〈レイガ隊の秘密〉
レイガ隊はある星で作られた組織で当初は五十人しかいなかったが、今では千人を超えるほどの勢力となっている。惑星レイガでは全員がその存在を知っている。しかし一部の人間しか知らない部隊が三つある。
一つは暗殺部隊である『
もう一つは情報部隊である『対魔隊』。零《ゼロ》隊と同じで敵対勢力の情報集めを目的としている。
最後はその複合でもある『
以上の三つを知るのはレイガとその妻、リムルとリムルリムル十二守護王だけである。
もう一つの特徴はその三つともメンバーがほとんど女性であり、レイガの妻である。
構成メンバー
零《ゼロ》隊
・アカメ、クロメ、レオーネ、シェーレ、チェルシー、セリュー、ナジェンダ(隊長)、スサノオ、ブラート
対魔隊
・アサギ、さくら、紫、イングリッド、アスカ、ゆきかぜ、凛子、不知火
・アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロン、ゼータ、イータ
彼女らのお話はまたどこかで
〈レイガサイド〉
バビロンも前回でようやく六つ揃った。『城壁』で働いていた十五体のミニロボのうち、十体は『格納庫』でロゼッタとモニカの手伝いをしてもらうことにした。
リオラとノエルのの服装はピンストライプのジャンパースカート、ジャージに決まった。ザナックさんのレパートリーも増えたね。
そういえばそろそろ冒険者ギルド支店が完成すると報告があったので、今日は視察しに出かけることにした。
ギルドの外観はすでに出来上がっており、細かい装飾や内装の作業に入っていた。結構立派な建物だな。あとでリムルに写真でも送ろうかな。
レイガ「あれ?」
ふと、作業現場を見ている桜の姿を見つけた。傍らには珊瑚と黒曜、ユエがいた。
黒曜『あら~、主だわぁ』
桜「・・・王様」
桜は未だ記憶が戻っていない。だけどそのままにするのは嫌だったので、彼女には自由に過ごしてもらっている。
レイガ「こんなところでなにしてるの?」
黒曜『さっきまで「銀月」で食事をして、帰ろうとしたらこの子が急に立ち止まっちゃったのよう』
僕の質問に黒曜が答えてくれる。
レイガ「食事ってお金は?」
『主のツケでいいって店長が』
・・・まじっすか。
レイガ「それで桜は何をしてたの?」
桜「あれ・・・」
桜が指差す方向には楽しそうに材木を運ぶオウガ族のザムザがいた。
レイガ「? 彼がどうしたの?」
桜「彼は魔族・・・。なのに誰も気にしてない。珍しい」
・・・珍しい? あー、魔族と人間の偏見のことかな。う~んでも僕にとっては普通だしな。
ユエ「・・・レイガの故郷じゃ、そんな差別はしない。魔族だからって警戒もしない」
レイガ「ユエの言う通り。僕の故郷じゃあ魔族も人間も一緒に暮らしているからね。僕もそんな国にしたかったんだ」
桜「・・・この国は変わっている。王様からして変わっているけれど。でも、とてもいい国。国のみんなが助け合って生きている」
レイガ「ありがとう」
そう言われとても嬉しかった。
そのあとは三人と一匹いや二匹?で街を見て回った。途中野菜畑によって野菜も少し貰った。
ある程度見て回り、城に帰ろうとした時、
『主』
レイガ「わかってる」
ユエ「・・・うん」
妙な気配を感じた。周りには僕と桜、ユエに珊瑚と黒曜しかいないはずなのに。
レイガ「ユエ」
ユエ「うん」
ユエに合図を送った瞬間、近くの木の上から放たれた矢が僕らを襲った。
桜「ッ⁉」
ユエ「・・・絶界」
驚きに息を呑む桜をよそに、矢はユエの魔法『絶界』によって阻まれ弾かれる。矢が放たれた木の上を見ると、仮面を被った黒ずくめの者がいた。
レイガ「あのさ、下の人もいい加減出て来いよ」
僕は木の上を見ながら、土の中にいる奴らに告げる。
すると、土の中から同じ仮面を被った黒装束の男たちが三人現れた。手には短刀を持っていたが、何やら刃には何かが塗られている。おそらく毒だろう。わかりやすい。
黒装束の男「・・・巨人兵はどこだ」
レイガ「巨人兵? ああ、フレームギアのことか?」
黒装束の男「質問に答えろ」
レイガ「なんで答えないといけないんだ? それよりお前らどこの国から来た?」
目の前の三人に尋ねるが、答えはない。じゃあ敵ってことでいいな。
ドライバー音『【グラビティ】』
黒装束の男達「「「ぐふうっ⁉」」」
【グラビティ】で目の前の三人を這いつくばらせる。するとその光景を見た木の上の四人目が逃走を図ろうとした。
レイガ「いや逃がすかよ」
黒装束の男「ぐがっ⁉」
四人目が地面に降りた瞬間にギアトリンガーを撃ち込む。運悪く後頭部を強打した。
あっちはいいとして、まずは地面にはいつくばる三人に目を向け、仮面を剥がそうと近づく。
桜「ダメッ!」
いきなり桜に腕を引かれるのと同時に未来が見えた。まじか! すぐに後ろに飛ぶ。
次の瞬間、四人の仮面が爆発した。
レイガ「まさかこうなるとは」
四人は自爆した。自爆でいいのか、誰かが遠隔で爆発したか。
それにしても、まるで使い捨ての道具みたいにしやがって、どこの国か知らんが、売られた喧嘩は買うぞ。
二コラ「三人の死体から身元がわかるようなものは何も見つかりませんでした」
会議室で副団長の二コラさんが報告する。あのあと僕らはすぐに城に戻り、緊急会議を行った。
馬場「んで? 小僧に心当たりはねえのか?」
レイガ「ないと思います。でもあいつらフレームギアが狙いなのは間違いありません」
馬場「それじゃ全部の国が疑わしくなっちまうわなあ」
