スーパーダンガンロンパ2:return   作:アラモ

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この番外編は第一部の振り返りであり私目線からの振り返りなのでメタ的要素が存分に含まれます。
苦手な方は回れ右をして避けていただければ幸いです。
平気な方は暇つぶしにでもどうぞ。


番外編

 

【chapter1】

 

クロ:十神白夜

シロ:花村輝々

 

この章は一言で言うと十神白夜(詐欺師)をのカッコよさを見せる為の章ですね。

 

まず日向くん以外の原作生き残りメンバーは記憶を失ってたわけですが最初から他のメンツも記憶をもってると流石にイージーモードかなと思ったのでこのような感じにしました。

そのおかげで日向くんとしては七海、狛枝、花村、十神と様々な人と話したりして手探り状態でしたが私自身も手探り状態でした。

chapter1に限らずできるだけストーリーの方は原作をベースにしたかったので動機やパーティーが開かれるまでの流れは特に変更はありませんでした。

 

事件や学級裁判も最初なので凄く簡単なものにしようと思って単純に原作のシロとクロを入れ替えて十神と狛枝のどちらかが犯人という状態にしました。もちろんメタ的に見れば十神しかいないじゃんと思われるかもしれません。

しかし事件を考えるのはそんなに簡単ではなかったですね。

一つ目が狛枝の介入。もう一つが十神が自発的にまず殺人は犯さないであろうことですね。

 

執筆側としてはぶっちゃけ悪意100%の人間の方が殺人自体は起こしやすいんですが十神さんは皆の命の為なら自己犠牲だってできる人ですから。もちろんそれが彼の魅力なんですけどね。

という事で今回は狛枝を殺人者にさせない為という苦渋の動機で花村を殺害してもらうことにしました。

 

そしてもう一つここで仮に殺人を犯しても彼の性格上、学級裁判ですぐに自白しそうだなと思ったんですね。これはちょっとどうしようかなと困っているところに同情の余地のない殺人犯という役を演じることによって皆に罪悪感を抱かせないようにするという展開を思いつきました。さらに彼の詐欺師の才能もここで活かせるため一石二鳥だと。

 

オシオキの方は9割をダンガンロンパ無印の十神白夜用のオシオキを流用しました。ダンガンロンパ無印は設定上全員分のオシオキが考えられているので。

最後の槍については言語化が難しいんですけどこれには様々な理由があってまず超高校級の御曹司としての思い通りの死を与えない事。二つ目は正体を隠して演じていたという点で戦刃むくろと重ねたかったという事が大きな理由ですかね。

 

まあそんな感じで十神からの思いを受け取った日向くんはchapter2の事件に挑む事になります。

 

 

【chapter2】

 

クロ:ソニア・ネヴァーマインド

シロ:小泉真昼

 

九頭龍くんとペコちゃんが物語の本筋に絡み始めてくる章です。

 

まず小泉さんが原作通り死んでしまうというのは決まっていました。それは西園寺さんの成長みたいなものを書きたかったからです。原作では成長の兆しを見せた矢先に殺されたと思うんですけどせっかくの2次創作なんですからこういった魅力を見せるのもありだと思いました。そういうこともあって全体を通して西園寺さんの心理的な描写は結構ねっとりと多くなってしまいました。というか今思うと西園寺さんを虐めすぎてないかと思うんですが決して西園寺さんの事が嫌いなわけでもないですし、みんな好きです。

 

次はソニアさんの方なんですけこれも原作を見てもらえば分かる通り段々と心の脆い部分があることご見えてくるんですよね。(特に原作chapter3以降)

だから殺意マックスとまではいかないにしてもその瞬間の心の迷いで偶然殺してしまったというのもあり得たのではないかと思いこの展開になりました。

 

トリックについては消えた凶器がメインですね。一見どこにも凶器は見当たらない。犯人が持ち去ったわけでもない。真相は冷蔵庫の角に頭をぶつけて死ぬという日常でもあり得そうなラインを攻めてみました。やっぱり刺殺とか絞殺の様なパターンが多く見られるのでこういうのもたまにはいいかなという事でこうなりました。

 

そして一番の問題は左右田くんがソニアさんの死に酷く悲しむことになるんですが実はこの展開、学級裁判を半分くらい書き終えて思いついたものなんです。だから結構直前で軌道が変わったことになりますね。ましてやそれがchapter4の話のメインになるとは自分でも思ってもみませんでした。

 

最後にペコちゃんなんですが彼女も西園寺さんの様に原作では時すでに遅しって感じだったので今回は真っ向から向き合ってもらう事にしました。むしろ彼女は第二部で九頭龍くんと再会してからが成長の見せ所ですね。

 

 

【chapter3】

 

クロ:澪田唯吹

シロ:終里赤音、狛枝凪斗

 

いやー、ついにこの章ですね。正直、自分が今まで書いてきた中で一番印象に残ってる章です。この章はクロやシロよりも蜜柑ちゃんの章みたいなところがあります。そしてこの章から明らかに学級裁判の難易度が跳ね上がっています。

 

ただ最初からこの様な感じになることが決まってたわけじゃなくて最初は蜜柑ちゃんが何か仕掛ける事と狛枝の死ぐらいしか決まってなかったんですよ。それが巡り巡ってあんな悪魔的な展開になってしまいました。しかしこれでもマシな方で当初の予定では完全バッドエンドにするつもりだったんですけど、オシオキといえども音楽も流れているのに唯吹ちゃんがステージ上で何もせず絶望に打ちひしがれるとは思えなかったので希望を皆に託す形になりました。

 

