サノバウィッチに転生して、青春を謳歌したい   作:ミュウにゃん

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Ep66 恋の相談

 

 

次の日、いつもの日常でオカ研の部屋で・・・

 

    

    保科「今日は、先輩は……来てないね」

    綾地「戸隠先輩なら、今日は学生会の方に用事があるって言ってましたよ?」

 

    椎葉「なんだろう?イベントかな?」

    因幡「えぇ?!クリスマスの後のイベントって流石に無いですよね……?」

 

    綾地「えぇ……」

   デュアン「……、……」

    

 

コンコンッとノック音がする。

 

    綾地「はい。どうぞ」

    保科「……」

 

 

   デュアン「っ……!」

      ?「あのー……相談したいことがありまして」

   デュアン「和真……お前がオカ研に相談事があることなんて珍しいな」

 

こいつ、基本的におちゃらけてるからな・・・

 

     和真「オレにだって、悩みごとの一つや二つあるぞ」

     保科「そうなのか?」

     和真「柊史よ……人間に悩み事が無いなんてことは……絶対にあり得ない……完璧な人間と同じく、な」

 

     因幡「デュアン先輩がそれに該当しそうですが……」

     椎葉「た、たしかに……」

     綾地「同じく」

     保科「あー……」

   デュアン「みんなして、オレを何だと思ってんだ!!」

 

オレを完璧超人だと思ってるだろ!

 

     椎葉「えっと……完璧超人?」

     和真「スパコン並の演算力と瞬間記憶能力?」

   デュアン「演算力は勝手に身につくぞ?記憶能力は、生まれつきだからしょうがない」

 

     保科「記憶能力かぁ……いいよなぁ。テストとか絶対に赤点とか取らない便利要素の一つだよな……」

 

   デュアン「でも、瞬間記憶能力って……脳に負担がかかって、不便だぞ……六法全書クラスを数ページを一瞬で読めば、まず嘔吐は確実、全ページを読めば、気絶は待ったなし」

 

リリカル世界線だが、ジュエルシードや大結界を張った時に複写魔眼(アルファスティグマ)で、術式を見た時は、ヤバかったなあ・・・

 

 

     椎葉「うぇ!?」

   デュアン「オレのことはどうでもいい……和真。お前の要件を言えよ」

 

     保科「あっ……そうだった」

     綾地「ゴホンッ……それで、井上くんはどういう要件で来たのでしょうか?」

 

     和真「えーっと、だな。実は好きな人が出来て、さ」

   デュアン「ほぅ?珍しいな」

     和真「お前にだけは言われたくないぞ……」

     保科「た、たしかに……」

     綾地「あ、はは……デュアン君は、人の好意に鈍感すぎますからね」

 

   デュアン「っるせ……オレはただ、愛に気付けなかっただけだ……だから、こうやって紬と恋人になったんだ」

 

オレは、紬の方へ顔を向け、にっこりと微笑む。

 

     椎葉「デュアンくんっ」

紬は照れてしまった

 

     綾地「それで……好きな相手、とは誰のことでしょう?」

     因幡「あっ……私も気になります」

     和真「先輩だな」

   デュアン「先輩……和真が好きになる相手って大抵は学校の人気者だからな……クラスで人気者で先輩となれば……」

 

     保科「戸隠先輩だな」

     和真「ちぃ……これだから頭のいいヤツは嫌いなんだ」

   デュアン「オレと柊史が居れば……ウソや隠し事が出来ないと思ったほうがいいぞ……柊史はリアル心理学を持ったヤツだからな」

 

     因幡「えっマジですか?!」

   デュアン「大マジだ……だいたい、ウソや隠し事をしてるって見抜くのは結構簡単だぞ」

   

     因幡「うっそだー」

   デュアン「ちなみに、柊史はその上位互換版で相手の先を読むことができる「コールドリーディング」を習得している」

 

     和真「すげぇな……って、相談に乗って欲しいんだよ!」

   デュアン「……お前が戸隠先輩が好きなのは分かった……んで、俺らオカ研に何をして欲しいんだ?」

 

