ウマ娘 ストリートダービー   作:ろどっぱち

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注意
本作品はフィクションです。実際の公道での暴走行為、違法改造等を助長するものでないことを深くご理解ください。本作品はウマ娘プリティーダービーの二次創作であり、非公式であるということをご承知おきください。


P2 交流戦!

ジュブナイルとは、13~19歳の、いわば少年期を指す言葉

あたしのジュブナイルに当たる時期は、ハッキリ言えば面白みがなく、中身の薄いものであったと思う。一般的に、そのあたりは夢を見始め、それに向かって走り出す時期だと思う。

あたしの場合、それを諦めた時期にあたるから、普通の人よりつまんないのは当然だけど。何もなかった訳じゃない。充実した生活も、おふくろとの時間も、友達だっていた。商店街の人も良くしてくれていた。

主に不満なことなんてほとんどない。ただ一つ、あたしの前にだけ、キラキラがなかっただけで――

 

ズキン、と。

珍しく目覚ましより早く起きた。なにせ仕事も早いもんだから、めざましはそこそこ早めに設定している。

「けど、2時半て...」

昨晩はあんな宣戦布告があったもんだから、早く寝れてないのに、これじゃ3時間も寝れてない計算になる。不思議と寝ざめはいいけど、それでも体にある奇妙な倦怠感はぬけない。かといって二度寝すればそれこそ闇からは抜け出せない。

...せっかくだし、朝ごはんはすこし豪華に食べていこうかな。(と言えどいつもの簡素な納豆ごはんとみそ汁のコンボに余ったもので作った鮭のホイル焼きがあるだけデスガ)

片道一時間の職場、そこから新潟やらなんやらまで運びこみをやったりなんだりして、そういうのが今の仕事。スタミナこそ消費するけど、給料はいい仕事。ただ、今日みたいな日はすごい地獄だ。

...そうして家に帰り着いたころにはボロボロだった。これじゃ週末の交流戦が思いやられるな、なんて思いながらベットに倒れこむと、そのまま意識を意図せず闇に放り投げた。明日は今日ほど早くないことも救いだな、なんてかんがえたのは起きた時だった。

 

     交流戦まであと3日

   

次の日の朝になって昨日より質素な朝食をとっていると、イクノから電話がきた。

「もしもし~ナイスネイチャで~す」『おはようございます、ネイチャさん。今度のバトルの件なのですが、少々情報が手に入りまして。』「ほうほう」

ごはんをほおばりながら聞いた話をまとめると、下り代表が180SXのtype-X、上りがGT-Rであること、またその二人はケッコーワガママハイスペックなマシンに乗っていること。それから、ソニックスターズの面々は県内最速の呼び声の高いチームということだった。

「そりゃあ、不利なんじゃない?」『はい。苦戦を強いられることは確実です。そこでなんですが、今晩正丸峠のほうまでお越しいただけませんか?』「作戦会議、ってことね。けど、どうしてわざわざ正丸に?」

『一応、手の内を易々と明かすわけにもいかないと思いまして。八時半でどうですか?』「おっけ。そしたら、正丸の茶屋の前で。」

正丸峠は飯能市と横瀬町の間の峠で、道が狭くておまけにバンピーっていう、最高にハードな峠。全開になんてとてもできないところだ。昔「師匠」にそこで鍛えてもらっていたのを思い出す。

その夜

 

「おいっす~。ちょっち遅れちゃったかな。」「いえ、ほとんど丁度ですよ。」「それで、作戦はどういう風にするの?」「いえ、それはネイチャさん自身に考えてもらうのが適切だと思いまして、作戦とは別にこれを渡そうと。」

そういって渡してきたのは、キノコ型のエアクリーナーだtt

「エアクリーナー!?ちょ、イクノ、どうしたのコレ!?」「本来なら来月のネイチャさんの誕生日にわたそうと思っていたものなのですが、今回のバトルのことをかんがえて早めに、と」「いやいや、その、うれしいけど、その、いいの?」

「はい。以前よりほしいとおっしゃられていたので。」「いやはや、こ、こらどうも...。」「計算ではおそらくコンピューター周りのセットも含め6馬力アップが見込めます。この辺りはまた現車あわせをしてもらう必要がありますが、これで勝率はあがるかと」

「...なんだか悪いなあ、こんなにいいものもらっちゃって。」「これはネイチャさんのため、という意味もありますが、地元のプライドを守りたいという意味もこめています。下りは任せました。何かあれば連絡してください。では、ご武運を。」