終里ちゃんと狛枝のファンの方には申し訳ないです。この二人の見せ場はいずれやってくるので二人のかっこいいところをお待ちください。

まあ蜜柑ちゃんは狛枝とは違い悪意しかないので日向くん達の前に立ち塞がる絶望はより大きいです。なので絶望を乗り越えてこそ希望が輝くという価値観を持つ狛枝にとってはこの場で殺されることこそ幸運であり、幸運の才能が働いたからこそ殺されたのでしょう。しかしこれが希望の為の殺人ではなく彼が嫌う絶望の為の殺人の被害者になったのは皮肉な話ですが。

 

学級裁判に関しては原作5章の様にしつつ最後は唯吹ちゃんを庇う人達を蜜柑ちゃん自ら論破していくという胸糞悪い展開ですね。そもそもクロに動機も殺意もない計画殺人というだけで異質なんですけどね。

 

そしてchapter3では七海ちゃんが「疑う事をやめた信じるなんてただの嘘っぱち」だという名言を言ってくれるのですがじゃあ逆に七海ちゃんがそれでもクロへの投票を躊躇する状況ってどんな状況かと考えたらこれができあがったという側面もあります。

 

最後に蜜柑ちゃんですが彼女を一番いきいきと描写できたのはここだと思ってます。でもあくまで個人的になんですが蜜柑ちゃんの絶望状態って情緒不安定すぎて狛枝凪斗や江ノ島盾子よりも描写するのが難しいんですよね。自分のイメージや構想が引っ張られることを防ぐために他の方の2次創作を読むのは控えているんですけど蜜柑ちゃんの絶望バージョンをここまで書いてる方って多いんでしょうかね。

 

 

【chapter4】

 

クロ:左右田和一

シロ:七海千秋

 

タイトルの「全てを知る者は蘇りの夢を見るか」が全てを物語ってる章です。

 

今回、左右田くんは記憶が戻っていたが為にソニアさん復活の希望を抱いて殺人に走りました。しかしそれと同時に記憶が戻っているからこそいくらソニアさんが大切だとはいえ彼は殺人はしないと思い殺人を犯さなければならない状況を作らせてもらいました。オクタゴンへの毒ガス攻撃と七海ちゃんが殺される事を受け入れるという感じです。

 

それともう一つ。七海ちゃん本人は理不尽な運命を受け入れましたがモノミは自分が殺されたりする事を受け入れたり左右田くんに苦しんで欲しくないというところは七海ちゃんと一緒ですが左右田くんの行動を全肯定はしないというちょっとした考え方の違いも実は拘っています。

普段なら七海ちゃんも絶対にダメだよと自信を持って言えるんでしょうがchapter3の蜜柑ちゃんからの言葉の暴力?的なもので少し自信を失って自分を信じる事ができていない時でもありましたから。

 

学級裁判のトリックは二重の意味合いを持たせてみました。まず左右田くんは記憶を取り戻したので七海ちゃんを殺して狛枝がいない場合日向くんが一番厄介になると考え日向くんを出し抜くことに焦点を置きました。これもある種の日向くんへの信頼みたいなところはありますね。

具体的には今までの学級裁判で序盤で疑われたりあからさまに怪しい人は犯人に嵌められてる事が多かったのでそれを逆に演出して自分から目を逸らそうとしました。

これが一つ目の意味合いです。

 

もう一つはこれは推理モノでよくあるメタ推理をしてしまうと絶対に犯人にたどりつけないという意味合いですね。自分もですがこれを無意識のうちにやってしまう方もいるかと思いあえてこの様なトリックに致しました。

 

左右田くんとソニアさんは来世で会う約束をしましたが第二部ではどうなることやらといった感じですね。

 

 

【chapter5】

 

クロ:九頭龍冬彦、罪木蜜柑

シロ:九頭龍冬彦、罪木蜜柑

 

まさかのダブル自殺ですね。かといって最初から九頭龍くんの自殺を暴いてしまうと面白くないので九頭龍くん殺しはペコちゃん→蜜柑ちゃんは自殺→蜜柑ちゃんの件を踏まえると九頭龍くんは自殺というどんでん返し展開にしました。蜜柑ちゃんにはchapter3の前科もあるのでペコちゃんを犯人にしかねないというところがミソですね。

という様にとてもややこしいので今までで一番時間をかけて考えたトリックです。計3〜4時間は考えましたね。

 

死体発見までは皆バラバラでアリバイなし。途中で誰が犯人か当てる事ができないというのも原作をベースにしました。

 

この章はすぐに事件が起こったのであまり語れる事がないのでchapter6も勢いで行きます。

 

【chapter6】

 

これは伏線回収と第一部と第二部の繋ぎという意味合いが強いですね。

 

江ノ島盾子ってなかなか書く機会がないのでずっと彼女の独特のノリを書くのを楽しみにしてたんですよね。だから江ノ島のどのキャラの時にどんなセリフを言わせるかも結構拘ってます。

 

そして狛枝が原作で使ったノートパソコンを日向くんは江ノ島に要求したわけですがこれがどういう意味を持つのかはお楽しみです。

 

 

これで全部振り返りは終わりました。

完全に思いつきのままに書いてるので読みにくかったと思いますがご容赦ください。

 

最後に何か聞きたい事があればコメント欄の方に残して下さい。この際、全てお答えします。どうしても答えられないものについては答えられない旨を伝えるのでお気軽に。

 

別に疑問じゃなくても番外編の感想でもいいですよ!

でも個人的には一番印象に残った場面は聞いてみたいですかね。

 

という感じで締めくくろうと思います!


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