って感じのssです
精霊の力は全員持ってないって設定のためバトルとかはないです
それでもいいよって方はまぁ見てってください
士道くんに七罪さんの兄貴になってほしいって
俺の願望から生まれた小説です
お兄ちゃん属性の七罪さん萌えると思うんだ!!
若干の鬱あり?
私にはお姉ちゃんがいた。
名前は鏡野士織。
お姉ちゃんは常に私に優しくしてくれた。
私に料理を作ってくれた優しい士織お姉ちゃん
私がクラスで馴染めないって言ったらクラスに、琴里や四糸乃や六喰と言った仲間見つけてくれて、一緒に遊んでくれた士織お姉ちゃん。
私が服を汚して帰ってきても、何もしない母親の代わりに洗濯してくれた士織お姉ちゃん。
私が寝れないと言ったら、一緒に寝てくれた士織お姉ちゃん。
……だけどお姉ちゃんは私が中学に上がる頃、いきなりお母さんを殺して少年院に入ってしまうことが決まってしまった。
そんなのは嘘だと。
私とお姉ちゃんを知るみんなが抗議した。
私はお姉ちゃんに何度も何度も嘘だよね!と
何かの間違いだよねと
問いただし私や琴里、六喰に、四糸乃はお姉ちゃんの無実を証明したかった。
だけどお姉ちゃんは『ごめんね…ごめんね…』と謝るばかりで、否定しなかった。
それどころか『母親を殺したのは私です』と警察の前で肯定した。
その時ばかりは私もお姉ちゃんに向かって『お姉ちゃんのバカ!!知らない』とお姉ちゃんに反発してしまった。
それが私とお姉ちゃんを別れを告げる最後の言葉とは知らずに。
犯罪者の妹として貶められた私は、中学時代腫れ物を扱うかのように、周りから虐げられた。
けど私みたいな世間から疎まれる存在である私を、お姉ちゃんが作ってくれた友達は私を庇ってくれた。
四糸乃、六喰、琴里。
そのおかげか他人から見たら不幸であった私も、そこまで不幸な人生だと思った事はなかった。お姉ちゃんとあんな別れ方をした事以外は_____
今では五河家というとことで五河七罪という名前で琴里と一緒に、来禅高校に通っている。
おじさんもおばさんもお姉ちゃんとは仲が良かったため、私を快く迎えてくれた。
今でもよくお姉ちゃんの事は不思議に思う。あんなにも優しかったお姉ちゃんがなんで母親を殺したのだろう。
母親についてもお姉ちゃんしか話してなかったため、私はどんな人か知らなかったが、どんな人かわからなかったのが今でも気がかりだ。
「おーい七罪ぃぃ!!!!」
そんな事を五河家の廊下で考えていると、いきなり琴里がいきなり後ろから肩に飛び乗ってきた。
「うわぁぁあ!……い、いきなりやめなさいよね!!私いきなりびっくりするタイプのに弱いって琴里知ってるでしょ!!」
「えー!!七罪のびっくりする顔すごく好きなのにー!!やめちゃだめなのかー!?」
全くこいつは……長年いっしょにいるけど……私の事をなんだと思ってるんだか……
「ふふふん私は七罪のおねーちゃんだからなー!!妹には何やってもいいのだー!!」
「……っていうか私一応琴里より年上だよねいっつも思うけどなんで琴里がお姉ちゃん面してるのよ」
私の誕生日が7月の23日で琴里の誕生日は8月の3日。何故こいつは自分の方が年上だと思っていたのだろうか……
「……えっそうだっけ?」
長年姉面してきた琴里は私のことを、妹分だと思ってたらしい。同い年で誕生日私の方が先なのになんで琴里は自分のことをお姉ちゃんだと、思っていたんだ……?
「フフフ……どうせ多分私のダメっぷりに琴里はお姉ちゃんだと思ってたんでしょうね……ごめんね本当にダメな養子で多分三角コーナーに私いた方がいいわよね……」
「あー!!あー!!ごめん!!ごめん!!七罪お姉ちゃんは可愛いよー!!尊敬するぞー!!!」
まぁ私なんて??
夏に出てくる茶色い例の虫ぐらい嫌われてるわよね……なんで私みたいな存在を周りは認めてくれるの……?
