魔法使いと歌姫達   作:月乃白利

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ようやく響登場……!!


3人目の装者

「ハァ…ハァ…!」

 

息を切らしながら、走り続ける。

 

「なんで…!こんな事に…!」

 

確か、ツヴァイウィングのCDを買いに行って、その時ノイズ出現のサイレンがなって……

近くにいた女の子を連れて逃げたんだ。

 

「おねーちゃんだいじょうぶ?」 

 

「大丈夫!平気、へっちゃら!」

 

走って、走って、走り続ける。

だが、ノイズに追いつかれる。

 

(せめて、女の子だけでも!)

 

目を瞑った時

 

「であぁ!!」

 

男の人の声が聞こえ、目を開くとそこには、白いロングコートを着て黒い仮面をつけた人が立っていた。

 

「早く逃げな!」

 

「でも!」

 

「いいから!早く!その子を守れ!」

 

男の人がノイズを手に持った剣で切り裂きながら、叫ぶ。

なんでノイズを倒せているのか分からないが、逃げるべきなのだろう。

 

「ど、どうかご無事で!!」

 

「アンタもなぁ!」

 

そうして、再び無我夢中に走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

此処はいったい何処だろう。

無我夢中に走り続け、知らない場所に辿り着いてしまった。

 

「此処なら平気かな。」

 

「ありがとうおねーちゃん!」

 

この子も平気みたいだ。

本当に良かった。

 

だが、背後から一体のノイズが迫っていた。

 

「ッ!!」

 

ノイズに触れられるその時、胸に唄が浮かんだ。

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

無意識に拳をノイズに振るう。

私は炭素化する事なく、ノイズだけが炭素化していた。

 

「ほぇ?」

 

今のは、私がやったのだろうか。

自分の身体を見ると、リディアンの制服ではなく、ヒーローモノのアーマーの様なものを纏っていた。

 

「おねーちゃんカッコイイ!!」

 

女の子が目をキラキラさせて私を見ている。

別のノイズが私達に迫って来る。

迎え撃とうとするが

 

「うわ、うわわ!」

 

ヒールによって、体勢を崩してしまう。

 

(女の子が!?)

 

ノイズが女の子に触れる瞬間

 

「セァ!」

 

ノイズが一刀両断された。

 

 

 

 

 

 

【side弦十郎】

翼と奏君をノイズ出現地へと、向かわせ数分経った。

魔法使いもまた現れ、ノイズから人々を守ってくれている様だ。

すると、

 

「アウフヴァッヘン波形を感知!!このパターンは……!?」

 

アウフヴァッヘン、それは聖遺物が歌の力によって起動する際に発するエネルギー。そのエネルギーの波形をアウフヴァッヘン波形と言う。

シンフォギアを纏う際にも発せられていて、聖遺物ごとに、波形パターンは変わる。

また、パターンを照合する事によって、種別の特定も出来る。

 

モニターに映し出されたのは

 

《Gungnir》

 

「ガングニール…だとぉ!!?」

 

奏君が纏っているはずのガングニールだった。

 

 

 

【side翼】

ノイズが出現し、戦場に赴き奏と共にノイズを斬り倒して行く。

 

「フッ!ハッ!」

 

「ゼリャァ!!」

 

ふと、周りを見ると不自然にノイズが小道に集まっている。

小道に向かい走りながら、ノイズを薙いでゆく。

 

「セァ!」

 

ノイズを一刀両断した先に居たのは、少女とバランスを崩して倒れているシンフォギア装者だった。

 

「なっ!?そのギアは…!?」

 

『翼!奏君!聞こえるか!近くに、アウフヴァッヘン波形が確認された!』

 

ギアを通して、叔父様から連絡が来る。

 

『マジカッ!?』

 

「……叔父様、その装者を確認しました。」

 

『本当か!?その子を保護してくれ!』

 

「承知しました!!ヤァ!」

 

叔父様からの連絡を聞き、迫り来るノイズを斬り裂く。

 

「えっと…もしかしてツヴァイウィングの翼さんですか!?」

 

シンフォギア装者が聞いて来る。

 

「そんな事は後だ!此処を切り抜けるぞ!!」

 

「切り抜けるって……」

 

ノイズを殲滅していると、反対方向から、ノイズが迫り来る。

ノイズを倒そうにも、此方側にもノイズが残っている為、下手に動けない。

 

(このままでは、少女が!)

