転生したら悪トラマンになってしまった上に地獄の公爵にまでなってしまった件そして何故か頭の可笑しい種族のボッチに召喚されたのですが   作:青は澄んでいる

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予想外の闇の〇〇

私は目の前の光景に唖然とするしかなかった。

一体どうしてこうなってしまったんだろう。

 

「ぐっ…ガハッ…」

 

「おいどうした魔剣の勇者!良い加減に全力を出せ!」

 

目の前では何故か決闘をする事となったアルマさんとミツルギさんという魔剣の勇者の人が戦っていた。

最初はミツルギさんが攻撃してアルマさんが攻撃を躱して反撃していました。

けど途中からアルマさんの雰囲気が怖くなって今度はミツルギさんを一方的に攻撃し始めました。その様子に最初は盛り上がりながら見ていた里の人達やめぐみん、そしてミツルギさんのパーティーメンバーの人達もただ茫然として見ている事しか出来ないでいました。

 

あんなアルマさん、今まで見たことない・・・。

 

「あのゆんゆん、先生は一体どうしてしまったのです?突然ああなってしまいましたけど…」

 

「わ、分からないわ、私だってあんなアルマさん初めて見る」

 

私たちがそんな話をしていると、アルマさんの持っている棍棒みたいな武器がミツルギさんを殴り飛ばしました。

 

「グワーッ!」

 

「おい、いい加減にしろ。こちとらダークロプス達倒し終えて体が滾ってるんだよ、お前チート持ちの転生者なんだろ?選ばれた勇者なんだろ?だったらいい加減に本気を出して俺を楽しませろ!」

 

やっ、ヤバイ!

どういう訳か分からないけどアルマさんが更に不機嫌になってる!?と、止めなくちゃ!

 

「あ、アルマさん!それ以上は流石にダメです!止めてください!」

 

「あ?ゆんゆんどいてろ、まだ勝負が終わっていないだろ」

 

こ怖い!で、でもここで引いたらダメよ私!

 

「も、もう勝負はつきました!この人はもう戦えないようですし、決着方法の中には相手が戦闘不能の場合も含まれてます!ですからもう」

 

私はアルマさんの睨みつける様な目に怯えながらも彼を止める為になんとか言葉を発して落ち着くように話し合いました。

 

「・・・はぁ、悪いなちょっと頭に血が上っていた」

 

「ほっ…」

 

アルマさんは魔法陣を開いて武器を仕舞ってくれました。

こ、怖かった・・・

 

と私が安心したのもつかの間、アルマさんが手から何やら光を出してミツルギさんに放っていた。

って!

 

「何やってるんですかアルマさん!」

 

「安心しろ、傷を治しただけだ。見てみろよ」

 

アルマさんに言われた通りにそちらを見ると確かにさっきまでボロボロだったその人の体は傷が完璧に治っていた。

 

「お、驚かせないでください!」

 

「悪かった悪かったって」

 

全くこの人は、いつもは常識的でまともなのにどうしてこうなるの!?

私のそんな葛藤を他所にアルマさんはミツルギさんのパーティーメンバーに話しかけていた。

 

「おいそこの取り巻き2人、この勝負は俺の勝ちって事で良いんだよな?」

 

「「え!?」」

 

「一応勝負に勝った訳だがお前らとしてはどうだと聞いているんだ。まさか俺が不正でもしたと言ってこの勝負を無かった事にするか?」

 

「い、いえ。そっちの勝ちで良いわよ…」

 

「で、でもキョウヤをあそこまで痛めつける必要は無かったんじゃないの!?アンタの所為でキョウヤにもしもの事があったらどうしてくれるのよ!」

 

「だから悪いと思って傷は治してやったし勝負の景品も無しで良い。それとも、今度はお前らも含めて徹底的に潰してやった方が良いか?」

 

「「ひっ!」」

 

アルマさんがそういうとその人達はミツルギさんを抱えてこの場から去っていった。

 

「アルマさん!怖がらせてどうするんですか!」

 

「あの手の輩はこっちが下手に出ると調子に乗ってボロクソ言いまくるんだ、これくらいの方が変に舐められないで良い」

 

「そ、それはそうかもしれませんけど・・・」

 

「まあ良いではないですかゆんゆん、私もやり過ぎかとは思いますが私も無性にムカッとしていたのが少し晴れましたから」

 

「めぐみんまで・・・」

 

「それより、アルマ先生も折角帰って来たのですからゆんゆんの家に久しぶりに行ってあげてください。このボッチ娘、先生が居なくなってからまるでアンデッドみたいに生きる屍でしたからね」

 

「ちょ、ちょちょめぐみん!?何を言って…」

 

というかアンデッドみたいにって、私そこまで暗かったわけ!?

 

「まあそうだな、俺も少し頭を冷やしたいしゆんゆん。悪いけど久しぶりに行っても良いか?」

 

「え!は、はい!それは勿論!」

 

あ、アルマさんが久しぶりにお家に来てくれる!

