これからはコツコツ進めていく方向で執筆しようと思います。
つまり鈍亀になるわけですねぇ!
その分ご満足いただけるものを執筆する所存。何卒よろしゅうお願いします……
「──────あの子を仲間にするわ!!」
唐突に切り出させれた宣言に、アストレア・ファミリアメンバーは揃って団長の顔を見た。ドヤ顔である。圧倒的ドヤ顔。
『……は?』
「だーかーらー!!あの竜人種の女の子よ!ファミリアに勧誘するわ!!」
「いやいやいやいやいやいや、待てアリーゼ。アレをか!?」
「あれだなんて失礼じゃないネーゼ!」
「いや無理無理無理!竜人種って気難しいらしいしなんならあの子邪魔したら神様だろうと敵にするって言ってたじゃん!」
「大丈夫!同盟的な関係を築くのよイスカ!」
「いやそれ以前に見てたでしょ?!街の人たちの反応!モンスター出た時と同じ反応だったし!闇派閥も狙ってそうだし!」
「ノイン!あの子喋るわ!意思疎通ができるなら協力できる!ついでに狙ってる闇派閥も一網打尽!完璧ね!!」
大騒ぎになる血を分けた眷属たちに対して一人一人対応していくアリーゼ。ひとしきり騒いだ後、机の上に置かれた水を飲んで口を潤し一息ついて話を仕切り直した。
「とりあえず、団長様が何故あの娘を勧誘しようとしているのか。理由をお聞かせ願えますかねぇ」
「まずは強そう!うん!これが一番ね!あとあの子の言っていた通りなら闇派閥と敵対してるってのは間違いなし!」
「だから欲しい……と?」
「ええ!皆はどう?」
自分の意見を出し、ついでに団員それぞれに意見を問うアリーゼ。
「私は異論ございません……が、あれが神殺しを標榜した以上、入団させるなら色々と制限をかけるべきかと」と輝夜。
「んーアタシはアリではあるな。アイツ前衛型ぽかったし」とファミリアの戦力の安定を掲げるライラ。
「いいと思う」
「うーんさっきあんなこと言っといてなんだけど……アタシも」
「私も」
「私も賛成かな〜」
「うーん……どう転ぶか分からないわよ?」
「挑戦は大事よ!リャーナ!」
アスタ、ネーゼ、ノインに続いて年長組のマリューが声を上げ、同じ年長組のリャーナが先の事を心配したがアリーゼは心配ないとどこから来るのか分からない自身を見せた。「なら、やってみようか」とリャーナは少し微笑んだ。
「……そういえばさ、竜人種ってどんな奴らなの?」
「ん?どういう事?イスカ」
アマゾネスは、自分たちの家族になるかもしれない者の種族について何も知らないことを思い出し、声を上げる。
「いや、竜人種なんて今の今まで聞いたこともなかったなーって」
「あ、そういえば確かに」
「いや、お前は知ってろよ団長」
知らなかったアリーゼに突っ込むライラ。
「セルティ、何か知ってる?」
「一応は……」
「おー!流石セルティ!」
──────────────
えーとまず、竜人種というのは特徴で分けられた1つの区分です。正しくは幻想種。《ファンタズマ》と呼ばれる種族です。
精霊もこれに近く当てはめられるのではとされていたのですが……幻想種たちの特徴として私たちがよく知るモンスターと同じ姿をしているものが多いんです。
ただ、彼らの中には魔石がありません。普通の生物のように臓器があります。これが広まったのは神代が始まったあとなんですけどね。
幻想種たちは基本的にはさっきも言ったように獣のような姿をしています。古龍、
──────────────
「───んーとつまり……魔石が無いモンスターみたいな?」
その解釈であってますとノインの発言を肯定するセルティ。
「つまり珍しいってことよね!」
「そうですね……でも」
「何か問題が?」
リューが言葉を詰まらせるセルティに問いかける。顔を上げたセルティは言った。
「おかしいんですよ。竜人種が同胞の報復に1人で出向くだなんて……」
「……確かに妙ではありますね」
疑問を抱くエルフたちに、輝夜は私たちにも説明しろと催促した。
「皆さんはラキア王国の不敗神話について知っていますか?」
ラキア王国。
軍神《アレス》を主神に戴く国家系ファミリアが治める国であり、過去には神アレスの意向の元、何度も戦争を起こしていた大国である。《クロッゾの魔剣》と呼ばれるある魔剣鍛冶師の一族だけが生み出せる超強力な魔剣を持って行われた進撃は不敗神話として今も有名であり、やがてその進撃はエルフたちの中で神より崇め奉られる王族の住まう《王森》にすら及びかけた。
その際、精霊の力を起源としていたクロッゾの魔剣による破壊行為──進軍のための環境破壊によって住処を追われた精霊の逆鱗に触れ、クロッゾの魔剣は全て破砕され、神の眷属となったエルフ達の大反撃によってラキア王国は敗走した。
