あれから下の階層へと降りていった。何階層か降りたときだった。デカい扉と2つの銅像があった。
「なんだこれ」
「………取り敢えず、銅像壊す」
「壊そっか!【滅裂】」
冬花がそう言うと、斬撃のような物が銅像に向かって撃たれた。斬撃は銅像を壊し、扉をも壊した。
「………………………………………………………………………………………………………………だれ?」
「いや、まず自分から名乗れよ」
「零斗、そういうこと言っちゃ駄目だよ」
「………声からして女性よ」
扉の向う側を見ると、黒いキューブ状の何かに女の子?が封印されていた。
「…助けてッ!!」
「いや、助けるも何も…まずお前誰だよ」
「…名前は…ない」
「………ねぇ、零斗」
「ん?どうした?」
「………この子…私と被る」
「「確かに…」なら、桜が変わってみない?その喋り方、正直面倒くさいんじゃない?」
「………………流石冬花ね。ぶっちゃけ面倒くさい」
「面倒くさいのか」
「零斗はどっちが好き?」
「桜だからどっちも好き」
「………………あ、あの…助けて…くれない…の?」
「「「ごめん忘れてた」」」
俺はキューブに手を翳し、《万物鑑定》でキューブがなんなのか調べた。
______________________
対象の魔力を吸収する。必要以上に吸収すると破裂する
______________________
「なるほど。魔力を注ぎ込めばいいと」
「…ッ!だ、駄目!膨大な魔力が必要…人の魔力じゃ何人いても無理…!」
「あぁ、大丈夫。俺、魔力量無限とかいうチーターだから」
「………え…?」
俺が魔力を流し込んだ瞬間、キューブが弾け飛んだ。
「………うそ…」
「ま、魔力量無限は伊達じゃねぇな」
「ねぇ、それガン○ムのネタ?」
「つもりではあったんだけどな…」
そしてキューブから解放された女の子は―――
裸だった。
______________________
二人が予備の服を着せ、俺は二人の前で正座していた。
「「見たの?零斗」」
「はい。見ました」
「………えっち」
「不可抗力じゃん」
「それで、この子名前どうするの?」
「…子供じゃない」
「そうなの?」
え、子供だと思ってた。
「…私、数百年前からここにいる」
「なんでそんなのわかるんだよ」
「…なんか文字出てきて、何年経ったか教えてくれた」
その機能はいるのだろうか。
「それで、なんでお前はここに封印されてんだ?」
「…私、悪くない!私、裏切られただけ!」
「裏切られた?」
聞けば少女は何処かの国のお偉いさんだったらしい。ある日、叔父が王様になり、突然少女を封印したらしい。
「そっか…」
「名前もないし、居場所もなしか…」
「あ、じゃぁ!《ユエ》なんてどう?」
「…ユエ」
「いい名前だな。それで決定。んじゃ、これからよろしくな、ユエ」
「…ん!よろしくね」
______________________
〜???〜
我、やっちゃったぜ☆
「我が主、そんなのん気なこと言っている暇あると思ってるんですか?」
「いいえ、全く思っておりません。はい」
なぜ、ノイントに怒られているか。それは我が怒られる数分前の出来事だ。
「お、なんだこれ。誰かのおやつか?………使徒の物は我の物なーんつって………え、うっっま!って、これ地球とやらのお菓子じゃないか!」
机の上にあったお菓子を食べてしまった。食べてすぐに後ろから途轍もない殺意を感じた。振り返ると、見てわかるほどの怒りを露わにしたノイントがいた。
そして現在にいたる。
「………我が主、今回はもう我慢できません。ここを出させてもらいます。あと、《真なる神の使徒》もやめさせてもらいます」
「え………でも、お前らってここじゃないと本気出せないし、地上に降りても、存分に戦えないよ?どうする気?」
「《例の子》に助けを求めます。では、今までお世話になりました。あと、あの《例の子》に嫁入りする話、受けます。では、ここで我が主との関係を切らせてもらいます。さようなら」
「え、待って嘘だろ?」
そう言いノイントが出ていってしまった。超主戦力のノイントが出ていってしまった。嫁入りの話なんか出すんじゃなかった。
そういえば、ロッソとブルがホロボロスを同時に蹴ったあの技名ってなんですか。プロレス技だと思ってるんですけど。
ぴょんぴょん跳ねる生命体が魔物に食われそう
-
取り敢えず一回無視しよっか
-
何も言わず助けるだろ。ウサミミだぞ?!