Twitterの方には上げたのですが、本作でのあかりのトランステクターであるエルダーコンボイのモチーフとなったプラチナムエディションのシルバーナイトオプティマスが届いたのですが、これはほんとカッコいい…
未開封品ながら塗装剥げがあったり変形させるのにちょっと影響するレベルのバリがあったり左肩のロックが甘かったりしましたが、遊べない程ではないし、調整したら良い話ですならね←調整して自作パーツを使ってAD01型の頭部を移植したりした
放課後、あかりからジーオス討伐から帰還した後、テイオーもあかりの住居兼秘密基地の地上一階のチームルーム(仮)にいた。
各チームにはチームルームが与えられる(一般の学校でいう部活の部室に近い)のだが、あかりはそれを1から作り、地下には住居兼秘密基地が建造されている。ついでに他のチームルームより若干広かったりする。
「全くあのクソトカゲ共はいつも空気を読まないんだよね」
とあかりはビーフジャーキーを咥えながら愚痴を溢す。
「クソトカゲなんだ…」
それに対しテイオーは苦笑いを浮かべながら好物のはちみつドリンクを飲んでいる。
「
「なるほど…」
「それはそうと、チームはどうする?」
「切り替え早いなぁ。チーム…ボクは賑やかのは好きだけど」
「私も慣れてはいるんだけど…もし正体がバレた時はどうしようかなとも思ってて。でも、競い合って支え合う仲間はいた方が良いかなとは思うんだよね」
「正体バレの事はその時になったら考えよう。その時はボクもフォローするよ」
「ありがとう、テイオー」
とあかりはテイオーの頭を優しく撫でるのだった。
「そうだ、寮の相部屋の娘を誘ってみるよ」
「私もちょっと気になる娘がいたから明日声をかけてみる」
その場がお開きとなった後、テイオーは寮の自分の部屋…正確には自分とマヤノの部屋に戻った。
「たっだいまー!」
テイオーがそう言いながら部屋に入ると
「おかえり~」
先に部屋に戻っていたマヤノが返答する。
「マヤノ、チームとかどうするって考えてる?」
「う~ん、まだかなぁ。テイオーは?」
「ボクは決めてるよ」
「本当?」
「うん。チームに入るというか入学前から付き合いがあったトレーナーと1から作るんだ」
「そうなんだ!楽しそう!」
「でさ、マヤノもボク達のチームに入らない?」
「う~ん、どうしよっかな…」
「まぁ、すぐには決められないよね」
「まずはそのトレーナーちゃんに会ってから、かなぁ…」
「それでも大丈夫だよ!ありがとう!」
と言ったテイオーはあかりが言っていた言葉を思い返した。
『もし正体がバレた時はどうしようかなとも思ってて』
あかりの正体は人間ではないし、そのあかりを知る上で彼女の過去は避けては通れない…そう、あかりが、人殺しであったという事も。
自分はあかりの存在を受け入れた…しかし、マヤノが受け入れてくれるかはわからない。
「マヤノ、チームに入るという前提で話をするけど、彼女がどんな存在だったとしても受け入れて欲しい…それがボクの願い」
テイオーが言っている言葉の意味がわからなかったマヤノだったが、ひとまずはわかった、と頷いた。
…数日後にその意味を知る事になるとはマヤノは思いもしなかったのだが…
その日の夜…熟睡していたテイオーは不思議な夢を見た。
場所は何処かの学校の講堂だろうか。講堂のステージには制服姿の9人の少女の姿があった。
「もしかして…」
その少女達にテイオーは見覚えがあった。あかりが見せてくれた映像に出ていた9人の
彼女達の歌い踊る姿にテイオーは圧倒され、魅了された。
プロのアイドルと比べてまだまだな所もある…しかし、今を精一杯楽しんでいるかの様に踊る彼女達には人々を惹き付ける魅力があった。
応援したくなる…そんな思いを抱かせてくれる。そんな彼女達だったからこそあかりは最期まで彼女達を支えたのだろう。
彼女達のライブが終わった後、テイオーは夢の中であるとわかっている上で彼女達に拍手を送る。
そんなテイオーに対し彼女達は微笑み、9人の内の1人―リーダー格と思わしき茶髪に青い瞳の少女がテイオーの元へ歩み寄ってこう告げた。
「あかりちゃんってよく1人で抱え込んじゃう事があるんだ。だけど、私達は死んじゃっているからもう何も出来ない…だから、貴女が、ううん"貴女達"が側にいて支えてあげてくれないかな?」
