転生したら悪トラマンになってしまった上に地獄の公爵にまでなってしまった件そして何故か頭の可笑しい種族のボッチに召喚されたのですが   作:青は澄んでいる

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今回は所々オリジナルがあります


















ルージュ

 

俺はベルディアくんとエタルガーの襲撃から数日後、ゆんゆんのレベルアップも兼ねてクエスト掲示板に張り出されていた「街付近にいるギャラクトロンの討伐」を受けて今は街から離れた岩場に来ていた。

 

流石に厳しいかとも思いはしたのだが、ゆんゆんの成長を促すには少し強いくらいの敵が丁度いいのだ。

 

そしてたどり着いた岩場にはスリープモードにでも入っているのか沈黙しているギャラクトロンが1体いた。

 

 

「さて、ゆんゆん。今回はネクサスの力を使っての実戦になるが、いけそうか?」

 

「は、はい。上手くやれるかどうかは分かりませんけど」

 

因みに今回はゆんゆん1人で奴らを討伐してもらう。

一応危なくなれば助けはするが、それ以外は基本傍観に徹する。

 

「良いかゆんゆん、最初に言った様に俺は基本手助けはしない。

これはベルディアとエタルガーに対抗するためにお前のネクサスとしての能力を測る為でもあるんだ」

 

「分かってます。先生やヘビクラさん、そしてカズマさん達だけでも強力ですけど。それでも不安要素があるから、私もネクサスさんの力を上手く扱う必要があるんですよね」

 

そう、今回来た理由はベルディアとエタルガー。そしてエタルガーから何となく感じたもう1つの強力な気配に対抗する為の実戦でもある。

それにベルディアは配下であるアンデッドナイト。エタルガーは他の星人や怪獣を用意してくる可能性がある。

 

いくら街の冒険者たちも戦闘に参戦するとしても、あれだけの強敵を相手にするにはどうしてもネクサスの力も必要になるだろう。

 

「それじゃあアルマさん、私やります!」

 

「おう、頑張れ」

 

さて、それじゃ俺の契約者様の今の実力を見せてもらうとしようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ゆんゆんside~

 

私は今、初めて魔法以外の力であの沢山いるモンスター達を相手にする。

 

正直怖い。いつもなら上級魔法を使って倒してきた相手を、助けてくれたとはいえ使い慣れてない誰かの力を使って倒すなんて言われても不安の方が勝ってしまっていた。

 

「・・・」

 

ネクサスさん。アーネスとの戦いで私たちを助けてくれた恩人でゼロさんと同じウルトラマンという存在。

アルマさん達の話によるととても凄い人みたいだけどその人とは直接は話したことは無い。

いえ、最初に力を貸してくれたときにあるにはあるのですが、それ以来会話をしたことはありません。

 

けど、この人が良い人だっていうのは何となく分かります。

だからでしょうか、この人の力を使うのには全然抵抗がありません。

 

 

『~~~』

 

目の前には、後頭部に長い髪の様な物を持ったどこかドラゴンなどのモンスターを彷彿とさせる様なモンスターがいます。

でも、不思議と怖くはありませんでした。だって、ネクサスさんが力を貸してくれるのもありますけど

 

 

 

アルマさんが見ててくれるんです。絶対に負けられない、いいえ。負けたくないんです!

 

「だから、また力お借りします。ネクサスさん!」

 

私は、お気に入りだった短剣が変化したエボルトラスターという道具を引き抜きそのまま掲げる。

 

 

「うおぉおおおおおおおおおおっ!!!」

 

 

私の声と共に、目の前が光に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~NOside~

 

ゆんゆんの体が光に包まれると数秒してそれが収まり、ゆんゆんの姿は銀色の戦士ウルトラマンネクサスに変化していた。

 

「(これが、本物のウルトラマンネクサス。なんつう存在感だよ…だが今は)」

 

アルマはギャラクトロンを見据える。

ゆんゆんが変身したネクサスに反応したのか目に光を灯しソナー音のような音声を発しながら起動していた。

 

「さて、ゆんゆん一応確認するが。意識はあるな?」

 

「・・・」コクッ

 

俺の質問にネクサスになったゆんゆんは1回首肯する。よし、ちゃんと自分の意思で動けるようだ。

 

