ホロライブラバーズ トロフィー『悪意は善意に』獲得ルート 作:EVOL2019
Part.41 開幕のベルが鳴る
>「はぁ・・・はぁ・・・・」
町外れの深い森で、暗い闇夜の中、月の光によって黄色く光る瞳が高速で動く。
瞳が動いていくたびに、何度も何かを切り裂くような音が聞こえてくる。
しばらくすると、高速移動する瞳は止まり、月の明かりが木々をかき分け、瞳の主を照らす。
腰まで届く長い黒髪に前髪に入った赤いメッシュ。黄色の髪飾りをつけ、黒い巫女服を見に纏った獣人の少女。
彼女の名前は『大神ミオ』
赤月幽真の幼き頃からの幼馴染みであり、共に戦う仲間である。
何故、そんな彼女が町外れの山奥で短剣を振っているのか。
>「まだ、まだ、足りない・・・・こんなんじゃ、また、幽真が・・・・」
脳裏によぎるのは、幽真が自分を庇い命を散らす想像。
最近、これと似たような夢を何度も見る。
戦いに勝利しても、後遺症で病院生活を余儀なくされる幽真の姿や、戦いの中に迷い込んだ子どもを庇って胸を撃ち抜かれるなどの夢ばかりだ。
いつ、この夢がどのようにして正夢になってしまうのかその考えが彼女を焦らせる。
>「はぁ!!」
今日もまた、彼女はその剣を奮う。
最悪な未来を避けるために。その未来に立ち向かうために。
彼女は孤独の中、闇夜に剣の軌跡を描く。
さぁ!さぁ!やってまいりました!!ホロライブラバーズ第二のホロメンストーリーの開幕ッ!!
今回のストーリーのキーパーソンはみんな大好きいたずら猫『猫又おかゆ』!
この日のために準備はしておきましたので、黒服のお兄さん方、幽真くんの剣で断罪しちゃうぞ!
>『とりあえず、こんなもので大丈夫か』
>おかゆの腕の擦り傷をアルコールで消毒して、ガーゼで覆い、テープで止める。
>「ありがとう。幽真。なんで、ガーゼ?」
>『手持ちがこれしかなかった』
>「ガーゼ持ってて絆創膏は持ってないんだ。普通逆じゃない?」
>『ガーゼの方が使い勝手いいからな。絆創膏じゃ俺の傷が塞がらん』
>そういうと、おかゆは「なんで?」といいたそうな困惑の表情を浮かべていた。前、そんな話をミオやあやめにしたら、おかゆと同じ顔をしていたのを思い出す。仕方ないだろ。俺がいつもする怪我絆創膏じゃどうにもならねぇんだから。
>確かに、結構な頻度でガーゼ買いに行くから薬局の定員に顔を覚えられたし、「この人ガーゼこんなに買いにきて何してるんだろう」という顔をされる。なんなら、「何に使われたんですか?」と直接聞かれた。正直に答えたら、頭に?を浮かべていた。あれ以来、あの薬局に行きづらくなったのは、いうまでもなかった。
>『それで、何だったんだ?』
>「えーっとね・・・・」
「大丈夫よ。おかゆちゃん。私から話すわ」
>おかゆが言い淀んでいると、おばあさんが口を開いた。この話を聞くのは少し不味かったのだろうか?この空気的に、まずかったらしい。
>「おばあちゃん・・・・」
「ここら周辺の土地はね。とある会社が買い占めしようとしてるのよ。だから、ここにあるお店や家の住民たちに立ち退きをお願いしてるのよ」
>『なるほど、そういう関連の話か。さっきのは、その会社の人間だったのか?』
「いいえ、あの人たちは金で雇われたみたいよ。立ち退きをいつまでも了承しないから実力行使に出たのよ。きっと」
>『タチの悪い会社だな。訴えてもいいんじゃないか?』
>そこまでくれば、普通に営業妨害などで訴えることもできるはずだが・・・・。
そういうと、彼女たちは顔を下に向ける。どうやら、訴えたようだが、その結果はよくなかったようだ。
「警察に駆け込んでも碌に相手してくれなかったさ。取り合ってくれても、調査結果は何もなかったの一点張り。だから、私たちは自分たちの力で立ち向かうようにしたのよ」
>『その会社の名前は?』
「黒薔薇って、会社よ」
>『聞いたことない会社名だな。・・・どういう系統の会社なんだ?』
「確か建設関係って言ってたわ。ここにマンションを建てたいんですって。」
>確かにここは駅近だ。ここにマンションが建てば便利だろう。だが、やり方が汚い。何より、勘に触るやり方だ。そして、まともに取り合わない警察側は何かしら仕込まれてるだろうな。となると、相手会社はそういうことに関して手慣れている悪徳会社か。黒薔薇って名前もなんか胡散臭いし。
>『他の土地の人間はどうしてるんだ?』
「今のところ実害はないそうよ。多分、私たちを見せしめにして、一気に取っ払ってもらおうって寸法だと、思うわ」
>そう話すおばあさんの顔は暗く、そして、話を聞いていたおかゆも顔を暗くした。暗い雰囲気がこの部屋を覆い重たい空気へと変貌した。
>「おばあちゃん、やっぱりもう一回警察に行ったほうがいいと思うよ。僕やお客さんがいる時はいいけど、もしおばあちゃんが1人だった時に、アイツらが押しかけてきたら・・・」
「そうね・・・・何か対策しないといけないわね」
>『だったら、頼れるところがあるかも知れない』
