やぁ、久しぶり 志希ちゃんだよ
今回は今までの本編の流れから外れるよ
カネケンさんが蘭子ちゃんと会っている中、あたしは渋谷区の346プロダクションに行く話だよ
本編の流れ的には346プロで文香ちゃんと会う前の話になるね
前回あたしは本編で活躍している人たちが登場すると発言していた
その登場人物達は、本家とは大きく違う人たち
まぁ、早くスクロールしたらわかると思うよ
それで、さっさと本編を進めろよという読者さんは安心してね
この話が終わったら、次に進めるよ
さすがにこの物語を独創しちゃ、飽きるし
では、スタート
それは文香ちゃんに会う前のコト。
(ここが、346プロかー)
学校が半日ある土曜日。
渋谷区にある立派な事務所。
名前ぐらいは少し聞いたことはあるが、目の前に立つのは初めて。
芸能事務所にしてはかなり立派で、新しさがある。
この時は凶悪な喰種の事件が多発する危ないところだったけどね(前は喰種事件が0の時時はあったけど、今は戻ったのかな?"あれ"が起きてから)
(頑丈な入り口だなー)
あたしはそう思いながら、空港でよく見るセキュリティーゲートのような346プロダクション入口に通った。
表向きでは不審者が入らないための対策として設置してあったが、実際は喰種が入らないためのゲート(さらに言うと...おっとネタバレネタバレ)。
確か346プロとCCGは提携を結んでいたね。
本家だと忘れ去られる設定だけど、今思い出してくれたらありがたい。
事務所の入口に入ると、346プロの社員であろうスーツを着ている人が行き来していて、アイドルらしき人はいない。
あたしと同じ人はいるだろうかと辺りを見渡していると...
(ん?なんだ、この匂い?)
するとあたしの視覚よりも先に嗅覚が反応をした。
それは日常で嗅ぐような匂いでもなく、常人が反応できるような匂いなんかじゃない。
"特殊な匂い"だ。
「同行ありがとうね」
「いえ、ただ使用人の勤めをしただけです」
匂いがした先を見ると、事務所の入り口前に二人の女の子がいた。
一人はキラキラとした金髪で紅瞳が特徴な女子高生と、対照的に黒いショートカットに"黒い傘"を持った黒セーラーの女子高生。
まず金髪の子の名前は黒埼ちとせ
みんなは知っているかもしれないけど、本家だとかなり後発のアイドル
確か2019年だっけ?
本家が開始してから8年後で、初登場したんだよね
まぁ、あたしは卯月ちゃん達と同じく最初からではなく、3年後に出たんだけど
それでもう一人の黒髪の子は白雪千夜
ちとせちゃんと同じく登場した子
これはちとせちゃんも同じこと言えるんだけど、みんなが知っている千夜ちゃんと、この世界の千夜ちゃんは全然違う
まずは千夜ちゃんが持っている"黒い傘"
これはちとせちゃんの日焼け防止に持っていると思うかもしれないけど、傘を差していた気配が感じられない(先ほどお店から買ってきたばかりのようにずっと閉じている)
まぁ、これはのちにわかるんだけど、今は言わない(焦らしておこう)
「では、お気をつけて」
千夜ちゃんはちとせちゃんにそういうと、頑丈な入口がある事務所に入るコトなくその場を去った。
(....?)
ちとせちゃんがあたしの横に通った瞬間、先ほどあたしが感じとった不思議な匂いがよく感じられた。
どう表現すればいいのかわからないけど、他の人から感じ取れない匂い。
その時のあたしはその匂いが一体なんなのかわからなかったが、のちにカネケンさんから同じ匂いが出た頃に気がついた。
で、なんでカネケンさんからそんな匂いがしたのか?
まぁ、それはのちほど(少なくとも、この頃のカネケンさんにそのような匂いはない)
(...おっと、忘れちゃいけない、いけない)
ふと我に帰ると、346プロに来た目的を思い出した。
スカウトされたから来たという目的もあるが、もう一つある。
それは文香ちゃんに会うコト。
カネケンさんと約束したんだ。
よく約束を守らないあたしだが、彼が涙を見せるほど言ったのだから、さすがに破るコトはできない。
あたしは自分をスカウトしてくれたプロデューサーから指定された部屋へと向かった。
それはプロデューサーから指定された部屋の前に来た頃のコト。
普通だったら部屋を案内してくれるだろうが、どうやらあたしのプロデューサーは営業で忙しく、携帯のメールで『この部屋まで来てくれ』と短い返事と事務所内の地図しか返事しかなかった。
(ここかな...?)
おそらくプロデューサーの部屋であろう部屋の前にたどり着いた、あたし。
部屋の前に来たのはいいものの、人の気配が感じ取れない。
もしかして、誰もいない?
そう思ったあたしは中に入ると、案の定、誰もいなかった。
1番乗りぐらいに静かな部屋。
いつもは遅刻するあたしが一番乗りとは珍しい。
(あれかな?プロデューサーの机かな?)
