怠惰な愚者は霊能力と殺意を持って   作:ワンフォーワン

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あ、皆様どうもお久しぶりでございます。ワンフォーワンです!

最近、動画編集にハマってしまって全然書いてなかったです。ごめんなさい

それでは!どうぞ!


彼は未だに子供である

これは、私が彼と出会う……いや、惚れた日の思い出。

 

 

彼は孤独な私を救ってくれた。

 

嫉妬と憎悪、そんな悪意から彼は私を守ってくれたのだ。

 

そんな相手を好きにならない理由がない。

 

例え、彼の眼中になかったとしても。

 

 

 

 

 

 

 

僕は今、殺せんせーの授業を受け、その後の休み時間にいるわけだが……

 

「なぁ、神宮寺。お前どうやって殺せんせーの触手を切ったんだ?」

「どうやってチョークを浮かしたの!?」

「ボソボソ言ってたけどなんかの呪文!?」

「まさかスタンド使い!?」

 

スタンドとは何だろうか……分からないなぁ。呪文……は近いのかな、多分近い?

 

「眠、い……」

 

とても眠い中、クラスメイトに囲まれている僕。めちゃくちゃ眠い。質問返信とか受け付けてないから。アトム法律事務所とかに出してあげて。ほら、国家機密が殺せるといいですねぇって言いながら授業をするのは犯罪ですか?とかさ。

 

「どうしたの殺せんせー?」

 

「今とても悪寒がしました……」

 

「えぇー、風邪とか?大丈夫?」

 

と言いながらブルブル震えている殺せんせーに切りかかるショートカットの女子。何このクラス怖い。

 

「賢也くんが困ってるじゃん。少し時間を置いたりしてあげよ?」

 

やだこの矢田さんっていう美少女超優しい。ドラクエだったら神宮寺賢也の好感度が1上がった、とか出てくるよ?好感持てる。てなわけでおやすみなさい。

 

「賢也くん、放課後ちょっと話したいから一緒に帰ろう?」

 

僕が本気で寝ようと目を閉じた時、右耳にボソボソと囁かれる。この声は……矢田さんか。まあ、彼女なら大丈夫だろう。もし、いつものだとしても対処できる。

 

「父さん」

 

ボソッと小声で父さんを呼んで、クラスメイトの間をかいくぐり、矢田さんのノートを開く。筆箱からシャーペンを拝借し、「了解」と書く。しかし……

 

 

 

 

……矢田さんが全く驚かず、手の動きを視線で追えていたのは何故だろうか?

 

 

 

 

…Noside

 

殺せんせーの授業やクラスメイトとの絡み、その他諸々濃い日だったが神宮寺賢也にとっては今からが本命。放課後、足早に教室を抜け出し、車椅子を矢田桃花に引いてもらいながら帰っていく。

 

二人は少しずつ世間話に花を咲かせながら、どこか気まずそうにしていた。二人とも家が遠く、車椅子でゆっくり帰っていたこともあり、家の近くにつく頃にはもう夕方だった。

 

「もう夕方だね〜」

 

「ぅん…そう、だね」

 

「そろそろ喋るのも慣れてきた?」

 

「おかげさま、で」

 

「そっかそっか!それは良かった〜」

 

神宮寺は相変わらず眠たそうに、矢田は心から嬉しそうに微笑みながら、帰路を歩く。そして…

 

「さて、矢田…さん」

 

「どうしたの神宮寺君?」

 

「ちょっと…止めて、くれる?」

 

矢田は言われたとおり、車椅子を止め、神宮寺がゆっくりと立ち上がる。ゆっくりと矢田の方へと振り返り…

 

 

 

「君は…何者、なの?」

 

 

 

クマがこびりついた濁った目で矢田を睨み、黒き腕を呼び出す。その腕は呼び出した神宮寺の意思に対応するように力を込める。

 

「……賢也君」

 

「……答え、て」

 

神宮寺の言動に矢田はとても悲しそうに目に涙を浮かばせながら、それと同時に暖かく優しい目で神宮寺を見ていた。

 

「……ちょっと言葉にしづらいかな…」

 

「そうか……残念、だね…」

 

と言いながら、濁った目で黒い腕をゆっくりと矢田に近づけていく。ゆっくりと少しずつ矢田の体をその手で握り潰そうと動く。

 

「でも、私は賢也君の敵じゃない」

 

「……根拠が、ない」

 

「なんで賢也君は、そんなに寂しそうなの?」

 

ゆっくりと忍び寄っていた黒い腕がピタリと動くのをやめる。

 

「……何を、言ってい…るのか分か、らない」

 

「私は、あれから賢也君に何があったのか知らない」

 

「あれ…?あれって、何?」

 

「私は賢也君に守られてた。直接じゃないし、聞いても答えてはくれなかったけど君が守ってくれてたのに気づいてた」

 

矢田が口を開き、言葉を紡ぐ度に黒き腕は矢田から離れ、神宮寺の元へと戻っていく。まるで包み込むように、優しく慰めるよう親の様に、その腕は神宮寺を守っている。

 

「君はいつも眠たそうな目をしてて、つまんなそうな顔をしながら、難しそうな本を読んでボーッとしてた。……でも、そんな目をしてなかった」

 

「………」

 

プルプルと怯えるかのように震え、頭を抱えている神宮寺を優しく黒い腕が包み込む。そんな神宮寺に矢田は歩み寄っていく。

 

「そんな寂しそうじゃなかった。悲しそうじゃなかった。我慢してそうじゃなかった。今にも泣いてしまいそうじゃなかった」

 

真っ直ぐな目で神宮寺を見て、言葉を発しながら確かな足取りで近づいていく。黒い腕が守るように出てくるが、その目を見てか警戒するのをやめる。

 

「え、かあ、さん…?父さん…?なんで?どうして?」

 

「大丈夫、あの時の約束を忘れたならもう一度約束してあげる」

 

「何、これ…?水?雨?なんなの…わからない…」

 

ぽろぽろと涙を零す神宮寺に、黒い腕は静かに消えていく。自分の出番ではない、と表すかのように。

 

 

 

「私が辛い時、君が私を守って。そして、君が辛い時、私が君を守る」

 

 

 

そう言いながら抱きしめる矢田に、神宮寺は寄りかかり涙を零した。

 

 




えー、というわけでどうもワンフォーワンです。

三人称?っていうんだっけ?あんまり書かないので慣れないですねぇ……まあ、頑張ります、はい。

いつもどおり深夜に書いてるので語彙力死んでます。ごめんなさい。

それでは、また次回でお会いしましょう。

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