「そんじゃ、頑張れ」

 

コクッ…へアッ!」

 

ネクサスは再び首肯すると、ギャラクトロンに向き直り構えを取って走り出した。

 

 

 

 

 

「セアッ!」

 

『!?』

 

ネクサスアンファンスは助走をつけて飛び蹴りをギャラクトロンに食らわせる。

 

ギャラクトロンは突然の襲撃によってその蹴りをモロに受けてしますが直ぐに立て直し右手を振るうもネクサスはそれをしゃがんで回避。

そして左手で打撃を加えようとするもそれも両手を重ねる事で防がれ、更にはその左腕を右わきで挟む様に抑えられてがら空きになった腹部に蹴りを入れられ更には左手の拳で何度も打撃を加えられる。

 

「ッ!?~~~」

 

しかし、意外に硬かったのか攻撃した拳を止めて思わず振って痛いジェスチャーをしてしまう。

 

『~~~』

 

「ッ!」

 

その隙を突いてギャラクトロンは抑えられていない右腕でネクサスを攻撃する。

右腕の攻撃は数回続きネクサスはそれに耐えきれずに退いてしまう。

 

ギャラクトロンは、その隙に左腕を回転させ剣の形をしたアーム”ギャラクトロンブレード”を展開してネクサスに襲い掛かる。

 

「クッ」

 

その攻撃をネクサスは紙一重で躱すが、まだ慣れていない力の所為か動きが少し鈍い。

そんな調子だからか数撃空ぶったところで遂にネクサスにギャラクトロンブレードを喰らってしまう。

 

「グアアアアアアアアッ!」

 

ネクサスはブレードによる攻撃に火花を散らしながら後ろに切り飛ばされ背中から地面に倒れてしまう。

 

『~~~』

 

ギャラクトロンは右腕を回転させ、今度は2つの銃口のようなものを展開したかと思うと黄色の閃光光線を放って来た。

 

「ッ!グアアアアアッ!」

 

ネクサスは直ぐに立ち上がると咄嗟に1発目は体を反らす事で躱すが2発めは当たってしまい膝から崩れ落ちてしまう。

 

「くっ…シッ!」

 

ネクサスは負けじと跳躍し今度は蹴りの体制を作ってギャラクトロンを攻撃しようとする。

 

『~~~』

 

「!?ぐっ!」

 

しかし、ギャラクトロンは右腕の砲身ほ折りたたんだと思うと今度は左腕の接合部に白い円の様なものが浮かんだかと思うと何とそこから左腕が切り離されてネクサスに向かって飛んで行き、キックの体制に入ろうとしていたネクサスを撃ち落とした。

 

「グアッ」

 

『~~~』

 

地面に落ちたネクサスは何とか腕を支えに立ち上がろうとするが、思いのほかダメージが大きかったのか片膝を突いてしまう。

 

「くっ…(こ、これが…近接での戦い…アルマさんやゼロさんがいつも戦っていた相手…)」

 

ゆんゆんは、目の前の機械の竜を見て荒い息をしながらアルマやゼロの強さを改めて再認識し、更にそんなゼロと一心同体となって戦っているカズマの凄さも感じていた。

 

「(こんな相手に、私が勝てるの?)」

 

ゆんゆんはギャラクトロンを見て、いつもの魔法を使わない戦闘で本当に倒せるのか疑問を感じ始めていた。

 

本当に自分に倒せるのか、本当に自分にネクサスの力を使いこなせるのかと。

 

「(私は、本当に戦えるの?)」

 

『~~~』

 

「!?」

 

彼女がそんな思考をしていると、ギャラクトロンはそんな事お構いなしに右腕の砲身をゆんゆんが変身するネクサス目掛けて光線を乱射してきた。

 

「うあああああああああっ!!」

 

その乱射された光線はネクサスを襲い地面に着弾したものやネクサスに直撃したものもあり、ネクサスの周りは瞬く間に土煙と火花で埋め尽くされた。

 

「ぐあ…あ…」

 

土煙が晴れると、ネクサスは膝から崩れ落ちて地面に倒れてしまう。

 

すると、ネクサスの胸のエナジーコアが心臓の鼓動の様な音を立てながら点滅し真面目た。

 

