モンスターの言葉が分かれば楽出来ると思った僕の考えは甘かったかもしれない   作:ラン乱

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謎の力と迷惑な竜

リオレイア『お騒がせしました。』

グラン「あ、いえ。それよりも・・・」

 

チラッと、リオレウスの方を見る。

 

グラン「旦那さん毒状態になってるので良かったら解毒薬飲みますか?」

リオレイア『あら、優しいのね。

早速、夫に飲ませようかしら。』

 

レイアが受け取ろうとすると・・・

 

リオレウス『少しでも怪しいと思ったら、

直ぐにその身を灰にしてくれようぞ。』

グラン「誰がそんな事するか。

あんたみたいな勘違い野郎に言われたくないね。」

リオレウス『貴様...!我を愚弄するか!』

リオレイア『あなたは黙って飲みなさい!』

リオレウス『おご!?』

 

レウスは解毒薬を強引に飲まされた。

 

リオレウス『げほっ、ごほっ!』

 

すると、レウスの体からみるみる毒が消えていく。

 

リオレイア『効果てきめんじゃない。

良かったわね、あなた。』

リオレウス『う〜む、そのようだな・・・。』

 

レウスが近寄り言葉を放つ。

 

リオレウス『すまなかった、誤解するような真似をした。妻に何かあったら居てもたってもいられず・・・。』

グラン「いいよ、奥さんの事を思ってやったことなんだろ。だけど、周りの事もちゃんと把握してから行動してよね。」

リオレウス『うむ、承知した。

〜っしてお主、我々の言葉が分かるのは真か?』

グラン「ああ。

今更だな言うの。」

リオレウス『我も数多のニンゲンを見てきたが、

竜の言葉が理解出来るのをこの目で見るのは初めてでな・・・、興味深いものだ。』

 

モンスターと会話していると、

コッコッと音をたて、1個の卵にヒビが入る。

 

グラン「生まれるんじゃないか、あれ。」

リオレウス『何!?』

リオレイア『私達の子が遂に生まれるのね!』

 

卵を見守っていると、

中から新しい生命が誕生した。

 

リオレウス『おお...!なんと可愛らしい。

しかし、娘に違いないが色が我とも妻にも似てないな。』

リオレイア『ええ、普通は私と同じ色の筈なんだけど。』

 

リオ夫婦が疑問に思う中、グランはその答えを言う。

 

グラン「そのリオレイアの子、亜種だね。」

リオレウス『亜種とな?それは何なのだ。』

グラン「(え、知らないのか?)亜種は通常のモンスターと違って、戦闘能力が高いんだ。まあ、簡単に言うと強い子が誕生したって事。」

ナルガクルガ『何でそんな詳しいんだ?』

グラン「習ったから。(本当は習ってなくてゲームの知識なんだけどね。)」

 

そう聞いた途端、リオレウスは咆哮をあげる。

 

リオレウス『聞いたか、レイアよ!

我が子は強いと言う事だ。』

リオレイア『ええ、聞いたわ。

今日は驚きの連続ね。』

グラン「僕はモンスターの誕生に感動しているよ。」

 

そんな中、生まれたばかりのレイア亜種がよろよろと歩き出し、上を見上げる。

 

リオレイア亜種『だれ?』

リオレウス『はう!何と可愛らしい声だろうか!

聞こえるか我が子よ、パパだぞ〜。』

リオレイア『あなたのママよ、気分は大丈夫かしら。』

リオレイア亜種『ん〜、お腹空いた〜。』

グラン「生まれたばかりで第一声がそれかい。」

 

突っ込んでいると、レイア亜種が見てくる。

 

リオレイア亜種『あなた、だれ?』

グラン「え?あなたって僕の事?」

リオレイア亜種『うん。』

グラン「君達モンスターの敵のニンゲンだよ。」

ナルガクルガ『相棒!?何言ってんだ!』

 

ナルガが大声を出して反応する。

 

グラン「いいから黙ってて。

ニンゲンだけど名前はあるから自己紹介しとくよ。

僕の名前はグラン、今日からハンターになったばかりの新人ハンターだよ。」

リオレイア亜種『ハンターってなに?』

グラン「ハンターというのは、危険なモンスターを狩る人の事。一言で言うと、君達モンスターを倒す人って思えばいいよ。」

リオレイア亜種『じゃあ、ハンターさんはどうしてここにいるの?』

グラン「隣にいるナルガのお兄さんと一緒に君のお母さんの卵を守っていたの。」

リオレイア亜種『そうなんだー。

貴方って、強いの?』

グラン「強くないよ。」

リオレイア亜種『ウソでしょ。』

 

