超次元ライダーディケイド   作:神崎ナツヤ

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破壊者の正体【2】

「私が先行して道を作ります!」

そう言うとパープルシスターは目の前の敵を斬り倒していく

「ネプギアに続くぞ!」

ナツヤたちはパープルシスターが斬り倒したところから敵の包囲網を抜け出す

 

「抜け出したっちゅよ」

「ふん、そのくらいじゃなきゃつまらないからね」

「……随分余裕そうっちゅね」

「当たり前だろ?四女神に勝った私が女神候補生らに恐れるもんか」

四女神を打ち負かしたからか、絶対に自分が勝つと思っているマジェコンヌ

「そう上手くいくっちゅかね」

ワレチューはトリックザハードを倒した神崎ナツヤを警戒しているようだった

 

「ここか…」

ナツヤたちはネプテューヌたちが捕まっている場所まで辿り着く

「お姉ちゃん!」

パープルシスターが行こうとするが、マジェコンヌが立ちはだかる

「ここまで来れたことは褒めてあげるけど、あんたじゃ私の相手にならないよ」

「やってみないと……分かりません!」

パープルシスターは武器を構え、マジェコンヌに接近する

「遅いね!」

しかし軽やかに躱すとそのままパープルシスターを蹴り飛ばす

「くっ!」

しかしすぐ体制を立て直し、後ろに飛び退く

「強い……」

「まだまだこんなもんじゃ無いんだろ?本気できな!」

 

「……力の差は歴然か…」

目の前の戦いをみてそう呟くナツヤ

「行こ!ラムちゃん!」

「うん!ネプギアちゃんを助ける!」

ラムとロムがパープルシスターを手助けしに行く

 

「ネプギアちゃん!」

「私達も戦う!」

ロムとラムは得意の魔法でマジェコンヌに攻撃するが、効いている様子はない

「目障りだね!」

「ロムちゃん!ラムちゃん!」

ロムとラムに標的を変えたマジェコンヌの前に行き、ロムとラムを守る

「まとめて吹っ飛びな!」

「きゃぁ!」

「ネプギアちゃん!」

パープルシスターを助けに行ったのに助けられてばかり、ロムとラムは姉のブランや友達を助けたいと強く願った……その願いが通じたのか、2人を光が包み込む

「なにっ!?」

マジェコンヌは突然の光に驚きを隠せない

「これが…」

「大切な人を守る力…」

2人は『ホワイトシスター/ラム』と『ホワイトシスター/ロム』に変身を遂げた

「ネプギアちゃんやお姉ちゃんを!」

「これ以上傷つけないで!」

格段に力を増した魔法でマジェコンヌを攻撃

「ぐっ!」

これにはマジェコンヌも防御するので精一杯のようだ

 

「……ロムとラムも変身出来た………なのに…なのにどうして私だけ変身出来ないの…」

マジェコンヌに銃を構えつつ、自分だけ変身出来ないことに苛立ちと焦りを感じるユニ

「こんな所……お姉ちゃんに見られたら……お姉ちゃんになんて言われるか…………」

ここでふと、自分が無意識に姉のノワールのことを考えてることを自覚した

「そうよ……今はお姉ちゃんは関係ない……ただ目の前の敵を撃ち抜くことだけを考えるのよ…」

雑念を全て振り払い、マジェコンヌに狙いを定め……撃つ

「ぐっ!」

「やった………って、私……変身してる…」

全ての雑念を振り払ったユニは、己の力で『ブラックシスター』へと女神化していたのだ

「よかった!ユニちゃん!」

ネプギアもユニが無事変身出来たことを喜ぶ

「ふ……ふん!これくらい出来て当然よ!」

姉に似てツンデレなので素直に喜べないユニ

「おのれぇ……たかだか女神候補生ごときが!」

マジェコンヌは怪人の力を最大限に引き出す

「グォォオオオオオ!!」

 

「あれはまさか……」

ナツヤはマジェコンヌが怪人の力を使っているところを見て急いでパープルシスターたちの元へ向かう

 

「な、何あれ……」

「怖い…(がくぶる)」

「グッフッフッフ…コノ力サエアレバ私ガ負ケルコトナドナイ!」

「っ!」

ホワイトシスター/ロムとホワイトシスター/ラムはマジェコンヌの変化に驚愕し、パープルシスターは恐怖から武器を構えて防御の姿勢をとる

「ガァァアア!」

マジェコンヌの一撃でパープルシスターたちは吹っ飛んでしまう

「きゃぁああ!」

「ネプギア!」

ブラックシスターはパープルシスターたちの元へ駆け寄る

「なんて強さなの……」

「結局は無駄ナノダヨ……女神候補生ゴトキガ私にカナウワケガナインダヨ!」

マジェコンヌは嗤う……しかしそれを許さない男がいた

「…嗤うな……」

「ナツヤ…さん…」

「ナニぃ?聞こえナイナァ」

「嗤うなと言ったんだ!」

「ナツヤ…」

「ネプギアたちは大切な人を守りたい思いが強かったから女神化出来た……それを、借り物の力で強くなったつもりでいるお前に!嗤う権利はない!」

「ナツヤお兄ちゃん…」

「お兄ちゃん……(うるうる)」

「チッ!お説教かい……アンタナニモンダイ!」

(……この世界に来た時……俺は自分が何をすべきか分からなかった…だから任務だと言ってお礼も何もかも避けてきた……けれど今は違う……ネプテューヌたちを…この世界を守る……この世界で俺は生きる…!)

