転生したら白いぷにぷにの物体になった件について   作:不動大名

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大分遅くなってすみませんでした。


出会いと別れ

 オッス、オラスライム。通り魔から後輩を庇って死んじまって、ラノベの物語にあるような異世界転生したものは、良いもののまさか転生先がスライムだったぜ。いやほんと、何でスライムなんだよ。

もっと他に合っただろ。ハア~。まあ、それを受け入れてしまっている俺はある意味大物なのかもしれないな。

 

 まあ、この体も今ではもう慣れたもので、それにこの世界にはスキルというものが存在するらしい。最初いきなり『大賢者』に話しかけられたときは驚いたが、この世界で初めての話し相手もできて浮かれてしまったよ。

 

 その後、すぐ水に落ちちゃったけど。

 

 まあ、一番驚いたのは、ヴェルドラに初めて会ったときだな。あの時は本当にびっくりした。だって、異世界に来て最初に親切にされた相手が物凄い迫力のある竜なんだぜ?そりゃあ、驚くだろう普通。まあ話してみたら意外と話し好きで、寂しがりなおっさんだったけど。

 

 ヴェルドラは300年前に勇者に封印されてからずっとこのままらしい。てか勇者とかいるんだ。さすが異世界。どうやらその勇者は女の人みたいで、やけに嬉しそうにその勇者についてヴェルドラが話していているもんだから見とれて負けたのと俺は思っている。本人は否定していたが、明らかに図星だったしな。

 

 そしてなんやかんやあって俺たちは友達同士になって、握手?を交わしヴェルドラの封印を解くためにはどうすればいいか『大賢者』に相談をして、封印を解除するために俺の胃袋に入れようとした時にヴェルドラが何かに気づいたのか洞窟の奥の方に目を細めて見ている。

 

 (どうかしたか、ヴェルドラ?)

 

 (ほう、今日は珍しい客人が多いな)

 

 俺はヴェルドラのが向いているほうに向きを変えてみると、奥の方から何やら不思議な白いオーラがこちらにゆっくり向かって来ている。何だろうあれ。キラキラと神秘的なもの感じて綺麗だ。俺がオーラのようなものに見惚れているとモゾモゾ動いているのもの発見した。恐らくあれが白いオーラのようなものを出している発生源だろう。

 

 (なんだあれ。白い‥‥スライムか?でもなんか中心の部分が赤く光っているような。う~ん、白いオーラと混ざってよく見えないな)

 

 その白いスライム?みたいなものが俺たちの近くまでくるとピタッと動きを止めた。お、止まった。

一瞬攻撃でも仕掛けてくるのかとおもって、身構えていたが一向に攻撃してこず、寧ろどうすればいいのかウロウロとしている。なんか可愛いなこいつ。

 

 (おい、そこの小さき者よ)

 

 一瞬俺が呼ばれているのかと思ったがそうではなく、どうやら白い方に話しかけていているらしい。

それ俺の時も言ってなかったけ。使いまわしているのかそれ。

 ヴェルドラが話しかけるとそいつがビクッと反応していた。うん、分かる。急に話しかけられたびっくりするよな。

 

 (えっと~、お、俺のことっすか?)

 

 (そうだ。貴様のことだ。貴様、見えてないのか?)

 

 (み、見えないわけではないんですが、見える範囲がその…狭いというか…ちょっと成長期というか)

 

 (つまり、見えないのだな)

 

 (‥‥…はい)

 

 お、おお。目に見えるほどの哀愁が漂っている。

 

 (ちょっとヴェルドラ。言いすぎじゃないのか?)

 

 (わ、我が悪いのか)

 

 いや、悪いわけじゃないけど。もう少し言い方をだな。

 

 (ハハ…いいんです。俺が勝手に意地張っているだけですから…ハハハ)

 

 (むう…。す、すまなかった。代わりに『魔力感知』というスキルを教えよう。)

 

 (『魔力感知』?何ですかそれ?)

 

 (周囲の魔素を感知するものだ)

 

 (簡単に言うと視ることも聞くことが出来るスキルだな)

 

 (是非お願いします!!!)

 

 (お、おう)

 

 それから、ヴェルドラが俺に説明しようとしたように『魔力感知』ことを説明した。俺だけ凄いデジャブ感を感じてしまうなコレ。

 

 (ふむ‥‥ん?)

 

 (どうしたんだ?)

 

 (いやあの、感じられないんですけど)

 

 (え?)

