「ローとロシーさんが《スワロー島》へ?」
無事に《インペルダウン》から本部へと戻って来たグレイ。風の影響で船の速度に影響が出てしまい、予定より一日遅れでの帰投となっていた。
終わらせた仕事がそれなりに大きなものだったこともあり、センゴクに報告するべく元帥室へ足を運んでいたグレイ。そんな彼にセンゴクから告げられたのは、ローとロシナンテが《スワロー島》へ向かったという一言。グレイは首を傾げながら、ドフラミンゴ達と戦った場所へ二人が向かった理由を訊ねた。
「どうしてまた……護衛は付けたんですか?」
「ああ、信用出来る者を数名同行させてある。《スワロー島》へ向かった理由だが……ロシナンテが集めた証拠の一部を回収するためだ」
「……証拠、ですか」
護衛が付いているという言葉に少し安心しながら、グレイは顎に手を当てる。
「"
「そんなものが《スワロー島》に?」
「ああ……"海軍"へ潜り込んでいたヴェルゴに破棄された物とは別に、一部の証拠を隠していたらしい」
「なるほど。でも、どうしてローまで?」
「本人の希望もあってな、私が許可した。トラウマにならんよう立ち向かっておくことも必要だろう」
ドフラミンゴと戦うのであれば、その存在に対して萎縮しているようでは話にならない。現地で死にかけた瞬間を思い出させることで、センゴクはローの中にあるドフラミンゴへの恐怖を少しずつ乗り越えさせようとしていた。
「優しいですね。センゴクさん」
「……よせ、子供を戦わせようとする情けない大人だ」
グレイの言葉を否定しながら茶を啜るセンゴク。表情は少しも変わっておらず、本心からの言葉なのが分かる。
「少し時間は掛かりそうですね」
「長引いて三日といった所だろうな」
「了解です。頭に入れておきます」
「すまんな、事後報告になってしまって」
「いえ、問題ありません」
ドフラミンゴもまさかロシナンテが生きているとは思っていないだろうが、手早く回収するに越したことはない。グレイに話す時間を惜しんだのも理解出来た。
「おおっ、忘れていた。──今回の特別ボーナスといった所だ。お前の好きにするといい」
申し訳なさそうな顔から一変、センゴクが机を叩く。引き出しから小箱を取り出すと、グレイへ差し出した。
「これは何ですか?」
「デュオラ・グリーベルトの船から押収した物だ。功労者のお前に渡すということで話が決まってな、誰に与えるかはお前に任せる」
「……えっ、良いんですか? 結構大事な物だと思うんですが」
「構わんさ。お前なら適切な者に与えるだろうからな」
小箱の中身を確認し、冷や汗を流すグレイ。特別ボーナスという言葉から金銭の類かと予想していたのだが、そんなものとは比べ物にならない程の価値が秘められたお宝が入れられていた。
「ははっ、職権濫用じゃないですか?」
「『神隠し』を捕らえて《インペルダウン》に投獄。それに見合う程の功績だと考えたまでだ」
「……貰える物はありがたく貰っておきます」
「それで良い。私からは以上だ」
「はい。じゃあ、俺はこれで」
背筋を伸ばして敬礼してから、グレイは退室する意思を伝えた。
「ああ、ご苦労だった。……そういえばアインくんからの伝言で、養成学校の方へ来て欲しいとのことだ」
「養成学校ですか? ──分かりました。失礼します」
疑問を持ちながらも頷き、グレイは元帥室を退室した。
"海軍"養成学校。
主に十六歳以下の若い者達が所属しており、海兵になるための努力を行う場所となっている。本部と数カ所の支部にのみ存在している育成機関だ。
本部の訓練に比べれば楽な方だが、少年少女には過酷な訓練の日々。この場所で一人前と認められ卒業することが出来れば、雑用と三等兵を飛ばし、二等兵の階級から入隊することが可能となる。
将来有望な若手を育てる場所とも言えるこの場所、最高責任者となっているのはゼファー。それだけでこの学校に入る意味は十分にある。
