サノバウィッチに転生して、青春を謳歌したい 作:ミュウにゃん
次の日、いつもの日常でオカ研の部屋で・・・
保科「今日は、先輩は……来てないね」
綾地「戸隠先輩なら、今日は学生会の方に用事があるって言ってましたよ?」
椎葉「なんだろう?イベントかな?」
因幡「えぇ?!クリスマスの後のイベントって流石に無いですよね……?」
綾地「えぇ……」
デュアン「……、……」
コンコンッとノック音がする。
綾地「はい。どうぞ」
保科「……」
デュアン「っ……!」
?「あのー……相談したいことがありまして」
デュアン「和真……お前がオカ研に相談事があることなんて珍しいな」
こいつ、基本的におちゃらけてるからな・・・
和真「オレにだって、悩みごとの一つや二つあるぞ」
保科「そうなのか?」
和真「柊史よ……人間に悩み事が無いなんてことは……絶対にあり得ない……完璧な人間と同じく、な」
因幡「デュアン先輩がそれに該当しそうですが……」
椎葉「た、たしかに……」
綾地「同じく」
保科「あー……」
デュアン「みんなして、オレを何だと思ってんだ!!」
オレを完璧超人だと思ってるだろ!
椎葉「えっと……完璧超人?」
和真「スパコン並の演算力と瞬間記憶能力?」
デュアン「演算力は勝手に身につくぞ?記憶能力は、生まれつきだからしょうがない」
保科「記憶能力かぁ……いいよなぁ。テストとか絶対に赤点とか取らない便利要素の一つだよな……」
デュアン「でも、瞬間記憶能力って……脳に負担がかかって、不便だぞ……六法全書クラスを数ページを一瞬で読めば、まず嘔吐は確実、全ページを読めば、気絶は待ったなし」
リリカル世界線だが、ジュエルシードや大結界を張った時に
椎葉「うぇ!?」
デュアン「オレのことはどうでもいい……和真。お前の要件を言えよ」
保科「あっ……そうだった」
綾地「ゴホンッ……それで、井上くんはどういう要件で来たのでしょうか?」
和真「えーっと、だな。実は好きな人が出来て、さ」
デュアン「ほぅ?珍しいな」
和真「お前にだけは言われたくないぞ……」
保科「た、たしかに……」
綾地「あ、はは……デュアン君は、人の好意に鈍感すぎますからね」
デュアン「っるせ……オレはただ、愛に気付けなかっただけだ……だから、こうやって紬と恋人になったんだ」
オレは、紬の方へ顔を向け、にっこりと微笑む。
椎葉「デュアンくんっ」
紬は照れてしまった
綾地「それで……好きな相手、とは誰のことでしょう?」
因幡「あっ……私も気になります」
和真「先輩だな」
デュアン「先輩……和真が好きになる相手って大抵は学校の人気者だからな……クラスで人気者で先輩となれば……」
保科「戸隠先輩だな」
和真「ちぃ……これだから頭のいいヤツは嫌いなんだ」
デュアン「オレと柊史が居れば……ウソや隠し事が出来ないと思ったほうがいいぞ……柊史はリアル心理学を持ったヤツだからな」
因幡「えっマジですか?!」
デュアン「大マジだ……だいたい、ウソや隠し事をしてるって見抜くのは結構簡単だぞ」
因幡「うっそだー」
デュアン「ちなみに、柊史はその上位互換版で相手の先を読むことができる「コールドリーディング」を習得している」
和真「すげぇな……って、相談に乗って欲しいんだよ!」
デュアン「……お前が戸隠先輩が好きなのは分かった……んで、俺らオカ研に何をして欲しいんだ?」
椎葉「もぅ……デュアンくんったら」
因幡「井上先輩が戸隠先輩のことが好きなんて珍しいですね……」
和真「そう、なのか……?」
デュアン「そうなのだろうか……」
保科「どうだろうか……?」
綾地「そうなのでしょうか……?」
椎葉「えぇっと……そうか、な?」
因幡「……先輩方!?」
保科「また、話が逸れたぞ……」
デュアン「おっといけないいけない……相談だったな」
だが、実際のところ。和真は、海道と違ってしっかりしている。成績はまぁまぁ優秀の部類だ。不真面目で、目立ちたくないオレとは正反対な性格をしている。和真は目立ちたがり屋というより、好きな相手には積極的なアピールをしている・・・動物で例えるなら犬かな?
と言うか、オレが単に捻くれてるだけだけどな。
和真「んで……戸隠先輩の好きな物とかを調べて欲しいんだ」
デュアン「会長の好きな物か……知らんな。そもそも、オレ……会長のこと、苦手意識があるし」
椎葉「えっ……そうなの?」
保科「そういや……そうだったな。理由までは聞いてなかったけど」
和真「ふーん……デュアンらしかぬ発言だな……デュアンって女子なら誰でも好きそうなイメージだと思うんだが」
デュアン「そんな訳なかろう」
保科「なんか……話が脱線してるぞ。和真……お前は相談しに来たんだろう」
和真「そうだったそうだった……会長の好きなものとか、好きなタイプとか居たら教えてくれ」
デュアン「了解した……明後日までに答えだしとくよ」
保科「もう27日だぞ……」
綾地「冬休みに入っちゃってますからね……」
それ以前に、オレと柊史と綾地さんと紬には時間が限られている。
つまり・・・和真の依頼を受けようが受けないが時間遡行しちゃったら、リセットされてしまう。
だから、次の時間軸でやることは・・・
・小学校地点で、綾地さんと柊史を会わせる。
・早い段階で、紬と一緒になる。
・高校の1年で和真と会長をくっつける
難しいが・・・やってやれないことはない。
デュアン「大事なことをいい忘れていた……和真、お前……会長のこと何時から好きだったんだ?」
和真「え?そりゃ……1年の頃から……いや中学の頃かな?」
保科「えっ……和真って、何時から会長と出会ったんだ?」
和真「少なくても中学の春ぐらいかな?」
デュアン「…………」
なるほど・・・やることが増えちゃったが。やれないことはない。
いい情報だ。
和真「?」
デュアン「和真……とりあいず。schwarz・katzeで会長を誘え。そして、好きなのおごってやるって言って……雰囲気を作るんだ」
因幡「?どんな風に、ですか……デュアン先輩」
デュアン「んなものオレが知るか……オレは和真じゃないし、オレの取り柄ってほどんどねぇからよ」
保科「た、たしかに……だけど、お前は優しさって取り柄がるだろ!」
綾地「そうですよ……デュアン君は誰にでも優しいじゃないですか」
椎葉「うんうんっ……人だけじゃなく、動物にだって」
デュアン「……、……オレは優しくない」
昔を思い出す。
オレは、優しくなんて無い。
世界を敵に回してでも、一個人を救い・・・その救った個人にオレを殺させたり・・・
オレを好きだって言ってくれた人を置いて、自害に近いことをして、死んだりしたからな。
人でなしが充分お似合いの称号だ。
デュアン「とにかく、オレにアドバイスできることは……それくらいだ……悪いが、帰らせてもらうな」
保科「お、おぅ……」
綾地「お疲れ様です……」
オレは、荷物を纏め。バッグを肩に背負い教室へ出ていく。