【東京喰種】僕の選択。   作:わむ

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お久しぶりです!

中々投稿出来ずにすみません…。
反省はしております…。

あと評価・感想等、本当にありがとうございます!
バーの色が赤になってて嬉しい限りです。ワァ!

改めてこれからもよろしくお願いします。


No, 26 可哀想な条件提示

「察しました」

 

「へ、へぇ〜…そ、そっかぁ」

 

私は端的に答える優理に無難な返事をしながら考えた。

実際、私は優衣さんと面識があるしそれなりに会って話す仲である。

きっかけはあんていくのカウンターで隣の席になり、言葉を交わしたことだ。

すっかり意気投合したんだよな…って、それは置いといて。

 

まぁ、つまり。

私は全て、という訳では勿論無いが、ある程度優衣さんのことは知ってるつもりだ。

例えば、意外と容赦無いところとか。

その他諸々、外見からはイメージ出来ない中身が入っていると分かっている。

娘のそのタイプだろう。

要は猫被り。死んでもこんなこと言えないが。

 

に、しても。

 

「あぁ〜!やばい…この状況が優衣さんにバレたら…。最悪殺される…」

 

「…母は一体何をしたんです?まぁ、僕から言うつもりは無いですし、安心してください」

 

「本当か!?…私は今までこんなに感謝したことがない…礼を言う…!」

 

全くもって冗談ではない。

話も盛ってないし、事実しか言ってない。

 

「マジで母さん何したの…?(…ホントに仲良いのか…?)…だけど条件があります」

 

「お?なんでも良いぞ。何か欲しいもんでも有るのか?」

 

やっぱり子供は子供だよなぁ。

ちょっと安心したわ。

 

「体術と赫子の使い方を教えて下さい」

 

「あぁ、いいぞ…ってはぁ?」

 

「ですから、体術と、赫子の使い方を、教えて下さい」

 

もうその発想は子供じゃねぇだろ!?

只者じゃない子供と知り合いになっちまった…。

鷹は鷹しか産まないのか…。

 

「あ〜優理?それは…ちょっと…」

 

次に優衣さんに会ったら私は平常心で居られるかどうか分からない…。

 

「では、母に報告を…」

 

「ま、待て!いいか?そこから動くなよ?」

 

私は、悲しそうな表情を浮かべ(私にとって)物騒なことを言いながら踵を返す優理を必死に止める。

最早、頷くしか選択肢が無い。

私がこうして悶々と悩んでいる間、優理はニコニコとこちらを眺めている。

頑張って平常心を保つしか無いのか…はぁ…。

 

「しゃーない…。教えてやるよ」

 

「では、普段の母の様子も教えて下さいね?来週もこの時間にここに来ますので。今日はこれで。さようなら」

 

「ちょっ!?おい!?」

 

優理は早口でさらに条件を付け加え、言いたいことを言い終えるとさっさと走って行ってしまった。

今日ほど不運な日は無いと思う。

私はとんでもない少女と知り合いになってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君は随分と強引だね?ミラが可哀想になってきた…」

 

ここまで話し終えると、エトさんが呆れた様な表情を浮かべ呟いた。

 

「取引は自分が有利になるように仕向けるものじゃないの?」

 

「優理だけに?」

 

「駄洒落じゃないよ…」

 

というか、この人もこの人で強引じゃないか。

僕を咎めることできないでしょ。

 

「ちょっとした冗談だよ。でもそうだなぁ…。取引っていうのは最初はお互いがwin-winな条件を提示して納得する、という上で成り立つものだと思うよ」

 

「じゃあ、どっちもwin-winだから大丈夫だね?」

 

「君の場合は、私もミラも納得してないというか…」

 

「よし、じゃあ続き行こー!」

 

「とりあえず、君は自分の都合が悪くても話を聞くべきだ…」

 

僕はエトさんの言葉を適当に流し、続きを話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んーと?何処だっけ…?」

 

まぁ僕が一回で場所を覚えられる筈がない。

テキトーにどっかの裏路地に入れば辿り着くでしょーっていう考えで動き、絶賛迷子中なのだ。

裏路地なんて灰色のコンクリートやらパイプやら室外機やら何やらで目印が一切無いのだ。

まぁ…僕の場合目印が合っても迷うのだが。

こんな薄暗いところをウロウロして、不審者に目を付けられたら一体どうするんだ(自業自得)。

まぁ、返り討ちにすれば良いか。

 

そんなこんなでウロウロしていると聞き覚えのある声が空から聞こえた。

 

「おーい、優理!」

 

「あ、ミラさん」

 

首を上に曲げると、屋根の上からミラさんが手を振っていた。

僕が気づいた事が分かると屋根から飛び降りてくる。

結構な高さから降りてきたにも関わらず、トン、と体重を感じさせないような音しかしなかった。

 

「お前が来るの待ってたのに、中々来ないから探しに来たぞ?」

 

「道に迷いました」

 

「デジャブ…」

 

僕は申し訳なさのカケラも感じられない表情と声色で言うと、ミラさんは手を額に当て、そう呟いた。

 

「じゃあ、早く連れてって下さい」

 

「お前なぁ…!」

 

頬をヒクヒクと引き攣らせながらも、ミラさんは先週の場所に連れて行ってくれた。

もう何を言っても無駄だと思ったのだろう。

 

 

 

 

「じゃあーーー」

 

その場所に着くなり、ミラさんは僕と距離を取って呟く。

 

「まずはお前の実力を見せてもらう」

 

僕は思った。

この人もスイッチが入ると人が変わるタイプなんだな、と。

 

 

 




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ではまた〜!

玲緒奈(優理の親友)の将来は?

  • 音楽関係(歌手とか、有名になる感じ)
  • 喰種捜査官
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