新幹線変形ロボ シンカリオン 未来への光!   作:ニャンコスライム

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 お待たせしました。第2話のバトルシーン回です。ここでウルトラマンと彼に付き従ってきたフローラちゃんがついにバトルに本格参戦します。
少し設定を言うと、今作登場のオリキャラ達は一体化したウルトラマン達とは心の会話ができるようにしたので、そこは『』にしてあります。


第4話 疾風の剣士の決意、始まりの戦士の光

 高校での一日を過ごして家路についたハヤトの幼馴染、ケント。

彼の通う学校の制服は白い学ランで、それなりにイケメンのケントにはピシッと合っている。

が、季節はまだ肌寒い為彼はその上に青いコートを羽織って歩いていた。

そんな彼に、先日ひょんな事から出会い一体化したウルトラマンがこう言ってきた。

 

『ケント、大変な事が起こった。少し話を聞いてくれないか?』

 

『良いけど、いきなりどうしたの?』

 

『今フローラから「郡山市の南に邪悪な気配を感じ、それが少しずつ北上している」との情報が入ったんだ』

 

『ちょっ、マジなのそれ!?この前の再来じゃないか!』

 

『私も最初は軽く疑ったが、どうやら本当の事だそうだ。ついでに君の友人だというあの少年をすぐに探してみたところ、鉄道博物館なる場所に入ろうとしているのを見つけたらしい』

 

『ハヤトが…?とにかく一度僕達も行く!?』

 

『そうだな、ひとまず様子を見に行くだけでも構わないだろう』

 

ケントとウルトラマンはそう話をまとめると、一路鉄博へと足を向けることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャショットを送り届ける為鉄道博物館に入ろうとしていたハヤトだが、そんな時エマージェンシーコールが響いた。

 

「うわぁっ!何だ…!?」

 

『大変大変大変たぁーい変でございまーす!』

 

ハヤトのリュックに収まっていたシャショットがアラート画面になり、「大変」フレーズを連呼しながら飛び出して告げた。

 

『漆黒の新幹線が出現したでございまーす!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、地下の超進化研究所指令室では…。

 

「15時35分、漆黒の新幹線の目撃情報です!」

 

「巨大怪物体捕捉、コードネーム『マッドフェリス』!体長推定50m!」

 

フタバと本庄から聞いた出水は「ついに白昼に…!」と呟いた。

被害拡大を防ぐ為、ホクトは早急に指示を下す。

 

「捕縛フィールド展開っ!捕縛完了後、直ちに光学迷彩機能作動!」

 

「「はいっ!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、博物館の入口付近では…。

 

「動画でアップされてた新幹線…?」

 

『そうでございまーす!漆黒の新幹線が現れると、必ず巨大怪物体が出現するのでございまーす!』

 

シャショットによると、その漆黒の新幹線なる謎の車両が確認された時には、必ずと言っていいほど巨大怪物体というモンスターが出現するのがお決まりの事例らしい。

 

『今こそ、ハヤト君が必要な時でございまーす!』

 

その事を教えてシャショットはそう言うが、ハヤトは口を閉ざす。

その際も彼の頭の中ではどうしても『速杉指導長を苦しめるだけであると、ご認識いただきたい』という出水の言葉と、その際父が浮かべていた重苦しい表情が再生されてしまっていた。

だから余計に辛くなったハヤトは、

 

「出来ないよ…!」

 

その言葉ひとつでシャショットが伸ばしてきた手をはたいた。

 

『な、何故でございますかっ?』

 

「何故って…。言ったでしょ?俺小学生なんだし…。」

 

しかし、出水がそのような事を言っていた所を見ていない為に知らないシャショットは厳しい表情で詰め寄ってくる。

 

『そんな事関係無いのでありまーす!わたくしは、ハヤト君が本当にやりたい事を教えてほしいのでございまーす!』

 

食い下がるシャショットに耐えきれず、ハヤトは背を背けながら言い放つ。

 

「駄目なものは駄目なんだよ!」

 

突き放されたシャショットは悲痛な表情になり、必死に訴えた。

 

『わたくしが出撃できたのは、全てハヤト君のおかげ…。一人では任務を全うできないわたくしには、相棒が…ハヤト君が必要なのでございまーす!』

 

