黄金のヒーローアカデミア【二人の王様】   作:エヴォルヴ

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『ペルソナコード』

混種の鍛冶師ヒューグが、鎮め火の王のために作った仮面。彼の代名詞である火を覗き穴から溢れさせる機構を備えている。
偽りの声帯を生み出すそれは、喪色の鍛石をふんだんに使った特注品。


なんか今回、いつにも増してクソ駄文だな……


野心ごと掻き消してやろう

 瀬呂からの通信が来ないことに、Aチームは焦りを感じていた。いくら思考判断が早いとはいえ、つい最近までなんの変哲もない中学生だった一年生だから当然ではある。

 

「瀬呂君からの連絡がない……もしかして捕まった……!?」

 

「可能性はあるね。分ごとの連絡がない」

 

「とりあえず瀬呂が捕まったって仮定して動くべきだね」

 

 捕まったし、情報が筒抜けになってしまっていることには気付かない三人。経験はまだまだ足りない。

 

「なら、プランBを──!?」

 

 頭を空に浮かせていた取蔭が驚愕で表情が不思議なことになった。

 

「どうした取蔭──」

 

見つけたぞ、ヒーローよ……

 

 カツ、カツ、と人が歩いてくる音が聞こえる。それは、黒い鎧に身を包み、恐ろしい気配を放つ者。教科書に記載された凶悪な(ヴィラン)なんて目じゃないほど恐ろしい気配。

 

「「我が師を骸とし、なおも功を求めるか」」

 

(そういえばヒーロー側は、(ヴィラン)が教育していた人を拘束するって設定だっけ? ……マジで? あの人達拘束すんの?)

 

「「ならばその命、野心ごと……掻き消してやろう」」

 

 骨抜が二人を拘束するのが無理ゲーだと確信した頃、王が持っている杖に異変が起こった。力強く握り締められた杖はひび割れ、紫色の剣が姿を現す。曲剣、曲刀と呼ばれるであろうそれは、不気味な美しさを放っており、気を抜けば引き込まれそうな魅力を放っている。

 

「ッ! 骨抜君! 地面を軟化させて!」

 

「そういうのは大声でやるもんじゃないよ」

 

 消えるように像がブレた律が緑谷の後ろに立ち、柄を後頭部に直撃させた。

 

「ゴッ!?」

 

「緑谷!」

 

「余所見とは、余裕だな?」

 

 緑谷が一撃で昏倒したところを目撃した骨抜に人使が迫る。

 

「ヤッバッ……!」

 

「お?」

 

 死を幻視した骨抜が地面を軟化させて潜り、人使は少々驚いたような声を上げた。勝てないと思ったらすぐに逃走を図るというのはどの世界でも通用する戦法である。

 

「判断が早い。それは評価するが……地中への攻撃を用意してないわけがないだろう」

 

「人使、ストップ。それ消し炭になるやつだ」

 

「そうか? …………そうか」

 

 彼が発動しようとしたのは『古竜の雷槍』という祈祷。本来なら地中への攻撃に使用されることはないが、物理法則を無視した攻撃をするのが基本の狭間の地。地中だろうがぶち抜ける。

 だが、信仰神秘驚異の99である人使がそれをすればどうなるだろうか? 結論、消し炭になってしまう。

 

「狭間の地の皆は、こんなんじゃ死なないのになぁ……」

 

「脆いよねぇ、ここの人達」

 

 教師陣の中で狭間の地に行ったことがある相澤は、お前らが異常なんだと呟いているが、当の本人達には聞こえていない。

 

「手加減してくださいよ……!」

 

「えー、それじゃあ訓練にならないじゃん。先生から聞いてない? 叩き折りに行く訓練だって」

 

 分離して、なんとか攻撃を躱している取蔭と話す律の表情は楽し気だ。人をいたぶって楽しむ趣味嗜好は持ち合わせていないが、敵が苦しむ様を見て笑うのはいくつになっても楽しめる。

 

「プライドも、自信も、何もかも一回全て折って、学ぶ。雄英に入ったんだ。君達はもうヒーローの道を進んでる」

 

「プライドで人が死ぬ。自信と慢心で人が死ぬ。全て失う」

 

 少なくとも、狭間の地ではそうだった。そうじゃなくても人は死んだが。自分が強くなかったから、余計なプライドや自信を持ってしまったから、この人なら大丈夫だからなどという、よく分からない信用をしてしまったから……多くの人がいなくなったのだ。

 

「そんな後悔をしないために、絶望を駆け抜けるために、俺達は全力で君達を折りに行く」

 

「さぁ早くも二人だけだぞヒーロー。どうする?」

 

 逃げる側が攻撃してくるなんて想定をしていなかった──正確には、彼らの実力を見誤っていた生徒達は、立て直す余裕は全く存在していない。

 

「ちなみに骨抜君、不意打ちを狙いたいのなら敵意は隠さないとね」

 

(バレてる……!?)