 

 どういうこと?

 

 ≪解。体内から発生している魔素が周囲の魔素を阻害しています≫

 

 え?こいつ魔素を体内で発生させてるのか?

 

 ≪解。本来魔物は周囲から魔素を取り込んでいますが、こちらの魔物は周囲の魔素からではなく体内にある核から発生した魔素を吸収し生命力を維持しています≫

 

 要するに、体に中に魔素がいっぱいあるせいで、外からの魔素を吸収出来ないってことか。う〜むどうしたものかぁ。

 

 (どうしたんですか?)

 

 (どうやら、お前の核?ってやつが体の中で魔素を発生させていて、それのせいで外からの魔素を吸収できないようにしているみたいだ)

 

 (え。そ、それじゃあ)

 

 (あ、いや、まだ決まったわけじゃないから。『大賢者』、どうすればいいんだ?)

 

 (ダイケンジャ?)

 

 ≪解。体内に発生している魔素と外気にある魔素と混ぜあわせ、体内に取り込むことにより、外気の魔素を知覚させることが可能と推測します≫

  

 (なんかお前から発生している魔素と外にある魔素を混ぜるてから吸収するといいらしいぞ?)

 

 (な、なんか難しいそうですね)

 

 ホントにな。言ってるこっちもそんなこと出来んのかって思ってるしな。

 

 (あ、出来ました)

 

 (いや、出来んのかよ!?)

 

 (え?)

 

 (あ、いや、なんでもない)

 

 つい心の声が漏れてしまった

 

 ≪確認しました。エクストラスキル『魔力感知』獲得≫

 

 ホントに出来たんだ。ん?今のって

 

 (お?おお!おおおおおおおおお!!)

 

 な、なんだ?どうしたんだ?

 

 (視える!!視えるぅぅぅぅぅ!!)

 

 (お、おう。よかったな)

 

 凄いな顔の形がわからんのにめちゃくちゃ喜んでいるのが分かるぐらいの飛び跳ねてるな

 

 (む?ようやく終わったようだな。待ちくたびれだぞ)

 

 おいおい、出番がなかったからってそんなにむくれるなよ

 

 (はい!ありがとうござい)

 

 (では改めて名乗ろう)

 

 (我が名は暴風竜ヴァルドラ!!!)

 

 (この世に4体のみ存在する竜種が1体である!!クァーーーハッハッハ!!)

 

 え?俺と出会ったときと同じ自己紹介してない?もしかして自己紹介のフレーズ、それしかないのか?

 

 (ギャーーーーーーー!!)

 

 うん、驚くよな。目の前に竜なんかいたら。

 

 (ドラゴンが喋ったーーーーーーー!!)

 

 そこ!?いや、確かに驚くところだけど最初に気づくのがそこなのか!?

 

 (いやいや、もっと突っ込むところがあるだろ)

 

 (ウギャーーーーーーー!!スライムが喋ったーーーーー!!)

 

 俺もなの!?めちゃくちゃ喋ることに対して驚いてるけど、そこそんなに重要なのか!?

 

 (いや、お前も似たようなもんだろ!)

 

 (へ?)

 

 (そこで自分を見てみろよ)

 

 俺はちょうど近くにある水たまりを指差した。そいつは慌ててそこにいくと

ピキっと固まり、ぷるぷると震え出した

 

 (ギャーーーーーーー!!誰だお前ーーーーー!!)

 

 いやだからお前だよ!

 

 (落ち着け!)

 

 (ヘボッ!)

 

 俺はそいつの頭?を思いっきり叩いた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 そいつはようやく落ち着いて、色々と話してくれた。自分が俺と同じ前世で死んでしまいここに転生してきたこと。一週間ぐらいこの洞窟を彷徨っていたこと。そして自分がどうやって死んでしまったのかは覚えていないことを。

 

 (へーー!ヴェルドラさんってめちゃくちゃ強い竜なのか)

 

 (うむ!何せ我は魔王にも恐れられている存在だからな)

 

 (おぉー!カッケェー!!)

 

 (そ、そうか?)

 

 (うん!!)

 

 うーんこれなかなか深刻な感じじゃないか?自分が死んだ理由を覚えていないとかそうあるのか?衝撃的なシーンだから余計に脳にこびりついて忘れられないと思うけど。

 

 (ねーねー!ヴェルドラさんって光線みたいなものを出す技みたいなものってないの?)

 

 (光線?竜ブレスみたいなものか?)