特に同じクラスの四糸乃なんて『私に触れると病気になるわよ』って言ったらいきなり抱きついてきて『そんな事ありません……よ?』って言ってくるんだもん可愛い天使。もう付き合いたい。
「まぁこの際私が惨めな事は置いとくとして、何の用よ。いきなり飛びついたりしてくるなんて」
どうせ琴里のことだ。
一緒にゲームしよーとか、一緒におしゃべりしよーとか、どうでもいいことで、私に飛びかかってきたりに違いない。
……まぁそんな琴里がいたから、私はあの件からは救われたのだが。
「あー……いつもなく七罪が真剣な顔でぼーっとしてたから大丈夫かなー元気かなーって……」
……琴里は本当に私のこういうところに鋭い。
________私が小学生高学年の頃、犯罪者の妹って琴里とクラスが別になった時に言われてた時、私が辛気臭い顔してたらそのいじめっ子達を一人でボコボコにして帰ってきたなんてことがあったな〜……
流石の私も、『私のためにそんな無茶するんじゃない』って泣きながら琴里に怒ったけど……
「……士織お姉の事でね……ちょっとだけね」
私がそう告げると琴里は明らかに不機嫌になり私に向って告げる。
「どうしてあんな事しちゃったんだろうね……七罪のおねーちゃん優しかったのに……あんなの冤罪だよ!!そうに決まってる!!」
琴里も私と一緒にお姉ちゃんのご飯や、お姉ちゃんと一緒に遊んでたことが何度もあった。
なんなら私の次におねーちゃんに甘えていたほどだ、お姉ちゃんも琴里が好きだったし琴里もお姉ちゃんの事が好きだった。
その関係に私が嫉妬しちゃって拗ねたらお姉ちゃん慌てて弁明したりしてたっけ…………
だからこそ
あんな事をしたのを琴里も不思議に思っているのだろう。
「……お姉ちゃんは優しかったし、私に料理とかたくさん作ってくれたから、多分お母さんを殺した理由もあるんだよきっと……」
お姉ちゃんは確かに、お母さんを殺して逮捕された。私はお姉ちゃんが大好きだし、みんなもお姉ちゃんが大好きだからあれは何かの間違いだと私や友達のみんなはおもっている。
お姉ちゃんが作ってくれたオムライスはとてもおいしかったのを覚えている。
お姉ちゃんが私たちに優しくしてくれたのを覚えてる。
お姉ちゃんがわざわざ私のためにいじめっ子に説教してくれたのを覚えてる。
お姉ちゃんはそんな事をする人じゃないと自分でも確信してた。
そんな事を思っていると__________
玄関のチャイムが鳴った。
こんな夜遅くに誰だろうと思い私が出ようと思ったが
「いいよ七罪はもし嫌がらせの卵とかだったら七罪を汚しちゃうし」
そんな事今まであったっけ?と思ったが子供とはいえ仮にも犯罪者の妹、嫌がらせに敏感なのは琴里も気をつけているのであろう。
だがだからこそ、私のせいで琴里を汚したらいけない。ここはわたしが出よう。
「多分そんな事ないから私が出るわよ……もし嫌がらせだとしても、琴里を汚したくないし」
「いや私が出る!!七罪は座ってて!!」
こういう時琴里はムキになって譲らない
私もそうなのだが昔のお姉ちゃんそっくりだ。
「いやいいって……私が出るわよ」
「いや私が!!」
「いや私が!!!」
そんなことを言い争っていると。
外から声が聞こえてきた。
『ん……誰も出ない……鍵が空いているしそのまま入るか』
『ちょ!!令音さん!!流石にそれはまずいんじゃ!!』
『警察の癖に小学校周辺をうろちょろしてた神無月くんに言われたくないなっ……と」
本門者は無断でこちらに無理矢理入ってきた。
「刑事の村雨令音だ失礼するよ」
「あっ!!見習いの神無月です!!よろしく!!」
『………………』
平然と、こんな時間に不法侵入してきた。
長い髪をポニーテールにまとめた方た金髪のロングヘアーの男の人だった。どう見ても胡散臭い。こんな場合は一体どうすればいいんでしょうか。私と琴里はあまりの無法っぷりに、黙ってしまいました。
_________________________
その後刑事さんがいきなり入ってきた事により、私と琴里かおじさんやおばさんが犯罪を犯したのかと、一瞬緊張したが別にそんな事はないといい用件を言わないままリビングに上らしてしまった。
「ふむ……こんな時間に訪ねてコーヒーも頂いてしまって申し訳ないな」
「いえいえ……」
令音さんはまるで
友人の部屋かのような態度で平然とコーヒーを飲んでいた。その無言でコーヒーを飲む姿を、少し美しいと思ってしまった私は多分正常だ。
これが大人の魅力というやつなのだろう。
見習いの神無月さんは腰をかけていいと琴里が言ったが、それを断りずっと立っている。流石の琴里も客人を立たせるのは申し訳ないと思ったのか琴里は告げる。
「ところで、助手の神無月さんはコーヒーいらないんですか?注ぎますよ?」
