僕等のヒーローアカデミア-Awakening a New Power-   作:アマネ009

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深水操加と雷道電磁

『わかんない……わたしの個性こんなんだから……そうかちゃんは?』

 

『わたし?わたしはね……ヒーローなるの!』

 

 

「うぅん……」

 

深水操加は夢を見ていた。幼いころ友達と公園で将来の夢を語り合った事。操加はヒーローになりたいと答えたけど、その友達はなんて言ったのか思い出せずにいた。

 

「操加ー!早く起きないと遅刻しちゃうわよー!」

 

「は……!そうだった!」

 

今日は雄英高校の一般入試の実技試験の日、操加は自分の個性「操水」がどこまで通じるのか不安に思っていたが、やるからには全力でやるだけだと気合を入れた。

 

「操加ー?」

 

「はーい!今行くよー!」

 

朝食を取り、身支度を済ませ、母親に挨拶をせ、会場に向けて出発する。

そしていざ試験会場へと到達すると、まだ何も始まっていないというに緊張してきてしまった。

 

(緊張するなー)

 

一旦立ち止まり、頬をはたいて気合を入れなおす。そしていざ歩き出そうとしたところで。

 

「おい」

 

「ひゃい!」

 

突然後ろから話しかけられたことに驚いて、操加は思わず変な声を出してしまった。振り向くとそこには茶髪の男の人がいた。恰好からしても同じ受験生だが、一体何の用なのだろうか。

 

「落としたぞ、お前のだろ」

 

そう言って手渡してきたのはお守りだった。もしやと思い、操加はポケットを探ったが、ポケットには入ってなかった。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

母親から受け取ってそのままポケットに入れたのはマズかった、今ままで良く落とさなかったと、そう思った。

 

「今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」

 

筆記試験を終え、実技試験説明会場へと到着。着席してしばらく待っていると派手な見た目の男性が現れ、行き成りそんな事を言い出した。

しかし会場はそんな男性とは相反するように静まり返っていた。どこかで見たような気がすると思ったら、ボイスヒーローのプレゼントマイクだった。

 

「こいつぁシヴィー!!!受験生のリスナー!!なら実技試験の内容をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」

 

実技試験の内容が説明され始める。各自指定の演習会場へと向かい、そこで仮想(ヴィラン)であるロボットの掃討を行いそのポイントを稼ぐ。もちろんアンチヒーローな行動は控える事、それと事試験内容に直接関係ないギミックの存在などが説明された。

 

(ふむふむー、0ポイントですか……何か裏がありそうですね)

 

「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!真の英雄とは「人生の不幸を乗り越えていく者と」!さらに向こうへ"PlusUltra"!それでは皆、良い受難を俺からは以上だ!!それでは皆、良い受難を!!」

 

「模擬市街地演習」が行われる演習会場へと着く。演習会場というかそれは最早街にしか見えない、こんなのが複数あるというのだから驚きだ。

操加は周りを見回すと、会場前でお守りを拾ってくれた人と目が合った。

 

「その青みがかった長髪……同じ会場だったか」

 

「あ、はい。そうみたいですね」

 

「電磁」

 

「え?」

 

「俺の名前、雷道電磁」

 

「あぁ、なるほど。私は深水操加です」

 

自己紹介をしていると……

 

「ハイスタート!」

 

何の前触れもなくプレゼントマイクの声が響き渡った。

 

(え、スタート?まさかもう始まった……?)

 

周りは動いていないようだが、操加は構わずに走り出す。するとほぼ同時にもう一人だけ走り出していた。それはなんと電磁だった。

 

「おいおい!二人だけかよ!実践じゃカウントなんざねぇんだよ!!賽は投げられてんぞ!!?」

 

やはり、スタートの合図だったようだ。ほかの受験者たちも遅れて走り出す。

 

『標的ヲ補足武ブッ殺ス!!』

 

指先に水を集めて弾丸のように発射する、その水弾は見事ロボットを貫き、ロボットは爆散する。

 

「よしッ!行ける!」

 

操加はその後も調子よく、どんどんロボットを破壊していく。

 

一方電磁は……

 

「ふッ……!」

 

体から雷撃を放って、次々とロボットを爆散させていく。雷道電磁の個性は「電磁力」基本的に使うのは電気だが、ある程度は磁力も操作出来る。

だがしばらくすると、ビル群をなぎ倒しながら進む巨大なロボットが見えて来た。

そしてその瞬間、試験会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。圧倒的な脅威の前に、受験者は次々と逃げ去っていく。

 

「……大きすぎでしょ」

「……デカすぎる」

 

実技試験説明会場で説明されていたが、恐らくアレが0ポイントの仮想(ヴィラン)なのだろう。普通に考えればアレを破壊するメリットは存在しない。

しかし電磁は走り出していた、何故なら仮想[[rb:敵 > ヴィラン]]の足元に倒れこんでいる女子を見つけてしまったからだ。だが、走り出していたのは電磁だけではなかったようだ。

 

「止まれェ……!!」

 

「えッ、止まった……!?」

 

磁力を操り、巨大なロボットの動きを止めようとする。だが完全に動きを止める事は出来なかった。

 

「おい!そこの!お前も走り出したんなら何か考えがあるんだろ!!さっさとしろ!!」

 

「は、はい!!」

 

その緑髪の男子が巨大ロボット向けて飛びかかる。

 

「SMASH!!」

 

