性格の悪いインキュベーター   作:超高校級の切望

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面倒くさい面倒見のいい女

 やちよの言葉に従い調整屋に向かう一同。

 

「かずみは大丈夫なんだろうな!?」

「やちよが仲間を呼べって言ったなら、少なくとも最悪ではないんだろうよ」

 

 彼女の性格や経験的に、最悪の事態なら仲間に見せたりしないだろう。現代基準なら魔法少女の中でも長生き、その分増えた傷も多いだろうに誰かの傷を増やす方が嫌がる。

 

「面倒くさい面倒見のいい女だからな、彼奴」

「ごんべえみたいだね」

「一緒にすんな………」

 

 キリカの言葉にごんべえは吐き捨てるように舌打ちした。と、その時………

 

「「リミーティ・エステールニ」」

 

 突如現れた影から放たれた魔法と同様の魔法をごんべえが放ち相殺する。

 

「!? かずみ………!?」

 

 現れたの人影は、魔法少女へと変身したかずみ。露出度がやけに高い。

 

「あれがウワサか。ドッペルゲンガーみたいなものか?」

「ウワサ?」

「乗っ取り系のウワサだ。魔法少女6人分の魔法に加え魔女の心臓、んでウワサ。普通の魔法少女より強いな」

「バラバラにして──」

「するな。かずみの存在が奪われている、下手に殺せばかずみが死ぬか………」

 

 最悪、魔女として目覚める。

 6人分の魔法とはいえあくまで肉体や人格を植え付けるための魔法。魔力そのものではないから、精々ちょっと強い魔法少女。しかし核は魔女の心臓。魔女化すれば膨大な魔力で合成された和紗みちるの魔法と他6つの魔法を使う魔女になる。

 

「………問題はないか」

 

 やちよと十七夜あたりなら一対一でも倒せるだろう。

 とはいえ顔を知り名前を知り人となりをそこそこ知った相手が魔女になっても気にしないなら、そもそも魔法少女と歩んだりしない。

 

「キリカ、コネクト」

 

 と、キリカと手を重ねる。魔力が重なり、増幅され迫りくるかずみの姿をしたウワサが真っ白な正方形に閉じ込められる。

 中のウワサは止まっている。いや、正確には物凄くゆっくり動いている。

 

「減速結界…………数分は持つだろ」

 

 キリカの減速魔法と適当に選んだ結界魔法の融合魔法(コネクト)。別に一人でも出来ないことはないが、コネクトとしてキリカが嬉しそうだしこれでいいか。

 

「えへへ、ごんべえとコネクト! 魔法少女じゃなかったから、初めて! あれ、ごんべえって魔法少女?」

「今の肉体は男だが女にもなれる。それに、ソウルジェムが穢れきれば俺も魔女になるから魔法少女でいいだろ」

 

 それより早く行くぞとごんべえがあるき出そうとした時、ピシリと音が鳴る。

 

「此奴………相当()()()()()()

 

 取り込みかけているかずみだけではない。ウワサに巻き込まれ、飲まれた人間、或いは魔法少女のエネルギー全てを持っている。

 魔法少女の見た目こそしているが、魔法少女という枠組みを遥かに超えている。

 

『プロドット・セコンダーリオ!!』

「増えた!?」

「ニコの魔法!?」

「本物より魔法に慣れてるな、と………」

 

 ここは路地裏。影は彼方此方にある。

 無数に伸びた鎖がかずみの群を拘束した。ギチギチと鎖が軋む。

 

「ついで、人は襲うな」

 

 と、うぇ、と口から吐き出したグリーフシードをぶん投げる。かずみの群れが結界に飲まれる刹那、キュゥべえの頭をした黒いマントの魔女が一瞬だけ見えた。

 

「ねえ、誰かが足止めとかすればいいんじゃない!?」

「あれ足止めするとなると並の魔法少女じゃ歯がたたない。俺は此奴等監視しときたいし」

 

 あきらの言葉を一蹴し走り出すごんべえ。

 

「とにかく、まずは調整屋だ。道中運良く魔法少女と遭遇したら引き込め」

「運良くってそんな──」

「あれ、あきらっち。そんなにゾロゾロ人連れてどうしたん?」

「いた!?」

「な、何事!?」

 

 と、目の前から現れた3人の魔法少女。ツインテールの明るい少女に、黒髪と青髪の真面目そうな少女達。

 

「説明はあと! ちょっと力貸して!」

「え? え? 何々。なんかあんの?」

「えっと、良く解らないけど魔法少女として力を貸してって意味よね?」

 

 と、黒髪の魔法少女が応えた時だった。

 

「あら、戻ってきましたの?」

「あ………えっと………レアさん?」

 

 新たに現れた魔法少女にかこが疑問符を浮かべながら名を呼ぶ。

 

「珍しい人なの?」

「あ、じゃなくて………えっと………リ、リ……」

「莉愛だよ、カコ」

「………………」

 