 

「そっか。それじゃあ行くぞ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おおアルマさん!帰ってきていたのか!」

 

「お帰りなさいアルマさん」

 

「ただいまです、お二人とも」

 

俺は久しぶりに帰ってきたゆんゆんの家に着くと、そこで彼女の両親に出迎えられていた。

しかし里を出てそんなに離れてなかったのに何故だか安心感があった。

紅魔族みたいな厨二病になっては無いが、俺も何だかんだでこの人達の事を悪くは思ってないらしい。

 

「いやーこんなに早く帰ってきてくれるとは」

 

「ほんの少しだけですよ、しばらく休んだらまた里を出ますから」

 

俺は今日休んだら直ぐにこの里をまた出るつもりだった。

本来なら今すぐに行きたいところだが、先程めぐみんから聞いたゆんゆんの状態を聞いたら流石にどうにかしなくちゃだしな。

 

「さあさあ、アルマさんも久しぶりに帰ってきて娘と積もる話もあるだろう。君の部屋はちゃんと掃除して元のままだから行くといい」

 

「わざわざありがとうございます」

 

俺はひろぽんさんに促され、ゆんゆんと二人でこの家に設けてもらった俺の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、アルマさん。どうしてあそこまでしたんですか?」

 

「…」

 

俺の部屋に着くと、そこにあった椅子とベッドに俺とゆんゆんは向かい合うように座り先程のことについて話し合っていた。

彼女が怒った顔でこちらを見ている理由について察しがつかない程俺は鈍感ではない。

彼女が言いたいのは先程、ミツルギとの決闘で少々やり過ぎてしまった事だろう。

 

「向こうから仕掛けて来た決闘ですから、私もとやかくは言いませんけどあそこまですることは無かったんじゃないですか?」

 

「・・・」

 

「今回のアルマさんどうしちゃったんですか?いつもの貴方はああやって相手をいたぶる事はしなかった筈ですよね」

 

「別に、ただあの自称勇者のアイツがムカついただけだ。自分を勇者だのなんだのとほざいておきながら実際に戦えばスキルに頼り切った攻撃ばかり。最初は演技か様子見で手を抜いているのかとも考えたが、一向に変化が無い。

こっちは滅多に会えない強敵と戦えると思った矢先にとんでもない失望感に襲われたよ」

 

「でも、あそこまでする必要は・・・」

 

「ゆんゆん、忘れているかもしれないが俺は悪魔だ。悪魔というのは自分の欲に忠実でね、俺の場合は自分で言うのもアレだが戦闘が大好きでね特に強敵との闘いは俺にとっては大好物でね。

しかもあのミツルギとかいう奴には悪いがその前に色々と戦闘を終えた後でその時の高ぶりがまだ残っていてね、その分奴と戦った時の喪失感は並では無かった。勝手だと思われるだろうがその時の俺はそれにムカついたんだ。こんな感情、悪魔になってから久しぶりに感じたよ」

 

「・・・悪魔になってから?」

 

「あっ」

 

しまった、ついイライラして思わず俺の事について口が滑ってしまった。

俺が元は人間だということを話していないのは、聞かれなかったというのも1つの理由だが、一番の理由としては余計な混乱を避けるためだ。

この世界について色々と見てきたが悪魔と契約したという話は五万と聞くが、悪魔になったなんて話は聞かない。そんな中、あの邪神の所為とはいえ悪魔になった奴がいるだなんて聞いたら余計な混乱を招く。

それだからなるべく言わないようにしてきたんだが…。

 

「アルマさん…悪魔になったって、どういうことですか?」

 

「・・・」

 

俺としたことがとんだドジを踏んだな。

いつもならこんなアホみたいなヘマはしない筈なんだが…。

 

 

・・・まあ彼女と契約を結び続ける事になるならいつかは言おうと思っていた事だし特別秘密にしていた事でもないからな。

 

「アルマさん…」

 

「ゆんゆん、今から話す事は他言無用だ。それが守れるな?」

 

「え?」

 

「それさえ守れれば、俺の秘密について話そう」

 

「・・・分かりました。このことは誰にも話しません、約束します」

 

「よし」

 

本当はそれほど重要な約束でも無いのだが一応こう言っておく。

 

「それでは話そう、俺が本当はどんな存在だったのかを」

 

俺はゆんゆんに、この世界にきて人間から悪魔になったことについて話した。

まあ流石に女神だの転生だのについてははぐらかして、とある悪魔よりおぞましい女の手によって悪魔にされたという事にして彼女に話した。

 

 

「そんな…アルマさんは元は人間だったのに、その人の所為で悪魔になっただなんて…」

 

「ホント、あの女にまた会ったらもれなく光線をぶっ放してやる」

 

ま、そんな奴もその不祥事の所為で始末書書かされてるんですけどね。

今度どっかの街で『アクシズ教の女神は悪魔製造女郎でアクシズ教徒はその手助けをしている』って張り紙でもしよっと。

 

「酷い…アルマさんは普通の人間だったのに」

 