琴里がリボンの色を変え完全に営業モードになっている。
琴里が黒色のリボンをしている時は、目上の人に対しては言葉が丁寧になり、私や仲のいい人に対しては私を少し荒っぽくしたような口調になる。一種のルーティーンなのだろう。あまり私は気にしないようにしている。
「いえいえ!私はこんな可愛い美少女2人に若干冷たい対応してもらってそれだけで______痛い!!令音さん痛い!!」
神無月さんを頬を無言でつねる令音さん。
「君はセクハラで訴えられたいのか。冷静になれ神無月くん」
本当にセクハラギリギリの発言をしたな神無月って人……琴里がツッコミたくてプルプル震えてるし……
そんな琴里が私に向かって耳打ちをしてきた。
(ほんとに刑事さんなのこいつら???一人は真面目そうだけどもう一人の方は完全にふざけてるわよ!?)
(……まぁ男性2人組じゃないだけまだ信用できるんじゃ……?一人の方は完全に刑事っぽいし)
そんな感じで私と琴里が耳打ちしていると…
「そろそろ本題に入らせてもらっていいかな……?七罪さん」
「えっ……私??ここで私なの?」
私に関して警察が入ってくることなんて、一つしか心当たりがない。
そう"お姉ちゃん"の事だ。
お姉ちゃんの事で何か進展があったのだろうか。
お姉ちゃんがもしかして少年院で自殺とか……?もしかして無期懲役……?
嫌な考えばかりが頭に思い浮かんだ。
それほど私はお姉ちゃんを心配しているのだ。
言葉にしないが琴里も。少し額に汗を浮かべその緊張がヒシヒシと伝わってくる。
「__________君の"お兄さん"の件で少しね」
「__________?"お姉さん"の間違えじゃ?」
琴里が、私の代わりに疑問を投げてくれた。
そうだその通りだ。何故いきなり性別を間違えるのであろうか。
人の姉の性別を間違えるなんて少し失礼ではないだろうか。
たとえ罪を犯した人間だとしても。しかも私よりもよっぽど可愛い、さらさらの青髪のあんな美少女を男だなんて、何を考えているのだこの人達は
困惑と怒りが同時に私の中で渦巻く。
静寂の中無言を断ち切るように、神無月さんが発言した。
「………親御さんから何も聞いていないのかい?」
それに対しては私が答えた。
私の唯一の家族なんだ。
私が答えないといけないだろう。
「はぁ……あの件に関しては叔父さんも叔母さんもだんまりで」
「令音さんこれは……」
「ああ……わかっている。」
私と琴里の中で疑問が溢れる中。
何やら刑事さん達が耳打ちを始めた。
とんでもない地雷を踏んでしまったのだろうか、お姉ちゃんの事について。
もしかして私はお姉ちゃんについて何も知らないまま生活していたのだろうか。お姉ちゃんは無理するタイプの人だから、私の裏で苦闘の末に母親を殺したのだろうか。
色々な考えが頭に思い浮かぶ中、神妙な顔で令音さんが告げる。
「__________今から話す事は、あの事件の真実だ。七罪さんにとって相当告げづらい内容になっているが、それでも聞くかい……?」
私は刑事さんの真剣な顔に驚かされたが
やはり、あんな優しい私のためになんでもしてくれたお姉ちゃんが、何故あんな事件を起こしたか知りたかった。
お姉ちゃん今さっきの"お兄さん"と言う発言は何だったのか。
その答えをお姉ちゃんの本当の顔を私は知りたかった。
「真実を知る覚悟は________できてます。」
私はそう告げた。
琴里は、私の覚悟を汲み取ってくれたようで何も口出しはしなかった。
本当は琴里もいろんなことが言いたいのであろうに。
私の覚悟を確認した刑事さんは告げる
「そうかでは君の"お兄さん"の真相を告げそう___________」
______________________________
あるところに売春婦の息子『鏡野士道』がいました。
その子は毎日母親からの暴力や、罵詈雑言に耐えてきました。
だけどもいつかは愛されると信じて、いつかは僕に向き合ってくれると信じて。その母親の売春婦は薬をやっており、毎日売春で入ったお金をお薬に注ぎ込んでいました。
_____しかし売春婦はまた妊娠してしまいました。
あららたーいへん!!妊娠中は性行為ができません。しかしこの子を産まないと父親側から養育費という名の薬代がもらえません。子供に性行為をさせようとしましたが、その子供は男です。
さぁ困っちゃったさぁ大変。暴力を振るってストレス発散にしか役に立ちません。
____________ですが売春婦は天才的発想を思いつきました。
『ものがあるなら切っちゃえばいいじゃない!!』と
物をなくしたらそれはもう女の子として売れると。
これで薬代を稼ぎ私のために道具として働いてくれと売春婦は思いました。
思い立ったからにはすぐ行動!!
