孤独の鎌鼬~転生先と肉体が最悪だけど特典生かしてどうにか頑張る~ 作:一般通過デモゴルゴン
文字数はいつも通りです。
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―――今日もまた、朝が来る。
俺の一日は、朝食のサラダから始まる。
今日も適当な薬草やらタケノコを頂いている。
冷やすなりあく抜きするなりでもっとおいしく頂けそうなものだが、この際そんな手間はかけていられない。
【自然回復力が上昇しました】
上がるステータスは自然回復力。
このステータスは明確な数値で上昇が報告されないし、何を食べることによって上がるのかもわからない。
ただ、このような植物類を多く食すと必ずと言っていいほど上がる。
今までケガをしないように必要最低限の狩り以外での戦闘は避けているため、どれほどの効力を有しているかはわからないが、上げておいて損はないだろう。
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―――太陽が真上に来る頃。
昼には魚か肉を食べると決めている。
本日の標的は〇ソ猪ことファンゴ君。
丁寧に視界にとらえ、全速力でタックルをかましてやる。
すっ転んだところで”喉元を食いちぎり、息の根を止める”。
もう一匹は適当にしっぽの刃で切り付けて追い払い、ゆっくりと食事に入る。
【ファンゴの捕食により あなたの力が 1 上昇しました】
モンスターを喰ったことによって上がるステータスだが、俺はこれに対して一つの仮説を立てた。
それは、猟虫で捕れるエキスの色から連想されるステーテスが上昇するステータスということだ。
ファンゴの赤色ならパワーが、ガーグァの白色ならスピードが、ブンブジナの橙色ならばスタミナが上がるといった要領だ。
今日はファンゴを比較的多くを見かけたためファンゴだったが、食べる肉はその日その日で変わっていく。
何なら魚を喰った日のほうが多いくらいだ。ちなみに魚だと、何匹か食ったところでスピードが1上昇する。
一日にいずれかのステータスしか上げられないが、そこは仕方ないと割り切るしかない。
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―――夕暮れ。
俺は大社跡の中でも標高の高い11番エリアにて鉱石を食していた。
味はとてつもなくかたいパン。黒パンをイメージしてもらえればわかりやすい。
しかし、こいつを喰うことによってもメリットはある。
【防御率が上昇しました】
今日は運がよかったようだ。
こんなかんじで、鉱石を喰っていると防御率とやらが上がることがある。
上がる時は本当にまれであり、これまでで三回ほどしか上がっていない。
近くにある卵を喰ってもいいのだが、そんなことをすればリオ夫妻に焼き殺されてしまうので実質的になしだ。
何で知ってるかって?
けもの道から顔を出した瞬間、目の前でクルルヤックがブレスで吹き飛ばされたからだよ(虚ろな目)。
一応食ったが、全ステータスが1上がった程度だった。
味もくそまずだった。炭化してたししゃーないべ。
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ほかにも、骨を喰ったら部位耐久値が上昇するため毎日食していたり、ジンオウガ先輩に目を付けられかけたり、リオ夫妻に毎日「なんだアイツ・・・」と言わんばかりの目線を浴びせられたりなどいろいろあったが、おおむねこんな日常を過ごすこと大体ひと月。
現在の上昇ステータスはこんなもんである。
力+7 スピード+15 スタミナ+7
自然回復力の上昇と部位耐久値の上昇がほぼ毎日
防御率の上昇が三回 である。
さて、体感でどんなものかの言うと・・・
\(^o^)/わからん\(^o^)/
だって、今までまともな交戦なんてしてないんだもの。
隠密したり不意打ちですっ転ばせてかみついたりばかりで力量を図る機会がロクにないのである。
これでは一向に成長したかどうかわからない・・・
しかし変なことをすれば人間に目を付けられるし、何なら死にかけねない。
今後の指針としては、ステータスが伸び悩むまではこの生活サイクルを繰り返すつもりである。
安定は大事だ、古事記にもそう書いてある。
というわけで本日もこの辺でお休みである。
気がかりとしては、”しっぽの刃よりも顎のほうが強い”のでオサイズチとしてそれはどうなのだろうということだ・・・
目立たないように生きる(草も鉱石も食べる顎が異常に強すぎるオサイズチ)