急な発言に驚く。

 

グラン「え。」

リオレイア亜種『私、分かるの。

まだ卵に居た時、感じたの。

あなたは実力を隠してるでしょ、違う?』

ナルガクルガ『本当かよ相棒!?』

グラン「いや...僕は何の事だか・・・(人間と違って生まれた瞬間から知能があるのか?)」

 

生まれたばかりのリオレイアとは思えない発言に戸惑うグラン。すると、リオレイア亜種が近づいてくる。

 

リオレイア亜種『・・・』

グラン「どうした・・・!?」

 

突然、至近距離から火炎球を放ってきた。

その際、危なげながらも体を捻り回避する。

 

グラン「おい!?いきなり何すんだ!

流石に怒るぞ!?」

リオレイア亜種『もっと大きいのいくよ。』

 

次に、先程よりもでかい火の玉が飛んできた。

 

ナルガクルガ『レイアママさん!止めた方が良いと思いますよ!!』

 

リオ夫婦に訴えかけるも・・・

 

リオレウス『見なさい、レイアよ。我が娘があんなにはしゃいでおるわ。』

リオレイア『ええ、誰に似たのかしらね。』

 

他人事の様に話していた。

そして、巨大な火の玉はグランに向かって直撃した。

・・・そう誰もが思っていた筈が、

巨大な火の玉は方向を変え、上空に打ち上げていた。

直撃する手前、左手に構えていた盾で火の玉を上に打ち返したのだ。

 

リオレイア亜種『!?』

グラン「いい加減にしろ...」

 

その時、グランからただならぬ気配を醸し出していた。

 

ナルガクルガ『(な、何だ!?)相棒、お前・・・』

 

ナルガクルガが声を発したと同時に、グランはその場から消えた。

 

リオレウス『なに!どこだ?!』

 

周りを探すも見当たらない。

 

グラン「こっちだ。」

リオレイア亜種『え!どうやっ...』

 

突然後ろから現れたグランに驚くのも束の間、

首元を鷲掴みにされた。

 

リオレイア亜種『うぐっ!』

ナルガクルガ『相棒!それ以上やったら...って、何だその目...!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女性1「ねえねえ、あの子ハンターになったんだってね。」

女性2「私も聞いたわよ、凄いじゃない。」

ミストル「ええ、ありがとう。

でも、心配な事が1つだけあるのよ。」

女性2「なさそうだと思うけど、何が心配なのよ。」

ミストル「あの子が・・・・・・モンスターになるんじゃないかって。」

女性1「モンスター並に強くなるってことかしら?」

ミストル「全然違うわ。

今思い出しても信じられなかったわ。

グランが・・・・・・1回だけ竜の瞳になったあの時から...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルガクルガ『俺らと同じ目!?』

 

グランの瞳は、竜の瞳に変わっていた。

 

リオレウス『娘を離さぬか!』

グラン「・・・。」

 

突撃するリオレウスの攻撃を片手で止め、

投げ飛ばし壁にぶつかる。

 

リオレウス『ぐあっ!?』

リオレイア『あなた!』

ナルガクルガ『おいおい、どうなってんだよ・・・。あの力は普通じゃねえぞ!?』

 

グランの手に更に力が入る。

 

リオレイア亜種『くる...し..い..。』

ナルガクルガ『やめろ相棒!このまま続けると子供が死ぬぞ!』

グラン「・・・れ。」

ナルガクルガ『は?』

グラン「俺に攻撃した事を謝れ。」

三竜『『『そこ!?』』』

リオレイア亜種『わ、わかった。

謝るから離して!』

 

手を離しリオレイア亜種を解放する。

 

リオレイア亜種『げほっ、げほっ!』

リオレウス『大丈夫か!?どこか痛い所はないか!』

 

娘に駆け寄る夫婦。

 

ナルガクルガ『おい、あんな力があるなんて聞いてないぞ。その目の事もだが、何だそれは?』

グラン「目がどうしたって。」

ナルガクルガ『だから自分の顔見ろって!』

 

言われた通り、近くにあった光る鉱石を鏡代わりに使い、自分の顔を見る。

 

グラン「え、何これ。僕の目どうなってんの。

瞳孔も細くなってるし、待って訳分かんねえんだけど。」

ナルガクルガ『知らねえのかよ。

レイアママさんの旦那さんをぶん投げたんだぞ。』

グラン「やべえ・・・竜の瞳とかカッケェ、

テンション上がるわ...!」

ナルガクルガ『いや、覚えてねえのかよ!