今までにないほど抵抗する息子を取り押さえ、『やめて痛い!!いい子にするから許して!!』そんな悲痛もお構いなしに
"士道"の息子をちょっちんぱ!!あーらら息子は娘になっちゃいました!!
もちろん母親は医師の知識なんてこれっきしで、ものを取られ死にかけた士織を闇医者に診てもらい、なんとか一命を取り留めましたが、"一物"は帰ってきません。
"彼女"鏡野士織が誕生したのです。"士織"が4歳ごろの話でした。
士織は女装をさせると、女と見間違えるほど可愛く、美しい存在でありました。しかし売春婦は私より綺麗だなんて生意気と士織を何度も殴りました。
しかし士織も商品です。数発腹や腕を殴った後、売春婦は何もしませんでした。士織は勘違いをしました『今日は顔が殴られない』『お母さんも僕を案じてくれたんだと』しかしそんな幻想もすぐ地に落ちます。
母親がある男を連れてきた後。
士織はその男と二人っきりになりました。
なんなんだろうと、士織が疑問に思うのも束の間士織は、その男に服を破られ、無理矢理犯されました。そんな一方的なレイプ。士織が気持ちいいはずありません。
『助けて!!おかーさん助けて!!』と何度も口にしたのを士織は覚えています。
ですが助けてくれるヒーローなんて来てくれるはずありません。
そんな抵抗虚しく士織の初体験は最悪な形で終わりました。
そのあと毎日毎日毎日毎日。
違う男が来ては、犯され、殴られ、罵倒され、淫語を強制させられ、最悪な毎日が続きました。
もう士織に男としての尊厳はありません。
娘のプライドや精神はズタボロでした。
しかし母親は薬を打てて大喜び、妊娠中なんて関係なく薬を打ちづけました。
高い薬や高い化粧など、母親がしたいことができました。
そしてその子_____七罪が生まれた後、七罪の世話も、士織に任せてほったらかしです。
しかし娘は決意します。2人目の子にはこんな思いをさせたくないと、自分のような存在は一人だけでいいと。
________そして母親に交渉します。
今の倍売春をやるから今度生まれてくる子には手を出さないでくれと。
母親は『道具のくせに反発するな!!』と怒鳴りました、暴力も振るいました。
母親は、七罪が完全に育ちきった後は、売春させる気満々でした。
だけども今この道具に反旗を翻されると薬が打てなくなります。さぁ困った困った。
母親は渋々了承し2人目の子には売春をさせないと約束しました。
士織は思います。この子にはやりたい事を存分にやらせよう。この子には平和な世界を見てもらおうと。
そのためにはお金が必要です。
母親の薬代と、この子の養育費を稼ぐ為に、より一層売春に励みました。お金が欲しいためどんな厳しいプレイにも対応してました。
時には殴られ、罵倒され、傷をつけられ、こっちが1mmも気持ち良くないプレイにも付き合いました。
男の糞や尿を取り込むこともありました。
その方がチップを弾んでもらえるため。
七罪に安心した生活を送ってもらえるため。
もっと女性らしくなろうとわざわざ女性ホルモンを打ちました。商売なのだからメイクにも気をつけました。
母親に対しても、どんだけ殴ってもいいから、顔だけは殴らないでくれと頼みました。顔は唯一の私の商売道具だから。
全ては七罪のために。
七罪が私のような生活を送らないように
七罪に平和な暮らしを送って欲しいため、七罪が手作りの料理の味を知ってもらいたいと思い、七罪の為に料理の勉強をしました。
七罪が友達ができないと相談してきたら、七罪のクラスに行き七罪と同じような立場の人と自分で遊びました。
自分が母親と同じにならないように、行為が終わった後は七罪に勉強を教えられるように色々な勉強しました。
七罪を虐めてくるような輩には、裏で一人でいじめっ子のとこに乗り込み説教をしました。
七罪には自分のような汚い服を着て汚い部屋で過ごして欲しくないため、掃除や洗濯も一人でやりました。
