宿屋から出て地図を元に大まかにセルマゴイ王国領を確認、サラ平原をわざと横断するようにルートを考え目的地を関所街セラークに
首都を出発して雷神装備を呼び衛兵達から見えないであろう位置まで普通に走りそうしたら雷速で向かい始める
サラ平原で一度止まり少し散策していると見事に紅く10m程…羽を広げればその倍以上はありそうな大きな鳥──朱雀擬き、図鑑で見たこの世界ではリトングドラと呼ぶモンスターが襲い掛かってきた
「ピュィィィィィィィィ!!!!」
リトングドラが一鳴きすると辺りの草が燃え始め、北上は甲高い音に耳を塞ぎながら雷神装備から炎神装備へと切り替え自身に襲いくる炎を無効化する
がぁぁぁ耳ぃぃ!!聴覚に来るぅ…
鳴くだけで周りが燃えるってやっぱ凄いモンスターなんだなぁ。抵抗しようにも四神っぽい奴等をこれ以上突っつきたくないんだよなぁ…何が起こるか分からんし
リトングドラは炎が効いていないと判断して爪や嘴で襲い掛かかるが雷神装備に戻り一瞬にして自身の視界と知覚範囲から消えた北上に驚愕した
非常に広大なサラ平原の四分の一を知覚範囲、つまり縄張りとしていたリトングドラに今まで挑んで来た、縄張りに入った者の中に自身を欺いたりした強者はいた
されどその全てを殺して来た
逃亡を許すのは初めての事だった
ふぅ、あの炎の範囲って凄い広いのな。高低差のない平原で朱雀が見えなくなるぐらい離れたってのに、燃えてる草はまだまだ見えるもんなぁ
「……ィィィィ…」
また鳴い…ッ!!────うっそ、まだ炎の届く範囲なのかよ。どんだけ広いんだ…って自分がここに来た時点で燃えてたんだしそりゃ範囲内か。詰めの甘さどうにかならんかね?
炎神装備と切り替えて炎を防ぎながら考える
朱雀の強さだけ?なんか突出してないか?
鳴くだけでこの範囲燃やすってとんだ初見殺しだ。に比べて青龍と白虎といえば、青龍はアルゲスの不意打ちに加えて雷で〜だが白虎なんて正面切ってキャットファイトした挙句割と直ぐに片付いたぞ?
もしかしたら青龍や白虎にも特殊な攻撃があったのやも知れないが、知らずに終わったからわかりようもない
取り敢えず再度鳴く前に雷神装備でより遠くに行かねば、玄武探す余裕は無さそうだな…
雷速でより遠くへ離脱してセラーク近くに到着、装備を仕舞い普段着になり徒歩で向かう
セラークへと入ると分かりやすく関所と思われる位置に向かって長蛇の列が出来ているので最後尾と思しき所に並び待つ
────2時間は経ったと思うんだけどなぁ…まだ関所遠いなぁ、視界には映ってるのになぁ
まぁまだ日も暮れていないし?
けどこの関所こんなに人来るの?
多過ぎない?…いや多いから建物だなんだが出来て街と化した?
これ下手したら1日2日、待つ事前提なレベルの列が出来てるかもしれないのか…