自分はハヤトを信じて一緒に戦いたい―――。そんなハヤトに対しての渾身の想いをぶつけるようなその発言に、振り返ったハヤトは「シャショット…。」と小さく呟いて相手を見た。

その小さなロボットの顔は、はっきりと引き締まっている。

すると、その会話を後ろで聞いていたフローラが気配を消して動いた。

 

『フローラ、何をする?』

 

ケントの中からウルトラマンが声をかけるもそれを気にとめず、フローラは数歩前でハヤトの背中に向けて手をかざす。

その手から白い光を放つと、フローラはそのまま横をすり抜けて鉄博の中に入っていき、ケントもその後についていく。

 

『人は何でも最初に動き出すところで悩めるもの。でも、あなただって小さな体だけど、風に乗って一歩を踏み出せば、必ず大切なものを守れるはず。だから・・・諦めないで』

 

一度立ち止まり、その言葉を残してちらっと振り返ったフローラの目には、ハヤトの体が緑色の光のオーラに包まれているのがはっきりと見えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、捕縛フィールドと呼ばれる空間の中では、既に戦闘が始まっていたが、一方的に追い詰められていた。

マッドフェリスと命名された怪物は観覧車に相当する所から放射状にビームを打ち、現状の戦力であるE6とE7が次々に命中するそれを必死に避けていた。

2体は何とか両足でブレーキをかけて踏みとどまるが、その直後にドームのような場所からさらなる巨大ビームが放たれる。

ステージに着弾すると、一気に紫色に光る爆発が2体を飲み込み、それを見たホクトは唖然としていた。

そして煙が晴れた先には、これまで全くの無傷なマッドフェリスと、膨大な光に巻き込まれた衝撃で膝をついているE6とE7の姿があった。

 

「E6、E7、共に適合率低下!」

 

「このままでは、シンカリオンの機動に支障が出ます。戦闘継続は不可能です!」

 

「これ以上は無理だ、機体と運転士の安全を優先させるしかないっ!」

 

本庄、フタバ、ホクトの順に告げられた最悪の現状に出水は舌打ちした。

しかもそうしている間に

 

「捕縛限界まで、残り50分を切りました!」

 

敵をフィールドの中に捕らえる事ができる時間がみるみる削られている事に、指令員達の空気が変わる。

ホクトの愛息子の声が聞こえてきたのはそんな時だった。

 

『お父さん…。』

 

「っ、ハヤト君!?」

 

「ハヤト!?」

 

「メインモニターに切り替えます!」

 

フタバのコンソール操作で画面が変わり、シャショットを抱えたハヤトが立っているのが見えた。

ホクトは咄嗟に耳の小型インカムに手を当てた。

 

「ハヤト、どうしてお前がそこにいるんだ…!」

 

すると画面いっぱいになるまでシャショットが飛び出す。

 

『は、速杉指導長〜!そもそもハヤト君から言い出したのではなく、わたくしが無理矢理連れてきたのでございま〜…「シャショット、黙っててくれ!」ドア〜、閉まりま〜す…。』

 

事情をバラすような説明をして黙れと命じられたシャショットは本物の車掌のような台詞を残して再びブラックアウトして下がった。

そしてハヤトは弱々しい声で想いを吐露した。

 

「お父さん、力になれるのは俺だけなんでしょ?」

 

「っ!」

 

「だから、その、俺…、この間は、お父さんの力になろうとしたけど…今度はシャショットの…E5の力に…!」

 

精一杯の勇気を振り絞った息子の言葉を聞いて一度顔を下に向けたホクト、そしてその第一声は…。

 

「…本庄、E6、E7、両機撤退だ!」

 

「えっ、あ、はい!」

 

急にそんな発言をしたホクトに対し出水が「速杉さん」と言うが、ホクトはそれを無視しつつハヤトに向かってこう言う。

 

「今回は二度目だ!要領は分かってるな!」

 

「っ!」

 

「敵は前回より進化している!」

 

「速杉指導長…。」

 

「だが、E5の性能とシャショット、そして!…俺達を信頼しろ!」

 

はっきり力強く言い切ったホクトを見て、本庄とフタバは表情を引き締めた。

そしてハヤトも笑顔に変わり、復活したシャショットも

 

