スーパーダンガンロンパ2:return   作:アラモ

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chapter9スタートです!
タイトルの方ですがこの章の内容も踏まえてあえて『これ』にしてます。



chapter9 絶対希望バースデー
41話


 

1周目第5回学級裁判

 

「槍を握ってた手を離したのは毒のせいかもしれねーが、直接の死因がどっちだったかなんて...。」

 

「だとしても槍を落とすきっかけになったのは毒薬だったわけだから。」

 

「そうですね!その毒薬を吸わせた人物が狛枝クンを殺した犯人になりますね!」

 

「マジ...かよ...。」

 

「自分の全身を執拗に傷つけるこの自殺すらこの真相の偽装工作にしか過ぎなかったんだ。あいつの本当の目的は誰にも分からない犯人を仕立て上げる事。推理だけではどうしようもない謎を俺たちに突きつける事だったんだ。」

 

「解くことがてきる謎は結局解かれる運命にあるからね。けど彼はその先に解くことができない謎を用意しておいたんだよ。解けない謎はないと思い込んでいるオマエラはそこでかつてない絶望を味わうことになる。

つまり、あいつは今までの学級裁判の展開自体をこのトリックの布石にしてたんだね。すべての謎が解けるとは限らない。うぷぷ、狛枝クンらしい捻くれたトリックだね。」

 

 

2周目第3回学級裁判

 

「殺害時刻に終里の部屋の中にいたのは罪木と澪田の二人。いわば誰にも見られることのない密室に二人きりだ。そして誰にでも簡単に殺害することができる薬の過剰摂取という殺害方法。罪木と澪田どっちが犯人か分からないんだ。

この判断のつかない状況を作り出すことこそがお前の真の狙いだったんだな!」

 

「ご名答!こうなった以上皆さんは勘で犯人を当てるしかないんですよ。」

 

「そんなの唯吹知らないっす!蜜柑ちゃんにそんな命令もされてないっす!」

 

「そりゃあそうですよねぇ。絶望病で意識も記憶も混濁状態にあったんですもんねぇ。そうなんです。今この場で全ての真相を知っているのは私だけなんです。

さあこの限りなく絶望的な状況に置かれて皆さんはどんな絶望を見せてくれるんでしょうか?」

 

「こんなのありなんでちゅか?推理もできないなんて反則じゃないでちゅか!」

 

「反則じゃないよ。罪木さんは何もコロシアイ修学旅行のルールを犯してないからね。だから問題はありません!

うぷぷ。それにしても狛枝クンが死んで裁判も盛り下がると思ったらこんな面白い展開にしてくれる人がいたなんてね!」

 

「やっぱり罪木が犯人なんじゃねーのか?今こうやって澪田が犯人かの様に見せかけているのがその証拠だ。」

 

「私も九頭龍と同じ意見だ。もし澪田を私たちが選び罪木が犯人だった場合、生き残るのは罪木だけだ。今までの展開もその布石なのではないか?」

 

「そうとは限りませんよぉ、辺古山さん。私は皆さんと一緒に死んだっていいんですからぁ。自分が立てた計画のせいで無残に死ぬのなんてまるで地の底に叩きつけられるような絶望感!それに何よりあの方に会えるじゃないですかぁ。

はぁぁ、うふっうふっうふふふふふふ。」

 

 

2周目第五回学級裁判

 

「そうだ!澪田の時で思い出したぞ!日向、あの事件の時、罪木はさも勘でクロを指定しなければならない様な状況を作り出しておきながら実際は澪田をクロと特定できる様な証拠も持っていた。だから今回も私か罪木のどちらがクロか分かるのではないか?」

 

「いや、あの時と今回とじゃ状況が違いすぎるんだ。あの時は罪木自身も生き残る必要があったからいざとなった時に答えを出せるようにしておいただけだ。でも今回あいつが既に死んでいる以上そんな事をする意味なんてないんだ。自分の死という事実が分かって俺たちが安堵する瞬間、一切隙のない完璧なトリックが完成する。そして俺たちは一気に地獄へと叩き落とされる絶望を味わう。それこそが罪木の狙いだったんだ!」

 

「そんなのってないよ、ここまで来てなんなの!」

 

「だが日向よ。それは俺様達がたまたま九頭龍殺しのクロを特定しようとし、その後罪木の事件を話し合ったからに過ぎんぞ。」

 