「うん...ありがとう。あたし、勝つから、イクノも勝ってね。」

  

    交流戦まであと二日

 

次の日の夕方、少し早めに切りあがった仕事から帰ってロードスターの主治医の町田さんの所へ行ってみる。

「こんにちはー。」「お。きたね?待ってたよネイちゃん。さ、ガレージの方持ってきて。」「へ?えっと、あたしまだ何も...」「いんや、イクノちゃんから話は聞いてるよ。そのクリーナーの取り付けだろう?さ、早く始めちまおうぜ。」

そんな至れり尽くせりあるかぁ!と心の中でイクノに感謝しつつ、取り付けとセットを主治医の町田さんたちに進めてもらう。

結果、6馬力どころか9馬力ものパワーアップで、約165馬力をマークした。

「Oh...」「なっはは。言葉も出ないかい?さ、今度のバトル、俺たちも見に行くからな。勝っても負けても、ダサいとこだけは見せんなよ?」「は...はい、ありがとうございます!!」

勢いで頭を思いっきり下げてしまう。ここまで期待背負って負けられない。地元の維持と、みんなの意思。背負うものが自分のちっぽけなプライドだけじゃなくなった。勝負は明後日。

そこまでに腕もついていかせる。これはもうあたしだけの戦いじゃない。

 

   交流戦まであと一日

 

本番の日は休みだから、昼間にタイヤ交換の予約をしておいた。すなわち今のタイヤはぼろにしてもOKということである。仕事をいつもより遅いくらいの時間に終えて帰ると、すこし作戦を考えてみる。

弱点はやはり車重だろう。こちらはあたしふくめ1トン強の車重にたいして、相手はイクノ曰くターボでがちがちのロールバーまである。なら、考えうる策はひとつ。今日は定峰で練習して、そして明日。きっと大丈夫。そう体に言い聞かせながら、夜を過ごした

 

   交流戦本番

 

昼間にタイヤの交換はすませた。新品のスポーツタイヤとエアクリーナーを引っ提げて土坂へ赴く。

「おいっす~。マチタンはまだ来てない?」「まだ来てない...あっ!見て!」「みんなこんばんわ~」「これで全員ですね。」「んにしてもすっごいギャラリーですなあ。こんな量は初めてかも。う~さらに緊張してきた...」

「リラックスだよ、リラックス、ほら、リラァ~ックス~」「んふ、ちょ、それキク、ふふふ」「ねえイクノ!ターボ走ってきてもいい?」「はい。これだけのギャラリーですから、気を付けてください。」「私も行く!ネイチャは?」

「あたしはここで待ってる。タイヤ残したいからさ。敵チーム思いっきりかき乱してきてよ!」「私も待っています。」「わかった!よし!ターボバリバリ走ってくるぞ~!」

「ネイチャさん、作戦のほうは?」「ばっちり。そういうイクノもダイジョブそうだね。」「はい。あとは本番を待つのみです。」

峠を包む熱気が徐々に増していく。いよいよ本番だと理解させられる。この高揚感を収めるには、もうバトルしかない。ふたりして、その時間を待つ。

--すると、見覚えのあるマシンが視界に映り始める。グリーンスターズ御一行、到着だ。降りてくると、180の男が話をはじめる。

「わるい、遅れたか?登り代表が遅刻してな。」「それは悪かったっていったろう、相沢。」「ああいや、ぴったしくらいですよ。それにそっちの練習時間が削れる分にはメリットなんですし。」「ま、そうか。そしたら、はじめはつるんで走って、本番は10時からだ。」

「はい、先日の通りですね。」「こっちの代表は180と俺、相沢和志が下り担当、こっちのGT-Rと兼井大地が登り担当だ。そっちは?直前まで開示ナシってんなら受け付けるが。」

「いんや、それじゃフェアじゃあないですし、こっちも。あたしとロードスターが下り担当で、」「わたしとインプレッサが登りです。」「よし。そしたら、十時までは好きなようにしててくれ。俺たちもそうさせてもらう。」

相手チームも、代表の二人以外はクルマに乗り込み下っていく。こちらと策略は同じ、万全の状態で挑むようだ。

 

すると下り代表と名乗った相沢さんがこちらへ来る。

「相沢だ。よろしく頼む。」「はい、よろしくお願いします、と。なにも、名前まで開示することはなかったんですよ?」「いや、それじゃあまり意味がなくってな。俺としては、この埼玉県内の最速を目指すうえで、うまくいこうが失敗しようが、名前が残るようにしたかったんだ」

