポーン地点までワープする効果まで持っている。めちゃくちゃ便利だが素材集めが死ぬほどめんどくさいのが欠点。

Forest(森林)
Terrariaにおいて最も基本的な環境。いわゆる初期リス地点は大体ここ。
Green Slimeなど最弱クラスのモンスターのみが生息している。
名前こそForestだが、バイオーム判定の関係上木が一本も生えてなかったり、もっと酷い例だとブロックが一個も存在していない場所でもこのバイオームになる。森林とは一体…

Sniper Rifle(そげきじゅう)
銃武器の一つ。銃武器…どころか全ての武器の中でもトップクラスの威力を持つが、代償として連射速度が全武器中最低クラスに遅い。
装備を銃特化にすると圧倒的火力で大抵の雑魚を数発で倒せるロマン砲になる。
カメラの位置をずらす特殊効果があるため画面外の確認に便利。

Vortex Armor(ボルテックス装備)
最強装備の一つ。間接特化。
特殊能力としてステルスが付いており、発動中は移動速度が下がる代わりに透明になって間接武器の威力が上昇する。このSSの主人公の基本装備。

King Slime(スライムキング)
序盤のボス。王冠を被った巨大なBlue Slime。なぜか体の中に忍者がいる。
terrariaのボスの中では最弱なのだが、大抵装備が全く揃っていない時期に現れるため普通に戦うと苦戦しがち。
やたらとハメ技に縁のあるボスであり、かつては簡単にハメられることで有名だったが、アップデートで対策されてしまった上逆にこっちがハメられるようになった……と思いきや、今度は別の方法でハメれることが判明し長年最弱ボスの座に君臨し続けている。

【死亡演出】
Terrariaのキャラは死亡すると大抵バラバラ死体になる。残った死体は数秒で消滅する。
モンスターはもちろん、NPCやプレイヤーも例外ではない。
一部のモンスターなどは違うエフェクトが出たりするが、冗談抜きに半数以上のキャラはこの死に方をする。
これの影響で高効率のモンスター狩りなどをしてると辺り一面死体だらけの大惨事になることがよくある。
なかなかグロいが、設定を変えることで煙になって消えるようできるため苦手な人でも安心。

Coin(コイン)
Terraria世界の通貨。NPCとの取引などに使用する。
カッパー、シルバー、ゴールド、プラチナの4種類が存在し、右へ行くほど価値が高い。
モンスターが落としたりその辺のChestに入っていたりするが、それでは大した量は手に入らないためボス狩りが主な稼ぎとなる。
とあるNPCがアホみたいな額を要求してくるため定期的に稼がないとすぐに枯渇する。

解説の長さは?

  • すごく短く(一行)
  • 少し短く(二行~三行)
  • 今のままでいい

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