「仮に俺達が罪木の事件から取り掛かってもまだその時点では判明してたのは自殺の事実だけで殺人装置のトリックは分かってないから結末は同じだ。これは罪木の自殺と殺人装置のトリックの二つのピースがあって初めて完璧な計画が完成するようになってるんだから。」

 

「モノクマ!犯人を特定するなど到底不可能じゃからまともな学級裁判になっておらんぞ!」

 

「確かに罪木さんったらボクもドン引きの絶望的展開を作り出しちゃってー。でもね、クロはちゃんといるからオマエラにはきっちり選んでもらうよ!」

 

 

 

      【chapter9】

 

     絶対希望バースデー

 

 

 

「未来機関って組織が僕たちを助けようとしてて...。」

 

「七海ちゃんとモノミがその一員で...。」

 

「俺らが超高校級の絶望ってマジかよ...。」

 

あの小泉と九頭龍の事件の次の日、俺たちは全員に全てを話した。花村、小泉、左右田をはじめとした全員が一様に驚きを見せていたがそれは日向が想像したいたものとは異なったものだった。

 

「超高校級の絶望って言われたのに皆、ショックを受けないんだねー。左右田おにぃあたりはみっともなくもっと慌てふためくかと思ったんだけどなー。」

 

「いやいやいや、情報量が多すぎて逆にそこまで感情が追いついてねーんだよ。しかもループ現象のインパクトが強すぎるんだよ!」

 

「だが、私が言うのもおかしな話だがお前達がこんなにもすぐに状況を受け入れるのが少し意外だったぞ。」

 

「まあトワイライトシンドローム殺人事件をプレイしてないペコちゃんが真昼ちゃんと冬彦ちゃんの事件を先回りして完璧に阻止したのを見せられたら納得しないわけにはいかないっすよ。」

 

「あともう一つ気になる事があったのですが、日向さん達の話によればコロシアイを仕組んだのは江ノ島さんという方らしいので彼女を倒せばこの世界から抜け出せるのでしょうか。」

 

「それは間違いないだろうな。しかも俺様達は既に2度も奴を破っている。油断をしなければ万に一つも敗北はないだろう。」

 

「ふゆぅ、一時はどうなることかと思いましたけどこれでコロシアイの心配もなく一致団結して頑張れそうですねぇ。」

 

「それはどうかな。」

 

「何言ってんだ、十神。全ての真相が分かって争う奴なんざいねーことぐらいテメーにも分かんだろ。」

 

「終里と狛枝がこの場に居ればまだ安心だったんだがな。」

 

「狛枝か。確かにあのヤローがいたな。」

 

「それと終里はどうしたんだ?最近見てないけど...。」

 

「....。」

 

「うん?どうした罪木?」

 

「ふぇ、日向さん!?いえいえいえ、別に何でもないですよ!ちょっと考え事をしてただけでぇ...。」

 

「そうか、それならいいんだけど。」

 

「とりあえず狛枝には注意しておいた方がいいかもな。あいつは一回、日向を襲った事があるしな。」

 

「だが、狛枝ばかりに気をとられているのは危険だ。より大きな問題の方に注意しなければならん。」

 

「より大きな問題ってなんだよ。」

 

「そう焦るな、左右田よ。まずはこれを見てもらおう。」

 

 

「あ!それ私のコテージのポストに入ってた手紙!」

 

「そうだ。これは先日小泉が受け取ったという手紙だ。確かこれを見てビーチハウスに行ったんだったな?」

 

「うん、そうだけど...。でもこれの何が問題なの?」

 

「ここからは私からも説明させてもらおう。実は九頭龍から私は小泉に手紙を出すように指示を受けていたんだ。

だが、実際に私は小泉に手紙を書かなかった。あくまでも私の目的は小泉と九頭龍を引き合わせないことだったからな。」

 

「そうなの!?でもだからこそビーチハウスにペコちゃんが潜んでたってことか。私達を止める為に。」

 

「ちと待てや、じゃあ何で小泉を呼び出す為の手紙がここにあんだよ。」

 

「それは小泉さんと九頭龍さんを直接引き合わせたい誰かの仕業と考えられないでしょうか?」

 

「俺様もソニアに賛成だな。だが、なぜその様な真似をする必要がある?辺古山がいなければ事件を引き起こされる可能性があったにせよそんな事をして誰にも利点があるとは考えにくいが。」

 

