幻想恋人録〜悪戦苦闘の恋愛〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
Uは春香とイチャイチャしていた。小腹の空いたUは、春香にコーンスープを作ってもらい、それを食す。だが、それは春香の作戦であり、春香のコーンスープを食べたUは眠ってしまい………!?


第31話 春香の掌の上

そして、数時間後………

U「………んん………?」

Uは目を覚ました。

U「………なんだか、まだ眠気が覚めない………」

いつもとは違う、違和感のようなものを感じていたU。そして、状況を確認しようと身体を起こすが………

U「………あれ? なんで服が寝間着に………!? 寝る前は制服だったはずなのに………!」

Uは、基本的に制服で一日を過ごし、寝る時、もしくは風呂に入った後に、寝巻着としている浴衣を身につけて寝ている。なのに、何故か勝手に服が変わっていたので、Uは恐怖を覚えた。

U「………一体誰がこんな真似を………?」

と、考えるU。すると、Uの部屋の扉が開き………

春香「あら………お目覚めになりましたのね。」

春香は、小悪魔のような笑みを浮かべながら部屋に入り、Uの部屋に鍵をかける。

U「………君の仕業なのか………?」

春香「………真子がこんな事をすると思います?」

U「………しないわな。だとしても、犯人が君だとは信じたくなかった。」

春香「………騙す側としては都合のいいカモですよ、あなた。」

U「………何故、君がこんな真似をする? 僕は分からな過ぎて首を傾げているよ。」

春香「あなたがいずれやらなければならない話………これが理由です。」

U「………意味が分からん。」

春香「………確かにあなたも私もまだ17歳なので認められていませんが………来年にはめでたく出せるんですよ。婚姻届。」

U「………早すぎるだろ。確かに、君となら結婚後も楽しくやっていけるであろう。これは否定しない。でも、こんなやり方をしてまで僕を手に入れるのは………少し違くないか?」

春香「………では、あなたに問題を出しましょう。正解したら、先程までの無礼は謝ります。」

U「………問題は?」

春香「………私は何故犯罪に手を染めてまで、ここまでの事をやっているのか………です。」

U「………僕が答える前に、そこのメモ帳に答えを書いておいて欲しい。口だけじゃ答えなんていくらでも改変出来る。」

春香「………いいですよ。」

春香は1分程使い、部屋に置いてあったメモ帳に答えを書いた。

春香「………書きましたよ。さあ、どうぞ?」

U「………物事を思い通りに進めるため………か?」

春香「………ハズレです。まあ、大方間違ってはいませんが………私がメモに書いたのは………愛してる………即ち、愛してるからやっているんですよ。」

………世の中には、サイコパスやら頭のネジが外れている奴やらがこの世界にうようよと存在しているが、本物は違う。本物は、それすら悟らせようとはしない。もし悟れたとしても、その時には既に、サイコパスの策にハマってしまっている。

春香「じゃあ、罰ゲーム………ですね。」

春香の笑みは、Uに恐怖を与えたのだった………

To be continued………




次回予告
春香の問題を間違えたUは、春香に自身を弄ばれてしまう。Uは抵抗の術を探るが………?
次回「本物のサイコパス」

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