「やったでございまーす!ハヤト君、行くであります!」

 

今度はハヤトもそれを拒絶せず、「うん!」と力強く頷き、シャショットの手を取った。

 

「本当に良いんですか…?」

 

そう言う出水の問いに対しホクトは言った。

 

「心配するな、出水。大人が子供を守るだけではなく、大人と子供が共に未来を守る時代になった、という事だ」

 

そう言いつつ、ホクトは()()()()()()()()()()()()()であるフタバを見やった。

それを受けたフタバも穏やかな表情を返す。

ハヤトとホクト―――速杉父子はこのやり取りで、厳しい戦いでも信頼できる者と一緒に飛び込んでいく事、そしてその場所に大切な我が子を信じて送り出す事を決意したのだ。

 

「なるほど、そういう事なら…。」

 

外で様子を見ていたジュエルペット、オパールは、瞬間移動のように速く飛んで、自分をここへ偵察に行かせた主人であり友人でもあるフローラの元へ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして前回同様E5に乗り込んだハヤトは、シンカギアにShincaをタッチ。

 

『この車両は、仙台行きです』

 

「シンカリオンE5、出発進行!」

 

ハヤトがレバーを引くとE5はやぶさは鉄道博物館の車両ステーションから風のように飛び出していった。

新幹線を見渡す事が出来る屋上、パノラマデッキでそれを見送るケントとフローラは

 

「あの子、ついに覚悟を決めたようだね」

 

『フローラのかけた光の力とテレパシー、あれで少しでも布石を植え付けなければ成り立たなかった事だな』

 

「ええ、オパールの伝えてくれた通りです」

 

「でヘへ♪」

 

右肩に乗せたオパールの体を撫でながらフローラがそう言うとオパールは少し嬉しそうに笑いながら右足で耳を掻いた。

そしてケントも表情を引き締めこう言った。

 

「さあ、僕達も行こう、ウルトラマン、フローラさん!」

 

「そういえばあなたはあの子を助けていきたい一心でウルトラマンさんを受け入れたのよね。なら分かった、私も出来る限りの助力を果たすわ!」

 

『よし、その意気だケント!』

 

そうしてケントはブレザーの胸ポケットからベーターカプセルを出し、空に掲げると同時にボタンを押した。

100万ワットの光が溢れ出し、そして現れるウルトラマン。

白い光を身に纏ったウルトラマンと、服の後ろリボンに力を注いで翼の如く展開したフローラは、E5はやぶさの後を追うように凄まじい速さで飛んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンカギア、装着っ!」

 

前回父に教わった通り、シンカギアを左腕にはめるハヤト。

 

「シンカギア、機動確認。シンカリオンE5、制限解除!」

 

「超進化速度、突入準備!」

 

ホクトがそう言うと、通常の新幹線の線路から、水色に光る光のレールが伸びて分岐し、フィールドに通じる道となった。

そこを通過する為、ハヤトは右手でレバーを握り、手前に倒した。

 

「超進化速度、突入!」

 

『超進化速度、加速します』

 

見事E5はやぶさは光の軌道に乗り、そして…。

 

「超進化速度、到達!」

 

「チェンジ!シンカリオン!」

 

ハヤトはShincaをセットすると『E5、シンカリオンに変形します』と鳴り、またもやマークが光るのを合図に、E5はやぶさはロボットの姿に変わっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてマッドフェリスの前に、シンカリオンE5はやぶさが華麗に降り立った。

 

『行くぞハヤト!』

 

「うん!」

 

ステージを蹴って駆け出すのを見たホクトが言った。

 

『奴のビームは強力だ、距離を詰めて戦え!』

 

「うんっ!」

 

飛び上がったE5はやぶさは機敏な動きで放射状に放たれたビームを全発躱し、観覧車部分の一番上に飛び乗るとそこからジェットコースターの部分に飛び移り、その上を滑っていくと

 

「だああああぁーーーーーっ!」

 

空中で回転しながら迫り、お城の屋根めがけてカイサツソードを一閃したが、ガキィン!と鈍い音が響いた。

この屋根はレイルローダーより数段固く、それでソードが弾かれたのだ。

片膝をつく体制で着地したE5の中で、ハヤトとシャショットは

 

「剣が、効かない…!」

 

『慌てるな、このまま私の動きをインターロックし続けろ』

 

「うん…!」

 

一筋縄で行かなくてもやるしかない…そんな時だ。

 

 

ビィー!ビィー!