>脳内に浮かび上がるのは、娘を溺愛するあまり、娘を怒らせた親バカの男。あの男であれば、何かしら手配してくれるかもしれない。最近、LINEであの時のお礼がしたいと言っていたし、快く受けてくれるはずだ。そうと決まれば、電話をしに行こう。こういうのは手早くやったほうがいい。
>「幽真、それほんと?」
>『あぁ。俺の知り合いにそういうことに詳しそうなのが1人いるからな。ちょっと、話を通してくるよ』
>その言葉を聞いた2人は少し顔を明るくした。その様子を見て、俺は部屋から立ち去り、おにぎり店の外に出る。
>『あー、もしもし?今時間空いてるか?』
《どうした。幽真?お前が電話で連絡してくるとは珍しいな。なんだ、あやめの写真で送って欲しいか?》
>電話に出たのは、つい最近、鬼人族を纏める族長になり、あやめの本当の意味での父親になることができた『百鬼レイ』だ。
>『いらない。そんなことしてるとまた、あやめに叱られるぞ。後、娘と同年代の男に写真送ってくるとかどういう神経してるんだよ』
>本当、出会った頃とは大違いだ。あの時は、あやめを頑固として認めない男だったというのに、今ではデレデレである。もし、あやめがお嫁とかに出たら頑固として拒否しそうなイメージがある。将来、あやめの旦那になる男は大変だろうに・・・。その時は少しくらいあやめの手助けはした方がいいかもしれない。
《お前に送っても問題ないと判断したからな。別に変なことに使おうとしてないだろ?》
>『しねぇよ。』
《なら、大丈夫だ。で、話ってなんだ?わざわざ電話で連絡してきたんだ、何か厄介ごとに巻き込まれたか?》
>『よく分かったな。まさにその通りだ』
《お前さんは、トラブルに突っ込んでいきそうな性格してるからな。なんとなく分かる》
>『それじゃ、その上でお願いがあるんだが』
《おう。なんでも任せろ。》
>『黒薔薇っていう会社について調べて欲しい』
《黒薔薇ぁ?その会社ならよく知ってるよ。そこの会社の社長とは仲良くしてるしな》
>『本当か!?』
>これは驚いた。まさか、百鬼家当主と繋がりがある会社だとは。これなら、何かいい情報が手に入るかもしれない。
《おうとも。その会社がどうしたってんだ?》
>『その会社の社員と名乗る人間が、友だちの店を無理やり立ち退かせようとしてるんだ。』
>そういうと、彼は『はぁ!?』と、大声を上げて驚いており、明らかに動揺しているようだった。
《どういうことだよ!?》
>『そのままの意味だ。』
《ちょ、ちょっと待ってくれ。あの会社が強制立ち退きを促してくるだって?ありえない。あの会社の社長はそんな手段は取らないし、人様に迷惑をかけることを嫌う男だ。そんな男の会社がそんなことをするとは・・・・。よし、幽真。この話は電話じゃ話がまとまらねぇ。直接会って話せるか?》
>『明日なら空いている』
《よし、なら。明日お前の家に赴く》
>『分かった。後、その友だちの家に護衛を置いてほしい。女性の2人暮らしで片方はご老人で、もう片方は女子高生。もし、押しかけられでもしたら、いけない。相手が何をしてくるか分からないからな』
《・・・分かった。女性のSPを客に変装させて護衛させておこう。》
>『それじゃ、明日。』
>そう言って電話を閉じた。とりあえず、2人の安全は確保できる。にしても、そんなことを絶対にしない社長か・・・・レイの前で猫をかぶっていたのか、それとも、黒薔薇の社員と名乗った男はその会社所属ではないのか・・・・。はたまた・・・駄目だ。どれもありそうで検討がつかない。とにかく、今は情報を集める方が良さそうだ。
>その後、俺は2人にそのことを伝えてた。2人はその情報に少し安堵しているようで、重かった空気が少しだけ軽くなった気がした。
一応、警察には届けようということになり、明日、おかゆと警察署に向かう約束をし、おにぎり店を後にした。
>≪おかゆとの仲が深まった気がする≫
今回は、そういう感じのイベントですか。
なんか、ゼロワンのお仕事5番勝負を思い出させるイベントですね。正直、俺自身あの章はあまり好きじゃありませんでした。
となりますと、胸糞展開がこれから先展開される?え、嫌なんじゃが?
とりあえず、今宵はここまで。
また次回お会いしましょう。
はい、新章おかゆ編『疾走する本能』が始まりました!!
感の言い方ならお分かりでしょうが、おかゆんが手に入れるのは、あのライダーのスキル!!そして、幽真くんの新たな力!
これからの展開に乞うご期待!
ホロメンを敵役として出すのはあり?
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あり
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仲間になるのならいい
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なし