「……久しぶりに来たな」
小箱を脇に抱えて歩きながら、グレイは近付く養成学校を懐かしい目で見ていた。七歳の頃に入学し八歳になる前に卒業した彼にとって、この場所に思い出らしい思い出は存在しない。精々スモーカーやヒナと共にベルメールの教えを受けていたことぐらいだ。
「アインは……居た」
センゴクからの伝言通り、養成学校の入口付近にアインを発見。腕を組みながら厳しい表情で、広いグラウンドを見ている。
「おーい、アイン」
「……グレイ、お帰りなさい」
「ああ、ただいま。センゴクさんに言われて来たんだけど、何かあったのか?」
「……あれを見て」
「あれ?」
グレイを見て一瞬表情が緩んだものの、すぐにキリッとした表情に戻すアイン。指差した先には先程まで視線を向けていたグラウンドがあった。
「走り込みか。懐かしいな……ん?」
基礎体力を鍛える基本的な訓練。違反者を罰する時にも実施された走り込みには、あまり良い思い出がない。グレイは主にスモーカーと共に走らされていた。
苦い記憶が浮上すると同時に、走り込みを行なっている三十人程の中に見覚えのある顔を発見した。
「……マジ?」
「マジよ」
納得がいかなそうな態度で頷くアイン。腕時計で時間を確認した後、養成学校の入口へ歩き出す。グレイもそれに続き、懐かしの母校へと足を踏み入れた。
どうやら一分間の休憩に入るようで、走り込みをしていた者達の動きが止まり出した。多くの者が水分補給をしており、タオルなどで汗を拭いている。
「──モネ、シュガー」
「アインさん!」
「アイン!」
アインはそんな集団の中に居る二人の少女に声をかけた。アインの存在に気付いた二人は、背景に花でも咲いたかのような満面の笑みで駆け寄って来る。
「えへへ! アインだ!」
「こ、こら! シュガー! 失礼でしょ!」
勢いそのままにアインへ抱きつくシュガー。モネは姉として叱るが、どこか羨ましそうな顔にすら見える。
「頑張ってるみたいね」
「うん! お姉ちゃんと一緒に頑張ってるの!」
シュガーの頭を撫でながら、優しい笑みを浮かべるアイン。褒められたことをシュガーと同様に喜んでいたモネだったが、完全に話に入り遅れたグレイの存在に気付いた。
「貴方は……!」
「あ、どうも……」
少し気まずそうに返すグレイ。そんな彼にモネは風を切る勢いで頭を下げた。
「助けて頂きありがとうございました! ほらシュガー! 貴女もお礼して!」
「あー! 助けてくれたお兄ちゃんだぁ!」
「だから失礼でしょ!!」
アインに抱きついたまま、グレイへ笑顔を向けるシュガー。助けられたことを感謝しているようで、怖がられてはいないようだ。
「すみません! すみません! 妹が失礼な態度を!」
「い、いや……全然。それより君達がここに居ることに驚いてるんだけど」
当然の疑問を口にしたグレイ。その言葉を聞いたアインは、真剣な表情へと変わった。
「……貴方にここへ来てもらったのは、この子達について相談したかったからなの。"海軍"へ入隊したいって言い出したのよ」
「はい! 私達は本気です!」
「です!」
困ったような声音で話すアインに、元気よく返事をする姉妹。まるで子供のわがままに手を焼く母親のようだ。
奴隷から海兵、その大変さを誰よりも知っているアインにとって、素直に認める訳にもいかないのだろう。たった二日で随分大きな決断をしたなと、グレイは苦笑いながら口を開いた。
「んー……"海軍"で戦っていくってことは、君達が考えているよりもずっと大変なことだよ? 当然のように死ぬ可能性だってある。海兵になるっていうのはそういうことなんだ」
決して咎めるような言葉は使わずに、優しく現実を伝えるグレイ。
入隊希望者が出るのは良いことだが、命を懸ける人生を選ぶには少々若過ぎる。七歳で入隊した自分のことなど棚に上げて、グレイは二人へ海兵として戦うことの厳しさを説いた。
