高校生のラッパーがいろんなユニットとわちゃわちゃする話 作:トゥーループするトオル
杏ちゃんが落ち着いたので、今一度自己紹介をしておこう
「改めまして、俺は五十嵐時宗っていーます。よろしくね」
「あ、小豆沢こはねです!よろしくおねがいします!」
「こはねちゃんね、おっけー覚えた」
小豆沢こはねちゃん、この子は歌が上手い。いやこのクルーはみんな歌上手かったけど、この子はなんというか、あまり今のヒップホップシーンでは見ないような歌声をしてんだよなぁ。あ、勿論いい意味だぜ。すごい透き通っててキレイな声。杏ちゃんとかとはまたちと違うタイプ、弾き語りとかしたらめちゃくちゃ映えそう。
「あの、五十嵐さんと杏ちゃんは一体どんな関係なんでしょうか?」
「五十嵐さんは硬いな、普通に名前で呼んでいいよ」
「は、はい!分かりました、五十嵐さん……あっ」
分かっているのかそれは……?いやでも俺もよくやるなこういうこと。言ったそばから間違えるやつ。
「ゆっくりでいいよ。こういうのは人それぞれだからね。で、杏ちゃんと俺の関係の話だよね。……フッ、フハハハ!いいだろう!弱冠16歳にして武道館に立ったこの俺が!直々に教えて進ぜようじゃないか!」
「あ、ありがとうございます……?」
「あー、気にすんな、こはね。この人情緒がイカれてんだよ。これが平常運転だ。」
「今の五十嵐先輩、司先輩みたいだった」
「武道館!そういえば最近武道館公演のDVDが届いたんですけどやっぱりすっごいカッコよかったです!勿論現地には居たんですけど現地でしか味わえない臨場感とDVDでの綺麗な音で二度美味しいというかなんというかもーとにかく最高でした!」
「彰人は後で絞めるとして、杏ちゃん少し落ち着こう」
あと冬弥は司大好きかよ
「ハァ!?わけわかんねー」
「彰人、お前は今かなり失礼なことを言っていたぞ。自覚を持ったほうがいいんじゃないか?」
「うっ…」
うわー、一番心に来るやつだ。こういう悪意なきマジレスが一番辛いんだよな。わかるぞわかる。辛いよなぁ彰人。もう抱きしめてあげたい!
「さぁ彰人!俺の胸に思いっきり飛び込んでおいで!」
「は?」
「すまない彰人、お前が言っていたことは妥当かもしれない」
「冬弥!?」
オヨヨヨー……冬弥まで彰人を擁護するのか?俺に味方はいないのか……
「時宗さんが抱きしめくれるっていってるのに何やってんの彰人!?早く行けよ!オラッオラッ!」
「ちょ!おいやめろ杏!蹴るな!」
「杏ちゃん!?お、落ち着いてー!」
「あらあら、強かだわねぇ最近の若い子は」
すごいパワーだねぇ全く、わたしゃビックリして腰抜かしちまったよ。
「言ってる場合かぁ!?アンタのせいでこうなってんだよ!」
「彰人、その呼び方はないだろう。五十嵐先輩は一応先輩なんだぞ」
「ありがとう冬弥。でもいま君一応って言ったよな?」
実は冬弥俺のこと嫌いだったりしない?
「つーか!こはねは杏と時宗さんの関係について知りたいんだろ!?さっさと話してくれよ!」
「あっ、言われればそうだったな。おーけおーけー、じゃあこはねちゃん、俺と杏ちゃんの関係について少し話そうか」
「あ、やっと……じゃなくて!おねがいします!」
あ、待たされてるとは思ってたんだ。申し訳ないな。
◆
「と、まぁこんな感じかな」
「へぇ、つまり杏ちゃんと時宗さんは師弟関係みたいな感じなんですね」
「師弟関係、意識したことなかったけどそうかもね。よく色んなこと教えてたし」
「時宗さんの弟子!?私が!?……確かに色んなこと教えてもらったけど恐縮だよ!」
「恐縮って、杏お前、そんな難しい言葉使えたんだな」
「バカにしてる?してるよね?殴る」
「落ち着くんだ白石」
短い上に話が全く進まないのどうにかしてください。
自分でどうにかしろ?あ、そっすね、はい。すんません。
時系列的にはSTAYGOLDに出る前。ですが書きたいと思った話を書くのでいずれは時系列があーだこーだとか言ってられなくなります。というかプロローグとこの話でもう既に時系列おかしくなってます。
あと、主人公の設定がだいぶ固まってきました