・シンボリルドルフ
トレーナーに口説かれたウマ娘。嫉妬リルドルフ、しっとりルドルフ、責任感が強い。
・ライスシャワー
すばらしさを力説され契約したウマ娘。骨折により今はサブトレーナーとして仕事を手伝っている。
時給は1780円。
・テイエムオペラオー
一番チョロいウマ娘。「君に宿る黄金の光、俺が引き出す!」の言葉に二つ返事で契約。オペラの例えがトレーナーに通じないので、注意して話してる。
先輩
・東条ハナ
リギルのトレーナー、優秀なウマ娘を目の前で取られる人。
なにかと突っかかってくるが、それは後輩にお節介を焼きたいだけの世話好き、その後輩からは『才能あるウマ娘を育てるのは一級品だが、才能の見抜き方は普通』だと思われている。
・沖野トレーナー
本名は別、後輩トレーナーとウマが合う。
本人
・トレーナー
謎の資金、謎の人脈、普通の家(別荘所持)。
暴走気味だが、なんだかんだ人が良い。
「トレーナー君!今日はお茶でもしないかい!」
どこまでも聞こえる程のハキハキとした声は、資
料を読みながら歩いていた男へ向けられたものだっ
た。男は振り返り、声の主……テイエムオペラオーの
事を見つめる。
「ん?僕の美しさに魅了されてしまったのかい?
同然の事さ!なんせ僕は世紀末h」
「お兄さまぁ」
オペラオーの後ろからテクテクと小走りで小さな
ウマ娘、ライスシャワーが男の元へ近付いてくる。
「ライス、今日はお休みなんだ!だから、その」
「……そうだ、ライス君!実は今からトレーナー
君と一緒に外出でもと誘っていたんだ!
君も一緒に誘ってくれないかい?」
!?というような驚いた顔をする男……トレーナー
はオペラオーを見る。
「え?ご、ごめんなさい。ライスが邪魔しちゃダ
メだよね、それなら」
「何を言っているんだい!僕は君にも来てほしい
いんだよ、同じトレーナーの元で研鑽するウマ
娘同士!楽しい休日をすごそうじゃないか!」
「お、オペラオーさん……ありがとう」
少しだけ仕事が残っている……そう思ったが、この
二人の休日だからこそ少しでも楽しめるのなら。
そう思い、トレーナーは首を縦に振ろうとした。
「ほう、では私もお供していいかな?」
後ろから聞こえてきた声に、トレーナーは驚き変
な顔になってしまう。
このトレセン学園の最強にして最速と呼ばれた生
徒会長……"皇帝"シンボリルドルフそのウマ娘であっ
た。
「これは生徒会長殿、相変わらずの輝き……流石
ですね、皇帝」
「世紀末覇王である君にそう言われるとは、私
も鼻が高いな」
「ラ、ライスはどうすれば……」
トレーナーと一緒に震えるライス、威圧感たっぷ
り帝王と覇王に囲まれた2人は怖くて仕方ない。
「全く……それで、生徒会の仕事はおわったんです
か?」
「いや、ちょうど今日はオフでね。天気も良いの
でトレーナーを誘って出掛けようと思っただけ
さ……何か不都合かい?」
「そんな事はありませんよ、とは言え生徒会長の
お気に召す場所には連れていけるか自信はあり
ませんが」
トレーナーは思う、なぜこの二人の会話の初めが
いつも険悪になるんだ?と。
そしてライスとトレーナーと一緒に怯えるまでが
セット、ここまでがテンプレという。
シンボリルドルフ
史上初の中央競バG1レース7勝、無敗の三冠ウマ
娘であり「このウマ娘には、絶対がある」と言わし
めるほどの実力"'皇帝"の異名で呼ばれている。
(初見時にライスにビビられへこんだ)
テイエムオペラオー
中央競バG1レース7勝、一年間無敗を誇り今まで
のレースでも最低で5着など安定した強さを見せる
ウマ娘であり、"世紀末覇王"の異名を本物とした。
(ライス先輩と敬語で呼んだら土下座された)
そんなウマ娘2人のバチバチの雰囲気に囲まれれ
ば、いくら何でも怖いに決まっている。
「それじゃあ、行こうじゃないか」
「行くとしよう」
「つ、ついてく」
この2人のケンカ?は唐突に始まり、唐突に終わ
る。端からしたら、いきなり視界に手裏剣が見えこ
ちらに向かってくる並みに怖い……いやそれ以上かも
しれない。
先んずは私服に着替えるために、トレーナーは部
屋に戻るのであった。
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3人のウマ娘は喫茶店の席にて、各々コーヒーやら
を注文していた。暫くの沈黙の後、オペラオーは呟
く。
「さて、どうしようか」
あの後、トレーナーは新しく仕事を押し付けられた
為に午後からの合流となったのだ。
「同じトレーナーに指導されているウマ娘同士、
仲良くしようじゃないか」
「生徒会の仕事が多くて、あまり君達とも話せな
かったからな。待ち時間にはいい」
「えっと、ライスは……その」
ライスシャワーが緊張するのも無理はない、どち
らも七冠ウマ娘……さらにどちらも"無敗"とついた異
名を持っている。
(片方が後輩とはいえ)ライスにとっては自分なん
かが同じテーブルに座ってもいいのか?なんて話し
けたらいいんだろう?そもそも話しかけていいのか
な?ととてつもなく萎縮している。
「そんなに萎縮しなくても良い、今の私は生徒会
長ではなく同じトレーナーの指導を受ける仲間
だ。肩の力を抜いて話そう」
「わ、わかりました……うぅ」
オペラオーは思った、自分が目上だと思ってる人
