輝きと暗闇   作:銀河のかけら

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席替えで教卓の目の前を引き当てた、どうも、かけらです。目の前嬉しーなー。
………嘘です。めちゃ嫌です。もう早く変わりたい…と思ったかけらでした。

それでは5話、どうぞ!


5話

「とは言ったものの、何からするかな」

響は久しぶりの曲作りとなってやる気がほとんどだったが、少しながら不安もあった。

響が最後に曲を作ったのは、1年以上経っていた。よって、どんなふうに作ればいいのかも掴めていない状態だった。

「とりあえずもらった詩と譜面を見直すか」

響はもう一度詩と曲を見直してイメージを膨らませる事にした。

 

ーーこの曲は、千歌のスクールアイドルへの思いが詰められていると聞いた。そして、ユメノトビラみたいな曲を作りたい、から始まったと聞いている。

全体的に前向きにさせるような詩と曲だな。今の3人を思わせるような詩になっている。千歌…想像してたより面白い詩を書けるんだな。曜も衣装や振り付けも一定以上の出来だった。それにしても桜内梨子…梨子も音ノ木坂学院の生徒だったのか。しかも同学年。ほとんど人と関わって無かったから気づかなかった…こんな曲を作れるピアニストがいたとは…

梨子と響はお互い音ノ木坂学院出身とは全く知らなかった。どっちも知らなかったのでお互い様だが…

 

そんな事を考えながら曲のイメージを作っていった。すると、この詩に秘められていた事に響は気付いた。

「そうか!この詩は千歌がスクールアイドルに対しての想いが表現されているんだ!」

スクールアイドルに対しての想い…それは、

スクールアイドルがダイスキって言う事か!

 

その想いを見つけた響は溢れるように曲のイメージが頭の中で作られていった。響は休む事なく編曲に励んだ。人は稀に極限まで集中するとゾーンに入ることがある。響は今その状態だった。

 

 

そこから、あっという間に約束の日になった。響は机でそのまま寝てしまっていた。

「ん〜、ヤバっ、寝ちゃってたか…」

響は眠い目をこすりながら譜面を見た。

「…あ、そっか、出来たんだっけ。」

そして、出来た曲を聞くためにイヤホンをつけた。

聴いてると、響は自然と眠気が覚めてその場に立ち上がった。

「で、出来た!出来たんだ!曲ができた!」

やっと自覚した響は嬉しさのあまり声を上げて喜んだ。

 

「よーし!これを千歌達に持って行こう!」

 

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「響君、遅いなー、まだかな?」

千歌は昼休憩で3人でご飯を食べているとき、こう呟いた。

「流石に3日じゃ無理だったのかもしれないけど…」

梨子は昼になっても来ない響を心配していた。

「そんな事ないよ梨子ちゃん!響君は絶対に来る!」

「ふふっ、わかってるよ千歌ちゃん、私は響君を心配して言ったんだよ」

梨子が千歌と話してると、曜が何やらこちらを睨んでいる

「千歌ちゃん」

「へ?どしたの曜ちゃん?」

「そのみかん何個目?」

「3個目?かな」

「…あっ…」

千歌は食べすぎに気付いたようだ。

「…よーしそろそろ練習再開するかー」

「全く千歌ちゃんったら」

「あはは…」

3人は昼休憩を終え、練習を再開しようとした。

その時、

「おーい!」

「「「ん?」」」

「今何か聞こえなかった?」

「おーい!って言ってたような…」

曜と梨子はまだ分からなかったが、千歌は気付いたようだ。

 

「響君だ!響君の声だよ」

 

すると、海に向かって走ってくる響の姿があった。

 

「おーい!出来たぞー!曲!」

 

響に近づくように3人も響の方へ走って行くと砂浜で突然!

「うっ!腹が、」

お腹の方を抑えて蹲ってしまった。

「響くん、どうしたの?」

「大丈夫?、響くん!」

「お腹が痛むの?」

 

「お、お腹が…」

「「「お腹が?」」」

 

 

「お腹が空いた〜バタッ!」

といいながら倒れた。

 

「「「……」」」

千歌と曜は苦笑いをしていたが、梨子は響のもとに来て頭にたんこぶができるくらいの強さで殴られた。

 

 

 

「あ〜!みかん美味えー!」

響はその後、千歌が持っていたみかんを食べた。

「響くん、みかんもう一個あるよ?」

「マジで!サンキュー!あ〜、今日は千歌が神様に見えるよ」

「神様て」

「全く…響君なんてもう知りません」

曜は呆れてたが、梨子はとても怒っていた。

「ごめんって梨子、倒れそうだったのは本当なんだぞ」

「全く、そんなになるまでしてたなんて…ご飯食べてたの?」

 

「いや、2日食べてない」

「「「2日!?」」」

あっさり答える響だが、あまりにも衝撃すぎて3人は声を揃えて驚いた。

「だめだよ!ご飯は食べないと!」

「そうだよ、生活できないよ」

「ちょっと、だめじゃない!そんなになるまで放置して!」

と、同時に言われた。

「しょうがないじゃん、気づかなかったんだし」

「気づかなかったって?」

と梨子が聞くと、またあっさりと、

「編曲してたら2日たってた」

「「「………」」」

と答えた。

あまりにも衝撃だったので、今度は固まっていた。

「全く音楽バカね」

と梨子に言われたので、少しムッとした。

しかし、

「曲、ありがとね」

「響君がいなかったら、大変だったよ」

「まぁ、今回だけは許してあげる。ありがとう!」

と、3人に感謝されたので、少し嬉しかった。

 

「よーし、ライブに向けて頑張るぞー」

「「「おー!!!」」」

「あはは、元気だな」

 

3人は曲ができた嬉しさからか、自然と楽しそうに練習していた。

そして3人の練習をみていると響が、

「なんかたのしそうだな〜」

 

「あの"3人"を見ているみたいだな」

 

と、静かに呟くのであった。

 

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練習が終わった帰り道、千歌が急に提案した。

「あ、そうだ、帰りに果南ちゃん家に寄って行かない?まだ午前だし」

「お、賛成であります!」

「そうね、ライブにも誘いたいし、報告もしなきゃ」

3人で話を進めていたが、一つ疑問があった。

「響くんも一緒に来る?」

「行くのは構わないが、果南って誰?」

「あ、そっか、響君は初めましてだったね」

曜がそう言うと千歌が一緒に答えた。

 

「果南ちゃんはねー、千歌とひとつ年上の大事なだーいじな、

 

幼馴染なんだよ!」

 

 




こんばんは!銀河のかけらです!5話、いかがでしたでしょうか?ついにライブに向けて曲が完成しました!千歌達は今後どんなふうにライブに向かっていくのか!乞うご期待です!

そして次回、ついに!ついに!果南ちゃん初登場です!いやー、一回出した気がしたんですが、出てませんでした…

果南ちゃんが次回どう関わってくるのか?乞うご期待です(2回目)

さて長くなったのでこれにて失礼させていただきます。
以上、銀河のかけらでした!

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