「ほほお?それはどうして?」「自分の名前が知れれば、それに挑もうとする人も増えるからな。俺はチームのみんなで強くなりたいから。そういう意味では県内外から挑戦をしてくれる人もいて成功しているって言える。」

「ふむ。いやはや、まぶしいですよ、そんなに前向きで。あたしには到底届かないですね、そんなまぶしさには。」「そんな前向きなものでもないさ。結局のところ、俺はあぶれもんだ。だから、そんな俺を手助けしてくれた人に見限られないよう必死なだけなんだと思う。」

「案外、そうでもないかもですよ。リーダーとして信じれる人だと思って付いてきてる、って。そういう風にもみえましたけどね。」「...そうか。なんだか悪いな。言わせたみたいで。」「いえ、お世辞なんて言ってませんし。それよりも。あたしは今日のバトルが楽しみなだけですよ」

「ああ。お互いにとっていいバトルにしよう。」

そういうと、相沢さんはメンバーのところへもどっていった。

 

次第に増えていくギャラリーの中に見知った顔が紛れているのに気付く。その見知った顔はこちらを見つけるやいなや駆け寄ってくる。

「ネイちゃん!探したぞあちこち!」「あ~はは..探さないでもいいんに、町田さん、きてくれた...んだね。」「当然だ!勝っても負けても、このバトルだけは見に来るさ。ネイちゃん、意気込みはどうだい?」

「ハッキリ言えば、あまり自分に期待はしてない。けど、期待をそこそこ背負ってるんですから、その分も頑張りは、します。けど、ほんとに期待しないでね?」「あっはは!たく、自信持ちなよ。なんせ俺たちが仕上げたマシンだ。勝てるはずだよ、ネイちゃんなら!」

「...そうまで言われちゃ引けないなぁ。頑張って走ってくるから、見守っててよ?」「おうよ!がんばれよ!」

そういうと町田さんはまたギャラリーの波の中に消えていった。...ほかのショップの仲間とかもいたような気がするけど、キニシナイ。

「とにかく、自分にできる最高のレースにする。それだけは絶対。そのためにも、ロードスター。あんたの力が必要だから。頼むよ。」

ひとっこ一人聞こえない。ただクルマとの一対一の対話をすませ、心を整える。

 

そして本番は、気持ち早くやってきた。

「それじゃあ、10時になるから、バトルを始める。みんな、車どけて準備始めてくれ!」[おおおおお!]「盛り上がってきたね~」「ネイチャ、イクノ、頑張って!」「リラックスだよ!」「うん、ありがとう。ふー...よし、行ってくる。応援、しててね。」

そういって歩いていく。観衆が沸き立って、一気に本番ムード。こちらも車を並べる とそのまえに

「位置はどうする?どっちが先でもいいけど。」「なら、1本目はこっち先行でもいいか?」「オッケー。じゃ、車並べちゃおっか。」「その前に、すこしいいか?君の名前を教えてほしい。これはチームとしてじゃなく、1人の走り屋として、だ。いいか?」

「...ナイスネイチャ。いいバトルにしようね、相沢さん」「ああ。ありがとう。」

クルマをパパっと並べる。

当然、緊張している。けど、同時にこの緊張という「圧」を心地よく感じている。

怖いは怖いけど、これほどの興奮は初めてかもしれない。勝っても負けてもこの感覚をわすれないようしっかり浸っておこう。

「カウント5秒前!!」

---次第に、感覚がさえていくのがわかる。まるで1秒がずっと長く感じれるほど

「4!」

作戦はできてる

「3!」

マシンは完璧な仕上がりだ

「2!」

視界は夜とは思えないほどクリアだ

「1!」

     「GO!!!!」

 

クラッチを離して加速を始める。前のマシンの方がホイールスピンをしている。収束はかなりこっちの方が早いが、それがあっても加速でかなり負けてる。コーナーが近いのが救い。

そして初めにわかることとして、相手のマシンは若干ピーキーだ。踏みすぎればずるっといきそうな、けれどかなり高レベルで制御できてる。ただ、立ち上がりでのカウンターとかでは誤魔化しきれてない。対してこっちはどうか。かなり踏んでいける。それと、上がったパワーも予想より安定性に響いていない。

その割アクセルを開けやすい区間の離れ方も予想よりたいしたことがない。

「-いける。あたしの方がうまい。これなら後半戦...ツッコミを切り詰めるよりタイヤの温存を意識したほうがいい。」

 

