ライになった転生者が行くスーパーロボット大戦   作:流星ハルト

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戦闘描写難しいですね。
ダイジェスト的な書き方しか出来ないかも(汗)


5話 赤と青

黒の騎士団の僕達は同盟を組んだソレスタルビーイングやスーパーロボット達と一旦、別れて戦力を整えることになった。

ボートマンなる謎の人物のおかげでキョウトの旧財閥連合と協力することに成功した。

おかげでナイトメアフレームから武器まで今まで以上に充実してきた。

ちなみに黒の騎士団の傭兵扱いになっているヒイロ、デュオの2人は先にソレスタルビーイングに合流して今はここにはいない。

 

運ばれてきた物資の確認をしているとカレンが声をかけてきた。

 

「ライ、見てよこれ!」

 

カレンの背後には朱色を基調とした右腕が銀色の大型ユニットになっているナイトメアフレームがあった。

 

「……これが?」

 

「初の純日本製ナイトメア。それがこの紅蓮弍式よ」

 

コードギアス原作でこの黒の騎士団のエース機体となる紅蓮弍式。

ついに生で拝ませてもらう日が来るとは光栄だ。

 

「確か、紅蓮弍式のスペックは……」

 

「単位時間あたりの運動量はブリタニア軍の主力機サザーランドの1.6倍に達するそうよ。出力に見合った装甲を備えているから防御力も高いわ。それに輻射波動という新兵器もある」

 

「君が乗るんだろ?」

 

「ええ。ゼロに任されたわ……」

 

カレンはとても高揚した気分で僕に話す。

なんか、こう……可愛いな……。

 

「ライ。それにカレンもやはりここにいたか」

 

僕達の背後にゼロが現れる。

いきなり現れるんだからびっくりするなもう…。

 

「ゼロ。物資の確認なら今してるところだ」

 

「わかっている。君たちに見せたいのはこの紅蓮弍式だけではないのだ」

 

「と言うと?」

 

「ついてきたまえ。カレンも来るといい」

 

「は、はい」

 

僕とカレンはゼロに連れられて格納庫の奥へ進む。

そこでは先程、紅蓮弍式を運んできた整備員が忙しく動いていた。

 

ちょ!待った!この青い機体は!?

 

「月下よ。素敵でしょ?」

 

僕に声をかけてきたのはキセル(煙草)をくわえた褐色肌の金髪の女性だ。

 

「ラクシャータ・チャウラー。紅蓮弍式の設計者だ。今後は我々に同行し、ナイトメアを通じてデータのフィードバックを行う」

 

「まぁ、あなた達から見れば、あなた達をモルモットに、新型機の実戦試験をする役目ね」

 

「は、はぁ…」

 

モルモットね…。本人を前に言うとは大胆すぎる。

 

「間抜けな反応ね。もっとも、月下に関しては心配は無用よ。この子は言わば紅蓮弍式の量産タイプ……。言わゆる兄弟機みたいなもんだから。無頼と比べれば反応過敏だし、主力調整もちょーっとピーキーだけど、アンタなら大丈夫でしょ。多分」

 

多分ねぇ……。もうちょい言葉欲しいな……。

 

「この月下には『戦闘隊長』になる君に乗ってもらう。カレンの紅蓮弍式共に、黒の騎士団の双璧としてな」

 

「ん?ちょっと待て戦闘隊長?僕が?」

 

「ソレスタルビーイングとの会談の前に言ったはずだ。君にはいずれ重役を担ってもらうと」

 

「す、すごいじゃない!ライ!専用機と戦闘隊長を任されるなんて!凄いわよ!」

 

カレンが自分の事のように喜びながら僕言う。

 

「戦闘隊長になる先発理由を聞かせてもらってもいいかな?」

 

「スコート・ラボでの戦いでは的確な判断をくだしてくれた。無頼を操ってでのあの戦闘力と判断力は大変頼りになる。カレンは私直属の親衛隊になってもらうために君には実戦段階のナイトメアを束ねる部隊長になって欲しい。いざと言う時は私の命令ではなく独自の判断で行動する事も許そう」

 

偉い高待遇だ。あの1回の実践でそこまで信用されるとは。

 

「……そこまで言うなら引き受けるしかないな」

 

「うむ。よろしく頼むぞライ戦闘隊長」

 

「頑張りましょうねライ!」

 

ゼロとカレンの期待をひしひしと感じる。結構、プレッシャー感じるなぁ……。

 