 

「少しは楽しめるかと思ったが、まだまだ子供だな」

 

 こんな罠にも気付かない、そう呟いた人使の横からテープが伸びて取蔭に貼り付いた。そう、洗脳された瀬呂である。

 

「瀬呂……!?」

 

「に、逃げろお前ら!? 体が勝手に──!」

 

 そして悪質なことに瀬呂の洗脳を体にシフトしているため、意識があるのに体が勝手に動くという状態。人使の個性を知らない取蔭達でも理解した。

 

「心操先生の個性は──洗脳……!」

 

「大正解。ちなみに洗脳は一定時間の経過か、一定量のダメージを与えるか、俺の命令で解除されるぜ」

 

 狭間の地基準で、慈悲の短剣+25の致命ダメージくらい与えれば洗脳は解ける。そんなことしたら死ぬが。それを容易くやってのけるのが狭間の地の騎士、戦士達だ。だが、この世界でそれをやれば人は死ぬ。つまり、一度かかってしまえば時間になるまで操り人形である。

 

「あんたらそれでもヒーローかよ!?」

 

「「はっ」」

 

「嘲笑!?」

 

 これがエルデの王である。敵対者に容赦はしないのだ。

 

「そういえば逃げなくていいのかな? 間合いだよ」

 

(!? 武器が違──)

 

 ゴッ、と鈍い音が響き、骨抜は横にぶっ飛ぶ。手加減していたとはいえ、クリティカルヒット。骨抜は気絶してしまう。

 開始から五分足らず……まさかの逃走者の攻撃により、ヒーロー側は殲滅されてしまった。

 

 

 ──────────────────────────────

 

 

 時は飛んで一時間後。どんよりとした雰囲気が運動場γには広がっていた。

 

「んじゃ、全体の講評ねー……うん、もっと協調性を持とうか……って、聞いてんのかそこの二人ィ!!」

 

 温厚な律からの怒鳴り声にビクついた二人──A組の闇期到来中の少年と不良少年である。

 

「二人さぁ……特に酷かったからね? あれ現地でやってみ? 死ぬよ?」

 

 どちらも独断専行し、真っ先に叩き潰された二人である。どちらも強い個性だったからこその慢心や焦りなど、負の感情が先走った。

 

「視界は塞ぐ、指示は受け付けない、付いてこい、てめぇらの話なんか聞いても無駄だ、みたいな態度……本当にヒーローになる気、あるのか……?」

 

 寛容な王であっても、あの暴挙は見逃せない。狭間の地に放り込んで野垂れ死んでくれた方がまだ世界のためになるのでは、と思ってしまうくらいには、彼らの独断専行は良くないものだった。あれでは慢心してカニに殺されるのがオチである。

 

「視界を塞いだ後、どうなった? 言ってみろ」

 

「……殴られて気絶した」

 

「……蹴り飛ばされて気絶した」

 

「広範囲の攻撃、高威力の攻撃は確かにいい。だが、味方のことを考えない攻撃、最悪を考えない動きはゴミだ」

 

 耳の痛い話である。この講評は後々教師が聞くものだ。プロヒーローにも、たまにいる周りのことを考えない攻撃を行う者──そういうことができてしまう者がいる。それを知る身には耳が痛い話だろう。(No.1、No2、No.3のヒーロー)

 

「協調性は大切にしていこうね。──さて、次は今回の授業MVPだね。MVPは……峰田君、君だ! おめでとう!」

 

「お、おおお俺!?」

 

 拍手と共に贈られた称賛に、峰田は驚き、A組とB組どちらの生徒からも驚愕の視線を浴びる。

 

「うん。君、はっきり言って臆病でしょ?」

 

「突然のディス!?」

 

「ああ、悪い意味じゃないよ。臆病ってのは弱い人の考えが理解できる強みさ」

 

「峰田は逃げ道をいくつか用意していた。見えにくい場所にモギモギを置いたりしてな」

 

 逃げ道は多く作っておくのが、戦いにおいて強いアドバンテージとなる。人命救助が最優先事項のヒーローという仕事をやるのだから当然だ。

 

「凡戸や瀬呂もあんな感じでいい。露骨すぎるのは良くないがな」

 

「女の子の声に反応しちゃうのはいただけないけどね……」

 

 心当たりがある生徒の心に突き刺さる律の言葉。

 

「ま、そこは追々直していくとして……何か質問は?」

 

「王金先生の個性ってなんですか!?」

 