「……あの日に助けられてなかったら、どうせ私達は死んでいたと思います。シュガーが苦しむ姿を見ても、私は何もしてあげられなかった。──海兵になって、私達みたいな子供を助けたいんです!」
「私もお姉ちゃんと一緒に頑張るの!」
幼い少女とは思えない強い意志を感じさせる瞳。予想外に覚悟の決まった返答をされ、グレイは戸惑ってしまった。そんな彼に代わり、アインが言葉を発する。
「生きることを諦めなかった時点で、貴女達はもう十分頑張ったわ。これからの人生は、安全に生きていくことが出来るのよ?」
海兵にならずとも、"海軍"を支えている組織への配属となれば戦場とは無縁になる。そんな提案を断ったからこそ、モネとシュガーはこの場に居るのだが。
「「──もう決めたのっ!!!」」
アインとグレイを襲う覚悟の一声。これによりアインは黙り、グレイは軽く笑顔を見せた。
「これは……もう無理だろ」
「……ええ。そうね」
諦めたように目を閉じるアイン。グレイと一緒になって話しても、彼女達の選択は変えられなかった。
「あっ、そろそろ休憩が終わる。アインさん、それと……グレイさん、私達頑張りますから! 行こう、シュガー」
「うん! お姉ちゃん!」
休憩が終わり、再び走り出した集団。モネとシュガーは常に最後尾だが、他の者達になんとか食らいついている様子だ。
「……凄いな。執念を感じる」
「モネは十七歳……シュガーに至ってはまだ九歳なの」
「えっ、モネって俺より年上だったの?」
「背が低いから分からなかったわよね。……栄養不足よ」
「シュガーは九歳か……。そりゃ考え直して欲しいよな」
「……ごめんなさい」
モネとシュガーに視線を向けながら、小さな声で謝罪するアイン。
「謝るなよ。こうなったら鍛えてやることしか出来ないさ。……ちゃんと生き残れるようにな」
「……ええ。……そうね」
不安そうな顔をするアイン。そんな彼女の頭を、グレイは笑いながら軽く撫でた。
「そんな顔すんなって」
「……だから、撫でないでって」
いつも通りに文句を言うが、いつも通りに嫌がりはしない。精々顔を合わせないように反対側へ向ける程度の反抗だ。
「──……一人や二人背負うのも、今更変わんねぇよ」
「……グレイ?」
「さっ、俺達もそろそろ戻るぞ。仕事溜まってるしな」
不思議そうに首を傾げたアインに背を向け、本部の方へ歩き出すグレイ。《インペルダウン》に向かっていた期間で手を付けられなかった仕事が山積みとなっている。早く取り掛からなければ後が怖いのだ。
「……ねぇ、グレイ。さっきから気になっていたのだけど、その箱は何?」
「ん? これか? さっきセンゴクさんから貰った特別ボーナス。──お宝だ」
「そ、それは……!」
質問された小箱を手に持ちながら、中身を見せたグレイ。
ギィという錆びついた音が響くと共に姿を見せたのは、海の秘宝とも呼ばれる言葉通りのお宝であった。
「……"悪魔の実"」
「グリーベルトの船から押収した物らしい。俺の好きにして良いってさ」
「流石は『神隠し』といった所かしら。"悪魔の実"まで乗せていたとはね」
「そうだな。まあ、食べるとしても俺達には関係ない話だよ」
「名前は分かっているの?」
アインにとっては憎んでいた過去もある代物だが、興味は湧いたらしい。白色のブドウといった見た目の"悪魔の実"を見ながら、グレイはその名前を告げた。
「確か……"ユキユキの実"だったかな」
ローとロシナンテが《スワロー島》へ向かった日から一週間。彼らは目的を無事に終え、"海軍本部"へと戻って来た。予定より大幅に遅れたことを心配していたグレイだが、二人の顔を見て肩の力を抜いた。
「おかえり、二人とも」
「おう! 怪我はないぜ」
「一部でも証拠は回収したぞ」