「っちい。ついてくる。テクニカルコースのここにはあっちの方があってる。こっちも265馬力。トラクションもフラット。なら離せると、考えが甘かったか。フラットでピックアップのいいトラクションは唐突なオーバーステアを招く。これは事前にわかっていた

アンダーを強めるセットにしたけど、これがあだになってる。S字複合での車体の反転が、ベストな動きでも相手に遅れを取る。それだけじゃなく、相手はタイヤの温存までできる走りだ。こっちも温存してるけど...それじゃ勝てない。二本目、後追いにかける!」

 

「二本目はいったねえ。疲れないかな?ターボ、全開バトルだと、一本で疲れちゃうもん!。」「たしかに、ターボさんは二本目にもつれ込むとだいたい負けていますからね。」「けど、ネイチャはかなり持久戦もできてるからなあ。二本目じゃ決着つかないかなあ。」

「ええ。お互い疲労はしてなさそうですし、三本目も確実でしょう。」

 

「二本目始めます!5!4!3!2!1!GO!!」

二本目。先行は苦手だけれど、作戦はある。ついてきなよ、こっちのターンはもう始まってるからね。

 

(二本目に入ることは想定内だった。でも、今、想定より明らかにタイヤが削れてる。どこも不調はない。であれば、俺がプレッシャーに負けている、ということだ。でも、相手のペースが落ちている。ツッコミがあまい、そこだ!)

 

「かかった!」

インを差そうするのを確認して大胆なコーナリングへ切り替えてブロックして、インとアウトの逆転するコーナーで離せば!

 

「ぐ、レイトブレーキングを無駄遣いさせられた、もう一発、全開区間先の左で!」

 

そう、するだろうね。プレッシャーはやばいけど、感覚は信じられないほど冴えてる。さあ、いくよ...!

 

(インを、開けた...?突っ込むしかない、けど!)

 

もらった。

並びかけてくる。サイドバイサイドになる。そのタイヤのグリップじゃ、いけないはず!

 

「しまっ!滑る、もどれ...!」

 

相手はオーバーステアを出したけど、こっちは大丈夫。復帰したけど、あれじゃタイヤは削れる。三本目でどうか、と。

 

「3本目いきます!」

「相沢のやつ、不利だな。どう考えてもタイヤ差が響き始めてる。」「ああ。頼むよ、相沢さん、ここが勝負をかけられる最終段階だから...!」

「GO!!」

 

「相手、焦ってるなぁ。かなり無茶なプッシュ。おそらくこの感じであればマチタンのときと同じでいいはず。あとは精度の問題...!」

 

(タイヤはもうガタが来ている。レイトブレーキングをしすぎた、このままじゃ負ける、このままじゃ、ストレートでなんとか、こっちは260越えの馬力、ロードスターじゃ簡単には来れない、あそこでめいっぱい開ければ...!!!!)

 

「ストレートでなんとか誤魔化していても、ペースの落ち方は尋常じゃない。高速区間からのブレーキがさらにグリップに影響する---そこだ!」

立ち上がりでの不安定さを突く、左から被せる、このまえはコーナリングスピードの違いだけでいけていた。なら今回は、それ以上、コーナーのターンイン終盤でタッチ程度にサイドを引く。リアがグリップをなくして、グリップの残るフロントは回転で横を向く。

フロント部分で相手の頭を塞いでコーナリングスピードを落とす、これなら感性を生かしつつ反対を向けば...!

 

「な...そんな....スーパードリフトが...。

一つ目のコーナーでのオーバーアクションはブロックだけじゃなく、次のコーナーのフェイントモーションも兼ねていたんだ...こんな完璧なカウンターアタックが、俺に出来たろうか...すげえよ、あんた...」

 

 

------はぁ...勝った、のかな。正直、集中しすぎの疲れすぎで何にもわかんない、とりあえず、空気を吸おう。そうすれば整理つく...はず?

