間に合わない系最強TSロリ女騎士   作:『?』

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後・取り憑き

 ここは平原に突き抜ける、何の変哲もない街道の半ば。

 平均的中世ファンタジーの世界観にありがちな科学技術の未発達故、当然といえば当然なのだが舗装等の整備はされておらず、ただ踏み固められただけの土道が何処までも続いている。

……しかし、歩きこそすれど、行き先なんてどこにもなかった。

 壊れ切ってしまったピレアットから目を逸らすように、ひたすらに遠ざかる方向へ進むだけ。

 思考を止めて、ただ漠然と歩いてゆく。

 少し前も似たような景色を歩いていたはずだろう。…しかしもう、完全に別物であるように感じられたのだ。

 

『本当に辛気臭ぇな、お前は!せっかく元凶ブッ殺したんだし、もっと陽気に歩いたらどうだよ、なァ?』

 

 不意に脳内を掛けたのは、あの時確かに殺したはずの男。とてつもなく高度な技術を持った、あの悪魔の声であった。

 ただどうにも、魔法や奇跡を使って語り掛けているような調子ではない。

 彼の気配は、僕の内側……

 

「…私の中に、入っていたのですね」

 

 どうやったのかは知らないが、どうやら僕の魂の中に、彼の魂が混じっているようだ。

 もっとも完全に同化しているわけではないらしい。例えるなら水が入った容器に油を注入されたようなものである。

 混じり合わないものが、1つの容器に同時に存在するような…とても奇妙な感覚であった。

 

『あァ、殺された瞬間からな!ずっとお邪魔させてもらってたんだぜ?ついでに記憶も覗かせてもらったよ、もちろんお前が男娼やってた頃からだ。…それにしても生まれ変わりとは興味深いな。どうやったんだ?』

 

「私にも、分かりません」

 

『だろうなぁ…知ってた。全部見たからな!』

 

 あえて言い触らすようなことでもないが、秘しておかねばならないようなことでもないだろう。

 恥ではないとは言わないけれど、考えたところで不毛なことである。

 そもそも、僕が前世でどのような生活をしていたかなんて、知ってどうにかなるようなものでもあるまい。

 そんなことより、また彼と会うことができたのならば、こちらからも聞きたいことが…

 

『ムリールの居場所を教えてください、か?』

 

「えぇ、まぁ…はい」

 

 考えようとしていたことを先読みされたことで、思わず歩みを止めてしまった。

 思考の腰を折られると、自分が何を考えようとしていたのか考えてしまって、何も考えられなくなってしまう。

 我ながら支離滅裂な表現だけど、僕の語彙力ではこの感じを、これ以上に正しく表現することができないのだ。…どうにも、如何ともしがたい気分であった。

 持ち直すことに時間が必要な訳ではないが、そう何度もこれをやられると、とても困る。

 

『お前…その思考、マジで言ってんのか?…まぁ、いいぜ。どうせ教えなくたって諦めるだけなんだろ?教えてやる。アイツはなァ…死んでるぜ。今は魔界の、俺の拠点に転がってるはずだ。俺の魂のストックにしてたからなァ…つまり俺を殺したお前が、アイツを殺したってことだよ!』

 

 そうか。…そっか。

 ピレアットの住人を死ねないようにしたらしい悪魔が言うのだから、この発言が間違いである可能性は低いだろう。雰囲気を考えても、嘘があるような様子はない。

 きっと彼の発言は、事実なのだ。

 

 ムリール、本当に…死んでしまったんだな。

 どこかで皆に称えられて、僕などより長生きして、幸せに生きて欲しいと、そう…思っていたんだけどな。…いや、これでいいのだ。

 あの状態から何の問題も無く生き残って、しかも正気のままに再開できるだなんて、そんな高望みをすることはできない。

 彼が今も苦しみ続けているなら別だが、そうでないなら未練はなかった。

 

『お前…お前があいつに向けてた感情は、そんな軽いもんじゃねぇだろ。どうしてこの話を聞いて安心できるんだ?どうせて俺を信用する?…思考と感情が一致してない。あんなことがあって俺とまともに会話できんのもまったく解せねぇよ』

 

「…怒ってほしいのですか?」

 

 沈黙。

 うっすらとだが、魂を通して彼の感情が流れてきた。

 これは…同情だろうか?