 

 (あるの!?)

 

 (当然だ。我を誰だと思っている暴風竜ヴェルドラだぞ!)

 

 (おお〜〜〜!!すげ〜〜〜!!)

 

 まあ、余程ショッキングなことで脳が記憶を遮断するってこともあるってドラマとかで見たことあったけ?

 

 (じゃあヴェルドラさんって末っ子なんだ)

 

 (うむ。我は竜種の中で後から生まれたからな)

 

 (へ〜!あっ!じゃあ竜種の中じゃ一番誰が強いの?)

 

 (えっ!!あっいや……もももももちろん我が最強に決まっておろう!)

 

 (おーー!!最強の竜!!)

 

 (ゔっ!)

 

 もしそうならそっとしておいたほうがいいかかもしれないな。まぁ良い記憶じゃないならそっちの方がいいしな。

 

 (しかし!後少しのところで勇者のスキル『無限牢獄』が、発動してしまいここに封印されしまっているのだ)

 

 (ええ〜!ヴェルドラさんに勝った勇者って一体何者なんですか?)

 

 (我にも分からん。だが次再戦した時は我が勝つがな。クハハハハ!)

 

 (お前ら一体何やってだ?)

 

 こっちは色々と考えとる時に

 

 (いや〜ヴェルドラさんの話し聞いてたら面白かったので、つい聞き込んじゃって)

 

 (む?さんなどつけなくて良い。我と貴様はもう友達だからな)

 

 (いいの!?)

 

 (無論だ。我もそこのスライムとも友達だからな)

 

 (竜と友達のスライムさん……カッコいい!)

 

 (えっ。そっそう?)

 

 (うん!)

 

 なっなんかそう褒められるとなんか照れるな\\

 

 (よろしく!ヴェルドラ!えっと…スライムさんの名前ってなんですか?)

 

 (そういえばこの世界に来てから名前なんて決めてなかったな)

 

 (うむ。そのことなんだかな)

 

 (なんだ?ヴェルドラ)

 (我がお前たちに名を刻もうと考えておる。そしてお前たちも我ら共通の名を考えよ。同格ということを魂に刻むのだ)

 

 共通の名前……名字みたいなものか

 

 (なんかそれって、家族みたいですね)

 

 (確かにな)

 

 (む?家族か?)

 

 (うん!前の世界じゃあ家族になる人と同じ名字にしてたんだ)

 

 まぁこっちの世界じゃ、そういう認識では無さそうだけどな

 

 (クク)

 

 (ヴェ、ヴェルドラ?)

 

 どうしたんだ?急に

 

 (クハハハハハハハハハハ!!)

 

 (え?今僕、面白いこといったかな?)

 

 (いや、多分言ってないぞ?)

 

 (この我と!暴風竜ヴェルドラと!スライムの分際で、家族になろうと!)

 

 (な、なろうていうか。か、家族みたいだなあ〜って)

 

 (クハハハハハハ!!)

 

 (いやホントどうしたんだよヴェルドラ)

 

 なんていうか興奮?してないか?

 

 (いや、すまんな。少し取り乱した)

 

 え?あれ少しか?だいぶ取り乱していたように見えたけど

 

 (今まで異世界人と何人か会ったが、家族になろうといってくる奴は初めてだったからな)

 

 (あ〜〜そういことね)

 

 まぁ確かに急に初対面で、家族みたいな感じって言われたらコイツ大丈夫か?ってなるしな

 

 (よかろう!我々はこれから友達兼家族だ!)

 

 (いいのかよ。そんな簡単に決めちゃって)

 

 (無論だ!我は暴風竜ヴェルドラだからな!)

 

 まぁ俺は別にいいんだけど。ん?暴風竜…暴風…嵐。確か嵐って英語でいうと

 

 (なあ、ヴェルドラ)

 

 (ん?なんだ)

 

 (名前、テンペストていうのはどうだ)

 

 (それって確か日本語でいうと嵐だったよね)

 

 (ああ。暴風竜のところから取ってみたんだ)

 

 ぶっちゃけ、コレしかもう思いつかないが

 

 (素晴らしい響きだ、今日から我はヴェルドラ=テンペストだ! 

 ではお前には……"リムル"の名を授ける! リムル=テンペストを名乗るがよい!そしてお前の名は"ロイド"の名を授ける!ロイド=テンペストと名乗るがよい!)

