平和の象徴の過ち   作:モノアイの駄戦士

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久しぶりの投稿と言う感覚が抜けれないザクアメイジング中毒者です。
新章に突入!

てな訳でどうぞ!
今回からしばらく原作沿いに視点を変えます。

ここからは彼女のオリジンであり、マフティーと呼ばれた男の行く末が描かれる…………(続けば)



11 時は過ぎ去る

ペイルライダーやマフティーが世間を騒がせてから十五年の月日が流れた。

世界はこの時の事をマフティー動乱と称し、忘れ去ろうとしていた。

しかし、マフティーの名は今も人々の記憶にある。

特に、無個性や悪役向き、等と貶された子供達やその経験がある大人には特に。

一番、印象的な出来事はやはりあの大災害だろう。

その裏に、オールマイトとペイルライダーの資格を失った者とAFO、そしてNo.4ヒーローの激闘があったことは知られていない。

それに関しても世間を下手に混乱させ騒がさないためか、マフティーもオールマイトという平和の象徴が崩れかけている等という事は一切口にしていない。

彼らもまた、そうなる事は不本意なのだろう。

しかし、災害救助で現れたマフティー達が駆るパワードスーツは世界から注目を浴びる。

ヒーローの様に、下敷きになった民間人を助け出す人型の機械。

それらが全て無個性や弱個性と言われてきた者たちが扱っていたという事実に、更なる衝撃を与えた。

それを語ったのはとあるマフティーのメンバーとなっていた成人男性からの情報提供。

勿論、彼は無許可の個性の使用で逮捕されていたが無個性を機械を使って助けただけのマフティーの大部分のメンバーは捕まっても大した罪状をあげる事ができなかった。

彼らは声を上げて共に言う。

 

「俺(私)達は人助けをしただけだ」

 

ただそれだけを言った。

実際、積載された武器を使うことは確認されていないし、そもそも現物がパイロットの確保後に自爆した事もあって物的証拠も破片くらいしかない。

彼らが用いたパワードスーツはストライクダガーというバッテリー動力の機体。

ペイルライダーは核融合を利用している、との情報はヒーロー達に戦慄を覚えさせる。

下手をすれば自分もろとも周囲も無に帰す。

そして、それ以上の情報を吐き出さない彼らは順次釈放された。

勿論、監視は付くが。

しかし公安、ヒーローたちや警察もマフティー・ナビーユ・エリンというカボチャ頭の男に手の平で転がされている感覚が全く拭われる事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそんな事とは無縁そうな一人の少女が、私立雄英高校ヒーロー科に入学するために、試験に受かるべく努力する姿があった…………

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

私の名前は篠ノ之箒。

個性はウマ娘です。

個性についてはお父さんとお母さんのちょっとした悪ふざけでそんな名前になったみたいだけど、私としては普通に【馬】でも良いのに、と思った。

けど、今となってはありがたみが勝る。

せっかく女の子として生まれたのだから、馬じゃなくてウマ娘の方が特別感があって良いよね、と。

それに私だけが知る、ウマ娘という個性の真の力をかんがみればそれの方が正しいとも思っている。

それはさておき、私はお父さんに雄英高校に行くことを決めたことを話したら何だか嫌そうな顔をした。

だけど、すぐに頑張れ、と応援してくれた。

物心ついたときには口数が少なかったお父さんだけど、私に与えてくれる愛情は本物だった。

お母さんは投資やら何やらをしてるらしいけど、基本的には私の家でもあるカフェ【ビルドフォース】の看板娘の一人だ。

勿論、私もその一人だけどお母さんは年の割に凄く若く見える。

だから、時折私の姉とか見間違えられる事もしばしば。

でもビルドフォースのお客さんは近くにある雄英高校だったから、それ故に私の憧れがヒーローになるのは必然だったかもしれない。

特に今じゃNo.4ヒーローのあの人なんかは私の初恋の人だったりする。

最初にお店に来たときは学生だったけど、幼心ながら一目惚れというものを感じてしまった。

まあ、義理の兄のテン兄は何だかその話をすると機嫌が悪くなるけど。

でも、テン兄の個性は凄いと思うし、テン兄は尊敬する兄であることには変わらない。

もう一人の義理の兄は………最近は時折しか会えない。

どうやら仕事が忙しいらしいけど、ダビ兄は会えたときは映画を一緒に見に行ったり、テーマパークで一緒に遊んで楽しんだ記憶がある。

私には勿体ない程、優しい兄たちだ。

それに妹たちも生まれた。

双子の姉弟で、二卵性の双子だとのこと。

でも、今年で四歳になる彼女たち、千冬と一夏は結構顔が似ていて、時折見分けがつかなくなるのは姉としての経験が足りない為か。

歳は大きく離れてるけど、将来は美少女とイケメンになりそうだ。

 

閑話休題。

ともかく、そんな家庭の話は終わりにしてこれからすることに集中しよう。

プロヒーローになるために、彼に一目惚れしたときから今まで努力してきた。

戦闘系のヒーローになるだろうから、古武術や空手、柔道等を習った。

母はお金を渋らず出してくれて、やりたいようにやっちゃえ♪とやりたいことをやらせてくれた。

父からは何処からか引っ張り出してきた一昔のアニメ作品を私に渡し、こう言っていた。

 