母親が七罪に合わないように、常に神経を巡らせてました。
母親の罵詈雑言や暴力は七罪に向かないように、全て自分で受けてました。
七罪に殴られた後のあざができる出る事を知られないために、常に長袖であざを隠していました。
朝はと夕方七罪のお世話。
夜は売春のお仕事や母親の暴力で、士織の睡眠時間は約4時間しかありませんでした。それでも士織は幸せでした。
七罪が平和に元気に過ごせているから。
_____そのおかげで七罪は平和な生活が送れるようになりました。
しかしそんな平和な日々も長くは続きません。
ある時七罪と士織と父親が死んじゃいました。
養育費という名の母親の薬代が払えなくなっちゃいます。
母親は困りました。士織が高い金を持ってくるからお高い薬にも手を出してしまったのです。今頃安い薬なんかに帰られません。
そして母親はついに七罪を売春婦にしようとしました。士織の手によって可愛く育てられたため、これは売れるに違いないと母親は思いました。
母親のその計画を知った士織は、どうにかして母親を説得しようとします。
『私がもっと売春するから七罪だけには手を出さないでくれ』と
『どんな仕事でもやるから七罪にだけは』と
しかし母親は聞く耳を持たず、士織を何度も何度も殴り続けて、士織が気絶するまで殴りました。
もう士織はどうすることもできませんでした。
もう体が動きません。
士織はその時今まで唯一殴られなかった顔にすら手を出されました。
母親は2つも約束を破ったのです。
気絶し、朦朧とする中。
精一杯力を込めて顔を動かすと________
____________寝ている七罪を、連れ出そうとする母親を見て、士織は何かの糸がプツンと切れ、動かない体を無理矢理動かし、キッチンの包丁を持ちました。
それからの記憶は本人も覚えてません。
ただ意識が戻った後士織の手には血塗れの包丁と________
何度も
何度も
何度も
何度も
何度も刺された。
母親の無残な死体だけが________残っていました。
士織は母親の死体のとなりで寝ている七罪の顔を見て、その場で泣き崩れてしまいました。
そして七罪に何度も何度も謝りました。
それが本人に届かないと知りながら。
自分のしたことの罪の重さを背負いながら。
七罪に自分のせいで、これから辛い思いをさせてしまうから。
しかし後悔は先に立ちません。
________そして七罪は犯罪者の妹として語られていくのです。
めでたしめでたし
__________刑事さん達の話を要約するとこんな感じだったと思う。
七罪は言葉が出なかった。
自分の平和な生活をしてる裏で、お姉ちゃんがこんな事をしているなんて思っても見なかった。
「嘘……っ士織お姉ちゃんがそんな過去を……」
琴里もその事が本当の事だと思えず。
口を半開きにし刑事さんの話を聞いていた。
「残念だが、本人から事情聴取で聞いた事実だ……母親の薬物取引先や売春先の男達も士道_____士織さんのおかげであらかた逮捕ができた、お姉さんには感謝してもしれないよ」
令音さんが告げる。
そもそも母親に会わなかったのは、お兄ちゃんのおかげなのか。自分のために必死に一生懸命だったお兄ちゃんに私は、感謝と自分が何もしてやれなかった、気づけてあげられなかった後悔で涙が止まらなかった。
「なんで私なんかのために……っ…ひぐっ……」
刑事達や琴里も私の心中を察しているのか、どう声をかければいいのかと悩んでいるのかわからないが黙っていた。
私の泣き声だけが部屋に響く。
「ウウッ…ヒクッ…」
そんな中令音さんが告げる。
「君のおばさんおじさんは知っていたはずだが、多分七罪さんが罪を背負わないように士道くんから口止めされていたんだと思うよ……」
私はもうお姉ちゃんに対してどういう気持ちを向ければいいのか、わからなかった。感謝しても仕切れないこの感情をどこにぶつければいいのだろうか。本人はここにいないと言うのに。
