蜂に転生したけど、蜘蛛子がかわいすぎる   作:犬猫鳥

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テスト死んだ記念。


18話 進化の結果 その3

ブーン。

 

ブスッ。

 

《熟練度が一定に達しました。スキル『麻痺針LV1』が『麻痺針LV2』になりました》

 

ピクピク。

 

よし、うまくいった。

はえー、私めっちゃ強くなってる。

あんなに苦労してた蛇も、今ではただの雑魚に。

やっぱり、進化ってすごいわ。

 

で、わざわざ麻痺させた訳だけど、寄生産卵を試すため。

やっぱり、寄生って言うんだし生きたままにした方がいいと思う。

 

うん。

で、どうやんの?

蛇を確保したのは良いけど肝心のやり方が分からない。

うー。

とりあえず念じてみる?

 

お?

おお!

なんか変形した!

お尻についてる針が引っ込んで、細い管みたいなのが出てきた。

しかも、体の中で何かできてる感じがする。

 

ふむふむ。

結構、準備に時間かかるね。

戦闘中に使う余裕はないかな。

管も結構ぽきっと折れそうだし、そのための麻痺針かな。

 

よし、準備完了。

なんとなく、もう産卵できるっていうのが分かる。

けど、その前に蛇の鱗の一部を剝ぐ。

万が一管が折れたらあれだし。

 

今度こそ準備完了!

寄生産卵!

おお、管を卵が通ってるのが分かる。

あと、ちょっと。

ふんっ。

 

お、一個出た。

でも、体の中にまだあるのを感じる。

とりあえず、全部出すか。

2個、3個、4個....8個。

 

ふう。

全部出せた。

全部で8個か。

少ないようで多い微妙な数。

どれくらいで生まれるかな?

 

どれ位、時間掛かるか分からないけど、流石に半年とかは待てない。

まあ、一日ぐらいは待ってみるか。

その間もスキルの練習とかしてればいいし。

 

 

一日経った。

麻痺針と持久がLv5になって、気闘法、探知、記憶、並列思考、演算処理、外道大耐性のレベルがそれぞれレベル1上がった時に蛇が暴れだした。

麻痺針のレベルも5になって、大分強力になってるはずなのにそれを無視して暴れだす。

 

うわぁ。

何この尋常じゃない苦しみ方。

唾をまき散らしながらグネグネしてる。

うわっ。

つ、唾が跳んできた。

あ、危ない。

汚れるところだった。

 

あ、そうだ。

蛇のスターテス見てみるか。

さっきマーキングもしたし丁度いい。

 

『エルローバラドラード LV3

 ステータス

 HP:134/358(緑)

 MP:100/100(青)

 SP:314/358(黄)

   :234/358(赤)

 平均攻撃能力:324

 平均防御能力:324

 平均魔法能力:102

 平均抵抗能力:283

 平均速度能力:304

 スキル

 「毒牙LV5」「龍鱗LV1」「暗視LV7」「熱感知LV4」「毒耐性LV5」

 スキルポイント:40

 称号』

 

お、HPが減ってる。

ん?

蛇の皮膚何か動いてない?

あれって、皮膚の下で私の子供が暴れてるってこと?

怖っ。

 

蛇のHPが切れた瞬間、蛇の体を食い破って8匹の蜂が出てきた。

大きさは私よりも小さくて、体の模様は私と同じ。

私をそのまま小さくしたみたいな奴。

 

な、なんだよ。

じっとこっち見て。

言っとくけど、私はお前たちの親だからな!

私を襲うなよ!

こっちみんな!

 

ん?

マジでこっち見なくなった。

あれ、もしかしてこいつら私のいう事聞く?

右手上げて!

左手上げて!

三回回って鳴いて!

おー、マジでいう事聞くじゃん。

 

私のいう事を聞くのが分かったら、次は能力の把握かね。

えっと、一番前の奴こっち来て。

そうそうお前。

よし、マーキング。

これでお前のステータスは…。

 

『レッサースモールイス・カトス LV1 名前 なし

 ステータス

 HP:117/117(緑)

 MP:37/37(青)

 SP:79/79(黄)

   :79/79(赤)

 平均攻撃能力:70

 平均防御能力:48

 平均魔法能力:24

 平均抵抗能力:39

 平均速度能力:69

 スキル

 「毒針LV1」「麻痺針LV1」「飛翔LV1」』

 

めっちゃ強いじゃん。

私レッサースモールの頃何てこんな強くなかったのに…。

ちくしょう、私の苦労は一体…。

 

まあいいや。

とりあえずお前たちは自由行動で。

ただし、進化できるようになったら戻ってくる。

蜂の巣か、猿の群れを見つけても戻ってくる。

この二つは守ってもらおうかな。

蜂の巣と猿の群れは勿論経験値になってもらうため。

なんだかんだ言って経験値効率は良いし。

というわけで、いってらっしゃい。

 

よし、これで今回の進化でやることは終わったかな。

この後は、寄生産卵をして仲間を増やしつつ本格的に迷宮の外を目指そうか。

 

不意にとてつもない悪寒が走る。

 

な、何これ?

やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。

明らかに、今までと格が違う。

本能が警鐘を鳴らす。

その、恐ろしい奴が向こうから堂々と歩いてきた。

 

『地龍アラバ LV31 

 HP:4663/4663(緑)

 MP:4076/4076(青)

 SP:4570/4570(黄)

   :4569/4569(赤)

 平均攻撃能力:4610(詳細)

 平均防御能力:4597(詳細)

 平均魔法能力:4022(詳細)

 平均抵抗能力:4138(詳細)

 平均速度能力:4555(詳細)

 ステータスの鑑定に失敗しました』

 

龍という名前とは裏腹に、そのフォルムは狼なんかに近い。

大地を踏みしめる四肢に、長く伸びた尾。

翼はない。

 

その、龍が私を一瞥した。

 

あ、だめだ。

食われる。

龍は自分の歩いた先にいた障害物を見ただけに過ぎない。

それだけで、このプレッシャー。

勝つとか負けるとかじゃない。

まず戦いすらできない。

ただ、静かに何処かに行くのを待つしかない。

幸い、力の差があり過ぎるが故に私を狙うことはないと思う。

 

はずだけど。

あぁ、なんで目の前に大きな口があるんだろう。

 

地龍のアギトが閉じた。

 

 

 


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