今では失われた栄光を今も取り戻そうと必死だという国家の話を出され、「知ってるけど……それがどうしたの?」とアリーゼは首を傾げた。
「その戦いに、幻想種達もいたんです」
「え?そうなの?」
「聞いたことないわよそんな話」
信じられないと先輩魔導士のリャーナが口を挟んだ。セルティは「仕方ありません」と首を折った。
「1番ラキア王国を痛めつけたのは彼らですから……」
─────────────────────
ラキア王国当時の国王は幻想種にある種の忌避感を抱いていた。モンスターと同じ姿をしながら、人の言葉を理解し、知恵を持った彼らを。
時に人を助け、時に争いに介入しそれを止める。
ラキア主神となっていた軍神アレスも、他国侵略において乱入してくる彼らの存在に度々憤っていた。
目障りになっていた彼らを殲滅、もしくは隷属させようにも彼らの力は時に昇華した眷属すら容易く屠る者も居ると聞いていた彼らは、その最後の決断をしかねていた。
クロッゾの一族が来るまでは。
クロッゾの魔剣を手にした彼らはその強大な力で持って次々とやってくる幻想種達を返り討ちにし、討ち取った彼らを解体して──幻想種の素材は薬効や武器になる───莫大な利益を得た。
ラキアは増長し、さらに進撃した。彼らの本拠地との噂名高い《幻想の谷》に向け、道すがら国家を吸収し、森を焼き河を干上がらせ、山を消し飛ばしながら突き進み続けた。
やがてエルフの王森にぶち当たった際に森から逃げた王族に1万程の軍勢を差し向け、残りは王森の侵略を続けていた。
そんな時だった。逃げた王族達をおっていた者たちがズタボロで逃げ帰ってきたのだ。
数百にも及ぶ龍の群れに追われながら。
時に平和な村を消し去り、時に女子供すら情けなく殺し、同族たちの遺骸を己の為に金に変えた。そして
《何も関係ない幻想種たちにすら及んだ虐殺》。
それを笑いながら彼らは成した。成してしまった。
幻想種たちは、秘め続けていた怒りを爆ぜさせた。
限界を超えたのだ。恩恵を与えた神を必ず殺すという覚悟すら決めさせる程に。
王森の者たちは後にこう語ったという。
────ラキアは目覚めさせてはならない虎の尾を踏んだ。と
それが初めての敗走。そして後に語り継がれる大敗北の始まりである。
─────────────────────
「怒り狂った彼らはラキア本国に進行し、大勢の民の命を奪ったといいます……今まで奪われた仲間たちの分まで」
「……えーと……奪われたのは自業自得なんじゃ……」
そもそもラキアの戦争に介入し、余計な不満を買わなければそうはならなかったのではと端的に口にしたのはイスカ。
「───いいえ、彼らはそうしなくてはならなかったのよ」
そう答えたのはセルティではなく、アストレアだった。眷属たちは声を上げた主神に目を軽く剥いた。
「そもそも、彼らが戦いに介入していたのはラキアが過剰だったから……小さな村すら侵略の対象として戦力を投入していたからなのよ」
「彼らには古代より前から、下界の子供たちを守るという使命が与えられていた。時に子どもたちの戦いを止めて、時に子どもたちに恵みを与える」
「幻想種は……神様たちの眷属だった……ということですか?」
そう問うたアリーゼにアストレアは頷く。
「恩恵……と言うよりも加護は一部のより強い子に与えられたのだけれど……なくても、彼らは強かった」
一瞬の沈黙が部屋を満たす。
「彼らは今も私たちの言葉を守ってくれている……あんな事があって今も尚……」
「……?あんな事……っていうのは?」
ライラはアストレアの様子が一瞬変わったのを察知し、原因であろう《あんな事》について問うた。
いつもより暗い表情を浮かべるアストレアが顔を上げ、「それは」と言の葉を紡ごうとしたその時だった。
─────ドォォォォォォン……
「「「「「「!?」」」」」」
「今のって!」
「爆発……!」
「行こう!」
突然の爆音に眷属たちが飛び上がり、颯爽と立ち上がる。
「アストレア様」
「えぇ、行きなさい」
「はい!」と眷属たちが声を揃えて星屑の館を飛び出していく。
1人残されたアストレアは、眷属たちを見送った。
「……そう……今も」
1人、呟く。
「今も守ってくれている……」
窓際に寄りにわかに慌ただしくなる都市を見下ろす月を見上げる。
「
「あの日から1000年が経っても……」
独白は、誰の耳にも入らず、静かに霧散した。
今回のまとめぇ!
アストレア・ファミリア
仲間にしよう!
アストレア
(´・_・`)
《過去》
ラキア
ぶっ殺したらァ!
あぁっすいません調子乗りすぎま(ボコボコ)
幻想種
お前死にたいんだってな?
大丈夫か……俺の文才……