 

『同情…あぁ、そうかもしれねぇな。お前を見て哀れに思わねぇヤツはいないだろうよ。誰もが当たり前に持ってるものを、お前は持っていない。そのことを知っていて、それでもまったく欲しいと思っちゃいねぇ…まるで虫でも見てるような気分になるぜ。こんなに持ってない生き物が居たのかってな』

 

「…虫、ですか」

 

『怒ってほしいかって言ったよな。そうじゃねえよ。お前は怒るべきなんだ。その方が人間相手にしてる気分になるぜ』

 

「…」

 

 進んで会話したい相手、とは口が裂けても言えないけれど、あえて怒るほどの相手でもなかった。

 たしかに彼が踏み躙ったものは取り返しがつかないもので、(いたずら)に弄ばれた余りにも沢山の命は、もう二度とは戻らない。…彼の行いはきっと、どのような罰や奉仕を経ても、償い切れないほどのものだ。

……しかし、彼の犯した罪がとてつもなく大きいものであったとして、それは僕が無垢を気取れる理由になるのだろうか。

 そんな道理は在り得ないはずだ。

 

 彼の所業を嫌って唾棄できるほど、僕は自分の殺戮に無責任ではいられないから。

 それに彼は、僕の魂と一体化しているのだ。僕から離れられないし、何もできない存在を相手に、これ以上思うことは何もない。

 僕は彼に怒りを抱くことができない。

 

『お前嘘だろ?マジでこれが本心なのか?…マジかよ。だとしたら本当にきっしょいな。俺だったら好きなだけ罵詈雑言浴びせてるぜ。殺せるなら殺しただろうな。お前はどうしてそこまで自分の感情を…いや、やっぱいいや』

 

 諦めたような、息を吐き出す音があった。

 魂だけなのに、溜息はするものらしい。…いずれにせよ彼は、僕に自分をどうにかしろと訴えかけることをやめるようである。

 それから一息置いて、『良いこと思いついた』と呟いた彼は、またもや語り始めたのであった。

 

『なぁ、きっとお前とは長ぇ付合いになるだろうからな。少しは俺のこと知っといてくれよ。…本当は俺もお前も、自己紹介なんて必要無いはずなんだが、どうやらお前は気付いてねぇようだからな』

 

「気付いてない…」

 

 正直なところ、気付こうともしていないというのが正しいだろう。

 それに悪魔の呼称なんて、それ自体気にしたことすらなかった。

 根本的な所として、人間が言うところの悪魔の名前は、あくまで仮称に過ぎないのだ。姿形ですら、本来のものとは違うという。

 つまり憶えたからといって、追悼にはならないのである。

……であるというのに、どうして知る必要などあろうか。

 

 ただそうは言っても、聞いたことのあるものはいくつかあった。

 昔話や物語に登場するような特別な悪魔。あれらは例外である。

 もっとも誇張や比喩がふんだんに用いられていたし、出会ったところで分からないだろうなとも思っていた。

 つまり僕の既知の範疇にある悪魔の名前など、存在しないといっても過言ではない訳だ。

 

『ははは、興味なさそうだな?いいぜ、期待に応えてやるよ』

 

 なにが『いいぜ』なのだろうか⋯

 僕は特にこれといった期待なんて、していなかったはずなのだけど。

 

『別になんだっていいだろ?お前の考えてることなんて、死ぬほどどうでもいいぜ。もう死んでるけどな。…とにかくだ、俺は医療の魔ってんだ。お前が俺を知ってることを俺は知ってるぜ。もっとも、他の名前もあった気がするんだがな。そっちは生憎と忘れちまった』

