超次元ライダーディケイド   作:神崎ナツヤ

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前回の超次元ライダーディケイドは
「戦うのが好きっていうか……戦闘狂って言えばいいのか…」
「別次元に俺と同じ奴がいるって士に言われたからな」
「へっ、大したことねぇなぁ」
「……ははっ、強ぇ…甘く見てたのは俺様の方だったぜ…」
「握手だ、これからは仲間としてお互い助け合おうや」

「もう少しだ……だからそれまで待っててくれ……ベール」


バッドエンド【1】

仕事が嫌なネプテューヌはバーチャフォレストに散歩しに来ていた

「あーやだなぁー、どうして仕事なんてものがあるんだろー、私が仕事しなくても明日は来るし代わりはいるしー」

そこら辺に落ちてたひのきのぼうを振り回しながら進んでいると、いつもとは違う場所にたどり着く

「ねぷ?こんなところあったっけ…?」

目の前には灰色のオーロラがあり、辺りの森はそれを囲むように無くなっていた

「…気になるし覗いて見よっかなー」

ネプテューヌが灰色のオーロラの向こう側を覗くと、そこには荒野と化したバーチャフォレストがあった

「ねぷ!?なにこれー!」

不気味に思ったネプテューヌはその場を離れ、プラネタワーへと帰っていく

 

「ってことがあったの!」

「いきなり出ていって帰ってきたと思えば…」

「ホントだよ!ホントのホント!」

ネプテューヌはナツヤに先程見た出来事を話していた

「…だが確かに妙だな……調べてみる必要はありそうだ」

「だよね!ナッちゃんならそう言うと思ってたよ!」

ネプテューヌは立ち上がり、先程の場所へと案内しようとするが

「いや、俺一人でいい」

ナツヤはそれを断る

「どうして?」

「ネプテューヌたちに何かあったら大変だからな」

「やっぱナッちゃんは優しいねー」

そしてナツヤはバーチャフォレストへと向かっていった……

 

「ここがネプテューヌの言っていた…」

目の前には灰色のオーロラがまだあった

「……よし」

ナツヤは灰色のオーロラをくぐる

「…確かにこれはひどいな…」

荒野と化したバーチャフォレストをみてそう呟く

「とにかく、何があったのか調べないとな…」

「そうそう!この世界の私たちが何やってるのかも知りたいしね!」

聞き覚えのある声がして振り返ると、ネプテューヌたちが同じく灰色のオーロラをくぐってついて来ていた

「ネプテューヌ…俺一人でいいと言っただろ」

「でもナッちゃんが心配だしー」

「貴方に何かあるんじゃないかってヒヤヒヤするのよ」

「あなたって無茶する時があるから…」

「ですから、ついて行った方が貴方様を見守れると思いまして」

各々ナツヤの事が心配でついて来ていたのだった

「心配してくれるのはありがたいが……お前たちに何かあったら…」

「ナッちゃんが守ってくれるから大丈夫だよ!」

「自分の身は自分で守るのよネプテューヌ」

ナツヤ任せなネプテューヌにツッコミを入れるノワール

「……あまり無茶はしないでくれよな」

「お互い様よ」

「ああ、俺も無茶しないようにするよ」

「それじゃあ、行くよ!」デンデンデデデン\カーン/

こうして四女神とナツヤの探検が始まる

 