そう叫びながら殴り飛ばすと、巨大ロボットは見事に撃破された。しかし、当の男子は何やら慌てふためている、どうやら着地の事は考えていなかったようだ。

 

「アイツ……!」

 

強大な磁力を放ったためか、電磁は鼻から出血していた。この「電磁力」という個性、強大な力を放ちすぎると、鼻から出血、全身を倦怠感が襲うというデメリットがあるのだった。

すると、倒れこんでいた女子が、先ほどまでロボットだったモノに乗り、浮遊していく。そしてその男子が落下してきた瞬間、顔にビンタした。すると、その男子の体がフワリと浮かび上がった。

 

(なるほど、そういう個性か……)

 

しかし、女子の方も限界を迎えていたのか、すぐに個性を解除してしまい、周りの浮遊物ごと地面に落下してしまう。

 

「た、助かったよ……って、大丈夫!?」

 

その女子が嘔吐すると、男子の方はどうしたらいいのかわからずオロオロとしていた。

そして……

 

「終了ー!!!」

 

終了の合図が響き渡り、残ったロボットも動きを止めていく。操加がその女子に駆け寄って行き、背中をさする。

 

「大丈夫?あ、そうだ」

 

水を操り、余計な汚れを抜き取り……

 

「飲んで……、あ!安心して埃とかそういうのは省いてるから!」

 

「あ……ありがとね」

 

「良かった、僕だけじゃどうしたらいいのか……」

 

しかしよく見てみると、その男子も右手を抑えていた。多分怪我をしているのだろう。

 

「お疲れ様~、お疲れ様~。ハイハイ、ハリボーだよ。ハリボーをお食べ」

 

注射の様な形をした杖をついた低身長の老婆が、ハリボーなる物を配りながら歩いてくる。老婆の名はリカバリーガール、個性は「癒し」対象者の治癒力を活性化させ、傷を治す個性である。

 

「自分の個性で傷ついとるようだね、まるで体と個性がなじんでないみたいじゃないか」

 

「え!い、いや……そんな……」

 

リカバリガールの唇が大きく伸びる。「チユ――――!」という音と共に個性が発動され、男子の腕は一瞬で治癒されていく。

 

「ちゃっちゃと行くよ、他に怪我した子は?あんた達はどうだい?」

 

「いえ、私は大丈夫です!」

 

「あぁ……俺も大丈夫だ」

 

 

そしてそれから一週間後、雄英から封筒が届いた。

 

「雄英から……」

 

雄英から届いたと言う事は合否の発表だろう。封を開けると中からは数枚の資料と、小さな機械が入っていた。

 

「これって映像を投影する奴だっけ」

 

装置を机の上に置くと空中に映像が浮かび上がる。

 

『私が投影された!!』

 

「あ!オールマイトじゃん!なんで!?」

 

『何故私が投影されたのか気になるだろう、それは私がこの春から雄英に教師として勤めるからさ!!早速だが合否の発表と行こう!!』

 

投影された映像が暗くなりドラムロールが鳴り響く、そして最後のドラムが鳴り終わり……

 

『おめでとう!合格だ!!』

 

そしてそれは、電磁の方でも……

 

『おめでとう!!合格だ!!筆記試験は少し危うかったようだが、実技は74ポイント!合格者の中でも上位の成績だ!!』

 

「よし……」

 

電磁は小さくそうつぶやいた。対して喜んでないように見えるが、実はそんな事はなく、内心ではとても喜んでいた、ただ単に感情が表に出にくいタイプなのだ。試験の時のように「例外」もあるのだが。

 

 

 

時は少々遡り入学試験後の事。雄英高校ヒーロー科の会議室では、重要な会議が行われていた。

 

「実技総合成績が出ました」

 

大画面に受験者の成績が映し出される、それは上位から順番に並び、それを見た教師陣からは感嘆の声が上がった。特に目立つのは爆豪勝己と化変司、そして創鉄星と緑谷出久だろうか。

 

「救助ポイント0点でここまでやるとはなぁ!」

 

「後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

「そして化変司と緑谷出久、アレに立ち向かったのは過去にも居たけど…ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「緑谷の方は、雷道電磁の援護もあったようだがな!」

 

「うむ、アレの動きがあそこまで鈍くなるとはね」

 

「創鉄星、どうやら無個性のようだが?」

 

「しかしあのフルアーマーのサポートアイテム、まだ学生の身だと言うのにかなりの完成度だな」

 

(……ったく、わいわいと……)

 

こうしてその後も会議は続いていくのだった……。

 

 

 




「深水操加」
この物語のサブ主人公の一人。
原作には存在しない人物の一人。
「操水」という文字通り水を操る個性を持つ。青みがかった長髪で、性格は明るく、基本的に誰とでも仲良くなれる。
戦闘服は上は胸元の空いた白いジャケットに、下がホットパンツの様なズボンと、ハイソックスとブーツを合わせたものを着用している。
腰回りには水を入れたボトルを携帯するためのホルスターが取り付けられたベルトを巻いている。

「雷道電磁」
この物語のサブ主人公の一人
原作には存在しない人物の一人。
「電磁力」という電気と磁力を操る個性を持っている。茶色の短髪ででガタイが良いが、少々無口である。
戦闘服はコンバットスーツにジャケットを組み合わせたようなもので、腰回りには鉄製のボールを収めておくホルスターが複数ある。
腕には簡易的なレールガンを撃つ為のレールが取り付けられている。


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