 

 

突如としてフィールドが赤くなり、警報音が鳴り響いた。

 

「っ、何だ!」

 

「不味い!」

 

「捕縛限界まで、あと2分です、時間がありません!」

 

指令員達に焦燥感が走った。

このフィールドが消えてしまうまでに倒しきらなければ、敵を野放しにする事になってその攻撃でさらに被害が広がってしまう。

その時だ。

 

「ダメ元でやってやるわ!アクアスラッシュ!」

 

「「(ダイヤモンド!)(オパール!)ジュエルフラーッシュ!」」

 

どこからともなく円盤ノコギリのような光のカッターと激しいジェット水流、そして白と虹色が混ざった光が飛んできて、その光が渦を巻くように飛び交う中ジェットコースターのレールと城の屋根に命中した。

何だ!?と声を上げるホクト、フタバと本庄がそれぞれ出所を解析すると、両者共に右腕を前に突き出した赤と銀の巨人と、白い服をまとう金髪碧眼の美少女、そしてその両脇にくっつく黒猫と水色のユニコーンだった。

どうやってこの中に入ってきたのか、今の技は何なのかと言いたい事は山程あるが、これを見た2人は片方に見覚えがあった。

 

「「あれは、始まりの戦士・初代ウルトラマン(だ)(じゃないですか)!!・・・あ」」(フタバ・本庄)

 

「だが、どうしてここに…。」(出水)

 

「それにあの少女達も一体何者なんだ…?」(ホクト)

 

フタバと本庄は、ずっとテレビで見ていたヒーローが現実にいる事に驚愕して、時間が迫っているにも関わらず声が重なった。

そう、実を言うとこの二人は、周囲には隠しているが生粋のウルトラシリーズファンだった。

少し話が脱線するが、ウルトラマンとフローラは地上に被害が出ないスピードで飛び、授かっていたウルトラマンレジェンドの加護の力でE5はやぶさより少し早くフィールドに入り込み、ピンチになった事と時間が迫っている事でこの行動を取った。

ウルトラマンが放った技は「ウルトラスラッシュ」別名「八つ裂き光輪」、フローラは水魔法の一つ「アクアスラッシュ」、ダイアナとオパールもジュエルフラッシュを発動させ、マッドフェリスの体のうちジェットコースターのレールとお城の屋根にかすり傷をつけた。

 

その話はハヤトにも少し聞こえたが、ハヤトはそれを切り捨ててシャショットにこう訴えかけていた。

 

「シャショット、なんか凄い必殺技とか無いの!?」

 

『あるにはあるが、しかし、訓練も無しに最大出力など無茶だ!』

 

「無茶は最初から分かってるよ、やろう、シャショット!」

 

その時前方では、マッドフェリスが前に突き出している塔のような所にエネルギーを貯め、最強技の準備をしていた。

 

「シャショット!」

 

『分かった、ならば今の私の最大限のイメージ、インターロックできるか!』

 

それに対し迷う事なくハヤトは言い切った。

 

「できる!俺は『時間と言ったことは守る男』だからね!」

 

『よぉし、私はハヤトに賭けるぞ!』

 

そう言うとシャショットは指示を出した。

 

『シンカギアのレバーを一番上まで上げて、チャージしろ!』

 

「分かった!」

 

ハヤトはそれを受けて、素早く右手でレバーを掴み、一気に上まで上げると、E5はやぶさの胸部カバーが展開してエメラルドグリーンの光が収束し始めた。

その反動に耐えていくハヤト、そしてエネルギーが風のように溜まっていく。

それを見ていたフローラも両腕を広げた瞬間全身が白く光り始め、その周囲に赤、黄色、緑、青の光の玉が現れた。

そしてその時は来た。

チャージを終えたマッドフェリスが塔から紫色のビームを放ち、それを見たハヤトとシャショットがこう叫ぶ

 

「『グランクロス!!』」

 

