「お、おい!あのマンティコアを一瞬で・・・」
「予想以上の逸材だぞ・・・これが獄狼の力か・・・」
戦い。それが俺の生きる理由だった。だから、俺はそれに委ねた。いや、俺にはそれしかなかったから。
~~
「これで良し、と。」
「エース君、何してるの?」
「ホノカか。少し看板作りをな・・・」
「そっか、今日からだったね。何でも屋開くの。」
ここは俺達の家で、仕事場でもある。そしてこの家には俺とホノカの他にも二人の住人がいる。
「本当にいいのか?嫌なら手伝わなくたって構わないが・・・」
「ううん、ホノカもエース君を手伝いたいしね。」
「そうか・・・ん?」
階段から足音が聞こえる、先ほど言った二人の住人であるコトリとウミが降りてきた。
「エース君?ポスター作り終わったよ?」
「コトリ、エースは忙しいんですからあまり」
「いや、気にしなくていい。」
「でもエース・・・」
「そんな事より、早く開こうよ!」
ウミの言葉を遮ってホノカが早く開店するよう急かした。
「そんなに急かすな、まだ時間はたっぷりある。」
「ちぇ~。」
だが、慌てる必要はない。奴らを探すのが目的だが何も急ぎでする事ではない。
「そうは言いましたけど、どのようにすればいいのか・・・」
「それについては問題ない、同業者に聞いておいてある。」
「同業者?」
「ああ、今日も同業者との約束があるから行ってくる。」
「「いってらっしゃ~い」」
「遅くならないようにしてくださいね?」
三人の少女に見送られて俺は家を出た。
~~
「すまない、遅れた。」
「良いって!俺達も着いたところだから。」
「それで、今日から開くんだよね?」
「ああ、お前達からは色々教えてもらった。感謝する。」
約束のカフェにいたのはカゲチヨとヒサメ、数少ない友達だ。そして、俺達と同じトッププレデターに体を作り替えられた混血児でもある。
「良いって、俺達はダチなんだからさ。」
「カゲがそんな事言うなんて、珍しいね。」
「うるせえ!」
軽口をたたき合う2人、正直これで付き合っていない事に驚いている。
「お礼にこちらからも色々情報提供させてもらう。」
「おう。」
「でも、無茶だけはしないでね?」
「分かっている、それより何か食べたい物はあるか?よければ奢るぞ?」
「え、いいの?」
「ああ。」
ヒサメの表情がパッと明るくなる。
「ヒサ、食べすぎんなよ。」
「一言多い!」
「痛い痛い!悪かったって!」
「それでは行くぞ。」
こうして、俺は楽しい一時を過ごした。なお、帰ってホノカ達に遅くなった事を怒られたのは言うまでもない。
因みにホノカ達も混血児という設定です。
持っているDNAは
エース ケルベロス×狼男
ホノカ ガルム×八咫烏
コトリ 一旦木綿×ワイバーン
ウミ 玉兎×ウンディーネ