さっきお前がやったことだぞ!?』

グラン「・・・あっちが悪いから僕は悪くない。

正当防衛だ。」

ナルガクルガ『そうかもしれないが...、相手は生まれたばかりだぞ。』

グラン「...はあ、しょうがないな。」

 

歩きながらリオレイア亜種に近付く。

 

グラン「カッとなって悪かったよ。

だけど、君がいきなり火球放ってくるからだぞ。」

リオレイア亜種『それは...貴方の実力がどれ程のものか確かめたかったのよ。』

グラン「?どういう事だ。」

リオレイア亜種『私のパートナーに相応しいのか見極める為の試練だったの。まあ、私も少しは反省してるから許してね。』

グラン「パートナーて何の?話が見えてこないんだけど...。」

 

リオレイア亜種の子供の話が理解出来ずにいると、とんでもない事を口にする。

 

リオレイア亜種『決まってるじゃないの。

私の旦那に相応しいかの試練って事。』

グラン「はあ!?」

ナルガクルガ『嘘だろ!?』

リオレウス『娘よ!何を言い出すのだ!?』

 

突然の言葉に驚く1人と2頭。

 

リオレイア亜種『予想していた以上に実力もあったし、これなら私の旦那さんとしては充分ね。』

リオレイア『あらあら、随分過激な事。』

リオレウス『そんな事を言っとる場合か!

我らの娘がニンゲンなんぞに取られてしまうのだぞ!』

ナルガクルガ『やべえぞ相棒...どうする?』

グラン「・・・。」

ナルガクルガ『相棒?』

 

黙り込む事数秒、グランの取った行動は・・・

 

グラン「ナルガ、離陸体勢。」

ナルガクルガ『え?』

 

ナルガに目線を向け無言の圧をかける。

 

ナルガクルガ『...コク。』

グラン「レイアママさん、レウスパパさん。

・・・娘さんとお幸せにー!!!」

 

大声で発すると同時にナルガの背に乗る。

 

グラン「逃げるんだよー!ナルガー!!」

ナルガクルガ『だろうと思ったよ!』

 

飛び上がりその場から離れようとするが・・・

 

リオレイア亜種『何処行くの?』

 

こちら目掛けてリオレイア亜種が追いかけて来た。

 

グラン「ナルガー!飛ばせー!」

ナルガクルガ『無茶言うな!俺は飛行に関しては向いてねえんだよ!』

リオレイア亜種『逃がさない...。』

 

狙いを定めて火球を飛ばす。

 

ナルガクルガ『〜っ危な!』

グラン「え?」

 

回避した事により体勢を崩し、乗っていたグランが落ちていく。

 

ナルガクルガ『っ...!しまった...!』

リオレイア亜種『邪魔よ。』

ナルガクルガ『いだ!?』

 

ナルガクルガに体当たりし振り切るリオレイア亜種は、グランに向かう。そして・・・

 

リオレイア亜種『掴まえた。』

グラン「勘弁してくれ...。」

 

リオレイア亜種に鷲掴みにされ、

逃げる事が出来ず地上に降りることになった。

 

 

 

 

 

 

 

リオレイア亜種『何で逃げるのよ、未来の妻を置いてひどいわ。』

グラン「何が未来の妻だ...ニンゲンの僕には関係ない...。」

リオレウス『そうだぞ娘よ。

ニンゲンと番になる事などあってはならんのだ。』

リオレイア亜種『今パパには聞いてない。

少し黙ってて。』

リオレウス『む、娘が反抗期に...』

 

ガックリと項垂れるリオレウス。

 

ナルガクルガ『つうかよ、何でコイツなんだよ。

ニンゲンのうえにハンターやってんだぞ。』

リオレイア亜種『もしかして気付いてないの?』

ナルガクルガ『何がだ?』

リオレイア亜種『この人、古龍の血が匂いがする。

っていうか混ざってる。』

 

またしてもとんでもない発言を飛ばす。

 

グラン「え。」

ナルガクルガ『...!!』

リオレウス『何だと!それは本当か!?

ニンゲンよ、何故隠していた!』

グラン「いや・・・僕自身も知らないよ。

待って...もしかしてあの時かも・・・。」

リオレウス『あの時とは何だ。』

グラン「夢だと思って気にとめていなかったんだけど、僕がまだ小さかった頃...崖から落ちた事があったんだ。

あまりの高さから落ちたから出血が酷くて助からないと感じ絶望の淵にいたんだ。その時、モンスターの唸り声が聞こえて喰われるのかと思ったら、何かを飲ませられたんだ。」

ナルガクルガ『相棒、それって...。』

グラン「朧げだから分からない。けど...」

ナルガクルガ『けど・・・何だ。』

 

記憶を隅々まで探り、辿り着いたモンスターの名前を口にした。

 

グラン「確か・・・ナナ・テスカトリ。」

3頭『『『!!!』』』

 

古龍の名前を言った途端、ざわめく竜達。

 

リオレウス『ナナ様だと!?