     椎葉「もぅ……デュアンくんったら」

     因幡「井上先輩が戸隠先輩のことが好きなんて珍しいですね……」

 

     和真「そう、なのか……?」

   デュアン「そうなのだろうか……」

     保科「どうだろうか……?」

     綾地「そうなのでしょうか……?」

     椎葉「えぇっと……そうか、な?」

     因幡「……先輩方!?」

     保科「また、話が逸れたぞ……」

   デュアン「おっといけないいけない……相談だったな」

 

だが、実際のところ。和真は、海道と違ってしっかりしている。成績はまぁまぁ優秀の部類だ。不真面目で、目立ちたくないオレとは正反対な性格をしている。和真は目立ちたがり屋というより、好きな相手には積極的なアピールをしている・・・動物で例えるなら犬かな?

 

と言うか、オレが単に捻くれてるだけだけどな。

 

     和真「んで……戸隠先輩の好きな物とかを調べて欲しいんだ」

   デュアン「会長の好きな物か……知らんな。そもそも、オレ……会長のこと、苦手意識があるし」

 

     椎葉「えっ……そうなの?」

     保科「そういや……そうだったな。理由までは聞いてなかったけど」

 

     和真「ふーん……デュアンらしかぬ発言だな……デュアンって女子なら誰でも好きそうなイメージだと思うんだが」

 

   デュアン「そんな訳なかろう」

     保科「なんか……話が脱線してるぞ。和真……お前は相談しに来たんだろう」

 

     和真「そうだったそうだった……会長の好きなものとか、好きなタイプとか居たら教えてくれ」

 

   デュアン「了解した……明後日までに答えだしとくよ」

     保科「もう27日だぞ……」

     綾地「冬休みに入っちゃってますからね……」

 

それ以前に、オレと柊史と綾地さんと紬には時間が限られている。

 

 

つまり・・・和真の依頼を受けようが受けないが時間遡行しちゃったら、リセットされてしまう。

だから、次の時間軸でやることは・・・

 

・小学校地点で、綾地さんと柊史を会わせる。

・早い段階で、紬と一緒になる。

・高校の1年で和真と会長をくっつける

 

難しいが・・・やってやれないことはない。

 

   デュアン「大事なことをいい忘れていた……和真、お前……会長のこと何時から好きだったんだ?」

 

     和真「え?そりゃ……1年の頃から……いや中学の頃かな?」

     保科「えっ……和真って、何時から会長と出会ったんだ?」

     和真「少なくても中学の春ぐらいかな?」

   デュアン「…………」

 

なるほど・・・やることが増えちゃったが。やれないことはない。

 

いい情報だ。

 

     和真「?」

   デュアン「和真……とりあいず。schwarz・katzeで会長を誘え。そして、好きなのおごってやるって言って……雰囲気を作るんだ」

 

     因幡「?どんな風に、ですか……デュアン先輩」

   デュアン「んなものオレが知るか……オレは和真じゃないし、オレの取り柄ってほどんどねぇからよ」

 

     保科「た、たしかに……だけど、お前は優しさって取り柄がるだろ!」

 

     綾地「そうですよ……デュアン君は誰にでも優しいじゃないですか」

 

     椎葉「うんうんっ……人だけじゃなく、動物にだって」

   デュアン「……、……オレは優しくない」

 

昔を思い出す。

 

オレは、優しくなんて無い。

 

世界を敵に回してでも、一個人を救い・・・その救った個人にオレを殺させたり・・・

 

オレを好きだって言ってくれた人を置いて、自害に近いことをして、死んだりしたからな。

 

人でなしが充分お似合いの称号だ。

 

     デュアン「とにかく、オレにアドバイスできることは……それくらいだ……悪いが、帰らせてもらうな」

 

       保科「お、おぅ……」

       綾地「お疲れ様です……」

 

オレは、荷物を纏め。バッグを肩に背負い教室へ出ていく。

 

      

 


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