外宇宙より飛来した“大いなる力”は世界を侵し、地球をまるごと異界に変えた。

異界ではこれまでの物理法則は大いに歪められ、異形のはびこる地獄となった。

異形の中には“大いなる力”に適応する種族も数多く生まれたが、争いは終わらなかった。

長く続いた暗黒の時代は、やがてひとりの勇者の手によって終わりを告げる。

異界は地の底に封じられ、地上にはわずかな“力”だけが残った。

遥かな時が過ぎ、大地がたった二つになった頃、人の種族も四つばかりになった。

“力”の扱いに長ける美しきグリュン。

“力”を多く取り込んだ獣の如きロート。

“力”に頼らない小人のブラウ。

そして、全てに通じるが果てには至れない、かつて“人間”と呼ばれていたヴァイス。



これはかつて滅んだ地球の文明をなぞるように発展した新たな世界で、四つの種族たちが手を取り合い、地の底に封じられた異界――ダンジョンへと挑む物語。
どこにでもいる、ありふれた者たちの物語。

すなわち、路傍の物語である。
第一章 アイリス・ブルーム
  000 プロローグ
  001 受験勉強のち、カツアゲと羊毛頭2021年07月19日(月) 21:06
  002 挑発と瞬殺、そしてツノ
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