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」

ベルトの横からカードを取り出す

「変身!」

『カメンライド、ディケイド』

ナツヤは、かつて世界の破壊者として9つの世界を旅したマゼンタの戦士に変身した

「通リスガリノ仮面ライダーダトぉ?舐メルナぁ!」

マジェコンヌはナツヤに殴り掛かる

「ナツヤさん!」

しかしナツヤは避けることなく、片手で受け止める

「ナニっ!」

「……」

そしてそのまま蹴り飛ばす

「グッ!!」

「……行くぞ、みんな」

「え…?」

「俺だけの力じゃない……俺たちみんなの力でネプテューヌたちを助けるんだ」

「……はい!」

パープルシスターたちは再び立ち上がる

「馬鹿な……貴様らドウシテマダ立ち上がレル!」

「当たり前だ!ネプギアたちはネプテューヌたちを助けたいから、大切な人を心から助けたいと思っているから立ち上がれるんだ!」

「フザケルナ!フザケルナ!フザケルナァァアアア!」

「ナツヤさん!」

「ああ、行くぞ!」

ナツヤがマジェコンヌの攻撃を弾き、その隙をパープルシスターが剣で斬り、ブラックシスターが狙い撃ち、ホワイトシスター/ロムとホワイトシスター/ラムが魔法で攻撃する

「グァアアア!」

「トドメだ、行くぞみんな」

「はい!」

『ファイナルアタックライド、ディディディディケイド』

「グッ!」

ナツヤは武器のライドブッカーガンモードで必殺のエネルギー弾を打ち込み、マジェコンヌの防御を弾き、その隙をすかさずホワイトシスター/ロムとホワイトシスター/ラムが魔法で動きを止めさせ、ブラックシスターがゼロ距離射撃をし、パープルシスターが剣で斬り抜ける

「バカナ!私ガ負けるダト!?馬鹿な!バカナァァアアアアアアア!」

無事マジェコンヌを倒し、あとはネプテューヌたちを助けるだけなのだが……突如として、ネプテューヌたちを閉じ込めていた場所が大きく爆発する

「なっ……!」

「そんな……」

「あ……いや……」

「お姉ちゃん…」

「うっ…ううっ」

「お姉ちゃん……お姉ちゃーーん!」

誰もがネプテューヌたちは爆発に巻き込まれたと思っていた……だが、空から声がした

 

「ネプギア!」

空を見上げると、女神化して脱出していたパープルハートたちの姿があった

「お姉ちゃん……お姉ちゃん!」

パープルシスターは泣きながら飛び、姉に抱きつく

「ネプギア…ありがとう、よく助けに来てくれたわ」

「良かったよお姉ちゃ~ん!」

「ユニ、よくやったわね自慢の妹よ」

「お姉ちゃん…無事でよかった…」

「お姉ちゃん!」

「良かった…(うるうる)」

「心配かけたなロム、ラム」

「ベールさんも、助かって良かったです」

「ふふっ、お気遣いありがとうございますわ」

 

「……良かったなみんな…」

パープルハートたちはナツヤに気づくとナツヤの方に降りてくる

「ナツヤ……必ず来てくれると信じていたわ」

「1度だけじゃなく2度も助けられるなんてね」

「いや、俺は何もしていない……ネプギアたちがお前たちを助けたいと強く願ったからこそ…」

「確かにそれもあるけれど……貴方がいたお陰でもあるのよ」

「はい、ナツヤさんがあの時言ってくれた言葉……あれがなければ私は膝をついていました…ありがとうございます!」

「ネプギア………」

「だから、自分がやったことに誇りを持って…胸を張ってちょうだい」

「……そうだな……」

ナツヤは今回の事件で、感情と生きる場所を見つけた

「……俺はこの世界で生きようと思う」

「ホント?嬉しいわ」

「…改めてよろしく、みんな」

みんなは快くナツヤを迎え入れたのであった……

 

「マジェコンヌは負けたか……まぁいい、貴様がこの世界で生きるならばチャンスはいくらでもある……今はせいぜい仮染めの平和に生きるがいい…本当の地獄はこれからだ………フッハッハッハッハ!」

神崎ナツヤの物語は……まだ始まったばかりであった…

 

「ここがディケイドのいる場所か……いいお宝が眠ってるといいんだがな………」

「あ~、美味しそうな食べ物~」

「あ、おい待てよ!……ったく…………」

謎の男の手には、シアンの銃が握られていたのだった




次回の超次元ライダーディケイドは
「人探しをしていてね」
「たっくさん痛ぶってあげるわ!」
「あれがお前の連れか」
「通りすがりのトレジャーハンターだぜ」
『ドSと怪盗』
全てを破壊し全てを繋げ

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