子守り幻想郷   作:梓 弓

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こいしと零は宴会に参加した

「うへへ……お姉ちゃん〜……」

 

「あわわわわわ……」

 

「なるほどそういうタイプだったかぁ」

 

 霊夢がそう言ってため息を吐いた。私は零ちゃんにぎゅっと抱き締められながら半ば諦めの境地に至っていた。

 いや、分からないじゃん零ちゃんがお酒弱いって。でもまさかここまでになるなんて……。どうしてこんな状況になったのかは少し前まで遡ることになる。

 

 

 

 

 零ちゃんは仮にも紅霧異変の際に少し関わりを持ってしまった。だから霊夢の誘いで異変解決記念の宴会に参加することになったんだよね。もちろん零ちゃん1人だと不安だから私も付き添いなんだけど、まぁ私もある意味当事者だから問題ないよね。

 

「2人ともよく来てくれたわね」

 

「霊夢の言う通りある程度料理の方は持参してきたよ」

 

「あら、助かるわぁ。うちの連中結構飲み食いするから困っちゃうのよね」

 

 幻想郷に住んでる以上人妖問わずみんな酒盛りしたりするからね。お燐に頼んでちょっと多めに作ってきてもらっちゃったよ。因みにお酒も少しばかり持ってきてたりする。

 

「あ、2人とも〜っ!」

 

「フランちゃんっ!」

 

 おぉ、フランちゃんが館の外に出てる。どうやら紅魔館のみんなと相談して許可が下りたみたいだね。私と零ちゃんはフランちゃんを挟み込むように座ると持ってきた料理をささっと並べてしまうことにした。

 

「すごい量ですわね。これはどちら様が?」

 

「うちのペットに人型になれる子が居てね、その子が料理担当でもあるから作ってもらったんだぁ」

 

「へぇ、ペットとはまた変わった響きね。うちで言う妖精メイドのようなものかしら」

 

 レミリアちゃん(本人はちゃん呼びしてほしくないらしい)の質問に零ちゃんが首を縦に振った。まぁ形式上は従者になるけどそれ以前に家族関係みたいなものだからね、お姉ちゃんが心を読めるからこそみんな集まって過ごしてる訳だし。

 

 どうやらすでに乾杯の音頭は終わってるみたいだから私たちも自由に飲み食いしちゃって良いみたい。私と零ちゃんは料理を食べながら色々なお話をしていた。

 

「お姉さま、口にソースが付いてるわ」

 

「え、どこかしら?」

 

「んもう、ここだよここ。お姉さまもまだまだ子どもね」

 

「あ、圧倒的敗北感……う〜」

 

 どうやらスカーレッド姉妹もだいぶ仲良くなれたみたい。まぁ私と零ちゃんが荒療治に近い方法で接してたからね。それにしてもこう見るとまるでフランちゃんがお姉ちゃんに見えるよね。

 

「……こいし?何か失礼なことを考えてないかしら?」

 

「なんでもないよ〜レミリアちゃんっ」

 

「だ、だからちゃん付けはやめてってあれほど……カリスマや威厳が感じられないじゃない」

 

「ん?レミリアちゃんは可愛いけど威厳はないよね」

 

「零っ!?あ、あなた少しオブラートに包んで言いなさいよっ!」

 

「零ちゃんだからね、仕方ないね」

 

「お姉さま落ち着いて。どうどう」

 

 零ちゃんってお姉ちゃんの影響か思ったことを素直に口に出すよね。まぁその方がお姉ちゃんの好感度が爆上がりするから当然といえばそうなんだけど、純粋さが煩いして無意識の言葉の刃が鋭いことなんの。この無意識っぷりは私でさえも感服してしまうよね。

 

「そう言えばパチュリーが居ないみたいだけどどこにいるか知ってる?」

 

「あぁ、パチェなら白黒の魔法使いに引きずられていったわよ。今頃魔法談義中でしょうね」

 

 パチュリーはそう言えば魔法使いだったね。知識量だけは相当なものを持ってるから魔理沙からしたら宝の山みたいなものなのかな。私は魔法なんて全く使えないから分からない。と言うか妖力だけでどうにかなっちゃうしね。