 

その様子を、アルマは意外にも冷静に見ていた。

 

「(やっぱり幾らネクサスでも、アンファンスでギャラクトロンの相手は今のゆんゆんにはハード過ぎたか?)」

 

ギャラクトロンは、あのウルトラマンオーブを苦しめた機械の言わば正義の執行者。

本当の名自体は未だ不明だが、幾らネクサスの力を使っているとはいえゆんゆんには荷が重かったかとアルマは分析する。

 

「・・・ゆんゆん、もう「ぐ…あ…」ッ!?」

 

アルマはもう今日はここまでにしてギャラクトロンは自分が倒そうとしていた。

 

しかし、アルマが呼びかけようとする前にネクサスは立ち上がる。

如何に不完全ながらも伝説の存在の姿とはいえ中身は普通の少女である。

 

そんな彼女が、心が折れかけても可笑しくはないと思っていた。

それなのに、彼女は立ち上がろうとしていた。

 

「(まだ…だ。私は諦めない…諦めちゃったら、もう…)」

 

ゆんゆんの脳裏には今まで出会った人達の顔が過っていた。

 

「(お父さんの後を継いで胸を張って族長になれない…里の皆に顔向けできない…めぐみんのライバルなんて名乗れない…ウィズさんやヘビクラさんの様に強くもなれない…カズマさん達の力にもなれない…

何より)」

 

ゆんゆんは、後方に立って自分の姿を見ている自分が召喚して契約を交わした悪魔を見る。

 

「(アルマさんの隣に立つ事も出来ない!)」

 

彼女は、痛みが走る体に鞭を打ち奮い立たせ立ち上がる。

 

 

 

 

 

「(だから、こんなところで負けられない!絶対に勝って、皆と一緒に戦うんだ!)シャッ!」

 

ネクサスは奮い立たせた体に気合を入れて片腕を胸の前に翳し勢いよく振り払う様に戻す。

 

 

すると、ネクサスの上から赤いエネルギーが波紋の様に降り注ぎネクサスの姿を変える。

 

銀色の体は赤く染まり肩には鎧の肩当てのような板状のパーツが現れ、胸のエナジーコアにはカラータイマーに相当するコアゲージが現れる。

その姿はネクサスの姿の1つ”ジュネッス”を思わせるが、従来のジュネッスとは違い右腕のアームドネクサスが剣の様に形を変え”ソードネクサス”へと変化している。

 

その姿は、ゆんゆんの覚悟によって覚醒したネクサスの姿。

 

 

”ウルトラマンネクサス ジュネッスルージュ”

 

 

「アレは、ジュネッス?いや、腕のアームドネクサスの形が違う…(まあどっちにせよ、今のゆんゆんなら)」

 

「…セヤッ!」

 

ジュネッスルージュとなったネクサスは再び構えを取りギャラクトロンへ向かって走り出す。

 

『!』

 

ギャラクトロンはそれを近づけまいと右腕の砲身から光線を乱射する。

 

しかしネクサスはそれでは止まらず突き進む。

そしてネクサスに直撃しそうになった光線を腕のアームドネクサスを前に出して受け止める。

 

「ッ!シッ!」

 

するとその光線は青い光に変換された。

ネクサスは光線を光エネルギーに変換して相手に返す攻撃スピルレイ・ジェネレードをギャラクトロン目掛けて撃ち返した。

 

『ッ!?』

 

ギャラクトロンはその攻撃を受けて火花を上げながら後ろに後退する。

 

ネクサスはそんなギャラクトロンに両手を交差させるマッハムーブで高速移動し近づき、光エネルギーを纏った拳でギャラクトロンの顎を殴り上げた。

 

『~~~ッ!』

 

「シェヤッ!」

 

ネクサスは今度は回し蹴り、アームドネクサスによる切りつけ攻撃。更には拳による攻撃を放つ。

それらの攻撃は全てギャラクトロンに直撃すると火花を散らしながら確実にダメージを与えていった。

 

 

「(スゲェ、さっきまであんなに苦戦していたギャラクトロンをあそこまで追い詰めるなんて)」

 