 

 あぁ⋯そういうことか。

 確かにそれには気づけなかった。

 分からずに殺したけれど、彼がそうだったのか。

 

 確か“顕現せば、紅き死の大地が広がるのみ。打ち見れば心変わり、語るを聞くにも憚るる所業にて命を冒す”だったか。

 まぁ…行動についてはおおむね伝承通りだった気がするけれど、容姿に関しては少し意外であった。

 もっと怪物という名前にふさわしいような、とんでもない姿をしているものだと思っていたから。…とはいえ悪魔としては見るなら、異物感のある姿ではあったかもしれない。

 

『随分と他人事なんだな。…まぁ、なんだ。いい反応を期待していたって訳じゃないけどよ』

 

 彼は…僕を一体どうしたいのだろうか?

 

『俺はよ、不死を研究してたんだ。人間を死なない存在にする方法をずっと探してた。…今は魂を操る業がお前に破られちまったせいで、完全に行き詰まっちまったがな。『斬ったら斬れるだろう』なんてふざけた考えが、マジで通用しちまうんだから異常だぜ』

 

 彼が戦闘の半ばで叫んでいたことからも、この願いについてはある程度察しがつくものだけれど、こうして聞けば改めて思うものだ。どうしてあのようなアプローチになってしまったのだろうか、と。

 願い自体は素敵なものであるというのに。

 

『お?褒めてんのか…俺を?』

「えぇ、まぁ…はい」

 

 実際、彼は凄い悪魔だろう。

 願い自体も、きっと真摯に追及していたならば、僕だって応援していたはずだ。

 守ろうと思った人たちが、手のひらから零れ落ちる。…目と鼻の先で死んでしまうことほど、恐ろしくて虚しいことはないから。

 

『ははは、不死への到達なんて、まともにやって達せるものではないってことさ。それにどうせ俺のことだ。死なないおもちゃが欲しいとでも思ってやってたから、あんな風になっちまったんだろうな』

 

 なんだか…違う気が、するのだけれど。 

 それでも彼自身が言うのなら、そうなのだろう。

 僕は彼のように、彼の考えていることを見通す方法がわからない。たまに感情の流入とも表現できるような、奇妙な感覚はあるけれど、発言から真否を見抜くほどのことは叶わないのだ。

 

『とにかく俺は、お前からインスピレーションを得ようと思ってな。どうせ死ぬだけだったし、お前の魂に俺をねじ込んだって訳だ。今のところ興味深い記憶がいくつか、あとお前が度し難い馬鹿ってことくらいしか分かってねぇがな。おまけに魂すら無駄に強いせいで弾かれちまって、薄汚ぇ腫物みたいになっちまってる』

 

 彼が発言を終えてから一拍。…特に続くものもないようだと確信した僕は、自分から返すのも礼儀だろうと思って、自己紹介をしようとした。

 

「…わたしはミラ」

 

 ただこれは、出鼻を挫くようにして遮られてしまう。

 半ば叫ぶようにして『いらねぇよ!』と発した彼の口調は、少し慌てているようにも感じられた。

 

『お前のはいらねぇ。あの…孔雀の騎士とか言ってたか?人間どもが壁ン中に入ってくるまで、ずっとボソボソ呟いてただろ。あれずっと聞かされてたからな。もう十分だぜ、マジで』

 

 そうだったのか。

……いや、確かに殺された瞬間からというのなら、聞かれていてもおかしくはないか。

 つまり彼は、自分を殺した相手が虚空に向かって、延々と意思表明する様子をただ眺めていたという訳か。

 悪魔にこういうのも何だけど、随分と悪趣…

 

『おいおい、勘違いすんなよ。俺だってあんなの、聞きたくて聞いてた訳じゃねぇ。お前の魂に掻き消されそうだったんで、抵抗しててそれどころじゃなかったんだよ』

 

「そうですか…」

 