 ごんべえは莉愛というらしい魔法少女になんとも言えない顔を向けた。呆れに近い。ただ嫌っているわけではなさそうだとキリカは思った。

 

「私が言うのも何だけど、この町魔法少女が多いね」

 

 自分もそんな町の魔法少女の一人だが、思わず呟く紗枝。

 

「話は後だ。付いてくるならグリーフシードをやる」

「えっと、良く解らないけど困っている人を助けるのに見返りは要らないわ!」

「同じく。魔法少女の困り事など、一般人にも影響が出るのは明白です!」

「良く解んないけどいいよー」

 

 と、3人増えた。

 

「えっと………」

「じゃあこのままやちよと合流するぞ。かずみ関係だし、鶴乃も呼んどくか」

「七海やちよ!?」

「……………七海やちよは俺がこの町で頼りになると思う数少ない魔法少女の一人だからな」

「え? 私の方が役に立つよ!?」

「ななな!? ふ、ふん。仕方ありませんわ、手伝ってあげてもよろしくてよ」

「…………乗せられやすい2人ネ」

 

 美雨はやる気の上がった二人を見て呆れたように呟くのだった。

 

「キリカ、やちよに会っても自分の方が使えるの証明するとか言って喧嘩売るなよ」

「ええ〜」

「大人しく出来たら撫でてやる」

「………………その姿で?」

 

 この町で人の姿を得たごんべえ。当然町の外から来たキリカは、まだ撫でられたことはない。

 

「うん解った! 私、ちゃんと大人しくするよ!」

「お前、何時か刺されるヨ」

「問題ない。俺は不死身だから」

 

 


 

インキュベーター大百科

女几

願い:『無限に酒が飲みたい』

契約者:ごんべえ(フラン)

ごんべえ(フラン)の呑み仲間の一人。酒造りが趣味だが趣味であり酒造の誇りとかはない。『呑みたい時に呑めるように』と酒造りをしていた。

酒と色事が大好きな飲んだくれ。本人曰く『酒のない人生は生きていないのと同じ』と語りごんべえを呆れさせた。この酒は魔女や使い魔すら酔わせる。

戦闘スタイルは巨大な瓢箪で相手をぶっ叩いたり酒の霧で酔わせたり瓢箪に吸い込んだりする。

グリーフシードを酒に漬けたりは可愛い方で、酔っ払ってごんべえを漬けた事もある。因みに翌日瓶の中身はごんべえが飲み干していた。まあそうなるわな。

 

『飯を食わずとも人は生きていける。しかし酒がなくては明日は生きれない』

『何言ってんだお前』

 

 

 

ごんべえ バレンタインVer

 

初期レアリティ✩✩✩☆ 最大✩✩✩✩☆

属性ダーク

ディスク構成

Accele×3 Blast縦×1 Charge×1

コネクト「一枚千円からだ」

☆4与えるダメージUP[Ⅶ]& 確率で魅了[Ⅶ]

☆5与えるダメージUP[Ⅷ]&確定で魅了

マギア「チョコレート・イズ・マイン」

☆4敵全体に属性強化ダメージ[Ⅵ]&MPダメージ(敵全体)&MP回復(自)

☆5敵全体に属性強化ダメージ[Ⅷ]&MPダメージ(敵全体)&MP回復(自)&HP回復(自)&Accele MPUP(VIII)

ドッペル「孤独のドッペル」

敵全体にダメージ&確定で火傷(敵全)&確率で拘束(

敵全/1T)

 

財布を忘れたことに気付き近くによった際、増やすからとみたまから金を借りようとしたが十七夜に遭遇し働かされたごんべえ。ミニスカ黒ストメイド服。美脚のラインが露わになっている。だが男だ。

客に配るはずのチョコを配っては客から貢がせている。

 

孤独のドッペル

その姿はチョコフォンデュ。

この感情の持ち主は、チョコの味を独り占めしようとしているが、実は誰かと感想を言い合いたい。

今までは何を食べても勝手に共有されていたので自分だけの楽しみと、嘗ての誰かと作った味を知ってもらいたいという感情の板挟み。

熱々のチョコは火傷するほどの温度だが直ぐに冷えて固まり食べ頃になる。

 

ごんべえの影から現れた巨大な真っ白な球体。複数存在する目からチョコの涙を流している。

 

専用メモリア「休憩の一幕」

「チョコは全部俺のもの」そういった彼も、休憩時間ぐらいは甘くなる。なにせ今日はバレンタイン。

甘い一時をご堪能。

休憩室で十七夜にチョコを食べさせるごんべえの絵。

スキル「チョコレート・シェア」

HP自動回復[Ⅲ]&AccelMPアップ[Ⅳ]

エイプリルフールネタ

  • 修羅場不可避? 相棒だらけの魔法少女会合
  • あけみ屋にて、円環の理達の会話
  • 魔法少年たつや☆マギカ
  • FGO世界にてごんべえ世界の偉人達と共に
  • 私は上浜のウワサ「Y談おじさん」

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