「じゃあ戦闘隊長の就任も決まったことだから早速乗ってくれるぅ?はいこれ、新型パイロットスーツ。着心地と生存性は保証付きよ。しかもカレンちゃんとお揃いよぉ」

 

ラクシャータがニヤニヤしながらパイロットスーツを手渡してくる。

データを取れる事なのか、それともカレンとお揃いの事をからかってニヤついているのかどっちかわからない。

 

「ラ、ライとお揃い……」

 

「カレン?」

 

「う、ううん!な、なんでもない!?」

 

「そ、そう?」

 

「ラ、ライのスーツって青色なんだね!」

 

「カレンのは紅蓮に合わせて赤いの?」

 

「そ、そうよ」

 

「なら、赤と青でいい双璧になれそうだね」

 

「う、うん…!」

 

カレンが少し頬を赤くしながら頷く。や、やめろよ可愛いすぎるからさ……。

数分後、僕は早速、パイロットスーツに着替えて月下に乗る準備をしていたら玉城が声をかけてきた。

 

「よう!聞いたぜお前!戦闘隊長になったんだってな!新米なのにえらいスピード出世じゃねぇか!」

 

「若輩者ながら頑張らせてもらいます」

 

「こないだの次元獣との戦い見てたら反対できねぇしゼロのお墨付きだろ?もう、文句言わねえよ」

 

「ありがとうございます」

 

「そんで、今からその新型に乗るんだろ?俺が模擬戦の相手してやることになったからよ!ちゃんと実力見せろよ戦闘隊長殿!」

 

そう言って玉城は自分の乗る無頼へ足を運ぶ。アレって僕が乗ってた無頼だっけ?それなりにカスタマイズしてあるけど玉城に乗りこなせるのかな?

 

僕は少し気になりながらも月下のコックピットに乗り込んだ。

 

「……これが僕の月下先行試作型。僕の専用機……!」

 

僕はラクシャータに渡された起動キーをコンソールに差し込んでエンジンをかける。

操縦レバーをしっかりと手に握り、ゆっくりとフットペダルを踏んで月下を動かす。

 

「……すごい。無頼なんかより凄くしっくりくる」

 

ちょっと動かしただけでこの感触。ラクシャータが僕の戦闘データに合わせて調整してくれたんだろうな。

僕は月下を走らせながら軽く武装などのスペックの確認を始める。

刃がチェーンソー状になっている刀、『廻転刃刀』

スラッシュハーケンの『飛燕爪牙』

左腕に装備されたハンドガン。

後、撹乱用に使うチャフスモークと武装もかなり充実してる。

さらに注目すべきは紅蓮弍式と同じく輻射波動を撃つことができる左腕『甲壱腕型』を装備している事だ。

パワーは紅蓮に劣るけど、十分凄い装備だ。

 

僕が模擬戦場に来ると玉城の乗った無頼の他に別の無頼が一機。

さらに鹵獲機のサザーランドが一機。

仮想敵としてはもってこいの三機編成だ。

 

「いくぜぇ!おらおらぁ!」

 

玉城の無頼が無計画に突っ込んできた。他の二機と連携する気なしだねありゃ。

 

「もらったぁ!!」

 

玉城の無頼がスタントファーを大きく振りかぶってきたが、僕は月下の右手で軽く流して玉城の無頼をよろけさせる。

 

「う、嘘だろおい!?」

 

僕は月下を跳躍させて、後ろに回っている玉城の無頼の背後を蹴り倒し、踏み台にして飛び上がる。

 

「お、俺を踏み台にしたぁッ!?」

 

これ一度やってみたかったんだよね!

僕は飛び上がった状態で一機目の無頼と鹵獲機のサザーランドをハンドガンで撃って撃墜した。

 

「くそ、この!」

 

玉城の無頼がマシンガンで反撃してくる。

しかし、僕は月下の機動性を活かしてそれを左右によける。

 

「いい反応だ。僕の言う通りに動いてくれる!」

 

僕はスピードを維持しながら瓦礫の壁に向かってスラッシュハーケンを放ち、そのまま巻き上げて走行スピードを更にあげる。

 

「そ、そっちか!?ってはやぁ!?」

 

瓦礫の山を超えて飛び上がり、素早く玉城の背後に回り込み廻転刃刀を無頼の首に突きつける。

 

「動くな…!」

 

「ひぃ!?ま、参った!こ、降参だ降参!?」

 

