ドラゴンボール()   作:yosui

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サクッと行きます。


あれから4年

 孫悟天()が宇宙へ飛び出してから、およそ4年の月日が流れた。

 当初の予定通りであればそろそろ地球に帰りたいところではあったが、宇宙船に深刻な問題が発生してしまい、簡単には帰れなくなってしまったのだ。

 まず起きたのは通信機器の故障だ。これにより定期的に行っていたチチとの連絡も途絶えてしまった。次にマップ機能がの一部が破損、完全な故障ではなかったために探知範囲が狭くなった程度で済んだが、修行ばかりしていて地球の位置を見失ってしまった。こんな事なら地球にいる間にブルマからもっと色々教わっておけばとも思ったが、もはや後の祭りだ。

 

 孫悟天は今日も朝起きて日課の150倍重力修行を行う。彼は良くも悪くも仕方ないことは仕方ないとしてスッパリ割り切れるような性格をしていた。こういう所は孫悟空そっくりである。

 

 この4年の間、孫悟天は何も宇宙船の中だけで生活していたわけではない。いくつかの上陸可能な星に降り立ち、現地住民と交流したり、その星の特殊な生態系を観察するのは、彼にとって数少ない癒しとなっていた。勿論、地上に降りた際には、周りに影響が出ない場所を選びそこでしかできない修行もしている。気弾を使った修行などは、狭い宇宙船内では行えない。まだまだ気の制御が甘い子供のうちに、悟空のように狭い船内で自在に気弾を操るなんて芸当は不可能なのだ。もし万が一軽い気持ちでやっていたら、今頃宇宙の塵になっていたことだろう。

 

 そして何より最も重視した修行。スーパーサイヤ人への覚醒修行は、どうしても地上で行う必要があった。父親の初めての超化を見た際、凄まじいパワーの濁流が身体を襲ったのを覚えていた彼は、あれを宇宙船内で行うのは気弾を使った修行以上に危険だと認識していたのだ。ただそうなると、必然的に超化修行の時間は少なくなってしまう。なにせ地上にいる間しか修行できないのだから、あまり長居をしない事を条件に上陸させてもらったりしていた場合などは、殆ど修行出来ていなかった。そのせいで孫悟天が初めて超化を成し遂げたのは、今から約半年前、つい最近のことになってしまったのだ。

 

 超化に慣れてエネルギーの爆発を抑えれるようになるのに約半年の時間をかけ、再び宇宙の旅に戻った孫悟天。彼は日課の軽い運動を150倍の重力で済ませ、今日も超化して最大重力300倍での修行を始めるのだった。

 

 

 

 一方その頃、孫悟空は自宅であるパオズ山の家のベットの上で、胸を押さえて悶え苦しんでいた。その傍らには、妻であるチチと息子の悟飯が心配そうな顔をしながら都会から呼び寄せた医者の診察結果を待っていた。

 

「先生! 悟空さは、悟空さは治るだか!」

「詳しいことは病院で調べなければ分かりませんが、私の見立てではこれは心臓病の発作だと思われます。それもまだ治療法の確立していないウイルス性のものの可能性が高い。もしそうだとすれば、我々に出来ることは対症療法ぐらいしかありません。後はご主人の強さに賭けるしか」

「お父さん…」

「だ、大丈夫だべ! 悟空さはオラが今まであった中で1番強い人間だ! きっと病気さ勝って元気な顔見せてくれるはずだべ! 先生、その対症療法って言うのをやってけろ!」

「分かりました。それではまずご主人を病院に」

「うっ、ぐ、ぐあぁぁぁぁぁ!!!!???」

「いけない! 悟空さん、しっかりしてください! 頑張って耐えて!」

「悟空さ! 悟空さーっ!」

「グスッ、死なないで! お父さん!」

 

 孫悟空、死去。早すぎる死であった。そしてこの事からわかる事、それは未来からトランクスが来なかった事を意味している。そう、この世界は奇しくも孫悟天が回避しようとした絶望の未来に向かって動き出してしまったのだ。

 

 この時からさらに一年後に訪れる地獄。それを引き起こす恐ろしい悪魔の双子、その無機質な足音が一歩、また一歩と迫ってきていた。




絶望の未来って、あまりにも絶望感強すぎると思いませんか? 最後には宇宙ごと消滅って、そりゃ無いよ。

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