たくさんの書類が積み重なっているデスクがあり、覗いてみるとあたしが探している文香のスケジュールが書かれている手帳が置いてあった。
どうやら文香ちゃんのプロデューサーはあたしと同じようだ。
その後ろにはあたしのスケジュール表があった(真っ白だったけど)。
(さて、文香ちゃんになんて話そうか...)
プロデューサーのワーキングチェアに座り、人差し指を顎に当てて考える、あたし。
この時のあたしは文香ちゃんとは一度は会っているけれど、軽く顔を合わした程度。
しかも初対面の印象は既に悪い。
人は初対面でほとんど決まっているものだから、知り合いをストーカーして気味が悪いぐらいニコニコと接する人を、すぐに信用する訳が無い。
(....誰も来ない)
頭の中に上がっていた話題が消えると(あたし特有の飽き性)、部屋の周りを見渡しても人は入ってこないコトに気がついた。
おそらく他の人は仕事に行っていると思うけど、やけに静か。
(....よし)
あたしは心の中でそう呟くと、口角を少し上げた。
ただ、じっとするのはあたしの道理ではない。
少し346プロ内を探索するコトにしよう。
未だにあたしを担当してくれるプロデューサーが来る気配もなく、集合時間まではだいぶある。
あたしは誰もない部屋から抜け出し、事務所内を駆け巡るコトにした。
どこに行くか具体的に決まってはないけれど、何かに出会えればいい。
同じアイドルでもいいし、出来事もいい。
そんな感じで部屋から抜け出し、しばらく事務所内を周っていると...
「ちとせ、今日の予定を伝えるぞ」
「ええ、わかったわ」
すると事務所内を駆け巡っていると、商談するようなスペースにて、先ほどあたしの横を通ったちとせちゃんの姿があった。
今、ちとせちゃんとプロデューサー(あたしのプロデューサーとは違う)が打ち合わせをしていた。
(...こっそりと聞こうか)
あたしはこれからやるであろう仕事の打ち合わせをある程度知るため(実際は暇つぶし)、気づかれない程度の距離で聞くコトにした。
...と言っても話の前半はほとんど覚えてない。
ちとせちゃんたちが話していたことは『今日の仕事は?』とか『何時ごろに終わり?』などのただ今日の予定を確認する程度。
じゃあ、この時のあたしは何を覚えているか?
それは話の後半、ちとせちゃんたちから興味深い話をしたコトだ。
「そういえば、ちとせ」
「んー?なにー?」
「この前、ちとせが倒れた時に来た子なんだが」
「ああ、千夜ちゃんのこと?」
「そう、あの黒セーラの子だ」
それは予定確認から次の話題に移ったコトだ。
千夜。
ここであのちとせちゃんの使用人の名前を知った。
「もしの話なんだが、あの子をちとせと同じくアイドルになってみないか?」
この時、ちとせちゃんのプロデューサーは千夜ちゃんをアイドになってみないかと提案をした。
確かにあの千夜という子は容姿は綺麗だし、顔もいい
本家だと、ちとせちゃんと千夜ちゃんは一緒にアイドルになるのだけれど....(流れ的にはちとせちゃんが指示をしたんだっけ?)
「あー、それなんだけど。うちの千夜ちゃんをスカウトするのはお断りさせていただくわ」
「断る...?」
おや、まさかの本家とはちがう?
本家だとちとせちゃんの命令でアイドルになるのだけど、ここの物語では違う
「どうしてなんだ?アイドルになってもいいと思うが...?」
「別になってもいいかもしれないけど、こっちとしてはあまりよろしくないかなー?って」」
「こっち?」
「ええ、こっちと言うのは私だけじゃなくて、"家のこと"も含むから」
「家って...あ」
何かを察したかのような声をした。
これはあとで調べたことなんだけど、ちとせちゃんの家はかなりユーメーな家だった。
黒埼家
この世界のオリジナル設定だけど(メタ発言)、旧財閥の流れを汲む御家。
旧財閥とはいえど小規模で、まぁこの後出る月山家と比べると小規模。
とはいえど一般人と比べれば、資産家レベル。
お金持ちなのは変わらない。
「だから、千夜ちゃんをアイドルにするのはこっちとしてはお断りするかなーって」
この時のあたしはその話を聞き、刺激が走った。
何か知られてはならない秘密があるのでは?
あたしの探究心がウズウズし始めた。
(調べてみようかなー?)
あたしは好奇心が爆発しないうちに、ちとせちゃんたちの近くから離れた。
さて、ここで一旦停止
ちとせちゃんと千夜ちゃんについては、ここで一旦終了
次は文香ちゃんと会って何したかを話そう
ちなみにもう一度言うけど、次回はこの物語ではなく、本編を進めるよ
この物語があんまり進めないのは、本編との調整(実際は筆者のモチベ改善かも?)
こっちが突っ走ったら、本編の存在意義が薄れるからね
では、お楽しみ