玉城が降参を宣言するとラクシャータから通信が入ってきた。

 

「ご苦労様。いいデータが取れたわ。まぁ本音で言うと、もうちょーっと、粘って欲しかったなぁ。玉城クン」

 

「う、うるせぇ!ライ!お前が勝ったのはその機体の性能のおかげだかんな!」

 

解放された玉城の無頼がビシッと僕に指を指してきた。

言わゆる負け惜しみだ。

 

「そりゃ、そのための性能だしねぇ」

 

「あー。やっぱり予想通りの結末になってる」

 

僕たちの会話に割り込むようにカレンの声が聞こえてくる。

振り向くと僕の月下の後ろにカレンが乗る紅蓮弍式が現れた。

 

「カレン?」

 

「玉城たちじゃ相手にならないでしょ?私もこの紅蓮弍式を試運転したいからライ、相手になってよ」

 

「僕と模擬戦するってこと?」

 

「ええ。これからはブリタニアだけじゃなくてもっと色んな奴を相手することになるからね。そのためにも強い奴と戦って経験を積まないといけないなの。だから、ライ。手加減せずに全力で私の相手をして!」

 

紅蓮弍式が『輻射波動機構』の右腕を突きつけてきた。

すごい威圧感だ。そして、カレンの本気がヒシヒシと伝わってくる。

 

「わかった。やるよカレン!」

 

「だったら私から行く!」

 

カレンの紅蓮弍式が釵の形をした短刀『呂号乙型特斬刀』で斬りかかってくる。

僕はそれを廻転刃刀で受け止め、競り合いになる。

 

「まだまだ!」

 

「うおっ!?」

 

紅蓮はこの状態から回し蹴りを放ってくる。僕は驚きながらも月下を仰け反らせて蹴りを避ける。

 

「これを避ける!?」

 

「今度はこっちからだ!」

 

僕は月下の状態を起こすと至近距離でハンドガンを発砲して距離をとる。

 

「逃がさない!」

 

「逃げる気はない!迎え撃つ!」

 

紅蓮はハンドガンの攻撃にもろともせずに突っ込んでくるがそれを予想した僕は合わせて攻撃を仕掛け、再び釵と刀で斬り合いになる。

 

 

―――場所は変わって黒の騎士団のアジトのモニタ室

ゼロとラクシャータがライとカレンの模擬戦を観戦していた。

 

「最高よあの2人。アタシの紅蓮と月下をああも使いこなすなんて。今までにないモルモットになるわよあの子たち」

 

「君があの2人をどう思うかは勝手だが、あまり無理をさせないでくれ。カレンとライは我々の最高戦力なのだらな」

 

「それくらいわかってるわよぉ。おお?今の動きいいわよー。これ以上にないデータが取れるわぁ」

 

「……本当にわかっているんだろうな…」

 

―――再び時間はライとカレンに戻る。

 

「……エナジーフィラーがそろそろ限界だ……」

 

「紅蓮も同じ。もうエンプティに入ってる」

 

「どうやらここは引き分けだね」

 

「そうね。これ以上は決着つかなさそうだし」

 

僕とカレンは武器を下ろして月下と紅蓮を格納庫に戻す作業に入る。

 

格納庫に戻り機体から降りるとラクシャータがやってきた。

 

「2人ともお疲れ〜。最高にいいデータが撮れたわよぉ〜」

 

「それは何よりです」

 

「あーそうだ。あなたの血。少し分けてくれない?」

 

「いきなりですね。なんでですか?」

 

「血液検査。パイロットの健康管理とかもあるけれど、ほら、あんた色々調べた方が良さそうでしょ?血液ってさぁ結構情報のほうこなのよ?」

 

「……わかった。後で受けるよ」

 

「おまかせあれー」

 

ラクシャータは手に持っているキセルをクルクル回しながら去っていった。そこへ、紅蓮を降りたカレンがやってくる。

 

「ライ。血液検査受けるんだって?」

 

「うん。健康診断みたいなものさ。後、自分が何者か手がかりになると思ってね」

 

「そうか。ライ、記憶喪失だったもんね」

 

「自分でも忘れそうになるけどね」

 

僕はあくまで「ライ」を演じている存在だ。それを忘れちゃいけない。

……結局、本当の自分とは何なんだろうな。

 

 

 

 




月下の登場をかなり前倒ししました。スパロボだからね!
スパロボ30の発売が待ち遠しい作者です(笑)


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