彼女の言葉にテイオーは笑みを浮かべてこう返した。
「うん!任せてよ!」
テイオーの言葉を受け取った彼女は満足げな表情を浮かべ、輝き始めた。他の8人も同様に光り輝いている。
「ありがとう…あかりちゃんの事、頼んだよ…」
"9人の女神"は光の粒子となって消えた。やがてテイオーの意識も遠退いた末に覚醒した。今テイオーがいるのは何処かの学校の講堂ではなく寮の自分とマヤノの部屋だ。
「夢、か…。うん、任されたよ」
テイオーはそう呟くと身支度を始めるのだった。
あかりは元々ジーオスに襲われて瀕死の重傷を負った身体や失った手足などを金属細胞で作られた義体に置き換える形でアデプトテレイター化(便宜上"全身義体型"と呼ばれる)したのだが、鮮血のクリスマス後に技術の進歩によって可能となった身体全体を金属細胞と融合化した"完全融合型"へとアップデートを行った。
定期的なメンテナンスが必要だった全身義体型とは異なって自己修復能力の高さからメンテナンスフリーとなっているのだが、これに加えてあかりはアデプトテレイター化する前…強盗犯に
しかし、その一方で左目は義眼へと置き換わっている。
これは鮮血のクリスマス後、反アデプトテレイター派との戦いの最中で左目を負傷したからだ。アデプトテレイター化した時の様に時間をかければ再生も出来たが、今後の事―戦争の激化を予測して金属細胞を使った義眼に置き換えたのた。
普段は義眼になる前と同じ様に見えているのだが、あかりの意思に応じて見たい箇所をカメラの様に拡大して見たり赤外線やサーモグラフィへの切り替えなどが出来るようになっている。やろうと思えばテラクサドンの様な偵察用ドローンと同期を取る事でドローンのカメラが捉えている光景を直接義眼に映す事も可能だが、あかりからしてみたらドローンが映した映像はタブレットなどに映した方が見易いという事から普段はあまり使わないのだが…
さて、そんなあかりだが、翌日の昼休憩時間にあるウマ娘を探していた。昨日は声をかけられなかったライスシャワーだ。
昼なら食堂にいるかもしれないと食堂の入り口付近の邪魔にならない場所から義眼のスコープ機能でライスを探す。
(いたいた…まだ食事中か…食事中で申し訳ないけど、声をかけてみるかなぁ…)
あかりはそう考えると義眼を通常モードへ戻し、ライスの元へ向かう。
「ライスシャワーさんだよね?」
「は、はい…そうですが…」
「貴女と話がしたいんだけど良いかな?勿論、昼食を食べ終わってからで良いから」
「わかりました…ちょっと待っててくださいね」
そのライスの昼食の量は1人分ではなく2人分くらいかはあった。
(よく食べる子だなぁ…)
と感心するあかりだが、これを上回るレベルの健啖家なウマ娘がいる事を彼女は知らない。
ライスが昼食を食べ終わった後、あかりは彼女を連れて場所を変えた。
「あの、お話って…?それに貴女は…?」
「あぁ、自己紹介がまだだったね。私は頼尽あかり。一応トレーナーかな」
「と、トレーナーさん!?」
「あぁ、畏まらなくてもいいよ」
「えっと、じゃあ…あかりさんで。あかりさんは私に何か用が?」
「昨日の体力テスト、見せてもらったよ。何と言えば良いかな…ピンと来たというか…ウチのチームに勧誘したいなって思ってね。本当は昨日にでも声をかけようと思ったんだけど急用が入っちゃってね」
「ほ、本当にライスなんかで良いの…?」
「と言うのは?」
「ライス…みんなを不幸にする…だめな子なの…よく信号に引っ掛かったり、一緒に練習してた娘の靴紐が切れたり…」
(いや、それライスのせいではなくて単に間が悪いだけだなんじゃ…)
あかりが思っている通り単に間が悪いだけでライスに罪はないのだが、完全にジンクス化していたのだ。
それに信号に引っ掛かったり靴紐が切れたりする程度など
・父親を強盗犯が運転する車に轢き殺される
・母親を
・自身も
・鮮血のクリスマスで大切な
・常に命を狙われ休息の時などないに等しい
に比べてると些細な不幸だ。しかし、そんな些細な不幸でも悩み苦しんでいる者がいる事をあかりは勿論理解しているし、世の中それ以上の不幸を味わっている奴がいると言っては逆に相手を傷つけかねないのも分かっている。
