Vtuber界を駆け上がりたい 作:インスタント脳味噌汁大好き
藤堂立冬の初コラボ相手は先日チャンネル登録数が60万人を突破した玉手箱の社長系Vtuber、華山亜季だ。こちらもチャンネル登録数が30万人を突破したとはいえ、相手はVtuber界の大先輩だし下手なことしたら自分が炎上するとかめっちゃ怖い。
「皆様こんばんは。お久しぶりですわ。今日は今後玉手箱サーバーが出来るアークについて解説しながら、天命箱の藤堂立冬さんとコラボ配信ですわ」
「初めまして、で良いのかな。天命箱の藤堂立冬です。作曲家系Vtuberやってます」
コメント:こんばんは~
コメント:1週間ぶり!
コメント:あれ?音声入ってる?
コメント:口パクしかしてない
コメント:wwwwwwwwwwwww
コメント:やらかしてるよ姫!
コメント:無音声助かる
コメント:ミュート芸?
コメント:黙ったら美少女説
コメント:ミュートやで
そして1分間ほどミュート芸をやらかす華山さん。当然わざとだがその後の言い訳を聞いていると仕込みだと分かっているのにマジでやらかしたように見えるからこの人は不思議だ。
「申し訳ありませんわ……。では改めまして、今日は今後玉手箱サーバーが出来るアークについて解説しながら、天命箱の藤堂立冬さんとコラボ配信ですわ」
「初めまして。天命箱の藤堂立冬です。作曲家兼社長兼Vtuberです」
ミュート中に、自己紹介について社長ということを前面に出した方が良いですわよと華山さんに言われたので挨拶を少し修正。本番で練習して指導が入るとか意味不明な光景ではあるな。ついでにコラボでミュート芸をやらかし、藤堂立冬から華山亜季への敷居を低くした辺り配慮の塊である。
基本的には初心者の自分に華山さんが教えるという形なんだけど、この人めっちゃゲーム上手い。チート疑われてFPS系の大会で出禁になるVtuberって何?
同接は基本1万人から1万3000人と、まあ人は多いしコメントの流れは速い。案外トークは続くし、何故か男女コラボなのに予想していた男女コラボ反対勢は湧かない。元の世界とかなり差異はあるし、結構Vtuber界のノリが違うのかもしれないな。
「経験値は5倍入るようにしていますわ」
「……あれこれ0.2であってるんです?5倍なら5だと思いますよ?」
「……やばかったら後で変えておきますわ」
ゲームの設定数値を垂れ流しながら解説タイムに入るけど、英語は読めるようで読めないな。ところどころ質問するだけで基本は華山さんが喋ってくれるのは楽。まあ華山さんもこれはかなり台本を用意してそうな配信の仕方だけど。明らかにメモを見ている時間がある。
ただ、それが許されているVtuberってのも凄いな。台本を用意していても、流石に配信歴が長いから咄嗟のアドリブにも強いし、自ら墓穴掘るムーブは見習うべきだろう。
というか玉手箱の設定値、テイム時間1/200は思い切りが良すぎる。完全に配信向けに振り切っているし、これはライバー達への負荷を極力減らしに行ってる形か。雑談しながら解説するとのことなので、時々雑談のネタは振る。
「ところで次の曲の発注いつになりそうです?」
「A子が止めてなければ来月までに300曲ぐらい用意して貰いたかったですわね。
まあ来月までに3曲はお願いしたいですわ。詳細は後でメールを送りますわ」
「はーい」
コメント:ただの商談で草
コメント:1曲100万円の歌
コメント:A子さんはよく止めた
コメント:来月までに300曲wwwwww
コメント《10000円》:オリジナルソング代
コメント《2000円》:3曲新曲!?
コメント:誰の曲だろう……?
コメント:鬼発注
コメント《500円》:いつも見てます!初スパチャです!
コメント:社長同士で話を進めて後で下の胃が痛くなるやーつ
基本的に、新情報を出せば出すほど視聴者は盛り上がる。新曲をまた3曲発注するということは、人気投票の上位3人には全員新曲渡せるということか?それとも華山さん自身の持ち歌とかにするつもりかな?
何はともあれ、最大同接16017人の配信は大きな事故なく終わった。いや初手で事故を起こしてくれたお蔭で死にまくる部分とかは大した事故じゃなかったわ。しかし徐々に配信者としての適性がないことに気付かれているようで、配信回数は減らす方向で行くようにする。
そして案の定、コラボ配信が終わった直後には華山さんから華山さん用の歌を3曲作れと発注が来たので元々用意していた『聖戦』『share the paradise』『BLUE BIRD WATER』の3曲を提出。なお向こうは曲名を見た瞬間に噴き出したので意味は伝わっている模様。
ちなみに全部エロゲのOPである。エロゲソングはそこまで詳しくないが、流石に有名な曲ぐらいは知っている。藤堂立冬の元ネタもエロゲだしな。しかしここら辺の曲を知っているとなると、普通の女ではあり得ない。よっぽど元の世界ではアレな人だったのだろう。
特に『ぬきさし3』のOPである『BLUE BIRD WATER』はエロゲソングとは思えないので、それを見て吹いたということは十中八九同志である。企業間で対立するようなことになったとしても、個人的には仲良くしたいかな。