 

シンフォギア装者は平気だろうが、少女はノイズに触れられればひとたまりも無い。

シンフォギア装者は戦い慣れては居ない様で、ヒールにも足を取られている。

 

「ッ!?ダメェ!!」

 

シンフォギア装者が叫び、少女に手を伸ばすが後一歩届かない。

その瞬間

 

「間に合えぇ!!」

 

空より、幾つかの火炎弾が降り注いだ。

 

 

 

 

 

【side白利】

途中で、リディアンの制服を着た女の子とその女の子に連れられた少女を助け、周りのノイズを倒し別の現場に向かう途中

 

Balwisyall nescell gungnir tron

 

唄が聞こえた。

 

「これは…シンフォギアの唄?こっちか……」

 

方向を変え、飛んで行く。

そこには、ノイズに触れられる寸前の少女が居た。

すぐ様、銃と剣を抜きノイズに向け

 

「間に合えぇ!!」

 

火炎弾を放ち、残りのノイズを斬り裂く。

 

「ハァ…ハァ…危なかった〜」

 

ノイズに襲われていた少女を見ると、その他の情報をようやく視認した。

そこには、風鳴翼とシンフォギアを纏った先程助けたリディアンの女の子が居た。

 

「アンタ…さっきのリディアンの娘か!!」

 

「さっき私達を助けてくれた人!!」

 

お互い指差して近寄る。

 

「魔法使い、顔見知りか?」

 

ノイズを倒し切った風鳴翼も近づいて来る。

 

「魔法使い……?」

 

「おにーちゃん魔法使いなの!?」

 

少女が目をキラキラさせながら見て来る。

 

「おう!そうだぞ〜お兄ちゃんは魔法使いなんだ!!」

 

少女の頭を撫で、水弾を手に持ち投げてはキャッチしてを繰り返して見せる。

 

「すごーい!」

 

「触ってみる?」

 

「うん!!」

 

少女に水弾を渡し、遊ぶ様子を見る。

なにこの可愛い子。

 

「おーい!大丈夫かぁ!!」

 

向こうから、天羽奏が走って来る。

 

「奏さん!?」

 

「奏。」

 

「よっ、天羽奏。」

 

3人それぞれが反応する。

 

「魔法使い、来てたのか。って、それより!アンタか!弦十郎の旦那が言ってた奴は!!」

 

「えっと…私ですか?私は、立花(たちばな)(ひびき)って言います!よろしくお願いします!!」

 

何がよろしくなのかは分からないが、元気のある娘だ。

 

「あたしは天羽奏だ!宜しくな!」

 

「風鳴翼だ。」

 

二課の2人も挨拶をする。

 

「必要かは分からんが、俺は魔法使いだ宜しく立花響。」

 

「えっと…魔法使いさんって名前なんですか?」

 

「名前なわけないでしょーが!本名を隠してるんだよ。」

 

この娘……意外とアホの娘?

暫く彼女の事について聞いていると、周りに黒い車やらが集まって来た。

 

「はいこれ、あったかいモノどーぞ。」

 

「あったかいモノどーも…」

 

少し戸惑った様子で、二課の職員と思われる人物から飲み物を貰う立花響。

 

「魔法使いさんもどうですか?」

 

「ありがたくいただくよ。」

 

俺もその職員から、飲み物を貰い飲む。

あの少女は無事お母さんと合流できた様で、お母さんは職員から何かしらの説明を受けていた。

 

「あれ、何やってんの?」

 

「あぁ、アレはシンフォギアなどの公には公開されていない情報を誰にも話さない、と言う説明だ。彼女達やその周りの人々にも危害が及んでしまう可能性があるからな。」

 

「大変なんだなぁ。」

 

風鳴翼から説明を聞く。

どうやら、同じ説明を立花響も受けているのだろう。

立花響の様子を見ていると。

 

音もなく、立花響の背後に男性が現れた。

 

「ッ!?何にも無い所から人が急に出て来たぞ!?」

 

「緒川さんは忍者だからな。」

 

「あたし達にとっちゃぁ、見慣れた光景だけどな。」

 

いつの間に来ていた天羽奏と風鳴翼がさも当たり前かの様に言う。

二課って忍者いるの?

視線を立花響に戻すと、頑丈そうな手錠を掛けられていた。

 

「彼女は二課に連れていかれる様だな。」

 

「んじゃ、あたし達も行くか。じゃあな魔法使い、また会おうぜ。」

 

「んっ、あばよ。」

 

立花響を連れ、風鳴翼と天羽奏は去っていった。

 

「今後、忍者には気を付けよ……」




仮面ライダー滅亡迅雷見て来て遅れました。
放心状態が治らない……
次回は……どうしよ………

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