ただただ私は泣いていた。
「………それで、それでしお……士道さんはどうなるんですか!!このまま一生牢屋の中で過ごせと言うんですか!!」
今まで黙っていた琴里が、大声で今まで士織に対する秘めていた感情をぶちまけるように刑事さんに質問した。
当たり前だ
こんな理不尽な話を聞かされて今お姉ちゃんは背負わなくていい罪を、私のために背負っている。
そもそも諸悪の根源は母親ではないか。何故士織がこんな罪を背負わないといけないのか。怒りでどうにかなりそうなのは琴里と私は同じだ。
「その件なんだが__________」
「__________なんとこの度士織が、執行猶予付きだが、釈放されることになってね、本当は今日その件について話す予定だったんだが……」
『本当ですか!?!?』
私と琴里の2人が同時に大声で反応した。
これほど嬉しい事は存在しない。
今すぐにでも士道に会いたい気持ちをグッと抑え七罪は刑事さんに質問する。
「それでいつ頃何ですか!!今すぐにでもお姉ちゃんに会いたいんですが!!」
あのバカ姉?兄?には一発かまさないと気が済まない。
もう会って今までの感謝と怒りをぶつけないと自分がどうにかなってしまいそうだった。
「手続きとか諸々込みで早くて1ヶ月……かな君達も気持ちを落ち着けて、彼……いや彼女?にあってくるんだ。多分いろんな感情が右往左往してると思うが少し待つんだよわかったかい。」
「はい!!!!」
私は一人大声で喜ぶように返事をした。
その後。
この事実を同じく士織の逮捕に反対していた、六喰や四糸乃にすぐに伝えた。
2人とも士織の過去には涙を流していたが、釈放されると知ったとき、四糸乃なんか嬉しさで、私に抱きついてきた。………尊さで頭がおかしくなりそうだったけど、六喰も四糸乃もお姉ちゃんを歓迎する気満々だった。
琴里はというと海外に行っているおじさんおばさんに、電話越しに怒っていた。今まで何故お姉ちゃんの事を隠してきたんだと。しかし私はお姉ちゃんが、私のネガティヴすぎる性格を知っているが故に、罪に囚われそうになる事を、知っていたからあえて黙っていたのだと思う。
おじさんおばさんにも、お姉ちゃんの意思を継いでくれた事を感謝しても仕切れない。
その後琴里がそれを弱みに漬け込み"ある事"を提案するのだが
おじさんおばさんは快くそれを受け入れてくれた。
まぁ琴里は2人が反対しても無理矢理押し通す予定だったようだが
____________________1ヶ月後
とある少年院の前__________
とある青髪の少女が出所しようとしていた。
私はそのとある少女を待ち少年院の門が開くのを待っていた。
そして門がガガガガガと開きその少女が見えてきた。
少女_____お姉ちゃんがこちらを見ると、驚いたような顔をした後気まずそうな顔で、こちらから目を逸らした。
そしてお姉ちゃんがこっちにきたら、私に向かって頭を下げてきた。
「本当にごめん。七罪。私のせいで……辛い思いさせて……犯罪者の妹なんて不名誉な思いさせちゃって、お姉ちゃんどんなに殴られてもいいからお姉ちゃん七罪になら何されてもいいよ……」
私は黙ってお姉ちゃんのいう事を聞いていた。
そしてお姉ちゃんが顔をあげた後。
________私はお姉ちゃんを抱きしめて大きな声で泣き出した。
それに困惑した表情をお姉ちゃんは見せるが、そんなのは関係ない。
「ごめんなさいぃぃ!!!お兄ちゃん……っっ今まで私のために無理させて……ヒック……少しでも疑った私を許してぇぇぇ………!!!」
私はお兄ちゃんを抱きしめて自分も思っていた事を全てぶちまけた。もうプライドなんて捨ててきた。お兄ちゃんが今までしてくれた事を知らずにお兄ちゃんを少しでも疑った事を、謝りたくて、謝りたくて、仕方なかった。
そしてお兄ちゃんは涙目になりながら私に告げる。