 

 リムル=テンペストか。いい名前だな

 

 (おぉ!ロイド=テンペスト!ヴェルドラ、名前ありがとう!)

 

 (うむ!)

 

 (それじゃあヴェルドラ。早速俺の胃袋に)

 

 (え!?ヴェルドラ食べちゃうの!?)

 

 あっやべ。まだロイドに説明していなかったな

 

 (その前にリムルよ。少しロイドについて話しておかなければならぬ)

 

 俺がロイドに説明し終わった時、ヴェルドラはいつになく真剣な表情で言ってきた

 

 (え?僕)

 

 (そうだ。ロイドが普通のスライムではないことはリムルも気づいているのではないか?)

 

 (え?ま、まぁ確かに俺とは違って白いし、中に核っていう物があるけど)

 

 (えっ何それ?)

 

 なんで知らないんだよ

 

 (うむ。ロイドはこの世界で特に珍しいといわれている"ホワイトスライム"という名前で世に知られている)

 

 (見たんまんまな名前)

 

 (いや、ホントにな)

 

 誰だよそんな名前つけた奴

 

 ≪解。種族名"ホワイトスライム"は白い個体と核が特徴的であり、百年、千年にしか生まれてこない特殊な個体であるため、その実、未だにその生態を解明されていません≫

 

 えっ?そうなの?

 

 (我も見たのはロイドを含めて2回程度しか会ったことがないが、中でもロイドのその核が特に特殊だ。本来の"ホワイトスライム"は魔素は発生しない。だがロイドの場合、核が魔素を発生させ、その上、質が良い)

 

 (魔素に質の良さとかあるのか?)

 

 (多いにある。魔素は魔物にとって力の源といってもいい。その魔素の質が高ければ高いほど本来の力を更に発揮することができる。我も魔素の質は高い方であるが、ここまでの魔素の質は見たことがない)

 

 (いや〜それほどでも〜)

 

 (だが、その分、狙われることが多くなるだろう)

 

 (え?)

 

 狙われる?

 

 (その核の力膨大だ。膨大が故に、その価値を欲するものが出てくるだろう。それにロイドはまだ生まれたばかりで、その魔素に身体が馴染んでいないせいでが制御が出来ておらん。その溢れ出る魔素に惹きつけられた奴らは魅せられる。ここに来るまでに襲われたのではないか?)

 

 (襲われた!めちゃくちゃ襲われた!怖かった!)

 

 (なるほどな。確かにロイドの力にいるとリラックスできるとういうか。心地が良いって感じるな)

 

 こう、なんていうか、内側からポワポワと温かい感じがするな。

 

 (ここから出ると更に多くの者たちがお前に惹きつけられるかもしれん。だから早めに制御する力を身につけておけ)

 

 (あばばばば!どどどうしようリムル!?)

 

 (落ち着けって。大丈夫だからもしものときは俺がいる)

 

 (リムル!)

 

 (おーよしよし。大丈夫だぞ〜)

 

 ロイド俺に向かってくっついてきた。なんかこんなことしてると弟が出来たみたいでいいな

 

 (む!我もあるぞロイドよ!)

 

 いや嫉妬すんなよ

 

 (まぁともかく十分気をつけておけ、ロイドよ)

 

 (うん!ありがとう!ヴェルドラ!)

 

 (さてロイドの現状も把握出来たことだし、ヴェルドラ、準備はいいか?)

 

 (とうに出来ておる)

 

 (あっ待って、ヴェルドラ)

 

 (む?)

 

 ロイドがヴェルドラの近くに行き、ニョキっと手を出していた

 

 (ヴェルドラ。指切りしよう)

 

 (指切り?とはなんだ?)

 

 (おまじないみたいなもんだよ。僕たちの世界じゃ、約束するときに指をくっつけてやるんだ)

 

 (小さい頃によくやってたな、それ。なら俺もやろうかな)

 

 大人になってから見るとだいぶ怖い内容だけどな

 

 (ふむ。まぁ良いだろ)

 

 ヴェルドラも爪を出して、俺たちの手にくっつけた

 

 (指切りげんまん♪嘘ついたら針千本のーます♪指切った♪)

 

 こうして、俺たちは約束を交わし、ヴェルドラをユニークスキル『捕食者』で飲み込んだ

 

 ≪ユニークすきる『無限牢獄』の解析を行いますか?≫

 

 (もちろんYESだ!頼むぞ『大賢者』)

 

 

 




ちょっと設定が適当すぎたかな

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