「まあ今となっては地獄の悪魔達にも気の合う友人も出来たし、今の俺の性格的に地獄程馴染む場所は無い」

 

「で、でも…」

 

「俺の事を心配してくれるのは有難いけど、俺なら大丈夫だからさ」

 

俺はベッドに腰かけていた彼女の頭を撫でた。

これはこの世界に来てつい身についてしまった彼女を落ち着けるお決まりの行動となっていた。

 

これをすると、何故かは知らないが彼女は落ち着いてくれる。

 

「はうぁ~」

 

「落ち着いたか?」

 

「は、はい」

 

うん。彼女の顔が赤くなっているが気のせいだな。

 

あ、そうだ。

 

「ゆんゆん、君には1つ頼みがある。

俺は最初にこの里を出た時の理由でほぼ戦闘が繰り返されると思う。君には、俺を呼ぶ際は君の命や君の知り合いの命が危なくなりどうしても対処できない事態になった場合に限定しようと思う」

 

「え?」

 

「君の為にと思って渡したブレスレットだが、よく考えてみると君はいずれはアークウィザードとして優秀な魔法使いになり紅魔族の族長の後を継ぐ将来がある。

それなのに俺が過保護になり過ぎてそんな成長の機会を奪う訳にはいかないからな」

 

「そ、そんな…」

 

「あー直ぐに不安そうな顔にならないの。別に会えなくなる訳じゃないんだから」

 

「・・・はい」

 

少し間が開いたけどどうやら一応納得はしてくれたようだ。

これで、心置きなくダークロプス達の殲滅に当たれる。

 

「で、でも!私からもお願いがあります!」

 

「おっおう。なんだ?」

 

急に勢いが増した彼女に少しばかり動揺したが、まあ契約している立場だから召喚主の願いを叶えるのも良いか。

まあ本来であれば対価を要求するところなんだけどね。

 

「今日は一緒に眠ってください!拒否したらお父さんや他の人にアルマさんに襲われたって言います!」

 

「分かった契約成立だな!だからそれは勘弁して!」

 

この子ノータイムで恐ろしい事言い出すな!?

これじゃ「お、おい。そんな事、出来る訳ないだろ」とかお約束みたいな言葉もいう暇がねえな!

しかも脅しの内容が内容なだけに、ゆんゆんの様な美少女と一緒に寝られるイベントが発生しても全くいい意味での胸のドキドキが発生しないんですけど!

 

そして、俺はその日の夜ひろぽんさん達に怪しまれない様に彼女の部屋で一緒のベッドに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~数日後~

 

あのゆんゆんの半場脅迫のお願いを聞いた後、俺は再び里を出て今日も殲滅を行っていた。

しかも今回はギャラクトロンが初めて出現していた。

 

「ダークネススプリウムカリバー!」

 

俺は変身した「オーブダークネス」の武器”ダークネスカリバー”でソイツの様々な部位を破壊してから必殺の光線でソイツを破壊した。

 

そして俺は破壊したギャラクトロンの残骸を眺めていた。

 

「レギオノイドにダークロプス。更にはギャラクトロンか。

この分だと、インペライザーやらキングジョーやらのロボット怪獣も来るか?」

 

まあそれ以外にも、ゼットンやらレッドキングやらも来ないとは言い切れないんだけどな。

 

しかもエタルガーが居る位だから、この分だとそれなりの大物が来る可能性も浮上してくるんだけどね。

 

「まっ、今考えても仕方ないか。取り合えず今日は魔法空間で休んで…ッ!?」

 

俺は魔法空間を開こうとすると背後から突然殺気を感じて反射的にダークネスカリバーで防いだ。

防いだ物を見てみると、ダークネスカリバーと鍔迫り合いになる形で刀が添えられていた。

 

「ウルトラマン擬きやセブン擬きだけじゃなくてオーブ擬きにもなるとは、傍観しているつもりだったがここは1つ手合わせ願おうか」

 

「!?おいおい、何でアンタがこの世界にいるんだよ」

 

聞こえて来た声を聴いて、俺は思わず驚愕に目を見開く。

その声に恐ろしく聞き覚えがあったからだ。

 

俺は頭を後ろに向けてみると、そこには人型の魔人が立っていた。

その手には今現在、俺の持っているダークネスカリバーと鍔迫り合いをしている刀”蛇心剣”が握られていた。

 

ソイツは、俺の変身しているオーブダークネスの元となった存在「ウルトラマンオーブ」の宿敵にしてライバル。そして数々の宇宙で時に他のウルトラマンと協力したり、時にとある防衛隊の隊長をしていた光になれず闇になりきれない存在。

 

「ジャグラスジャグラー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしめぐみんがジャグラー、霧崎、伏井出が集まる闇の紳士の会にいたら

  • 容赦なく泣かされる
  • 興奮して目を光らせる
  • 自身も混ざって収集がつかなくなる
  • 爆裂魔法を打ち込む
  • 場をかき乱して大勝利

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