「他人の不幸に同情してしまい、その不幸は自分のせいだ責めて、自分を追い詰めてしまう…優しい娘なんだね」
あかりはライスの頭を優しく撫でるとこう訊ねた。
「ライスは何のために走るの?どうしてこのトレセン学園に入学したの?」
「ライスはみんなを不幸にしちゃう…それを…変えたくて…!」
「だったら見ている人を幸せにする…レースで頑張って勝ってファンとなった人達に笑顔にさせる…そんなウマ娘を目指せば良い」
「ライスが…皆を笑顔に…!?」
「私のチームに来るかどうかは貴女次第。私は基本的にその人の意思を尊重するタイプだからね。
まずは体験入部って形でも構わないよ。もし体験入部でも来てくれるなら放課後にこの場所に行くか私のチームのメンバーのトウカイテイオーっていう中等部の娘を尋ねてみてね。私は急用とかで外出する事があるからテイオーを尋ねる方が無難かな」
その後、あかりはまたね、と言うとチームルームへと戻った。
「こっちにチームルームってあったっけ?」
歩きながらマヤノはテイオーに訊ねる。
「新しく建てられたんだけど、諸々の理由で此処しか建てる場所がなかったみたいだよ」
そう答えるテイオーだが、その"諸々の理由"を彼女は知っていたりする。
他のチームルームから離れた場所…あかりの住居兼秘密基地でもある其処には先客がいた。
「誰かいるよ?」
「もしかしてあかりさんがスカウトしたいって言ってた娘かな?」
その先客―ライスはドアをノックすると開けて中へ入っていった。
「やっぱりそうみたい。ボクたちも行くよ!」
「し、失礼します」
「来たね、ライス」
「はい、来ちゃいました」
「待ってて、もう少ししたらテイオーも来ると思うから」
「テイオー、さん…?」
「私のチームのメンバー1人目…というよりは2人でチームを立ち上げた、って言うべきかな」
あかりがそう答えると
「たっだいまー!」
とテイオーが扉を開けて入室する。
「おかえり。その娘がテイオーが言ってた同室の娘?」
「そうだよ。で、その娘があかりさんがスカウトしたいって言ってた娘?」
「その通りだよ」
あかりはマヤノの視線を向けた後、ライスとマヤノに向けてこう言った。
「2人共、来てくれてありがとう。私は頼尽あかり。トレーナーとしては新米で至らない点もあるかもしれないけど宜しく」
あかりが挨拶をした後、続いてテイオーが初対面であるライスに向けて挨拶をする。
「ボクはトウカイテイオー。あかりさんのチームのメンバー!これから宜しくね!」
「ら、ライスシャワーです。宜しくお願いします!」
とライスはテイオーとマヤノに頭を下げ
「マヤはね、マヤノトップガンって言うの!テイオーとは寮のルームメイト!宜しくね!」
とマヤノは挨拶をして、あかりのデスクに飾られている模型に気づいた。
「トレーナーちゃん、模型とか好きなの?」
「まぁね。今まであんまり時間が取れなかったけど」
「此処に飾られているって事はトレーナーちゃんが好きな飛行機って―」
「ん?SR-71だけど」
マヤノの質問に対するあかりの返答にテイオーとライスは首を傾げるが、マヤノは真剣な表情で
「SR-71…愛称はブラックバード。ロッキード社が開発してアメリカ空軍で採用された超音速・高高度戦略偵察機で最高速度はマッハ3、有人実用ジェット機として最も速い―」
「ほう、詳しいね」
「パパが元戦闘機乗りの元旅客機パイロットで昔から興味があったの!因みにマヤの好きな飛行機はF-14トムキャット!」
あかりの言葉にマヤノは笑顔でそう答える。
「なるほど、良い趣味をしてる…って飛行機の話をしている場合じゃなかった。さて、私の方針だけど、基本的には貴女達の意思を尊重する。貴女達がどんなペースでどんなレースに出たいかに合わせてトレーニングを行っていきたいかなって思ってる。
でも、まずは貴女達が走る姿を見せてほしい…特にマヤノはまだ走っている姿を見てないからね。だから、これから走りに行くよ!」
あかりの言葉に3人は「おー!」や「はい!」と答えて、あかりについて行くのだった。
To be continue…
次回で第1話冒頭の戦闘シーンのところまでいきたいところ←