「そっか……私が元男って事、知っちゃったんだ……七罪今まで通り、お姉ちゃんでいいからね。いいんだよ七罪は何も悪くない。悪いのは七罪に何も言わずに行動しちゃった私なんだから……私の方こそごめんね………っっ」
「私の方こそ全然お姉ちゃんがやってきた事わかってなくて……!!っっ色々お姉ちゃんに甘えちゃって迷惑かけて……っっ!!!ごめんなさいぃぃぃ……!!!」
私とお姉ちゃんは、2人で抱き合いながらお互いの想いをぶつけた。
私がお姉ちゃんにしてもらった事を考えると、感謝してもし足りないのだが。私が泣き止むのと同時に迎えの空気を読むかのように琴里がやってきた。
「どうやら泣き止んだようね……2人ともうるさいから遠くにいてもいつ泣き止んだか分かっちゃったわよ」
どうやら今の琴里は黒モードらしい。
お姉ちゃんに再会するから白モードだと再会で私みたいになっちゃうからだろう。
「う、うるさいわね!!悪わったわね大声で泣いちゃって……」
「まぁまぁ七罪……どうして琴里ちゃんはここにいるの?」
なんで琴里がここにいるかとお姉ちゃんは不思議に思っているが
お姉ちゃんは知らない。
私と琴里とおじさんおばさんで計画した事を
「そんなの決まってるじゃない士織おねーちゃんを本当の私のおねーちゃんになってもらうために」
琴里は遠回しな言い方で士織に向けて言う。
そんな遠回しな言い方しなくても家族に入れてあげるって言えばいいのに……と私は思った。
それに対するお姉ちゃんの答えは__________
「……えっどう言う事?________まさか七罪を嫁にいかせるの……?うーんお姉ちゃん琴里ちゃんになら七罪をもらわれても嬉しいかなー……」
「「違うわよ!!!!!!!!!!」」
私と琴里が赤面しながら放つ大きな声のツッコミは
天然すぎるこのバカ姉を驚かせた。
___________________________________
「_____つまり七罪と同じく私の家族の養子になるって事。わかった???」
琴里は淡々とこれまでのお姉ちゃん家族化計画について話した。
お姉ちゃんは困惑した様子で
だけども嬉しそうな様子で琴里に向かって反論をする。
「わ、私前科持ちで母親を殺したような人よ……?」
「知ってる。なんならその殺した理由も知ってる」
「私本当は男なのよ?そんな変態でもいいの?」
「無理矢理女にされたんでしょ?そんなのどってこいよ、なんなら七罪お姉ちゃんって、ダメなお姉ちゃんよりよっぽど役に立ちそうだから、どんとこいよ」
「おい」
琴里は士織の質問に淡々と答えた。
少し私の癪に触るようなセリフを言ったが、そんなのは関係ない。士織お姉ちゃんが"もう一度"私の家族になってくれるんだから。
そして琴里が答える。
「よろしくね五河士織おねーちゃん♪」
「っ……ありがとう琴里ちゃん……っ……」
お姉ちゃんは言葉にならない喜び泣きをしていた。
私もお姉ちゃんに釣られて泣いてしまった。今日だけで一生分の涙を使い果たしたような気がする。
「話も済んだんだしお姉ちゃんの出所祝いに写真撮るわよ!」
私は琴里とお姉ちゃんに向かって言った。
お姉ちゃんはいきなりすぎて慌てふためいていたが写真を撮るための笑顔はきちんとできていた。
「じゃ!いくわよ!!3,2,1……」
そこには少し涙を浮かべた笑顔をした私と士織と笑顔の琴里の姿が映っていた。
この幸せが永遠に続くようにと希望を込めて
士織お姉ちゃんに今までの恩を全て返せるようにと願いを込めて。
Qタイトル詐欺じゃね?
A嘘はついてないよな嘘は
七罪さんの兄貴になるって事はそれは売春婦の息子なんだからちょっきんぱしちゃうよなぁ?(ちなみdies iraeってゲームが元ネタなのかな?)
まぁはいすっごい深夜テンションで書いたんで多少の誤字脱字は許されよ
因みにこれ描いてる時コロナかかってるのに朝の8時までこの小説書いてました。
多分起きたら黒歴史になってるやつ