馬場さんが腕を組んでふむう、と椅子にもたれた。
グレイフィア「しかし、西方同盟の国ではないと思います。彼らがそれほど愚かなことをするとは思えません」
グレイフィアの言う通り。反乱ならともかく、みんながそんなことをするとは思えない。それにあいつらフレームギアのことを『巨人兵』って言ってた。名称を知らない可能性が高い。
椿「ひとつ、気になるのですが。陛下は刺客が仮面を付けていたと仰られましたが・・・」
レイガ「確かに仮面は被っていたけど、それがどうかしたの?」
椿「その仮面からなにかわからないか、と・・・」
と言われたので、僕は仮面を取り出してみんなに見せる。
馬場「! 小僧その仮面どうした⁉」
レイガ「ん、仮面だけ時を戻したんです。ちゃんと仮面の爆破魔法は取り除いたから大丈夫ですよ」
あの爆破後、僕は仮面だけ時を戻した。まあ実際シャイニングの力は僕は本当に助けたいって思いがないと発動しないからな。無機物はこのルールに当てはまらない。
小波「ご主人様」
レイガ「ん、小波。どうしたの?」
小波「その仮面に見覚えが・・・確かユーロンという国の諜報員『クラウ』のものかと」
レイガ「ユーロン?」
椿「天帝国ユーロン。イーシェンの西に存在する国家です。天帝が治める国で、海を渡り、イーシェンに何度か攻め込んできたこともあります」
ユーロンか・・・今のところ警備を強化するとして、ユミナたちにも護衛をつけよう。あーいうやつらは僕はダメだと気づいたら僕の身近な人物を狙うからな。まあもしユミナたちに傷でもつけたら・・・まじで消そう ユーロンごと。
それにしてもなんで桜はあの時爆破するとわかったんだろう?
あれから数日が経ち、ユミナたちにはそれぞれ僕の妻が護衛することになった。
エルゼ→ヨル
リンゼ→アイリーン
八重→カナエ
ユミナ→リリス
ルー→グレイフィア
スゥ→ウルティマ
ということになった。これで安全だと思う。それであれから襲撃がなく平和に過ごしていた・・・・はずだった。
ドット「てめぇ 今なんつった!」
ランス「うるさいと言ったんだ」
現在訓練場で二人の男が喧嘩していた。片方は逆立つ赤髪にヘアバンド、左頬に1本アザがある男『ドット・バレット』。もう片方は水色がかった銀髪で右頬に2本のアザがある男『ランス・クラウン』である。二人もレイガ隊の一員なのだが、なぜ喧嘩をしているのかは数時間前に遡る。
数時間前
レイガ「あ、おかえりレイン」
自爆事件から二日後、レインが惑星レイガから戻って来た。
レイン「ただいま戻りました」
レイガ「それで向こうはどうだった?」
レイン「はい。いつも通りみんな元気に過ごしていました」
レイガ「そっか~それでリムルは」
レイン「・・・ヴェルドラさんとラミリスさんに振り回されていました」
レイガ「あ~どんまいリムル」
そんな近況報告を聞いていると、扉から誰かが入って来た。
レイガ「あ! ランスにドット」
レイン「お前らどこに行ってたんだ」
ランス「どっかのバカが城中のメイドに手当たりしだい告白して全敗して燃え尽きたから引っ張って来た」
ドット「・・・」
そこには白く燃え尽きたドットと彼の首根っこを掴んで引っ張って来たランスがいた。
ドット「・・・どうしてモテないんだ」
ランス「貴様がバカだから」
ドット「あぁッ! てめぇ今なんつった」
ランス「バカと言ったんだ」
レイガ「まーた始まった。あの二人っていつもこうだよね」
レイン「はい」
この二人、ランスとドットは超絶仲が悪い。二人の時はいつも喧嘩している。でも二人が協力して戦ったら強いんだよな。コンビネーションが抜群で。
ランス「相変わらず貴様といると疲れる。なあ アンナ」
アンナ(ランスの裏声)「だめだよお兄ちゃん。友達にバカって言ったら」
ランス「ああ、アンナは優しいな」
ランス以外の三人「「「・・・」」」
今の場面を初めて見る人はこいつなにしてるんだ、と思うだろう。そうランスは超がつくほどシスコンなのである。いつも妹のアンナの写真入りのペンダントを着けている。ここまではいい、ただランスは何かあるといつもペンダントに話しかけている。しかも裏声で。もう恐怖のなにものでもない。
ランス「さて、今回は妹のアンナに免じて貴様のバカを取り消そう」
ドット「いや、やっぱ怖えよ! お前のシスコン度が!」
となにやら解決したように見えたが、数分後にはまた喧嘩になって現在に戻る。
ドット「【エクスプロム!】」
ランス「【グラビオル!】」
訓練場は今二人の喧嘩でめちゃくちゃになっている。止めようと思ったけど、二人の実力を見せるのもいいかな、と思い騎士団のみんなも集めて見学している。
裕斗「今回はどっちが勝つと思います?」
アビス「魔力ならランスに分があるでしょう」
錆兎「ただ威力ならドットだろうな」
裕斗たちも見学している。まあ結局後から来たハクロウに怒られ、しばらく正座&説教をされた二人であった。
ご要望からかげじつからシャドウガーデンのメンバーを嫁に追加しました。
セリフの横に名前を書くか
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書いた方がよい
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書かない方がよい
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どちらでも良い