 

 と私たちは色々な話をしながら宴会を楽しんでいたんだけど、私はこの時重大なミスを冒していたことに気づいていなかった。

 

 

 

 

「零ちゃん酔ってるよね?」

 

「酔ってないよ〜えへへ」

 

「あぁ零ちゃん可愛いけど一旦落ち着こうか、ね?」

 

 単刀直入に言うなら、零ちゃんが酔った。どうやらあまりお酒に強くないみたいでかなり少ない量を少しずつしか飲んでいなかったのに20分足らずで酔ってしまったというわけ。

 そしてこの酔っ払った零ちゃん、壊滅級に可愛い。わずかに頰を赤らめながら表情を緩めて私にずっと擦り寄ってくるんだよ。なにこの生命体可愛すぎるんだけど。私も程よくお酒が回ってきたせいで余計に可愛く見えてしまう。どうしようこれ。

 

「ほら零ちゃん、私のところにおいで?」

 

「わ〜いフランちゃ〜んっ」

 

「ふふ、よしよし」

 

「ぐふっ……」

 

 フランちゃんがそんな私を気遣ってか零ちゃんの相手をしてくれる。零ちゃんはテンション変わらずにフランちゃんに抱きついて頬ずりし始めた。その光景に私と咲夜が一撃でノックアウトされた。

 

「こ、こいし様」

 

「大丈夫咲夜?」

 

「え、えぇなんとか致命傷で済みました」

 

「やばいよ2人とも、破壊力の権化だよぉ〜……っ」

 

「……あれ?なんだか私だけ仲間外れにされてないかしら」

 

「安心なさいレミリア。その通りだから」

 

「霊夢、貴女も私にとどめを刺しにくるのね……」

 

「いいじゃない私とあんたの仲でしょ?」

 

「ぐすん……もう今日は大量に飲んでやるわぁっ!」

 

その後も私たちは零ちゃんの可愛さに振り回されながらも無事に宴会を続けることができた。というかみんな酒の飲み過ぎで酔いつぶれていた。なんなら私も眠いから寝るね。お休み〜っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<宴会の終了後、博麗神社の屋根上にて>

 

 

 

「……いるんでしょう?そろそろ出てきたらどうですか」

 

「……ふふ、貴女にはお見通しだったかしら」

 

「貴女の気配には少々敏感なだけですよ。それで、こんな宴会の終わりに何の用ですか?」

 

「そうね。強いて言えば朗報が一つと懸念材料が一つ、といったところかしら」

 

「へぇ、スキマ妖怪ともあろうお方が懸念材料ですか。変わったことがあったものですね」

 

「私だって完璧ではないからそう言うことだってあるわ」

 

「よく言いますよ、妖怪の賢者様?」

 

「……それにしても、貴女のその『人格』は何なのかしらね」

 

「さぁ?私に言われても困ります。記憶を失っている私も、今ここに人格を持つ『私』も共に私であることに変わりはないのですから」

 

「……そうね。それで、『貴女』はこれからどうするのかしら」

 

「さて、どうしましょうかね。今のところ私が記憶を取り戻していないのでどうしようもありませんよ。私は『私』であって私ではありませんから」

 

「……そう。記憶探し、上手くいくといいわね」

 

「お気遣い感謝します。まぁ『私』が表に出てくることはこう言う時だけですから、普段は私にその件は任せるしかないわけですが」

 

「面倒くさい言い回しですわね。そろそろ私と言う単語がゲシュタルト崩壊しそうよ」

 

「おや、私も妖怪の賢者を惑わせることができるのですね。これは勉強になりました」

 

「皮肉たっぷりに言うじゃない」

 

「日頃の行いじゃないですか?貴女は普段の行いをもう少し見直してみることですね」

 

「ふふ、善処いたしますわ」

 

「はぁ……まぁいいですけど。それで、報告とやらを聞こうじゃないですか」

 

「了解よ」

 

 

 

 




最後は少し変な感じになっちゃいましたね。ちょっとネタが出てこないため少し展開があれかもしれませんが、ご了承くださいませ。

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