「ヒーローとヴィランの戦いはまさに戦争だ。夢を追うのは良いが、相応の現実も見ないといけない。これはその為の心構えを学んでほしいから、俺はコレを箒にプレゼントするよ。そうでなくても、ヒーローとして活動するとき、これは役に立つから」

 

そうして渡されたのが【機動戦士ガンダム】というシリーズ作品だった。

かつて、SFロボットの金字塔と言われていたらしいアニメ。

最初は面白い、という感想だけだったけど、いつの間にか沼にはまってしまった。

戦争の正義と悪、それはどちらにも存在しない。

勝った方が正義で、負けた方が悪………でも、ヒーローはまさに平和を守るための守護者、救世主としてのガンダムだ。

私はなりたい。

そのヒーローになりたい。

あの人の隣に並びたい。

その想いが、今私を雄英高校の門前にまで突き動かした。

さあ、試験の時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストは問題なかった筈。

お母さんの天才的なIQが受け継がれたのか、私は小中で赤点を取ったことがない。

けど、満点はあまりなかったけどね。

ともかく、勉強に関しては問題ないだろう。

次は実技試験。

ヒーローとしての素質が問われる物だろう、と私は予測していた。

実際、お父さんにもそれを問われた。

内容は毎年少し変わるみたいだけど、私は根本的な問題は変わらないと思っている。

故に、眼鏡君の指摘でモジャモジャ君の事を笑った人たちは少なくともヒーローへの憧れや想いは大きくないのだろう、と判断する。

理由は人それぞれだけども、ヒーローになりたいならヒーローとしての自覚を早く持つのは悪いことではない。

私はそう思う。

 

「箒、落ち着け」

 

「安心して下さい、テン兄。私はとても落ち着いています」

 

「いや、すげぇ無表情になってるぞ?」

 

「マジですか………」

 

テン兄もまた雄英高校に入るために努力していた。

実はテン兄が雄英に進路を決めたことを告げたのはつい最近なのだが、やはり兄としては妹の事が心配らしい。

実際、家族ぐらいしかコミュニケーションの輪が広くないから、友達も少ない。

おかげで軽くコミュ障だ。

無表情になりがち、口調も堅くなりやすく美人だから変な男に纏わりつかれるかも、というのが兄たちの総評。

心配し過ぎだ!と言いたいけど、一度話したことのある子ぐらいしか交友関係がないし、一度変質者に襲われかけたりと、そんなことがあったので仕方がない、と諦めている。

でも、テン兄もヒーローには憧れてたらしい。

その為、必然的にテン兄も私と同じ沼に転げ落ちてきました。

実技試験はヴィランに見立てたロボットを、機種によってポイントが違うロボットを破壊してポイントを得る実技試験らしい。

そうなると必然的に戦闘系以外が圧倒的に不利だが、きっとその人たちのための救済措置もあるだろう。

言わないだけで。

本質的にヒーローならば、それを行うだろう、という事なのだろう。

そんなのに関わらず、私は私のヒーローを目指すだけ。

お父さんは言っていた。

ヒーローならヒーローとして当たり前の事をしろ、と。

 

「あ、テン兄とは会場が違うみたいですね」

 

「チッ、まあ仕方がない。頑張れよ」

 

「勿論、テン兄も頑張ってね?」

 

「全部ゴットフィンガーで倒すから大丈夫だ」

 

ここでちょっと意地悪く私は言った。

 

「じゃあ、試験会場で技名を言いながら倒してくださいね?」

 

「俺に社会的に死ねと申すか!?」

 

ストレスで白髪になったらしい髪をオールバックにした不健康そうな兄の姿は、頼りなさそうな外見とは裏腹に逞しさとカリスマの様なものをかもし出していた。

そんな彼を前に、私はクスクスと笑いテン兄は頬を赤く染めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィランロボは四種類、内一つは外れ、所謂お邪魔虫でプレゼントマイクはドッスンと例えていたが中々いい例えだと思う。

けど、そんなものに私は屈しない。

あの人なら、ガンダムを名乗る彼ならばそうするはずだ。

 

「はい、スタート」

 

不意打ちに開始の合図が告げられる。

しかし、私の個性はウマ娘。

走る事に喜びを持つ馬の習性か、それともこの力の代償の一つか。

私は走る事に大きな爽快感を感じるし、最低でも一週間に一回は走らないとストレスが溜まってしまう。

おかげで体力と脚力だけは無駄に有り余り、筋肉も引き締まっている。

結局何が言いたいのかと言うと、スタートの合図と同時に私は走り出したのだ。

閃光のように。

やっぱり、走ることだけは格別だ。

 

 

 




やっぱりバエルはいい………(手のひらドリル)
やっぱ誘拐が強すぎんよ。まるでヴィランみたい()
でもリボガン、おめぇはさっさと耐久減らせ。

そして今回からしばらく箒視点になります。多分。
エクスカリバーみたいに約束された展開とか上手くできんだろうし、途中何をトチ狂ったか変なことをするかもしれんし………(ビビリ)
感想など、お待ちしてます!

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いつかヒーローは遅れてやって来る事が定番になった。
しかし、それまでに起きた出来事を悲劇では終わらない。
ヒーローとは何か?それは、宇宙と同じように未知の哲学の世界なのだろう。
ヒーロー、それは永遠に輝き続けるロマンだ。

ー∞∞∞∞∞∞の手記より

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