アルマはネクサス、ゆんゆんの予想以上の成長具合に驚いていた。

アルマはゆんゆんに、ネクサスについて知っている限りの事は教えたし少しでもそれを使いこなせる様に体術などの訓練もつけていたつもりだ。

しかし彼女の動きはその時以上の成果を見せていた。

 

彼女がアルマに隠れて努力しているのも知ってはいたがまさかここまで急激に成長し、更にはネクサスの新たな姿を引き出すまでに至った。

 

「(ゆんゆん、予想以上に凄い奴だったんだな)」

 

アルマは目の前でギャラクトロンのギャラクトロンブレードや右腕の打撃を裁きながら攻撃を加えているネクサスに変身したゆんゆんへの認識を改めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シッ!」

 

『~~~ッ!!』

 

ネクサスの猛攻にギャラクトロンは後頭部に備えられたギャラクトロンシャフトをネクサスへ向けて伸ばす。

 

しかしネクサスはそれを後転の容量でバク転して躱し両手を交差させて一気に広げる事で三日月型の光刃ボードレイ・フェザーを放ちギャラクトロンシャフトを切断する。

 

『~~~…』

 

「セヤッ!」

 

そしてギャラクトロンシャフトを切断されたギャラクトロンにネクサスは腕を交差させて片腕から光の鞭、セービングビュードを放ってギャラクトロンを拘束する。

 

「~~~ッ。セェヤっ!」

 

『!?』

 

ネクサスは拘束したギャラクトロンを力任せに投げ飛ばす。

 

投げ飛ばした先にあった岩にぶつかったギャラクトロンは地面に倒れた。

そしてネクサスはその間に、右腕のソードネクサスを構え左手で撫でる。

 

すると、ソードネクサスに青い光が纏われそれを天に向けて掲げるとそれが青い光の剣になり天に届く程にまで伸びた。

 

「…せやあああああああっ!」

 

ネクサスは立ち上がったギャラクトロン目掛けて青い光の剣”セイバーレイ・シュトローム”を振り下ろす。

 

 

『ッッッ!?』

 

ギャラクトロンは振り下ろされたその剣の直撃を受けて、真ん中から真っ二つに切り裂かれる。

 

しかし、この技はそれだけでは終わらない。

セイバーレイ・シュトロームはギャラクトロンを切り裂いた後、急激に長さを縮めてソードネクサスと変わらない長さと大きさに縮小する。

ネクサスはそれを、腕を振り下ろした体制から今度は拳を後ろに引き突き出した。

 

その突き出された拳にあるソードネクサスからは、セイバーレイ・シュトロームが青い光線となって放たれる。

 

『ッッッ!!!』

 

その光線は容赦なくギャラクトロンに直撃する。

直撃したギャラクトロンの体は徐々に青い光に変化していき、最終的にはネクサスが光線を全て撃ち終わったタイミングで、ギャラクトロンの体が青い光の粒子となって消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アルマside~

 

俺の目の前では、見た事も無い光線を撃ってギャラクトロンを粒子分解して倒したネクサス基ゆんゆんが立っていた。

 

色々驚愕するところはあるが、今は喜ばないとな。

 

「お疲れ、ゆんゆん」

 

俺の声に反応したゆんゆんは此方に振り向くと、ネクサスの体が光に包まれた。

それが収まると、そこには少しボロボロになったゆんゆんが立っていた。

 

「ありがとうございます。…あの、アルマさん」

 

「?」

 

変身を解いたゆんゆんは、何やら言いたげな顔で一旦言葉を区切る。

 

しかしそれも一瞬の出来事で、直ぐに意を決した様に話し出す。

 

「私は、貴方の隣に…立ててますか?」

 

「・・・」

 

…成程、これがゆんゆんを奮い立たせたものの正体か。

確かに、この子みたいに純情な子だったらそれが動機になっても可笑しくはないか。

 

まあ、何というか。

ここは、素直な感想を言わなきゃな。

 

「当たり前だ、お前は俺の自慢の契約者いや、友達だよ」

 

「ッ・・・ありがとうございます!」

 

「ふっ。そんじゃ、傷直したら街に帰ろうか」

 

「はい!」

 

こうして俺は、ゆんゆんの予想以上の成長を喜び満足しながら彼女の傷を治しアクセルの街へと帰還を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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