FAIRY TAIL~滅竜魔導士『海竜』~   作:ジューゴ

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短めです。


エピローグ~帰り道

 

 

あの後ナツ達は帰り道に通る森の中で食料や近くの川で捕った魚で夕食を摂っていた。

 

 

「もーう!!200万チャラにするなんて信じらんなーい!!」

 

「だって、嘘ついてもらうのは嫌だしなぁ」

 

「あい!」

 

「嘘ついてもらったら妖精の尻尾(フェアリーテイル)の名折れだよ」

 

「そーだよルーシィ」

 

2人と2匹が言うことも的を得ているとルーシィも降参した。

 

「今頃、自分の本当の家で読んでるだろうな」

 

「そうだね」

 

「え? 本当の家って?」

 

ナツ達の会話に疑問が生じたルーシィは聞く。

 

「あいつらの匂いと家の匂いが違ったんだ」

 

「な、なにそれー!?」

 

まさかのお金持ちじゃなかったことにルーシィはショックを受けていた。

 

「あの小説家、すげぇ魔道士だな」

 

「あい、30年間も魔法が消えてないなんて相当な魔力だよ」 

 

「昔は魔導士ギルドに所属していたんだって。そこで体験した冒険を小説にしてるの。はぁ、憧れちゃうな~」

 

ルーシィはうっとりとした表情で、空を見上げる。

 

「ああ、やっぱりね」

 

「え?やっぱりって?」

 

「あのルーシィの部屋にあった紙の束、ルーシィが書いた小説だろ?」

 

「そうだったんだー?」

 

「やたら本に詳しい訳だね」

 

「あい!」

 

ナツはニヤニヤしながら尋ねて、それ以外は本に詳しかった理由を納得していた。

 

「えぇ!?」

 

図星だったのか顔が真っ赤になる。

 

「うぅ~他の人には言わないでよ!」

 

「何で?」

 

「小説書くのは凄いことじゃない。もっと胸を張っていいことだと思うけど」

 

「まだ、下手くそだし…読まれたら恥ずかしいでしょ!」

 

「誰も読まないよ~」

 

「それはそれでちょっぴり悲しい!!」

 

 

ルーシィは誰かに読まれることが恥ずかしいと言うがルナに誰も読まないと言われてズーンと落ち込む。

そんなルーシィを見てナツだけじゃなく、リオとハッピー、ルナも笑っていた。

 

 

「……ん?」

 

するとリオは今までの笑みから一転、目を鋭くさせた。

 

「どうしたのリオ?」

 

ルーシィはリオの突然の変化に戸惑うがリオは人差し指で静かにするようにジェスチャーをする。

 

するとナツも何かに気付いたのかある方向に目を鋭くさせながら睨み付ける。

 

「誰だてめぇ!!」

 

咄嗟にナツは茂みの方に飛びかかる。しばらくするとナツ以外にもう一人の男が姿を出した。

 

 

 

「グレイだ!!」

 

「なんでパンツ!?」

 

「グレイは服着てること自体が珍しいよ」

 

「うん」

 

現われたのは同じフェアリーテイルのグレイだった。しかし、なぜかパンツ一丁であったが常に脱いでる所を見ているリオ達にとってはもはや当たり前の光景だった。

 

「トイレ探してたんだよ!!」

 

「こんな森にあるわけねぇだろうが、この垂れ目野郎」

 

「てめぇこそ、人のトイレタイムを邪魔してんじゃねぇよ、このつり目野郎」

 

ナツとグレイは額をグリグリと押しつけながら互いの悪口を言う。しかし、そのどれもがレベルが低かった。

 

「子どもかっ!」

 

「「「それがナツとグレイです」」」

 

ルーシィはあまりのレベルの低さに呆れていたがそれ以外のメンバーはもはや当たり前であるため慣れていた。

 

 

 

しばらくして、二人が落ち着いたためグレイも交えて夕食を摂ることになった。

 

 

「そういえばグレイはなんでここにいたの?」

 

「仕事の帰りにここを通る必要があったんだよ。マグノリアまで行くにはこの森が近道だからな」

 

「じゃあ早く帰れよ」

 

「当たり前だ。早く帰んねぇとヤバイからな」

 

「何がヤバイの?」

 

「……エルザが帰ってくる」

 

グレイの情報にリオはへぇーと呟き、ナツはゲッと表情を歪めていた。

 

「エルザってもしかして!」

 

「あい!妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強って言われてる女魔導師だよ」

 

「すごーい!会いた~い!でも、エルザって雑誌とかに写真全然出ないけどどんな人なの?」

 

「「「怖い」」」

 

「はあ?」

 

リオとルナを除く3人の一言にルーシィは目が点になった。

 

 

「野獣?」

 

「ケダモノ?」

 

「もはや魔物だね」

 

ルーシィは3人が話すエルザの内容から、街を歩くだけで破壊するような怪獣を想像していた。

ナツ達はさらに想像を膨らませて山を2、3個蹴り飛ばすと言っている。

 

「3人とも、エルザが聞いてたら殺されるよ」

 

「そーだよ」

 

リオとルナはやんわりと反論するが、ナツ達には届いていなかった。

 

「結局、エルザってどんな人なの、リオ?」

 

「うーん…一言で言うなら妖精の尻尾(フェアリーテイル)の風紀委員って感じかな?」

 

「風紀委員?」

 

「うん。エルザは規律に厳しいから問題ばかり起こす皆に注意するんだ~」

 

「特に問題を起こした人には説教と折檻があるからね。ナツとグレイは一番エルザにやられているから2人にとっては天敵みたいな人なんだ」

 

「へー」

 

ナツ達とは違った紹介にいよいよどんな人か分からなくなったルーシィは会えば分かるかと考えるのをやめた。

 

「とにかく早く帰んねぇと」

 

「やべえ!早く行こうぜ」

 

「でも夜も遅いから明日朝一に帰ろう」

 

リオの提案に賛成した一同は夕食を早く食べ終わらせてからすぐに寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方とある街では注目を浴びている1人の女がいた。

彼女は鎧を身に纏っており、綺麗な緋色の髪がとても目立っていた。

なにより注目すべきなのは彼女が片手で持ち上げている物だ。それは何かの魔物の角なのだろう。しかし、その大きさは彼女の何倍もあった。

 

彼女の名前はエルザ・スカーレット。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の中でも最強と言われている女魔導士である。

 

 

 

リオ達の冒険はまだ始まったばかり。これから先、彼らの新たな冒険が幕を上げる。


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