「『黄金律』だよ。なんでも完璧な黄金比にする個性。武器とか取り出してたでしょ? あれは、俺の中で『これを持つことで完璧な存在として成り立つ』って意識を作って生み出した産物だよ」

 

 狭間の地については、極力話さない方針で行くと教師から言われている。ビッグ3となったあの三人は定期的に遊びに来るようになってしまった*1ため、隠してはいないが、一年生に教える必要性は皆無である。だから、嘘を教える。

 

「あれ? じゃあ心操先生は?」

 

「こいつが個性発現した時に、引っ張られたらしい。まぁ、こいつからエンチャントされてるって感じだな」

 

「そ、そんな個性が……」

 

「ちなみに、戦闘技術は自前だよ。個性にかまけてやられました、じゃ何もできない」

 

「死ぬほど努力した結果ってやつだ」

 

 死ぬほど(本当に死んだ)努力した二人を捕まえるなど、不可能なのだ。プロですら手こずるというか、殲滅される可能性が高い。物理系攻撃なら物理カット100%の盾を構えて突っ込んでくるし、13号なら岩石をぶん投げてくるなど、彼らの強さは手札の多さもあるのだ。

 

「他に質問は? ────ないなら締めるよ。相澤先生と管先生の講評も聞くこと」

 

「俺達はちょっと用事があるので、ここで抜ける。今日の授業……敗北が君達の限界にならないことを祈ってるぜ」

 

 ボロ負けさせたお前達が何を言っているんだと、相澤達は思わなくはなかったが、この授業での敗北は確実に糧となる。ここで折れて立ち直れないようでは、この先ヒーローにはなれないだろうから。

 まぁ……だからと言って、これは酷い。さすがにフォローをしておかねばならないと二人の担任は感じた。

 

「一つ言っておくが、今回の授業は心を叩き折ることに焦点を当てている」

 

 相澤の言葉がA組とB組に浸透する。確かに、あれほどの実力差を見せられたら心が折れる。諦めを選択しようとしている自分もいることに、生徒は悔しさを感じた。

 

「あの二人は絶望を知っている。それを知るからこそ、この授業を発案したんだ」

 

「実力だけあっても、人は救えず、プライドでは何も守れない。覚えておけ、お前達。プロになった時、隣にいる誰かが死んでいる可能性だってあるんだ」

 

 自分のミス、プライドが邪魔して人が死ぬ。実力とコミュニケーション能力がなければ、連携も何もかもが上手くいかない。そして次第に孤立する。

 

「学校じゃ成績が落ちるだけだが……現場に出て、失敗をすれば落ちるのは人の命だ」

 

 相澤と管の言葉が、生徒に重く突き刺さった。これが、最高峰、ヒーローを目指す学校である。

 

 

 ──────────────────────────────

 

 

「ほう……お前は……あの時の褪せ人か」

 

「……お化けのレナさん?」

 

「お化けではない。……私は魔女ラニ。暗い道を探している者だ。お前は?」

 

 どこから迷い込んできたのか、あの日草むらに隠れていた少年が目の前にいる。もう一人の少年は一緒ではなく、鎧はひしゃげ、腰に吊るした武器は半ば砕けており、激戦を繰り広げたことが良く分かった。

 

「……律。王金律」

 

「ほう……奇妙なものだな。褪せ人が黄金律の名を持つとは。それで、何をしに来た? 招待状は出していないはずだが」

 

「友達に、ここに来るべきだと言われた、から」

 

 十中八九ブライヴだろう。直接報告しに来るほど、彼はこの者を気に入っていた。なんでも、我が兄弟であるラダーンの刃を魔術の剣で弾いたり、見たこともないような魔術でやつの頭を貫いたりしたらしい。魔術において、母や私に並ぶ者は少ないため、少々興味がある。

 

「ああ、ブライヴか。話は聞いてるよ。妙な魔術を使うそうだな?」

 

「妙……あ、結晶槍のことかな?」

 

「輝石魔術とも違うようだが、何をした?」

 

「んーと……これを、こうして……こう……」

 

 突然杖を二本出したと思えば、一本の杖で月の魔術を発動して、もう一本の杖で力場を発生させた。

 

「圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮圧縮……」

 

 ブツブツと呟く律の右腕に輝石よりも濃い、青い月の光と魔力が収束して槍となる。月の魔術を重力魔術で無理矢理圧縮したとでも言うのか。

 

「……こんな感じ。てい」

 

 外に向けて槍のようなものを投げると、魔力の臨界と共にとてつもない爆発を起こした。

 

「律、お前は何を考えてあれを?」

 

「え? うーん……笑わない?」

 

「ああ」

 

「その……ただ、面白そうだったから……」

 

 なんだその理由は、と笑ってしまった私は悪くないはずだ。頬を膨らませて怒る彼に謝りながら、ふと思う。こいつを私自ら育てたら、どこまで育つのだろうか。飛び抜けた魔術の素養がこいつからは感じられる。使えるかもしれない。

 

「律、お前、私に仕えるつもりはないか?」

 

「へ?」

 

「その代わりに、私がお前に魔術を教えてやろう。悪くはないだろう?」

 

 提案してみれば、律は悩ましげな表情を浮かべて腕を組む。

 

「何かあるのか?」

 

「え、と……裏切ったり、部下が先走ったり、しない?」

 

 その目にあったのは怯え。円卓の──百耳の者に仕える男に襲われでもしたのだろうか? 

