ありふれた職業で世界最強に転生したと思ったら檜山だった件   作:ホームズの弟子

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しばらくはオリジナル展開が続きます。



3話 もしかしたら原作突入前に死ぬかもしれない件。

 脳内会議を終わらせた後、俺は早速行動を起こした。

まずは、様々な防犯グッズを取りそろえた。

催涙スプレー、スタンガン、防犯ブザーなど女の子でもとっさに使えそうな物を揃えた。

子供じゃ買えないかとも思ったが便利なものでネット一つでいくらでも買える。

しかも、両親はほぼ家にいないので前世の金がばれることもない。

別に両親もネグレクトではなく恵里の事も心配してくれているがどうしても仕事が忙しいから仕方なくといった感じであった。

その代わり、恵里の虐待の事を警察に相談してくれることとなった。

こればっかりは両親に文句を言っても仕方ないそれに助けられている面もあるしよしとしよう。

揃えた防犯グッズを恵里に持たせようとしたが、

「そんな悪いよ…僕にそこまでしなくても…」

と恵里は申し訳なさそうに言っていたが

 何があってからでは遅いんだ!と真摯に目を見ながら伝えると、顔を赤くしながら頷いてくれた。

流石にきつく言い過ぎたのかもしれないがこういう事は常に最善を尽くすべきなんだ。

 できる限り一緒にいるつもりだが、もしかしたら俺が見ていない時に何かあるかもしれない。

 前世では現場監督として仕事をしていたが、危険は起こる可能性があってはいけないんだ。危険がある場合はそれ以外の方法を模索して、それでも危険がある場合は自分の身は自分で守れるようにしておかなければならない。対策はしないことはいけないが、しすぎることもない。

 そんな心配をよそに、恵里と俺はどんどん仲良くなっていった。原作だと天之河に狂気的な感情を抱くかそんな感じはしないな、ヤンデレ好きとしてはヤンデレ恵里も見てみたいが彼女が幸せならそれでいい。

 まだ前世の貯金があるため、二人でできるTVゲームであったりボードゲームを揃え遊ぶようにした。

 初めは緊張というか、俺を警戒していたがだんだんと心を開いてくれてよそよそしい態度も変わっていって、溌溂なそんな姿に萌えていたりしていた。

 やっぱラノベの登場人物だけあってめっちゃ可愛いなぁ。

 良いこととは続くもので、両親が警察に連絡をしてくれたおかげか恵里の母親の虐待が発覚し警察に逮捕されたらしい。

 恵里の父方の姉の方に親権が移った、しかも家が俺の家の近くであったため、引っ越すなども必要なく未だに遊んでいる間柄だ。

 小学高学年ということもあり、周りの同級生からはからかわれたりしたがこんな美少女と遊べるなんて機会を逃すわけなく気にせずに遊んでいたがその時は気付かなかった、良いことが続くと悪いことが起こることを……

 

 ある日、恵里と一緒にコンビニにお菓子を買いに行き、帰る際に目の前にいかにも汚いおっさんと表現したくなる無精ひげ人が立っていた。

 君子危うきに近寄らずとは言うもので、恵里が気づく前に俺の背中に隠すようにして目を合わさないように通り過ぎようとしたが

「お前のせいで……!」

おっさんがそう言うと同時にナイフを取り出し俺達に切りかかってきた。

俺はとっさに買ってきたお菓子の袋をおっさんの顔に投げつけ、恵里の手を握り走って逃げる。

そして俺は本能的に分かってしまった、あいつがおそらく恵里の父親が亡くなった後に来た男なのだと。

走りながら恵里を見たが怯えている様子を見るに俺の予想は当たっているらしい。

 クソッ!こんな恵里の怯える姿なんて見たくなかった……しかし今は気にしても仕方がない!

「恵里!前渡した防犯グッズなんか持っているか!」

走りながら恵里に尋ねると泣きそうな顔で頷き防犯ブザーを取り出した。

 もしかしたら持ってなかったかもしれなかったが、お洒落なキーホルダーに見えるタイプにしたのがよかったらしい。

 俺の意図を汲んでくれ、恵里はその栓を引き抜いた。

 流石最新型、めっちゃ響く。するとけたたましいブザーが響き渡った。

 これに気づいた人がきっと警察に連絡をしてくれるはずだ。もしくはそのブザーにビビッて逃げてくれると思ったが逆に男は錯乱状態になったのか、声にならない声を叫びながら更に加速してきた。

 

 まるで世界がの全てがスローモーションになり、男はナイフを振り上げながら恵里に向かって来るのが見える。

俺は恵里の掴んでいた手を自分に引き寄せその小さな体を抱きしめ、恵里を守るよう男に背を向けた。

その瞬間背中に鋭い痛みが走る。

「きゃあああああああああああ」

恵里の叫び声が聞こえる……良かった刺さった痛みが俺にあるってことは恵里には刺さってないはずだ……

でもここで気を抜くわけにはいかない……

そんな心配をしていると男の叫び声聞こえそちらを見ると、複数の人に取り押さえられた男の姿があった。

どうやら、ブザーに気づいた近隣の人たちが駆けつけてきてくれたらしい、そしてサイレンの音も聞こえる。

 とりあえずの危機は去ったか…

 恵里にケガがないか見たが、綺麗な顔を涙とか鼻水でぐちゃぐちゃになっているのがケガはしてないみたいだ。

「僕のせいで…僕のせいで…」

そんなとんちんかんなことを言っているので

「…恵里は悪くないだろ。無事で良かっ…た……」

そう言って恵里の頭を撫でてやる……そんな俺の手を自分のほほにやり大事そうに両手で持っている姿はめっちゃ絵になるなぁ……やばいなんか安心したら急に気が……

せっかく憑依転生したのにあっさり死ぬのかなぁ……

でも不思議と後悔は無かった…

…だって…目の前の女の子を守…れ…た………ん………だ…………

 

 

 

 




 因みにこの檜山(佐藤)は恵理は、天之河に出会うとそっちに惚れると思っています。
 ちなみに生きています。

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