帝王とテイオー、2つの存在が交差する時、二つの戦場に新たな風が巻き起こる。
彼らの姿を、彼女らの歩みを、彼らの強さを、彼らの成り立ちを知るものは皆口を揃えてこういうであろう。

「彼/彼女らこそが帝王だ」と。



【あてんしょん】

・この物語は文才皆無な筆者が満足するために書いたクロスオーバーものです。
・主は百合豚で感想乞食です。
・結構誤字脱字が多いかもしれません。
・ウマ娘だけ、或いは遊戯王だけしか知らない人からすれば読みにくいかもしれません。
・主は百合豚で評価乞食です。
・両方知ってる人からしても読みにくいと思います。
・超不定期更新です。
・主は百合豚です。

以上のことが許容できる方のみこのままお進みください。

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帝王の栄冠

 最も強いウマ娘が勝つと言われている長距離レース、菊花賞。距離はなんと3000mもあり、これはウマ娘達にとってはデビュー後ほぼ初めて走るGⅠの長距離レースになるだろう。

 このレースには脚質だったり戦績だったりと、兎も角色々な理由で限られた者しか参加できない。

 ウマ娘の上澄の部分が集まったようなレースだが、そんなレースにどうやらデビュー以降一度も負けたことがなく、過去に皐月賞と日本ダービーで2着以降に()()()勝利してきたウマ娘がいるらしい。

 ──いや、『らしい』、ではなく、『いる』。

 

『最終コーナーを回って最初に飛び出したのは──テイオー!』

『速い速いもはや独走状態!』

 

 前目につける先行策をとっていた彼女は、最終コーナーを抜けるや否や、その身に溜めていた力を解き放ち、凡人……失敬。凡ウマ娘を悉く抜き去り、どんどん距離を突き放していく。

 あるウマ娘はその姿を見て顔に悔しさを滲ませ、あるウマ娘はその走りを見て恍惚の表情を浮かべ、あるウマ娘はその背を見て瞳に諦めを浮かばせた。

 一応のフォローをしておくと、彼女達は決して弱いわけではない。GⅠレースという、数あるレースの中でも実力者が参加できるレースに参加できている時点で、彼女達がただ弱いだけではないことが窺える。

 しかし、しかしだ。それでも彼女達は届かない。絶対的な力を持つ帝王の前では等しく無力だった。

 

『ゴールまで残り200m! “皇帝”以来の偉業達成なるか!?』

 

「はぁっ、はぁっ!」

「っ! 無理ぃ……」

「勝てるわけ……ないよぉ……」

 

 一歩、また一歩とそのウマ娘がゴールに近づくにつれて、観客達の歓声は大きくなっていく。

 彼らは身勝手にも何度も抱いては諦めかけて、しかしそれでも諦めきれず、あの栄光の瞬間(無敗の三冠ウマ娘誕生)をもう一度見たいがために、ただ一人で先頭を走るウマ娘だけに期待を込めるのだ。

 

『残り100mを通過! 栄光の三冠まであと僅か!』

 

「いけぇぇぇ!」

「俺たちに伝説を見せてくれ!」

「やっちゃえテイオー!」

 

 あと数秒で決着がつく。

 この会場内の大多数が望んでいる最高の結果が、ターフを走る彼女らにとっては最悪の結末が、そして、テイオー(帝王)である彼女にとっては当然の結論が叩き出される。

 

「……行け! ()()()()()()()()!」

 

「──ボクが、ボクこそが! 最強の……テイオー(帝王)だぁっ!」

 

 一瞬の静寂。その後に爆発的に湧き起こった歓声。

 電光掲示板には勝者とそれ以外の明確な力の差が明示されており、会場の熱気具合やウマ娘の表情などから見て、この結果がどういったものだったかは語るまでもないが、それでもあえて語るとしよう。

 このレースの、菊花賞を制したのは──()()担当ウマ娘であるトウカイテイオーだ。

 

 ◆

 

 この世にはデュエルモンスターズっていう世界的に人気のあるカードゲームがあるらしい。ボクもトレーナーに誘われて何回かやったことがあるけど、ルールの複雑さとカードの種類の多さから実際に遊ぶのは挫折した。

 そんなカードゲームの大会が、ボクの目の前で行われている。より正確にいうのなら、目の前にあるテレビ画面に映っている。

 

『──私はジャンクシンクロンを通常召喚! この瞬間! 墓地のドッペルを蘇生!』

 

 後攻1ターン目、状況を見ると、先行のプレイヤーの場は2枚の伏せカードと伏せモンスター1体だけ。このゲームにしては珍しく静かな動きだけど、これでもボクにはわかる。これは()()()()のウマ娘が脚をためている状態と同じ。つまりは──彼はここから動き始める。

 

『ならば速攻魔法発動。()()の烈旋発動。その後、《天帝》の効果発動』

『っ!? 私のジャンクシンクロンが!』

 

 画面越しでも伝わる振動。つい膝をついてしまうかのような威圧感が対戦相手を、画面越しのボクを襲う。

 

 ──なあテイオー。お前は本当に()()の座を狙ってるんだろ? 

 ──それなら、いつかお前に見せてやるよ。

 

 ──最強の()()をさ。

 

『現れろ! 天帝アイテール!』

 

 初めて出会った時から、初めて話した時から彼からずっと感じていたオーラ。それの正体を初めて見た時、ボクは自分がまだ弱者の立場にいることを理解させられた。

 ──だからこそ強くなろうとした。いつか見た|()()()()()()()()()()()()()()

 

『──俺のターン、ドロー……バトル!』

 

 彼の場には、いつのまにか何体もの帝王が揃っていた。

 彼らもまた性質は違っていても、威厳ある帝王(強者)には違いない。けれど、だからこそその中で抜きん出ている()()の格の違いが見てわかる。

 

『風帝、雷帝、氷帝、光帝、そして天帝。格の違いを見せつけてやれ』

 

「っはは、相変わらず何が起こっているのかはよくわからないけど、やっぱりいつ見ても恐ろしいね。()()()()()の帝王は」

 

 ◆

 

 この後に、彼らは()()()()()()ウマ娘(帝王)トレーナー(従者)》と呼ばれることとなり、あの皇帝をも超えた存在として未来永劫語り継がれることとなる。

 

 

 

 ──これは帝王と共に歩む《決闘者(デュエリスト)》と、いつか見た皇帝の軌跡を辿る《帝王(ウマ娘)》の物語、その断片である。




・トレーナー
大型の大会に出てるような決闘者。なお今話では結構手札事故ったけど相手もよろしくない手札だったのでそのままカードパワーで押し切った。使用デッキは『帝』

・トウカイテイオー
既に無敗の3冠ウマ娘達成することが確定したウマ娘。デビュー以降全てのレースを大差で勝利するとかいう偉業?を成し遂げている。他の馬娘は泣いて良い。

・世界観
原作のウマ娘プリティダービーの世界観に遊戯王の世界観が一部ぶち込まれたような世界。デュエルのプロが職業として成立している世界観なので、細かいことは気にしては行けない。ちなみに世界観は似たようなものだが、世界線は別物なので一部展開が原作と変わってるところがある。(遊戯王が関わっているから手遅れとか言ってはいけない)

・この世界の環境
何故か大体のデッキテーマが大会に出ている上、このデッキだけが明確に勝つというものが何故かないので、群雄割拠もいいところである。端的に還元するなら、全てのテーマが環境テーマの世界。尚世界一はインフェルニティの模様。



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