『ははは、まぁ分かってくれたんならそれでいいんだ。なぁ…しかしお前にも、ちゃんとそういう感覚はあるんだな。女神であれかしと自己暗示してる割には、存外にマトモだ』

 

「そうでしょうか」

 

 不意に話の趣旨が変わった。

 これによって、特に考えることもないまま生返事を返してしまうが、それを理解しているであろう彼は、僕の思考。…というよりは、思考していないことと表現したほうが正しいだろう。

 完全に置いていかれていることに、全く触れることなく語りを続けている。

 あるいはそれは、言葉を意思疎通の手段として利用しているわけではないように思えるものだ。

 彼は考えていることを、そのまま垂れ流しているのかもしれない。

 

『もっとも嫌悪感や不快感を覚えてねぇ…客観的な視点で認識しているあたり、結構キテると思うぜ?直に扱ってみて分かったんだが、お前の魂は異常なんだよ。悪魔とは質が違ぇが、相当に歪んでる。性分の歪みも、きっとその所為かもしれねぇな。しかもこれは、お前の素性や来歴より、もっと根本的な―――

 

 

……以降、彼の話は陽が落ちてもなお続いた。

 

 内容についても、大半が『私』…あるいは僕への考察がほとんどである。

 未だに引きずっている後悔の記憶も多々交え、ひと時も絶えることなく語られるそれは、ひどくやり場のない感情を募らせるものであった。

 地平の果てまで続く平原を目的地も無く歩いてゆく中、延々と脳内で続けられる独り言。…時折質問が投げ掛けられることもあったが、返答する間も無く自己完結してしまって、それがまた変に注意を持っていかれる。

 例えばそれが今でなければ。あるいは彼でなければ、きっと問題無く流すことができただろう。

……しかしこの状況で十何時間と継続されるそれは、率直に言って聞くに堪えなかった。

 

―――と器としての人間は、まったく異なる存在なのかもな。その肉体と魂魄に宿す絶対性を鑑みるに、そうでもなければ説明が付かねぇ…っておい!もう夜じゃねぇかよ!』

 

「…そう、ですね」

 

 ここまで明確に疲労というものを自覚したのは、未だかつて無いことだ。

 精神的な疲労には、絶望以外の形もあるのだと知ってしまった。

 

『なぁ、お前疲れてるんだろ?上位者と、その血族は眠る必要がねぇ…だが、それが眠らない理由にはならないはずだ。お前、もう何年も寝ずに生活してるじゃねぇか。心もいい感じに仕上がってきてるしよぉ、いい機会だと思わねぇか?』

 

「…」

 

 この感情を、どのように表現していいのか、分からなかった。

 確かに彼の発言は一理あるだろう。

 ただ、今の精神状態に陥ることになった理由が、この悪魔にあることを考えれば、異論や反論の類もいろいろと思いついてしまうものだ。

 この荒んだ感情は、余裕がない中で飲み下すには、あまりにも苦すぎるものである。

 

『そりゃお前、怒りっていうヤツだ。ちょっと腹が立つってレベルじゃない、マジモンの憤怒だぜ。未知を知ったな。喜べよ、初めて抱く感情だぜ?』

 

 あぁ…そうか、これが怒り。

 今までは理解できないものであったが、これは不快だ。人を殴りたくなる気持ちも分かる。

 

「あなたの話は、つまらないです。…明日からは少々、口数を減らしてください」

 

 そうでもなければ僕は、抵抗できない相手を殺してしまうことになる。…そんな予感を、ひしひしと感じていた。

 慣れた感情ならば制御できるが、これはあまりにも耐え難いと思ったのだ。

 

『ははは、脅しか?怒りでひとつ、これでまたひとつ…どんどん人間らしくなっていくな!』

 

「…」

 

 意図せず、剣を握ってしまった。

 それを抜こうとする感情を落ち着けると、ゆっくりと手を離す。

 深く息を吸った。そして感情ごと、すこし大袈裟に吐き出す。

 自分の行動を制御できなくなるほど感情的になるというのは、酷く精神を蝕むものだと思った。

 