ニコッと笑顔でローの肩を叩くロシナンテに、淡々と報告を済ますロー。普通なら発言する者は逆になるだろう。
現在の場所はグレイに与えられている個室。事務作業をするための部屋であり、普段はグレイとアインしか入ることを許されていない。
「怪我がないなら良いんだ。随分時間が掛かってたから心配でさ」
「悪いな、ちょっとしたアクシデントってやつでさ。でも収穫はあったぞ! ローが少しだけ能力を使えるようになったんだ!」
「おおっ! 本当か? ロー」
「……まあ、少しだけ」
小さく頷いたローに、グレイも表情を緩める。この間相談に乗ったばかりの身としては、ローの成長が嬉しくない筈がなかった。
「証拠の方はセンゴクさんに渡しておいた。任務は完了だ」
「お疲れ、二人とも今日と明日は休みで良いから。ゆっくりしててくれ」
「休みなんていらねぇ、俺を鍛えろ。グレイ」
「そんな暇はないよ。俺は忙しいんだ」
ヒラヒラと手を振りながら即答するグレイ。処理しなければならない書類が予想よりも溜まっており、これから明日まではここで事務作業缶詰めコース確定であった。
「ロー、俺が付き合うさ。一緒に頑張ろう」
「……コラさん。……分かった」
渋々といった具合ではあるが、ロシナンテの提案を受け入れたロー。グレイが忙しいと理解しているのもそうだが、ロシナンテに対するローの信頼はやはり強固なものだ。
「これで報告は終わり……かな?」
笑顔で訊ねるグレイに、緊張が走るロー。そしてそれを見て冷や汗を流すロシナンテ。それを横の机に座りながら眺めていたアインは、先程から全く口を開かずあるものに視線を奪われていた。
指を差しながら告げられた一言。ローの隣に立つ白いモコモコの生命体を対象とした言葉であった。
ローとロシナンテが部屋に入った瞬間から側についており、異様な存在感を放っていた。面倒な空気を感じ取ったため、報告が落ち着くまで耐えながら待っていたのだ。
「さっきからずぅぅぅっと気になってたんだけどさ。二人とも何も言わないじゃん。えっ? 居るよね? 俺にしか見えてない妖精とかじゃないよね?」
「……モコモコ」
「アインがこんなにガン見してるんだから居るよな? 居るんだよな?」
シンクロした動きでグレイから顔を逸らすローとロシナンテ。瞬き一つせず、真顔以外のなにものでもない。
「……えーっと、自己紹介してもらえるかな? モコモコくん」
「……」
「あの、聞こえてる? ……あっ、人間の言葉分からないのか」
「……?」
「ああ、そうそう君のこと。──って喋れる訳ないよな」
「ベポです」
「喋るのかよッ!!」
黒色のジャージを着用した白いモコモコ。白熊にしか見えないビジュアルをした不思議生物は流暢に自己紹介をした。
思わぬ衝撃にテンション高くツッコんだグレイと、驚きながらも目を奪われ続けるアイン。部屋はカオスな状況となっていた。
「……ロー。説明を」
考えるのに疲れたグレイは、ローに説明を求める。ベポがローのすぐ側へ寄り添っていることから、ローに事情を聞いた方が良いと判断したからだ。
「……拾った」
「オーケー。ロシーさん、頼む」
「あーっとな……ローの言うことも間違ってはいないんだ。《スワロー島》で証拠を回収しようとしてた時、ベポがガキ共に虐められててな。それをローが助けたんだ。話すと長いんだが……ローに懐いてついて来たって感じだな」
頭に手を当てながら、困り顔で事情を説明するロシナンテ。一週間の出来事を長々と話されても大変なのは事実、グレイは最後の部分だけで無理矢理に納得することとした。
「それで、ついて来てどうするんだよ?」
「"海軍"に入れてくれ」
「ええっ……本気か? ロー」
「コイツはそれなりに強い。グレイの力にもなる筈だ」
「いや……でもこれはなぁ。そもそも