「お!出てきたぞ!すげえよあんた!あの相沢に勝っちまうなんて!」「え...えっと?」「んもう俺もゾクゾクしちゃったよ!」「すごいのね!私もぜんっぜん追い付けなかっていうのに、それを完璧に!!」「いや、ちょいちょい!あたしそんな!?」

「謙遜するなよ!ほら勝ち誇って!すげえことしたんだぜあんた!」

訳もわからないように歓声を浴びせられる。そうした中でようやく整理できた。勝ったんだ。埼玉一っていわれたチームに、あたしなんかが。

「負けた...な。まるで文句のつけらんない勝負だった。ともかく、これで県内最速のプロジェクトもおしまいか。」「そんなことないっすよ相沢さん!またリベンジすりゃいいじゃないですか!」「...けど、俺にはもう」

「心配すんなよ!俺たちも手伝うぜ!また腕ぇ磨いてこうぜ!」「...え?」「僕も手伝いますよ!勝負になるかわかんないっすけど、このまままけっぱは悔しいですから!」「...いいのか?俺は、負けたんだぞ?」

「関係ねえよ!お前は俺たちチームの誇りなんだ、俺たちをここまで成長させてくれたんだ、このままやめるなんて言わないでくれよ!」「...そう、か。そうだよな。...まだ、俺なんかのワガママに、つきあってくれるか?」

「当然ですよ!リーダー!」「...ありがとう。俺まだやってみるよ。けど、まだ登りもあるんだ。これのあとにやらせんのはちっと荷が重いからなぁ。っと、噂をすればなんとやら。」

「よ、相沢。派手に負けたみたいじゃねえか。」「ああ。わるいな。」「ま、登りはまかせな。勝てるかかなり疑わしいけど、やってみる。」「ああ...頼んだ。」

 

「や、イクノ、登りはできそう?」「ええ、作戦は練ってあります。一本でおわらせてきます。」「言うね~。見させてもらうよ?」

 

「登り担当の兼井だ。よろしく。」「イクノディクタスです。こちらこそよろしくおねがいします。」「さぁてあたしの仕事は終わったし、じっくり見物かなあ。」

「カウント始めます!5秒前!5-----4----3---2--1-

GO!!」

 

後追いを選んでくれたのはこちらとしては好都合でした。相手はハイパワーながらかなりうまいこと付いてくるいいドライバー、ですが、それが命取りです。

 

「いいぞ、このペースなら勝てる...相沢の仇は、俺が...!」

「甘いですね、おそらく、このままではついてこれない---」

一瞬でいい。制動力の働かないギリギリまでブレーキを踏みこむ。このコースの中で最高速を記録する区間でのフェイントブレーキング---逃れられない

 

「!?なに!?.....畜生、フェイントだ..汚い手ェ使いやがって、逃がす....か....

なんだ...よ、あのペース、ありゃ、フェイントなんかなくったって、勝てたんじゃないのか....?」

 

「勝った勝った~!ターボたちの勝ちだ~!」「アンタは走ってないでしょうが」「すごいよネイチャもイクノも!次はわたしも頑張らなきゃなあ。」「計画通りにいってなによりです。それよりも、今考えるべきは~...」

「あはは~...こりゃ簡単に帰してくれなさそうだ...」

こうして、あたしたちの(奇跡的にうまくいった)初の交流戦は幕を閉じた。今日の体験をどう生かすか...そこも成長のカギになる、とかも考えたけど、それよりもあたしの頭には、このギャラリーの対応の仕方が問題になりそうだな~とか、そういうことを思ったのであった。

P2 完。

P3へ続く

 

 

 

 

 

 

      




あとがき
書き溜めなのですぐに投稿できました。
本作を書くにあたってハイパーレブを何冊か購入しました。51号と73号、102号です。ロードスターについての知見が薄いので購入したのですが、ハイカムがはいってるくらいの馬力だと今更ながら知りました。
軽量コンパクトが武器のロードスターですがハードトップとボディ補強があるとさすがに1000キロいってそうなので、軽量化の話とかそのうちあると思います。書き溜めは5話までなのでそれ以降ですかね。

用語コーナー
type-X
180SXの後期型のターボグレードです。

ロールケージ
ボディを補強するパーツです。

クラッチ
回転の伝達、切り離しを行う機構です。車においてはシフトチェンジの際にクラッチを利用し駆動力を切り、負荷を抑えたりします。

ホイールスピン
タイヤが地面に食いつかず、空転をすること。

ピーキー
扱いが難しく神経質になるもののこと。

カウンター
前回でも同様の単語があったが、今回は、コーナーでドリフトをして、その制御のためにハンドルを反対に切ることを指す。

オーバーステア
コーナーでリアタイヤがすべりコーナー内側に向かって行き過ぎてしまうこと。反対にアンダーステアはフロントタイヤが滑りコーナー外側に膨らんでしまうこと。

プッシュ
ペースをあげること

ブロック
相手の進路を塞いで、速度を落とすこと。公のレースでは違反行為として扱われる。(競馬で言う斜行のような行為)

サイド
サイドブレーキの略。パーキングブレーキ、ハンドブレーキともいわれる。

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