『あー、これは…洒落にならないやつだな?せっかく取り留めた命を無駄にするのももったいねぇし、流石に自重するか。今日はもう黙るぜ』

 

「分かってくれたのならいいのです。…そうしてください」

 

 文句がないと言えば嘘になるが、何か言ったところで気が晴れるようなことでもないというのは、分かり切っていた。…これ以上問題を長引かせる必要もないだろう。

 ひとまず彼の台詞に安堵して、先へと進もうと足を動かす。

 

 一歩、二歩、三歩…歩みを進めるたびに、それを数えてゆく。

 足を動かす感覚が浮ついていて、どうしても意識してしまうのだ。

 

 確かに歩いているはずなのに、全く歩いている感覚がないというのも心地が悪い。

 あの声が聞こえなくなると、冷静な感情が表に出るようになって、ずっと同じ場所で足踏みをしているような、行き詰ったような感覚ばかりが目立ってしまう。

 それでもピレアットの城壁が、地平線の向こうにすっかり隠れてしまうほどの距離は、進んでいるはずであった。…もっとも喪失感によって、来るときのそれよりずっとペースは遅かったかもしれないけれど。

……しかしあそこから逃げて以降、まったく先に進めている気がしない。

 

 それから足を動かすこと、都度十数回。

 余りにも歩くことが億劫になってしまって、その場で動きを止める。

 衝動的に空を見上げれば、目に入ったのは大きな満月。黄色くて丸い、大きなひとつであった。

 その周囲を取り囲むように煌めいている星は、夜空を眩く飾っている。

 

 親しい人との記憶は、夜空を見れば思い出されるものだ。

 

 誰かと共に歩くときは、夜は自ずと足を止めることになる。彼らは僕とは違って、ずっと寝ずにいられる訳では無いから。

 相手の目覚めを待って、空を見上げているだけの時間を過ごすことになるのだ。

 寝られないこともないけれど、別に寝なくてもいいから、そうやって呆けていた。

 僕はあの時間が、嫌いじゃなかった。

 誰かの寝息。誰かの気配。…その『誰か』が、好き好んで僕に付いてきてくれた人だと知っていたから。

 こんな僕を知って、それでも慕ってくれた人たち……

 

「…疲れちゃったな」

 

 思い出は星より遠くて、手が届かないものであるように思える。

 そうして空を見上げたまま、何とはなしに手を伸ばしてみるが、結局何にも触れることは出来なかった。

 あまりの距離感に眩暈すら覚えた時、ふとあの悪魔が言っていたことを思い出す。

 

「いい機会、なのかもなぁ…」

 

 道から外れた方向に行く先を変えて、もう少しだけ歩く。

 草の絨毯が夜風に吹かれて揺れており、それが鎧と触れるたびに、しょりしょりという心地の良い音が鳴っていた。

 このような形であれば、先ほどよりは少しだけ、歩くことに消費する苦労も少ないような気もしてくるもの。

 もっとも碌に気力も残っていない中でのことである。

 最低限、街道から直接見られることはないであろう場所まで来るなり、僕はその場に倒れ込んだ。

 

 短草を背に、夜空を見上げて、仰向けに寝る。

 こうして横になること自体、随分と久しぶりの事であっただろう。

 果たして、本当に眠ることができるのかなんて分からなかったが…それでも少なくとも、夜が明けるまでは目を瞑っていようと思う。

 

「おやすみ」

「おやすみなさい、ミラステラ…」

 

……返事はない。

 それでもぼんやりと、これでいいと思っていた。




Tips 医療の魔

 最古の魔王として知られる神話の怪物。
 これについて記された資料は、あらゆる国で秘匿されており、それが一体何なのかを正しく認知するものはいない。
 そうでありながら『医療の魔』という存在自体は、ずっと昔から民衆の間で語り継がれている。

 それは恐怖の象徴であり、しばしば子供のしつけにも用いられるのだと。

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