ハヤトがレバーを下ろすと胸に溜まったエネルギーが緑色の光線に転化され、E5から放たれた。

同じタイミングで後押ししようと

 

「シュアッ!」

 

「逝きなさい!ジュエルフラッシュ・エレメンターッ!」

 

ウルトラマンが「スペシウム光線」、フローラが火、風、土、水の4つの魔法を合体させた「ジュエルフラッシュ・エレメンター」を放った。

そのまま4つの光線がぶつかり合うが

 

「んんんん…うああぁーーーーっ!」

 

ハヤトが少し気合を込めると、光線の出力が上がってマッドフェリスのビームを相殺し、一気にマッドフェリスに殺到すると…黒い光のオーラを飛ばして大爆発を起こした。

そして、その爆炎をバックに剣を振り上げ、膝をつくポーズを決めるE5はやぶさがそこにいた。

それを見守ったウルトラマンとフローラも互いに頷き合うと、ウルトラマンは体から光を出して消えていき、フローラは背後に魔法陣を出してダイアナとオパールを引き連れ同じように消えていった。

そして同じく彼の勇姿を見届けた指令員達も歓声を上げた。

特にホクトは二度に渡って愛する息子が良い戦績を上げた事からその場にいる誰よりも表情がほころんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…マッドフェリスの体になっていた遊園地のアトラクション達は無事に元の場所に戻り、纏わり付いていた黒いオーラも白い光になって浄化され天に昇っていった。

しかしその場所に、二人の謎の男が立っていた。

片やマントで全身を覆い隠し、片や人間のそれとは異なる巨大な体を持つ異形の者。

その巨人のような者が赤い瞳を光らせながら、

 

「進化のスピードが…上がっている…。」

 

そう呟いたのは、誰も知らない…。

 

 

 

 

 

♪エンディング主題歌:Go one step ahead

 

 

 

 

 

〈おまけ〉

パノラマデッキに戻ってきて変身を解除したケントと魔法陣で転移を終えたフローラが顔を見合わせて互いに微笑んでいた時、フローラの元にそれぞれ緑とピンクの光球が現れる。

それを手に取り、フローラはダイアナと一緒に呪文を口にすると、光の中から現れた二つの宝石が踊るような軌道を描いて回り始め、小さなパンダと茶トラ猫がフローラのもとに現れる。

それを見てケントが近づいて問いかけた。

 

「うちの妹がよく話してるんだけど、僕の見間違いじゃなかったらその子、エメラルドのジュエルペットの『ラルド』君と珊瑚のジュエルペット『サンゴ』ちゃんだよね?」

 

「ええ、合ってるけど何でここに…。」

 

『恐らくレジェンド様はあのロボットを乗りこなす者達のパートナーに我々だけでなくその子達もつけると取り決められたのだろう』

 

その2匹のジュエルペットが現れた理由をウルトラマンはそう解釈したが、フローラとケントは戸惑いの気持ちで空を見上げたのだった。




 以上で第2話の分は終わりになります。
最後の方がちょっとばかり不穏なラストシーンになってしまいましたが、充分楽しんでもらえたら高評価、感想、お気に入り登録よろしくお願いします。
次回のサイドストーリーはウルトラマンとケントの二人にスポットを当てたいと思いますが、YouTubeには第2話までしか無く、これ以降はDVDをちょっとずつ見返しながら書く事になるので更に待たせてしまうかもしれませんが、こちらの都合なのでご了承ください。
それではまた次回お会いしましょう。

最後に新キャラ解説。

・ラルド CV:土屋真由美
瞳に輝く宝石はエメラルド。
見た目はご存知の人ならお察しの通りパンダ。
頭にクリーム色のラインが入ったピンクの帽子をかぶり、ピンクのチョッキを着て雫型のチャームをつけている。
普段はポヤポヤしているが楽器の演奏が得意。
ジュエルパワーは「家族愛」。

・サンゴ CV:酒井玲
瞳に輝く宝石は珊瑚。
見た目は黄色の体に茶色の縞模様が入った茶トラ猫。
左耳に白い花がついた赤いリボン、首にイチゴのチャームをつけている。
スイーツが大好物な元気っ子で、語尾に「〜ニャ」をつけて話す。
ジュエルパワーは「不幸を跳ね返す」。

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