だが先程の瞳、ううむ...。』

ナルガクルガ『それで俺らの言葉が理解出来たんだな。それなら納得だ。』

グラン「あ、ああ。(理解出来たのは女神から貰ったスキルで、古龍の血とは関係ないんだけどね。)」

 

モンスターの言語理解については伏せて、

誤魔化す事になった。

 

グラン「さっきの話だが番になんてならないぞ。

古龍の血があろうとなかろうと、生まれたばかりの君と結婚なんて無理。」

リオレイア亜種『ふーん.....じゃあ貴方について行く。』

グラン「は?ついてくんな。

子供は親にちゃんと面倒見てもらえ。

それから巣立ちしろ。」

リオレイア亜種『今から巣立ちするからいい。』

グラン(何がなんでもついてくる気か・・・、

ナルガだけで手一杯なのに...。)

 

話の内容を聞いていたレウスパパが口を開く。

 

リオレウス『ニンゲンと共に行くのか!?

ダメだ!まだ狩りの基本を教えてないというのに。』

リオレイア亜種『1竜で出来るからいらない。』

 

そっぽ向くような仕草を取ると、

リオレウスは再び項垂れる。

 

リオレウス『ニンゲンよ、我はどうすれば...。』

グラン「こっちが聞きたいよ。

てか親子なのに性格が似てない。」

ナルガクルガ『それな。』

 

決められずに話をしているとリオレイアから、

ある提案を持ち掛けてきた。

 

リオレイア『このままじゃ埒が明かないわね...。

ニンゲンの子よ、私達の娘をお願いしても良いかしら。』

グラン「えぇ...。」

リオレイア『面倒な事というのは分かっているわ。

それに、洞窟で過ごすより先に世の中を知る良い機会になるかもしれないから。』

グラン「・・・全く、とんだわがまま娘が誕生したもんだよ。1竜増える事になるとはね。」

リオレイア『それじゃあ...』

 

息を整え、リオレイアに向けて言葉を放つ。

 

グラン「レイアさんの頼み、引き受ける事にするよ。」

リオレイア『そうですか、感謝します。』

グラン「但し!」

 

リオレイアに指差すグラン。

 

グラン「まだ孵化してない卵があるから、

全部の卵が孵って狩りの基本とやらを習得するまでの間だけだからな。ずっと行動するのは流石に無理がある。」

リオレイア『承知しています。』

 

リオレイア亜種の方に歩き寄り、言葉を発する。

 

グラン「リオ夫婦の子供、レイアさんの頼みだから仕方ないとして聞いてやった、条件付きだけどな。」

リオレイア亜種『貴方と行動出来るなら何でもいい。』

グラン「・・・取り敢えずリオレイア亜種とか呼びにくいから名前で呼びたい。」

リオレイア亜種『名前なんてない。

貴方が決めて。』

グラン「だよな、じゃあ今日から君の名前は〖桜華〗。そんでナルガ、お前は〖黒影〗だ。」

桜華『うん、気に入った。』

黒影『悪くない響きだ...!』

 

名付け終えたと思い、その場から離れようとする。

その時、リオレウスに呼び止められる。

 

リオレウス『ニンゲンよ、我も名前が欲しいのだが良いか?』

グラン「お?立ち直ったか、大丈夫か?」

リオレウス『途中から話は聞いていた。

こうなっては仕方あるまいが、

我が娘を頼む。』

グラン「分かった、あと名前だったな。」

リオレイア『私も欲しいわ。』

グラン「・・・ついでに言うなよ、少し考えるから待って。」

 

考える事1分・・・

 

グラン「レイアママさんは〖仁愛〗、レウスパパさんは〖紅牙〗でどうだ?」

仁愛『何だか生まれ変わった気分だわ。

そうでしょ、あなた。』

紅牙『ああ...我は喜びに打ち震えておるぞ...!』

 

自分だけの名前を持ち喜び合う2竜。

 

グラン「準備は良いかな?

黒影、桜華。」

黒影『バッチリだぜ!』

桜華『いいよ。』

グラン「それじゃあ、行くぞ!」

 

こうして新たな仲間、桜華(リオレイア亜種)と共に次の目的地を目指すのであった。




途中から面倒くさくなってしまった。

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