見るからに普通の人間ではない、めちゃくちゃ白熊だ。考えられるのは"悪魔の実"の能力者という線だが、ローはそれを否定する。
「"ミンク族"って種族らしい。能力者じゃない」
「……ミンク族。聞いたことないな」
「という訳で"海軍"に入れてくれ」
「何がという訳でなんだよ。何も解決してねぇよ」
ため息ながらに顔を手で覆うグレイ。先程二人の少女を止められなかったばかり、立て続けにそんな話が飛び込んでくるとは思ってもいなかった。
「大体……誰が話を通すんだよ」
「……頼む」
眉間に皺を寄せながら、グレイへ頭を下げるロー。プライドの塊のような男がこんな行動を起こしたことに驚きつつ、グレイは口を開いた。
「白熊くん。……じゃなくて、ベポ」
「アイ」
「君は何故ここへ来た?」
「キャプテンの役に立ちたいからです!」
この場合のキャプテンとはローのことだろうと予想しながら、グレイは鋭い目で質問を続けた。
「"海軍"は甘くない。ましてやここは組織の総本山──"海軍本部"だ。
「……アイ」
放たれる覇気に冷や汗を流しながら、ベポはグレイの言葉に耳を傾ける。
「軽い気持ちでいるならすぐに死ぬ、これは間違いない。だからもし、ローと一緒に居たいから、なんていう理由なら君を海兵にする訳にはいかない。死人を増やすだけだからな」
「……コイツは」
「ローは黙ってろ」
「……」
厳しい視線と言葉に、一瞬で黙らされるロー。甘い上司と呼ばれるグレイだが、締めるところは締めていた。
「どうなんだ? ベポ?」
「……キャプテンは俺の命を助けてくれました。こんな見た目だから人間に優しくしてもらったことなくて……おれ、嬉しかったんだ」
丸いつぶらな瞳を向けて、強い口調で語り出す。言葉に意思を宿すように、ベポは声を張り上げた。
「だから! おれもキャプテンみたいに優しくしてあげられる男になりたい! そう思ってここへ来ました! 強くなって! おれでも何かを守れるんだって証明したいです!!」
ビシッと吠え切ったベポ。そんな彼を見ながら、グレイは最後に一言だけ訊ねた。
「……命を懸けても、か?」
「死にたくないです」
「ぶふっ」
数秒前のカッコ良さは消え去り、嘘偽りのない声音で即答したベポ。人によっては情けない回答だと蔑むだろう。しかし、質問した男に対しては──満点の答えであった。
思わず吹き出したグレイだったが、すぐに表情を引き締める。ベポと視線を合わせ、静かに言葉を放った。
「……市民のためには命を懸けろ。それ以外でなら、たとえ仲間を見殺しにしても自分の命を優先しろ。俺の部下になるなら、これだけは絶対に守ってもらう」
「……ええっ?」
「俺以外の人の下につかせられるか。こんな不思議生物」
「じゃ、じゃあ……!」
「……死なないために、死ぬ気で鍛えろ。ローと一緒にな」
その瞬間、喜びが爆発したベポ。椅子に腰掛けるグレイへ飛びつき、頬をグリグリと擦り付けた。
「良かったな! ロー!」
「……うん。──おい、ベポ」
ロシナンテと共に安堵するロー。嬉しさが隠せていない高い声音で、ベポへ声をかけた。
「アイアイ! キャプテン!」
「海兵になるなら、上司はグレイだ。言うことは聞け」
「じゃあキャプテンは……この人?」
「そうだ」
「アイアイ! キャプテン!」
「いや、キャプテンはやめろ?」
こうして、ミンク族のベポが"海軍"への入隊を果たした。新戦力が増えるグレイの部隊だが、この先まだまだ増えていくことを知る者は──まだ居ない。
(……モコモコ)
アインの視線は奪われ続けていた。
ーその後の元帥室にてー
グレイ「入隊の承認をお願いしまーす」
センゴク「おお、分かった。……白熊?」
モネとシュガーが養成学校入学。そしてベポが海兵となりました。まだしばらくは仲間を増やしつつ、原作キャラとの触れ合いになると思います。まったり更新していくので、よろしくお願いしますm(_ _)m