「ならこういう可能性はどうだ?裏切り者がいる。」

 

「えええ!!それってつまり内通者がいるってことっすかー!?」

 

「ああそうとも言えるな。つまりモノクマ側の内通者が俺達の中に居てそいつがコロシアイゲームをスムーズに進める為に事件を引き起こすべく暗躍していた可能性だ。」

 

「僕達の中に内通者がいるなんてそんな...。」

 

「だが他にこんな事をする理由のある奴などいるか?」

 

「でもよ、七海は未来機関の一員で裏切り者じゃなかったんだろ?じゃあそもそも裏切り者なんかいねーんじゃなねーのか?」

 

「だが七海がそうではなかったからと言って裏切り者がいない理由にはならない。むしろ七海に裏切り者のレッテルを貼る事で私達の目が真の内通者に向かないようにする事もできる。」

 

「ねーねー、今までの創ちゃんの経験で今まで内通者がいた事とかあったっすか?」

 

「それがないんだ。七海が裏切り者だと思われる事は何度もあったけど実際にモノクマ側の人間が紛れ込んでたことなんて一度もなかった。」

 

「うーん、じゃあ創ちゃんの経験から対策を考えるのもできないっすね。」

 

「少なくともそいつはトワイライトシンドローム殺人事件をプレイしてたってことだよね。じゃなきゃ小泉おねぇを九頭龍に引き合わせようとなんかしないって。」

 

「それにそいつは俺がビーチハウスに行くつもりだったことも知ってたことになる。小泉だけビーチハウスに呼び出しても何の意味もねーもんな。」

 

「え?でもぉ、その条件に当てはまるのって辺古山さんなんじゃ...。」

 

「辺古山おねぇが手紙を出したんだったらせっかく殺人を起こせそうだったのに自分で止めたりするわけないじゃん!」

 

「ふ、ふぇーん!ど、怒鳴らないでください!」

 

「あともう一つ。内通者を特定する手がかりがないわけではないんだが少し奇妙なものでな。」

 

「十神くんにしては歯切れが悪いね。」

 

「では九頭龍この手紙の文字を見てくれ。」

 

「俺にか?...なんだよこれ?まるっきりペコの字じゃねーか!」

 

「ああ、私自身も確認した。まるで私が書いたかのような文字だ。」

 

「今までの情報をまとめるとつまりこういう事だ。この手紙を出した奴はトワイライトシンドローム殺人事件をプレイし、小泉と九頭龍の関係を知り手紙を出す事で殺人を誘発させようとした。そして辺古山の筆跡を偽造することができ、仮に手紙の存在が俺達にバレたとしても辺古山を陥れることで罪をなすりつけようとした。」

 

「そのような邪悪な存在が俺様達の中にいるとは俄かには信じがたいが。」

 

「ただ邪悪なだけではない。恐ろしい程に狡猾な奴だと言える。もし辺古山が九頭龍と小泉の事件を率先して阻止していなければ完璧に辺古山を陥れる事ができていたんだからな。」

 

「あのぅ、内通者の正体が分からないってことですけど狛枝さんの可能性はないですかねぇ。」

 

「確かにそうだな。むしろあいつ以外にそんな事をするやつなんているか?」

 

「おいおい、待ってくれ左右田。まだ手紙を出したのが狛枝だって証拠はないし、内通者がいるかもしれないのだってまだ仮説なんだ。無闇に疑心暗鬼になるのはやめよう。」

 

「まあ日向が言うんだだったら別にいーけどよ。」

 

「とにかく各々が今まで以上に身の安全に注意する事が必要になってくる。いいな?」

 

「パンパカパーン!モノケモノを倒してきまちた!また次の島に行けるようになったでちゅよ!ってあれ?皆帰ろうとしてる?」

 

「今終わったところだ。ところでモノミ、ちょっとこっちに来い。」

 

「どうしまちた?十神くん。」

 

「前に言った罪木から医薬品の類いを預かる件だが。」

 

「もちろん、預かっておきまちたよ!でも傷薬だけはどうしても必要だって言いまちゅからそれだけは回収できてないでちゅ。」

 

「それで簡単に引き下がったというのか?」

 

「ほわわ、今まで以上に責任を持って見守りまちゅし、理由もちゃんと聞いた上ででちゅ。」

 

「で?その理由とは何だ?」

 

「えーとでちゅね。つまり...。」

 

 

【狛枝サイド】

(盗み聞きをしてみたらとんでもない事を聞いちゃったもんだよ。)

 

(ボク達が超高校級の絶望だって?とんだ大番狂せだよ。こんなに絶望的な状況は聞いた事がないね。)

 

(それにしても今回の件で思い知ったよ。無知は最大の恥であるってね。こんなんじゃそもそも絶対的な希望なんて生まれるはずがなかったんだ。)

 

(...。これからボクにできる事は一つ。全ての絶望を消し去る事。そんな事がボクにできるかって?今回ばかりはやらなきゃならない。ボクしかいないんだ!さあ始めようか、終わりの始まりを!)