「………おかしい…」

ナツヤは何か異変に気づく

「どうしたの?」

「歩いても荒野や廃墟だし人の気配もない……」

「確かにそうだよね、オマケにモンスターもいないし…」

そう、ここまでナツヤたちは人やモンスターに1度も会っていないのだった

「一体この世界で何が起きたと言うんだ……」

「……ねぇナツヤ…少し違和感を感じない?」

ふと、ノワールがナツヤに問いかける

「違和感…?」

「始めてきた感覚じゃないのよ……こんなに荒れ果てた場所は見たことないはずなのに……」

「ノワールも?実は私もだよ」

どうやらネプテューヌもノワールと同じ感覚のようだ

「……まさか…」

ナツヤは考え込むと1つの結論に辿り着いてしまう

「…ここはゲイムギョウ界なのか…?」

ナツヤの一言に4人は固まる

「そ、そんなの有り得るわけ…」

「でも、ノワールとネプテューヌが同じ感覚になるということは…」

「そうだとしても信じたくないよー!」

ノワールとネプテューヌは荒れ果てた場所がゲイムギョウ界であると受け止めきれない様子

「だとしたら…この世界の私たちはどうなったのかしら…」

ブランが疑問を口にした

「確かにそうですわね……この世界にも私たちがいるのなら、こんなにも変わり果てた大地になるはず…」

「………何者かの手によって…女神たちが倒された……そう考える方が自然なのかもな…」

「だとしても一体誰が……」

5人が話し合っていると、足音が聞こえてくる

「っ!…誰かいるのか?」

荒れ果てた場所に人がいることに驚くも冷静を保ち声をかける

「………」

そこには目つきの悪い少年がいた

「人…か……ちょうど良かった、この世界で何が起きたのか…」

説明してくれ、と言葉を続けようとしたナツヤの言葉をさえぎり、少年は口を開く

「待っていたぞ神崎ナツヤ」

ナツヤは自身の名前を呼ばれたことに驚く

「な、なぜ俺の名前を…」

「ある男の頼みでな…ここでお前を殺す」

少年の腰には黒くなったディケイドライバーが巻かれていた

「そ、それはディケイドライバー!なぜお前が!」

「なぜ…?それは俺も仮面ライダーだからだ……変身」

『カメンライド、ディケイド』

禍々しい闇が少年を包み、闇が晴れるとそこには闇へと落ちたディケイド『仮面ライダーダークディケイド』が立っていた

「な、ナッちゃんと同じ!?」

「でも……黒いし……それに禍々しい…」

「さぁ、お前も変身しろよ、殺される前に楽しもうぜ」

「俺はお前と戦う理由は……」

「お前が無くとも俺はあるんだよ!」

少年はナツヤに斬り掛かる

「危ない!」

ネプテューヌが女神化し、剣で受け止める

「ちっ、邪魔だっ!」

受け止められた剣を手放し、回し蹴りを繰り出す

「なっ!?きゃ!」

咄嗟のことで対処出来ずまともに食らってしまう

「ネプテューヌ!」

ナツヤがPHの元へ駆け寄ろうとするが、少年が間に入り止める

「そこを退いてくれ!俺はお前とは戦いたくない!」

「まだ分からねぇか……お前が戦う意思を見せなければ女神共から殺してもいいんだぜ?」

「なっ…!?」

彼の言葉には嘘偽りないことを感じ取ったナツヤは覚悟を決め変身する

「くっ……変身!」

『カメンライド、ディケイド』

「はっ、やっと戦う気になったか」

「……」

『『アタックライド、スラッシュ』』

お互いにスラッシュのカードを使い、剣の切れ味を上げぶつかり合う

「はぁっ!だぁ!」

「っ!」

少年は攻めを緩めず連続で攻撃するのに対し、ナツヤは守り主体の戦いを余儀なくされる

「そらっ!守ってばっかじゃ!勝てねぇぞ!」

「ぐっ…!」

隙を見て攻撃し返そうにも、少年の戦い方は無造作に剣を振るうものであり、攻撃の隙が見つけにくい

「……!」

剣を弾き、カードを取り出す

『カメンライド、ドライブ』

『ドライブ!ターイプ、スピード!』

タイヤが特徴的な赤い戦士『仮面ライダードライブ』に変身し、素早く斬り抜ける

「素早さで翻弄し、そのまま無力化しようって魂胆か…いかにも甘いお前が考えることだな」

少年は次にナツヤが通る場所を予測し、そこに向かって蹴りを放つ

「なっ!?ぐあ!」

あまりにも突然なことに対応出来ず、まとめに食らってしまう

「ナツヤ!」

ノワールも女神化し、ナツヤの元に向かおうとするが、ナツヤがそれを止める

「来るな…!」

「っ…来るなって言ったって……傷だらけの貴方を放っておけっていうの!?」

「これは……俺とこいつの戦いだ……皆を巻き込む訳にはいかない……」

「俺は女神を相手にしても構わんぞ?」

少年がそう言った瞬間、ナツヤの声色が変わる

「ネプテューヌたちに手を出すんじゃねぇ!お前の相手は俺だけだろうが!」

少年はナツヤの気迫に少し驚いた様子、ネプテューヌたちは初めてナツヤが出す気迫に怖がっている

「お前の真の目的はなにか俺は知らない……だが!関係の無いやつを巻き込むな!俺の仲間に手を出すやつは誰だろうと許さん!」

ナツヤは再びライドブッカーを構え、少年と対峙する

「……やっぱ気に入らねぇなぁ…仲間だろうが弱い奴は淘汰されるのが当たり前だろうが」

「それは違う!弱くたってその心に強い信念があれば自ずと強くなっていくんだ!」

「その考え方が気に入らねぇんだよ!」

少年はナツヤに飛びかかり斬ろうとし、ナツヤはそれをライドブッカーで受け止める

「強い信念があれば強くなれるだと?夢物語も大概にしやがれ!そんなんで強くなったらこんなことにならなかったんだよ!」

「っ…こんな…こと……?」

一瞬動揺したナツヤの隙を突き、少年は斬り付ける

「ぐっ!」

「この世界がこんなことになったのも…何もかも失っちまったのも……あの力に頼った俺の弱さが原因だ……信念なんか関係ねぇんだよ!」

「お前は……この世界で何を…」

「……冥土の土産に教えといてやるよ、この世界で何が起こったのかをな」

少年がライドブッカーを地面に突き刺すと、ナツヤも同じようにライドブッカーを地面に突き刺した

「この世界にも四女神と候補生はいた…だがもう居ない………なぜなら俺がこの手で……ゲハバーンで殺したからな…」


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