 

「それは約束するが……なぜそんなことを聞く?」

 

「さっきセルブスって人に、襲われて……人形にするとか、言われたから……」

 

 ああ……あの愚か者か……私を見る目も下劣な感情が込められていたのは知っていたが、手当たり次第か? それとも、この少年に何かを感じたのか……いずれにせよ、彼の目に浮かぶ怯えや恐怖をどうしたものかな。使える駒をここで捨て置くのは惜しい。

 

「……なら、ブライヴに伝えておこう。共に行動するといい」

 

「でも、忙しいんじゃないの?」

 

「ブライヴにはある探し物をさせていてな。それをお前にも探してもらう」

 

「探し物……あ、もしかして星が落ちた場所にあるの?」

 

 察しがいいようだなこの少年は。ふむ……ますます欲しくなってきた。これほどの人材を手放す訳にはいかん。

 

「話が早いな。そこで探し物をしているブライヴに合流してくれ」

 

「あ、もう俺ラニに仕えてる感じなの?」

 

「右腕を見てみろ」

 

 律が私の指示通りに右腕を見ると、

 

「なんじゃあこりゃああ!?」

 

 少女のような声でありながら、野太い声が響いた。

 

「お前に、証を刻ませてもらった」

 

「の、呪いですか……?」

 

「そんな大それたものではないさ。……さて、私は少々眠る。目覚めた時、吉報が伝えられるのを楽しみにし──む?」

 

 眠りにつこうとしたところで、律が虚空から取り出したそれに目が冴える。……あれは、なんだろうか? ベッドのようにも見えるが……

 

「寝るんなら、これ使ってよ。ふわふわだよ、ふわふわ」

 

「なんだそれは……」

 

「羊の毛を使った布団。温かいし、軽い。ドラゴンの革を使ったから耐久性もバッチリ」

 

 とんでもないことにドラゴンの革を使っているなこの男。普通は装備の補強などに使うだろうに、そんなものに使うとは……面白いが、中々罰当たりだ。

 

「まぁ、気が向いたら使ってみて。一式置いておくからさ」

 

 そう言って、律は祝福を利用した転移で姿を消した。…………布団、と言ったか。葦の国とやらのものだと聞くが、私はベッドに寝ていたし、人形の身である私は、どこで寝ても変わらない。だがまぁ……臣下からの献上品だから、使わないわけにもいかんな。

 そんな言い訳をしたため、布団に触れてみる。

 

「む……」

 

 なるほど、これは中々……手触りもいい。ドラゴンの革と羊の毛が熱を閉じ込めて温かさを保っているのか……そしてこの継ぎ接ぎは……手作りの証。だが、毛布などはそれがない……針子に頼んだのだろう。いい腕をしている。さて──

 

「ほう……これは……」

 

 いつも感じる冷たさから解放された。冷たいのは好みだが、やはり眠る時くらいは温かい方がいい……ふむ、起きた後、ブライヴやイジーにも勧めてみるとするか。

 

 

 

*1
ナイトアイ事務所から「ミリオが光るヒップドロップとか、腹芸っぽいものをするようになったんだが」と苦情を受けた。




【教えて! エルデの王】のコーナー

「こんなお便りが来ています。『お二人はベッドで寝る時、どんな姿勢ですか?』だそうです」

「マニアックだな……俺は、まぁ…最近はメリナと抱き合ったまま寝てたりするな……」

「わぁ、大胆」

「うっせぇ。メリナがそうじゃないと寝ないって言ってくるんだよ……お前はどうなんだよ?」

「え、俺? 俺はね……あれ? 人使と同じだ。ラニの冷たさが丁度いいんだ。……たまにラニの体が人の体になる時は温かいけど」

「へー……んじゃ次。『二人は女王と一緒に寝てるようですが、どれくらいの頻度で営みを?』だが、俺らまだ童貞だよな?」

「うん。ラニとメリナから聞いてるし、ミケラからもそう言われてるよ」

「だから、俺らはそんな営みはしてねぇってのが答えだな」

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