 

【終里サイド】

 

「ふぅ、こんなもんか。ちょっと無理しすぎちまったかもしれねーな。でもそろそろだ。待ってろよ、弍大のおっさん...。」

 

「...。」

 

「何だこの気配...誰だ!誰か木陰に隠れてやがったな。姿を見せやがれ!」

 

「...。」

 

「そっちから出てくるつもりがねーならこっちから行くぞ。」

 

「木のところまで来たけどマジで誰もいねえ。うん?何か落ちてるな。傷薬とこれは包帯か?待てよ。包帯...包帯...確か誰かが持ってたよな?」

 

【モノクマサイド】

「うぷぷ、面白いことになってきたよ。ねえ、聞いた?聞いたよね?辺古山さんったら手紙を出してないってさ!白々しいにも程があるよ!それで皆を騙してるんだから相当な悪女だね。」

 

「それにその上で殺人事件を阻止してるんだよ?ボクとしては事件が起きなかった事はがっかりだったけど自分で事件を起こそうとしておいてどんな冗談だよ!全く、面白いったらないね!」

 

「狛枝クンも何か企んでるみたいだし結構な事なんだけどさ、残念なのにせっかく連中の中に送り込んだ君の役割がなくなってしまうことだよ。」

 

「本来なら口火を切るのは君の役目だったのにさ。まあ、いいやせっかくだから君はこのまま修学旅行を盛り上げてちょうだい。みんなそれを望んでるんだからね。あと、分かってると思うけどもう二度とボクの命令を無視しないこと!分かったね?」

 

「うん?なに?君の家族がまだ生きてるってボクが嘘をついたって?何でボクの言ったことが嘘だって決めつけるのかなあ?日向クン達が言ってた事が間違いだってこともあるんじゃない?」

 

「そんな嘘を彼らがつくはずがないって信じるてるみたいだけどじゃあなんで未来機関の苗木クンはあんな事をしたんだろうね?本当に未来機関がオマエラの味方ならそんな事をするはすがないでしょ?」

 

「認めたくなくても未来機関がオマエラの敵ってことは間違いのない現実だよ。とにかく何も言いたい事がなくなったんだったらもう帰ってもいいよ。」

 

「...うぷ、うぷぷぷぷ。アーハッハッハッ!まさかあんなに簡単に騙されるとは思わなかったよ。あの苗木クンが偽物だなんて夢にも思わずに未来機関が敵だってすっかり思いこんでるし。さて、これからどうなるのか楽しみだねぇ。」

 

 

〈翌日の食堂〉

 

「そんなわけないっすよ!誰かのいたずらっす!」

 

「そうですよぉ。私何も知りません!」

 

「でも、日向くん達はコロシアイを何回も経験してきたんだよね?だったらあり得る話なんじゃ。」

 

「だとしても、それは今関係ないでしょ?」

 

「おい、そんな事言ってたら日向が来たぞ。」

 

「どうしたんだ、皆。朝から騒いで。」

 

「どうしたもこうしたもねえんだよ。ちょっとこれ見てくれ。」

 

そう言って左右田が指した先には一枚の紙が貼り付けられておりそこに書かれていたのは...。

 

 

『罪木蜜柑は殺人者。澪田唯吹を絞殺し、西園寺日寄子を切り付けた。そして、終里赤音と狛枝凪斗の中毒死に関与した。これらの事件は病院とライブハウスにて発生。命が惜しくばこの二ヶ所近寄るべからず。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまでちょっとずつ触れてきた内通者問題ですがここで一気に表面化してきましたね。
狛枝の企みに終里の動き、そして罪木を告発する文書等いろいろな出来事が起こりましたがこれは序章にすぎません。
大波乱のchapter9お楽しみに!

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