Q.もしも50万トン戦艦以上の戦闘艦として艦娘の世界に行けたらどうしますか? A.無双すると思います   作:やる気のない提督

6 / 6
第5話 技術革新による取捨選択は軍艦も同じ

 杉原提督に報告した後、鎮守府内を適当に散策してその場で会った艦娘達と話をしたのだが、この世界はあべこべだという事を改めて実感した。

 俺の姿を見かけるだけで小声で話し、ウィンクなんかをすればぎこちなくなり、話しかければ頬を染め、近すぎるとオーバーヒートした挙句に固まって何も喋れなくなる。

 あべこべ世界に行って、ちやほやされたいと思ったりもしたのだが男子校の生徒みたいに、異性に耐性がないとここまで面倒になるとは転生時には思っていなかった。

 

 その為、昨日の質問責め時の勢いはなんだったんだろうなぁと思いながらも工廠に向かい、艤装のメンテナンスを行なっていると背後で足音がして声を掛けられた。

 

「高天原か、丁度良かった」

「………どうしました?」

「なぁに、明日の作戦についてだ」

「あぁ」

 

 その声で、振り返ると改二である長門がいて用紙を持っていたので受け取ってから、書かれている内容を読んで確認していく。

 

「………敵基地の偵察と可能な限りの殲滅?」

「あぁ。しかも、艦載機の攻撃は最低限として砲雷撃によるを戦闘をメインにしてくれとの事だ」

「また、随分と難儀な任務をくれたもんだ。まぁ、上位下達の軍隊だから命令があればやるしかねぇんだが」

 

 敵基地の偵察と殲滅、と言う素人目からすれば簡単な様に見えるが実際には難しく、偵察はともかくとして殲滅となれば程度にもよるが激しい戦闘になるのは間違いない。

 

「男なのに苦労をかけるな」

「別に構わんよ。今の実力を確かめるにはもってこいの任務だから」

 

 そういった背景から、長門は済まなそうにしていたが俺としては全力で戦えると思っているから気にしていない。

 その為、長門と軽い雑談をして彼女の気を紛らわせてからお開きとなり、改めて俺の艤装について確認していった。

 俺の艤装、もとい戦闘艦は構想のみで終わった50万トン戦艦を下地に当時の技術に合わせた改造が行われている。

 

 まず、武装面は51センチ砲や速射砲、ガトリング砲による近接防空火器や多数のミサイルを搭載し、装甲も特殊合金によって並大抵の攻撃に対して高い強靭性を有している。

 航空戦艦として、航空機による偵察や奇襲攻撃も可能なのだが高性能なレーダーと戦闘システムによって、ほぼ全ての兵装が自動化されている点だ。

 第二次世界大戦には、装填装置の自動化が始まっていたがレーダーとの連動ができる兵装はそこまでなかった。

 

 しかし、この戦闘艦の兵装は砲弾の装填から正確な照準まで人の手を借りずに自動で行い、後はトリガーを引けば勝手に砲撃できる様に構築してある。

 その為、船体の規模の割には航空要員も含めても800人にも満たない人員で戦闘に突入しても、全力で戦える程に省人化されている。

 また、人が少なくなった事で艦橋にも変化があって3つの艦橋から前後2つの艦橋にして効率化し、八角垂の形に整えてレーダー反射断面積を減らしつつ、その頂上部にはレーダードームの様な球体のレーダーが設置された。

 

 その上、基本的にはCIC(戦闘指揮所)においてレーダーなどの各種センサーで集めた情報をイージスシステムに類似した戦闘システムで、処理して画面に表示するので戦闘になれば艦長や艦隊司令官などの偉い人達がCICに入る。

 一方、戦闘になれば前後の艦橋は無人になるかと言うとそうならず、航行などを担当する航海科の要員が詰めて周囲の状況に合わせて船の進路を決める事になる。

 いわば、21世紀に入って急速に発達した機械とシステムをフル活用して効率化を目指した結果、1,000人にも満たない人数でフルスペックの戦闘が行える様になったのだ。

 

 そんな戦闘艦の艦息として、初の任務で試されているのなら光栄な事として2つの返事で了承したのだから後は戦地に向かうだけだ。

 その為、一通りのメンテナンスで異常がない事を確認できた頃にはそれなりの時間が経っていたので、夕飯などを食べてダラダラとするかと考えて工廠を出た。

 

 

 

 〜〜 翌日 出撃用の港 〜〜

 

「全員、集まったわね? 作戦概要を伝えるわ」

 

 その言葉と共に、杉原提督は作戦の概要を俺を含めた出撃するメンバーに伝えていくが聞けば聞くほど、無茶な作戦としか言い様のない作戦だ。

 何しろ、出撃先が深海棲艦の根拠地となっているミッドウェー諸島であり、その数は偵察衛星からの情報によると4桁を超える深海棲艦がいるのだから無謀にも程がある。

 そして、出撃に参加するメンバーもそう思っていた様で一通りの内容を伝えた提督は最後にこう言った。

 

「まぁ、偵察と殲滅と言ったけどあくまで威力偵察と言う面が強いわ。だから、無理だと思ったら撤退して頂戴。貴方達まで失ったら私の責任問題に発展するからね。特に高天原の場合は」

「あぁ、良かった。たった2個艦隊、12人で大量の深海棲艦と戦って討ち死にする羽目になったのかと思ってたぜ」

 

 その事に反応して、参加メンバーの艦娘達はクスリと笑って緊張がほぐれた様なので出撃する事になった。

 因みに、今回の出撃で参加するメンバーは次の12人になる。

 

 前衛艦隊:高天原、金剛改二丙、大井改二、北上改二、朝潮改二丁、浦波丁改

 空母艦隊:赤城改二()、加賀改二護、摩耶改二、秋月改、涼月改、照月改

 

 この12人で、威力偵察を行なうので出撃前に顔合わせをしていると加賀が話しかけてきた。

 

「また、貴方と行動をともにするとはね」

「偶然は重なる物だな。いざとなったら頼む」

「必要になるとは思えないけど?」

「必要になったらの話さ」

「わかったわ」

 

 とまぁ、会話の量はそこまで多くないが一定の信頼をされているので期待に応えたいな、と思いながら出撃していた。


▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。