にそんな事を言われたら、寧ろ緊張が増すのではな
いか……と。
「そ、そうだライス君!ここのクロワッサンは絶
品なんだ、種類も見た目も美しくまるで主神に
使えるワルキューレの様なんだ!」
「え?あの……」
「店員さん!クロワッサンを各々3つお願いす
るよ」
オペラオーの注文を聞き、近くにいた店員は慣れ
た様に伝票に注文を書き足して厨房へと向かう。
「さて……そうだね、2人はトレーナー君について
どう思う?」
「お、お兄さまの事?」
「トレーナーの事か……」
最強のシンボリルドルフ、大出世のライスシャワ
ー、そして年間無敗のテイエムオペラオー。
3人のウマ娘が感じているのは大きな恩義。どん
なに辛くても励ましてくれ、時には諦めても良いと
教えてくれた(本人がお気楽思考なのは否めないが)
。
最初に話し始めたのは、ルドルフだった。
「そうだな……とても変わったトレーナー、が第
一印象だった」
「それは……今のお兄さまもそうだよ?」
「今よりも変だったって事ですか?」
「まぁ……変だったな」
少し微笑みながら、ルドルフはトレーナーと出
会った頃の話を2人に話し始める。
「入学したての頃だ……リギルの試験を受けよう
と会場に向かっていた私に声をかけてきてな。
なんと言ったかわかるか?」
「えーと、凄く誉めた……とかかな?」
「まるで女神のようだ!とでも言ったんじゃない
のかい、会長?」
「いや、私の肩に手をおき満面の笑みを浮かべこ
う言ったんだ。
『俺を有名にする気はないか?』とね」
「凄いね、お兄さま……」
「ん?でもトレーナー君は世間的にはあまり知ら
れていないだろう?」
「まぁ……契約書に『担当の名前は伏せる事』と
あってね。有名にしてくれって言うのは、私を
試験に行かせない為の方便だったらしい」
「とんだ名演技だった訳だ、俳優になれるんじゃ
ないかい?」
「どうだろうな、かなり慌てた様子で話しかけて
来たからな。
面白かったぞ、彼のしどろもどろな口説き文句
は……それに、心が踊ったよ」
「そんなに嬉しかったんですか?」
「あぁ……そうだな。ライス君、私はとても嬉し
かった。必死に私の興味を引こうとする彼が
どうしようもなく、面白かったんだ」
「それはそれは……まるでかぐや姫の様だ」
「まぁ、射止められているんだがね」
「その、ロマンチック?だよね」
恥ずかしい過去を晒されるトレーナー、幸いな
のは本人がその場にいない事だった。
丁度その時、ルドルフのスマホが振動する。
「むっ……そろそろこちらに合流できるそうだ。
会計をして外に出よう」
「そ、そうだよね」
「幕間も時には必要だ、観客にも見せない一時
の始まりだね!」
3人は席を立ち、伝票を持ちレジへ向かう。
彼女達(+1人)の休日は、これからだ。
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「す、すまない!」
「?」
思えば、ここから始まったのだな。
この頃の私は、夢の実現の為に張り詰めていた様に
思える。
「はぁ……はぁ……」
「……すまない、急いでいるので」
「いやっ……待って……ふぅ」
強いチームに入り、強くなり、生徒会長となり、
全てのウマ娘が自分の幸せを見つけられる環境を作
る……その為に最強になる。
「実は君に話があるんだ!」
「そ、そうなのか?」
「とても大事な話だ!」
「……手短に頼みたい」
「俺を……俺を有名にする気はないか!」
「うむ……ん?」
「君はどんなレースでも勝てる様になる!誰から
も称賛されるウマ娘になれる!それから、それ
から……そう、幸せになれる!」
「幸せに?」
そんな私に君は言ってくれた、幸せになれると。
「あぁ!幸せになれる!ウマ娘を幸せにできるト
レーナーって事は、凄腕のトレーナーだと言う
事だ。
最強で最高に幸せなウマ娘、俺も君の為に必ず
役に立つ」
「ほう、なら……ならばだ。
全てのウマ娘を幸せにできるだろうか?」
「全てのウマ娘を幸せに?ムリムリ、俺には出
来ないよ」
「そう、か」
「それは君の夢だろ?たぶん。
俺は叶えれない、その手段が思い付かない。
君の手伝いをしよう、君の舞台を用意しよう、
君の衣装も用意しよう。
だが、夢を掴むのも衣装を着るのも勝利するの
も君がやる事。
君が幸せになるまで、トレーナーとして君を支
えたいと思ったんだ!」
私が幸せになるまで支えてくれると。
「ふふっ……まるでプロポーズじゃないか」
「えっ?まぁ、トレーナー契約って一種の告白…
…なんか恥ずかしいな」
「私は嬉しかったぞ?」
「必死だったんだよ……」
「そうか」
凄く嬉しかったんだ、誰にも教えたくない言葉。
私だけの言葉……私だけの宝物さ。
「なら、それを実行してもらおう」
「い、良いのか?」
「なんだ?私を口説き落とそうとしたんじゃない
のか?」
「……よし、契約しよう今すぐ!」
「慌てなくてもいいじゃないか」
トレーナー、私の求める幸せはまだまだ先だぞ?
幸せにしてくれるまで、離さないからな。
ハチミツクッキーって、以外に美味しかった。
手作りだけど。
稚拙な文章ですが、読んでいただきありがとうございます。
※私の文章では「先んず」はさきんず、という認識でかいてますので「先ず」でせんずで違和感を覚えていたりまずと読んだりした方には申し訳ありません。